後継者育成(Succession Planning)の実際

最近様々な人と話したり情報を見る中で、後継者に関する話題が多くなってきていると感じます。タレントマネジメントの話をすると、まず真っ先に出てくるのが、「後継者育成をどうするか」「社内人財育成をどうするか」といった話題です。

これは、2012年にMcKinseyとThe Conference Boardが共同で発表しているレポート(注1)においてもすでに明らかになっています。この中で、500以上の企業に調査を行った結果、人的資本に関しての「現在」と「未来」の優先度で最も高いのがリーダー育成と後継者マネジメントとなっています(60%以上の企業が優先度トップ3に挙げている)。

後継者は一朝一夕でできあがるものではないと思います。いわんやCXOレベルの後継者ともなると、一層その育成は難しいものになります。そのための施策を考え実行している企業もあるでしょうし、その円滑な実行を支援する弊社の提供するようなシステムを導入している企業もあると想像されます。

では実際のところ、後継者育成のために企業は何をしているのか。
今月、企業再生プロフェッショナルファームのアリックスパートナーズが発表した調査レポートに面白いデータがあります(注2)。

100以上の企業の役員クラスや企業オーナーに調査をした結果、その1/3は特に何も準備していないというのです。そうでない企業は、たとえばOJTで複数部署にまたがって業務をさせたり、コーチをつけたり、アセスメントを使ってコンピテンシーを理解したり、といったことが挙げられます。

さらに驚くべきは、CEOを決める際に、社内インタビューとせいぜい一つのアセスメントのみによって決めるケースが半数近くあるといいます。

つまり、まだまだ世の中の経営者は「感覚」ベースでのみ採用、育成されている現状が見えてきます。対象は人なのだから、そんなに簡単に定量的・定性的に分析することはできない、という議論もあるでしょう。しかし、だからこそ集められるデータは集めてこそ多面的に対象を捉える必要があるのではないでしょうか。そこから浮き上がるその対象の特性が見えてくるのだと思います。ちなみに、私の前職だったコンサルティングの仕事でも、リーダー評価をする際には必ずといっていいほど複数の方法をおりまぜて総合的に行うようにしていました。最後には人が判断する必要はあります。が、その判断をするうえでの材料をできるだけ集積し、分析し、見える化させる。これが仕組みとしてきわめて重要だと考えます。

それをどうやるか。
それはまた別の機会に書くことにします。 
注1)The State of Human Capital 2012
http://www.mckinsey.com/~/media/mckinsey/dotcom/insights/leadership/decoding%20leadership%20what%20really%20matters/state_of_human_capital_2012.ashx
注2)CEO Succession: Start Now, Mitigate the Risks
http://www.alixpartners.com/en/LinkClick.aspx?fileticket=fAU8D0pBRgk=&tabid=635

著者情報

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諸橋峰雄 | Neo Morohashi, Ph.D.
執行役員 コーポレート戦略部 部長 | Head of Corporate Strategy, CYDAS Inc.

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