2020.05.11

時間を無駄にしない!1on1の効果的なやり方

時間を無駄にしない!1on1の効果的なやり方

1on1は企業で新たな人材育成を促すために導入されている制度です。すでに導入したり、これから導入を検討したりしている企業が増えているなかで、導入において具体的な方法や注意すべきポイントがまとめられているツールはまだ少ない傾向にあります。この記事では「1on1を実施する目的」「導入時においての注意点」などを詳しく紹介します。

1on1の意味とその目的とは

1on1は上司と部下が定期的に時間をとり個別面談を行います。月に1度実施しているケースもあれば、週に1度のペースで実施している場合もあります。個別面談というイメージから、上司が部下に対し業務の進捗状況を一方的に確認したり、部下に注意をしたりするような場を想像するかもしれませんが、そうではありません。あくまでも、部下がどのような仕事上の課題や悩みを抱えているのかを共有し、適切に把握するために設けられたミーティングです。

1on1を実施する上司としては、ときには部下が困っていることが把握できていなくて悩むこともあるでしょう。また、部下に対して何を話したらよいか迷ってしまうこともあるかもしれません。しかし、定期的に1on1を実施していけば、お互いに打ち解けて話しやすくなることもあります。その結果、上司は部下の現在の状況を適切に理解し、しっかり把握することができるようになり、正しいフィードバックをすることができるようになるでしょう。これが1on1を実施する意味と目的です。

1on1で得られる効果とは

1on1のミーティングを導入することで、さまざまな効果が期待できます。そのため、期待していた効果を最大限に活用するためには、適切な運用方法についても知っておく必要があります。

1.部下の成長

1on1を適切に運用することができれば、部下の成長に大きな効果を及ぼすことができます。なぜなら、1on1を定期的に実施していくことで、部下は常に仕事上で成功したこと、うまくいかなかったこと、迷惑をかけてしまったことなどを振り返る習慣がつくようになるからです。このような習慣づけの意味でも1on1は実施する価値があるでしょう。さらに、上司もこれらの課題や成功例などを定期的に部下と共有しているため、常に部下がどのような問題を抱えているのか、なにを考えているのかなどの状況を把握しやすくなります。

その結果、部下は自分の仕事を振り返り、その経験と向き合うことで成功パターンや失敗パターンの蓄積ができるようになり、今後の仕事で気を付けるべきポイントや課題がみえてくる可能性があります。また、精神面でもなんらかの気づきがあるかもしれません。一方で、上司も部下と1on1で共有した課題や悩みをもとに的確なアドバイスができる可能性が高く、部下の成長に貢献することができるでしょう。さらに、部下の隠れた適性や可能性を見いだすことも可能になります。あらゆる角度から部下の成長を促してくれるのが1on1のメリットのひとつです。

2.上司と部下との信頼構築

上司と部下の関係ではあるものの、お互いが常に忙しくコミュニケーションがなかなかとれないケースもあります。1on1を実施すると、定期的にお互いの話ができる機会が設けられるため、自然に親近感がわくようになるといった効果が期待できるでしょう。一般的に部下の立場では上司に対してある程度の距離感があるものです。しかし、1on1ではお互いをよく知る時間を確保することで、双方で普段から考えていることを共有できるため、活発なコミュニケーションの場としても有効といえます。

その結果、ときには部下も個人的な悩みや将来の目標など自身の話をしやすくなり、上司と部下との間で信頼関係がスムーズに構築されていくことも1on1の効果といえます。信頼関係がしっかり構築されれば、日常の業務効率化にも貢献します。

3.上司が部下や現場を理解度の向上

上司の立場ではひとつの業務を深堀りするのではなく、全体をマネージメントしなければなりません。そのため、現場で仕事をしていたり、お客様と普段のコミュニケーションをとっていたりするのは部下であることが多く、日々の変化や進捗まで細かく把握することが難しくなる場合もあるでしょう。ときには、現場で大きな問題を抱えているにもかかわらず、急ぎではない仕事を上司が依頼してしまい現場が混乱してしまうような状況になることもあります。部下の立場からすると、直接上司には言えないまま困惑や混乱がさらに広がる可能性も高いでしょう。

1on1はこのような現場の理解不足の解決にも役立つ方法です。なぜなら、部下が1on1で定期的に困っていること、仕事上で発生しそうなトラブルなどを事前に上司と共有できる時間が設けられているため、上司は現場がどのような状況なのかを理解しやすくなるからです。上司によっては、すべての現場に足を運ぶことが難しいケースもあるでしょう。しかし、現場を把握するのも上司の役割として重要です。部下だけでなく、上司の立場としても1on1は部下のおかれている状況の把握がしやすくなります。

