影響力のある人材の可視化

お客様と話していて出てくる課題の一つが「リーダーの抜擢人事」です。

新規事業を任せたい人材や、次世代幹部候補として期待する若手を発掘して適切に配置をしたい ー そんな考えから出てくる課題です。

これまでであればこれは予想以上に厄介な課題です。

たとえば組織構造から「対象人材」を探そうとすると、役職の付いている人材をベースに考えていけばいいかもしれません。しかし役職が付いているからといってリーダーやマネジメント能力の適性があるとは限りません。たまたまその職種が向いていて、かつ長いことその職務に関わっていたために昇進・昇格したという可能性もあるからです。特に日本で長いこと使われてきた「職能型」「年功序列型」の人事制度が残っているとこのリスクは大きくなります。

一方、現場に依頼をして「対象人材」を推薦してもらうこともなかなか困難です。優秀な人材であれば、当然現場のトップは囲い込みをしたいという心理が働きますので必ずしもトップパフォーマーを推薦してくるとは限らないからです。私が以前お手伝いをしていた社内リーダーシップ育成プログラムでも、現場から人材を出してもらってやったことがありましたが、将来の役員クラスに適切か疑問を感じる人材も少なからず入っていました。

上記のように、人事が探す場合、現場トップに依頼する場合ともになかなか適切な人材が出てこない可能性があるということです。

ではどうすればいいのか。

ひとつの方法は、現場トップではなく現場の意見を把握することです。普段一緒に仕事をして話をしている人であれば、「対象人材」の能力や影響力を一番理解していると考えるのは自然です。現場が評価している人を可視化すれば自ずとリーダーとして影響力を持つ「対象人材」を特定しやすくなります。現場が「この人は有能」「この人は信頼できる」と考える人材はより客観性のある情報として考えられます。

組織ネットワーク分析(Organization Network Analysis)という分野でこういうことができるようになってきています。組織を、構造ではなくソーシャルネットワークとしてとらえ、人間関係の強さやコミュニケーションの質を理解しようとする分野です。

サイダスでは以前からハンガリーのMaven7(http://maven7.com)という会社とパートナー関係を持っており、彼らが開発したOrgMapperという製品の日本語版を国内で展開しています。現場の関係者が20問程度の簡単な質問に回答するだけで、影響力を持つ人材(インフルエンサーと呼んでいます)をあぶり出したり部門内や部門間のコミュニケーションの質を特定できるようになっています。

このOrgMapperを使って影響力を特定できると、上記「リーダー人材の抜擢」ということにもつながります。それだけでなく、この人材は現場で信頼されている人材ということもあるため、組織変革をする際に主導的な役割を担っていただいたり(チェンジマネジメントにおけるチェンジエージェント)、組織デザインをする際にこの人材を中心とした構造を考えるということもありえます。

組織における人材を可視化すること。それも「影響力のある人材」を可視化できると嬉しいことがたくさん出てくるのです。

なお、現在サイダスではこのOrgMapperのご利用キャンペーンを実施中です。ご興味のある方はお気軽にご連絡ください。

Photo by Robert Murray on Unsplash

著者情報

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諸橋峰雄 | Neo Morohashi, Ph.D.
執行役員 コーポレート戦略部 部長 | Head of Corporate Strategy, CYDAS Inc.

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