社員をタイプに分けることは有効か?

タレントマネジメントを運用されるお客様やコンサルティングを依頼されるお客様の多くが「社員をタイプ分けしたい」とおっしゃいます。

階層別、リーダー・フォロワー、イノベーティブ・オペレーティブ、ハイパフォーマー・ローパフォーマなど、社内の人材をタイプに分けるとどのような分布になるのか、という見える化の観点から、また育成や次世代リーダー選抜に活かすためにタイプ分けを望まれるようです。


軸のとり方や数値の設定はしっかり考える必要がありますが、社員をタイプ分けすることは、会社にいる人材の全体像を知る上でとても有効な手段だと思います。

例えば、一番分かりやすく古典的なタイプ分けは、性別です。2001年に出版された本(『ベスト・パートナーになるために』著者:ジョン・グレイ)で「男と女は火星人と金星人ほど違う生き物であり、そのためにさまざまな問題や誤解が生じている」と言われたとおり、確かに価値観やモノの見方、ライフスタイルなど男女の違いというのはいろいろなところで取り上げられます。結論を報告してほしい男性上司、プロセスの話を聞いてほしい女性部下の例など、「生物学的な違いで生まれる男女間のあるある」は、ビジネスに限らずあらゆるシーンの事例があり、「あるある」と頷かれた方も多いのではないでしょうか?



しかし昨今、女性の社会進出などもあり男女の求められる役割は大きく変わってきました。働く女性が増え、家事を求められる男性。仕事の責任と家事を完璧にこなさなければという責任の両方を担う女性。年功序列ではいられない、あらゆる企業が生き残りをかけ成果を出し続けなければならない社会において、女性は男性化することを求められ、同時に顧客志向やホスピタリティ、きめ細やかな配慮を求められる社会では男性は女性化することを求められている感じがします。

また、どうしてもタイプ分けすると、バイアスがかかります。上の例文もある一定のバイアスがかかった状態で書かれていますが、社員をバイアスがかかった見方をすることで、本当に持ち合わせている「可能性」を見逃す可能性があります。これは可能性を伸ばす施策(例えば人材育成)を実施する場面においては、非常にもったいないロスとなります。


人を取り巻く環境は日々変化しています。年次・性別・職種などでタイプ分けし、シンプルに人材を分析することは、「はじめの一歩」として「大枠を把握」するためにはおススメです。またプロジェクトへのアサインや配置などの組み合わせを考える上では有効です。

しかし、本当の意味で人材の活躍やそのための人材育成を考えられる際には、ぜひ「人は動的なものだ」ということを忘れないでいただきたいです。今置かれている環境、相対している人によって、人の役割は異なります。それぞれの人は違う生き物であり、その時々で人は変化するものです。そして、その違いや変化を見るのに、データを有効なツールとして活用いただきたいのです。


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