アンケートは回る

前回の私のコラムでは「グラフ」に踊ってもらいましたが、今回は「アンケート」に回ってもらいます。

今年の5月、全国の小学生12万人が選ぶ「こどもの本総選挙」(ポプラ社主催)で『ざんねんないきもの事典』(高橋書店)が見事一位に選ばれました。私も書店でみかけて衝動買いをした一人ですが、「続・ざんねんないきもの事典」と合わせて177万部を突破、まだ売れ続けているそうです。大人でも楽しめる内容ですので、興味を持たれた方は是非・・・


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それはさておき、今回の話は「残念な家電」アンケートです。
ダイヤモンドオンライン6月9日号に「残念家電ランキング&アンケート」という記事がありました。以下、そこからの引用です。

---(引用はじめ)
ミキサーやロボット掃除機、美顔器……。これは欲しいと喜んで買ったのに、今は全然使っていない家電製品がありますよね。どんなものが押し入れで「ホコリをかぶる」のか。ベストセラーの『ざんねんないきもの事典』ならぬ、「ざんねんな家電事典」を紹介しよう。

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家電ライター・藤山哲人さんの順位(週刊朝日 2018年6月8日号より) 

リクルート住まいカンパニーが運営する不動産情報サイト「SUUMO」の編集部は、家電に関するアンケートを2016年にした。「買ったけど使っていない、もしくは無駄になってしまっている家電」について聞くと、次のような結果になった。

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本誌(週刊朝日)でも4月から5月にかけて、ネットを通じて「買ってみたけど使っていない家電、期待はずれだった家電は?」というアンケートを実施。約230人が回答してくれた。

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週刊朝日のアンケートに寄せられた主な“ざんねんな家電”(週刊朝日 2018年6月8日号より)

(引用終わり)


3つのアンケート結果を見てみると、「美容家電」「高圧洗浄機」などの機能専用型家電、ついで「たこ焼き器」「ワッフルメーカー」「ホームベーカリー」などの自分で作る系家電が共通してランクインしています。機能専用型が「ざんねん」になってしまう理由は『良く考えたらそう何度も使わない』『思ったほどの効果がない』。自分で作る系が「ざんねん」になる理由は「準備に手間がかかる」「材料費が高い」「後片づけが面倒」「買った方が美味しい」などにありそうです。

それぞれの結果を見ていると、あ~、あるある・・・と自分で買ってしまったものや知人宅で邪魔にされているものなどがあり、非常にリアリティのあるランキング&アンケートです。利用者の声もリアルで、そうだよねぇ、とうなずけるものばかりです。

とはいえこの「ざんねん家電アンケート」にランクインした家電は、間違いなくある年(およそ2~3年前)の『欲しい物ランキング』や『これからはこれが買い!』『今年の新商品マスト・バイ』などに載っていたはずです。そんなアンケート結果とマスコミの煽り文句に乗せられて買ってしまったものの・・・あっという間に「ざんねん家電」入りをして、キッチンやクローゼットでほこりをかぶっている。「欲しいものランキング」から「ざんねん家電ランキング」へ、まさにアンケートは回っているのかもしれません。

そもそも「これ欲しいランキング」を集計するためのアンケートには、出版社や家電メーカーの「売りたい」思惑(下心とも言います)が込められています。当然、選択肢として取り上げられる家電製品も「欲しい」という回答が集まりそうなもの、もしくは集めたいものが並ぶことになります。(アンケート実施の前に「今年はこれが売れる・流行る」というような記事を掲載して、消費者を煽ることも彼らは忘れません)

時には、アンケート回答者を恣意的に抽出することや、事前に「この製品を選んでね」と仕込むことすらあると聞いています。その結果、いかにも「売れそう・流行りそうランキング」ができあがるものの、見たようなメンバーが2~3年後には「ざんねん家電ランキング」入り、とそんな構造なのではないでしょうか?

もちろん、中には「ざんねん家電ランキング」入りを免れて活躍中の家電も数多くあると思います。が、「ランキング」や「アンケート」に踊らされて買ってしまわないように、賢い消費者になるには、本当に無いと困るの?使用頻度はどのぐらい?買うことと作ることのコストパフォーマンスはどう?自分で作ることにいつまで楽しみを感じられる?等々、慎重な検討が必要なのかもしれません。

ただ、家電メーカーの方には申し訳ないのですが、この「ざんねん家電事典」は是非、毎年(と言わず半年ごと)に作っていただきたいものです。できれば、その「ざんねん家電」達がいつの「マストバイランキング」に載っていたか、という情報付きで・・・

さて拙宅にもある「ざんねん家電」、面倒だと思わずに使うことにいたしましょう。せっかく縁あって我が家に来たのですから。

 

Photo by Luo ping on Unsplash

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青栁伸子
コンサルティングチーム ディレクター

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