人が動く瞬間にはエンタメがある システム活用でコミュニケーションを活性化

人が動く瞬間にはエンタメがある システム活用でコミュニケーションを活性化

JTBコミュニケーションデザインは、MICE、プロモーション、組織活性・人材育成といったtoB領域から、スポーツ、エンタテインメント領域に至るまで、コミュニケーションを軸に複数の事業を展開する企業です。今回は、システム導入を担当した総合企画部DX推進プロジェクトの田中裕司さんにインタビュー。「エンタメ」をキーワードに、導入の背景やシステムを組織へ浸透させる工夫、これからの展望についてお話を伺いました。

サイロ化した組織だからこそ、コミュニケーションのハブが必要だった

ーシステム導入以前の課題について教えてください。

 

私たちJTBコミュニケーションデザインは、コミュニケーションを軸に多数の事業を展開している企業です。複数の会社が経営統合した結果、現在のような事業部制の組織になりました。そのため、ビジネスモデルや専門性、カルチャーは事業部によってバラバラ。組織がサイロ化していて、隣の部署が何をやっているのかさえよくわからないという課題がありました。
また、新型コロナウイルス感染症をきっかけに始まったリモートワーク中心とした勤務体系も、そうしたサイロ化の状況に拍車をかけています。柔軟な働き方ができるようになった反面「会社にきて声を掛け合う」「休憩室で話をする」といった偶発的なコミュニケーションが起こりにくくなっていました。
事業部間の連携を強化し、会社としての一体感をつくりだすために、コミュニケーションの活性化は急務でした。

田中裕司さん 株式会社 JTBコミュニケーションデザイン 総合企画部 DX推進プロジェクト プロジェクトリーダー (2022年12月1日現在)

今回のシステム導入は、私の所属している総合企画部のDX推進プロジェクトと人事課が共同で進めていきました。DX推進プロジェクトとは、会社に存在するあらゆる課題をデジタルで解決する、DXに関する何でも屋のような存在。今回のような組織課題に関係することはもちろん、営業ツールや効率化ツールの選定にも関わっています。

「社内のコミュニケーションが不足している」「どんな人材がいるのかわからず、それぞれの才能や能力をいかしきれていない」という課題の解決は、まさにDXの出番です。そこで、DX推進プロジェクトのチームが中心となってシステム選定をした結果、サイダスの導入が決定。システムを活用した人材データベースの一元化と可視化、コミュニケーション活性化を進めていくことになりました。

大切なのは、使いたくなるデザイン性と機能性

業務システムを導入するときに大事なのは、社員に押し付けないことだと思っています。特に弊社のようなプロフェッショナル集団の場合、細かいルールを増やすだけではうまくいきません。
サイダスには、ユーザー目線で考えられたデザイン性と機能性があります。一度使ってもらえたら、その良さを必ず実感してもらえると確信していたからこそ、強制力を働かせるのではなく、ログインの機会や興味のきっかけをつくることにフォーカスして、施策のアイデアを持ち寄りました。その結果、メールマガジンをつくることになったんです。

組織に根づくシステムにしたい
メールマガジン施策でログインのきっかけを

ーサイダスを知ってもらうためのメールマガジンということですね。どういったコンテンツを配信しているんでしょうか?

 

メルマガでは、意外な職歴を持っていたり、学生時代にスポーツで活躍をしていたりといった「ユニークな社員、気になる社員」を紹介しています。取材対象は、サイダス上に登録されているプロフィールから見つけます。プロフィールにある情報は断片的ですから、取材を通じてその人物の魅力を深掘りした上で、メールマガジンのコンテンツに仕上げるわけです。
施策を開始してから月2、3本のペースで継続して配信を続けており、半年で約20本に。メルマガ上にサイダスへの導線をつくることで、システムのログイン率も順調に上がっています。
また、このメルマガ施策には「同じ会社で働く人々の新しい一面や知らなかった才能に出会うきっかけをつくりたい」という狙いもありました。最近では、他部署の社員から「メルマガ見てるよ」と声をかけられることも増え、少しずつではありますが、社内コミュニケーション活性化の下支えになっていると感じます。

エンタメが人を動かす コンテンツの質にこだわった理由

ーサイダスへの導線として機能していることはもちろん、読み物としても面白いメールマガジンですね。

 

コンテンツの質には徹底的にこだわっています。
エンタメを意識しないと予定調和なことしか起こりません。コミュニケーションには、ある種のエンタメ要素が必要不可欠だと思っているんです。「ワクワクすることのエネルギーを追い風にする」ことは、あらゆる施策を推進する前提条件として考えています。

サイダスのような業務システムはインフラなので、導入したらすぐに目に見える効果が出るわけじゃない。しかし、心踊る瞬間さえあれば、日々の業務で自然と使われるシステムになりますし、気づいたら手放せない存在になるはずです。そんな風に、サイダスを組織全体へ浸透させていきたいと考えています。

1on1をブラックボックス化させない取り組み

ーサイダスの1on1サポート機能「1on1 Talk」も利用されていますよね。

 

1on1の実施状況や満足度を計測するツールとしても、サイダスを活用しています。
1on1を制度として定めたのは2020年。緊急事態宣言が発令された4月からリモートワークに切り替えたことで、コミュニケーションが不足し、マネジメントやチーム間の連携に課題を感じたのがきっかけでした。とはいえ、当時は1on1の実施状況を確認する術はなく、部署によって実施の頻度や質もバラバラで、現場からは不満の声が出ていました。
サイダスの導入後は、実施状況や満足度のデータを人事課が俯瞰して確認、分析することができています。また、システムの存在が1on1をする動機の一つにもなっているようで、1on1の実施頻度は全社的に増え、満足度アンケートの結果も向上しています。

社員の相互理解を深め、自由なアイデアをうむプラットフォームに

ーこれからシステムに期待することを教えてください。

 

サイダスの魅力は、情報提供をする側になることもできれば、自ら情報を探しに行くこともできる、双方向のコミュニケーションが誘発される設計にあります。現在は、DX推進プロジェクトや人事課が主体となってシステムの活用を促している段階ですが、ゆくゆくは社員の相互理解を深め自由なアイデアを生み出すプラットフォームとして、一人ひとりにとって欠かせないシステムになって欲しいと思います。

プロフィールや検索の機能も、よりアクティブに活用していきたいです。システム上で特定のスキルや経験、キャリア志向をもった人材を見つけ出すことができるので、新しいプロジェクトの立ち上げや人材配置の際にも、適切なアサインが実施できると期待しています。
将来的には、社員側から「この仕事にチャレンジしてみたいです」と手を挙げることのできる仕組みをつくりたいですね。

また、最近は中途採用を積極的に進めています。僕自身も中途で転職してきたのですが、最初は人間関係のキャッチアップやコミュニケーション機会の創出に苦労しました。新しく入社した人が、すぐ組織のカルチャーに溶け込み活躍するためにも、サイダスのようなコミュニケーションハブは重要だと考えています。

異なる才能とカルチャーを束ね、シナジーをうむ

先ほど、事業部によって異なる強みやカルチャーがあるという話をしましたが、「違い」こそが新しいシナジーをうみ、より大きな成果につながるはずです。
しかし、そうした理想的な状況をつくり出すには、組織を横軸で見て全体最適をはかるチームが必要不可欠です。それが人事課やDX推進プロジェクトであり、重要な武器としてサイダスがあるのです。
これからも、サイダスを活用してたくさんのコラボレーションを起こし、組織をよりドライブさせていきたいと思います。
(※本記事は、2022年12月1日現在の内容です)

人が動く瞬間にはエンタメがある システム活用でコミュニケーションを活性化
株式会社JTBコミュニケーションデザイン(JTB Communication Design, Inc.)
創立:1988年4月8日 (2016年4月1日 株式会社JTBコミュニケーションデザインとして営業開始)
社員数:1,284名(2022年4月1日現在)
資本金:1億円
事業内容:MICE、プロモーション、組織活性・人材育成、スポーツ、エンタテインメント領域
ウェブサイト:https://www.jtbcom.co.jp/
導入規模:700名
利用開始:2022年4月
  • 専門サービス
  • 1000名以上
  • コミュニケーション活性化

業種別のよくある導入目的

  • 金融業

    データの一元化/属人化しない配置/育成・キャリア開発/厳しいセキュリティへの対応

  • 製造業・メーカー

    多拠点・多事業所のデータの一元化/研修状況・資格の見える化/管理職の適材適所

  • 建設業

    スキル・資格とプロジェクトのマッチング/1on1で現場育成/成果の見える化

  • 小売・サービス業

    データの一元化/最適配置/リーダー育成/キャリアパス明確化/エンゲージメント向上

  • 士業

    スキル・資格・業務内容・成果の見える化/納得感のある評価/従業員満足度向上

  • 介護・福祉

    人材の定着化/戦力の早期育成/安心感のあるコミュニケーション/働きがいの創出

トップ