さらに、部下の家庭の事情や、性格などを細やかに把握することができれば、部下も上司が理解してくれることに対して安心感を覚えます。結果的に部下の仕事のパフォーマンス向上も期待できる可能性が高いです。

4.部下のモチベーションを向上

部下の仕事に対するモチベーションは、それぞれの置かれている状況により常に変化しています。1人の部下のモチベーションが下がってしまうと、周囲にも少しずつ影響を及ぼすこともあるので注意が必要です。さらに、退職する人が少しずつ増えていけば、残された社員に多くの負荷がかかり、退職者が続けて出てしまう、といった悪循環に陥りかねません。そのため、なぜ部下のモチベーションが下がっているのかを、上司はしっかり把握しておく必要があるでしょう。

1on1は部下のモチベーション向上にも効果が期待できるでしょう。たとえば、「どのようなことでモチベーションが下がったか」「仕事の進め方に対して意見はないか」などのヒアリングを実施することを検討するのもひとつの方法です。部下が本音を話してくれるように、コミュニケーションを継続していくことが大切なポイントです。部下からの課題が理解できれば、改善の方法がみえてくることがあります。さらに、部下は上司が問題に対し理解を示してくれたことで信頼する気持ちが生まれるでしょう。その結果、仕事に対するモチベーションの向上につながります。モチベーションの高い部下が増えていけば、利益にも貢献していく可能性が高いです。

1on1を行うために重要なポイント

1on1を導入することは、さまざまなメリットがあります。しかし、適切に実施していくためには気を付けなければいけないポイントがあるため、導入には注意が必要です。導入時だけしっかり行ったとしても、現場に任せておいたままにすると時間の経過とともに本来の目的からそれてしまうこともあります。また、1on1自体が形骸化する可能性も高いでしょう。

1on1実施時には事前の準備が必要です。ひとつは、1on1を実施する部下の情報を事前にしっかり把握しておくことが大切なポイントといえるでしょう。スムーズな1on1を行うためには必要な作業です。

具体的な1on1の進め方

1on1を効果的に実施するには、正しい進め方を確認しておくことが大切です。ミーティングのフローを事前に確認しておけば、スムーズな運用が可能です。

1.1on1の目的を部下に伝える

上司から1on1を実施する目的をしっかり説明し、部下が目的と内容を理解する必要があります。部下のなかには、上司と直接話をするのは緊張してしまったり、不安に感じていたりする状況も考えられます。また、業務の進捗を厳しく管理されるのではないか、といった誤解が生じる可能性もあるでしょう。そのため、実施前には部下が不安にならないように、しっかり目的を伝えることが大切です。

1on1は部下を管理する手段ではないこと、あくまでも部下がどのような課題を抱えているのか、悩みがないかなどといった話を聞くためのものだということを伝えるとよいでしょう。また、部下によっては仕事上やプライベートで仕事に支障があるかもしれない都合の悪い話をしたことで、人事評価に影響するかもしれないと考えることもあります。そのため、人事評価には影響しないものであること、上司が部下をサポートして成長につなげるためのものであることを伝えておくことも大切です。

2.日程や頻度を決める

会社により1on1を実施する頻度はさまざまです。頻度が多すぎると感じてしまえば、1on1は形骸化しやすくなります。一方で少なすぎる場合には情報の共有が遅れてしまい、状況把握ができないといったケースもあります。ときには話し合った内容を忘れてしまった、ということにもなりがちです。それぞれの会社や部門で適切と感じられる実施頻度が異なる可能性があるため、日程や頻度を決めるときには慎重に行いましょう。可能であれば週1回、少なくとも月に1回は1on1を実施することが望ましいです。

一方で、部下の仕事内容によっては実施頻度が多いほうがよい、少ないほうがよいといったケースも想定されます。実施する頻度については、部下と相談しながら決めていくとよいでしょう。さらに、実施する曜日や時間帯も大切です。朝の早い時間や、月曜日と金曜日は避けたほうが効果的な1on1を実施しやすいです。なぜなら、週末と週明けは話した内容を忘れやすいこと、朝はすぐに業務を開始したい部下も多いはずなので、できれば午後で週の後半に実施することがおすすめです。また、ときには急遽予定が入り1on1をキャンセルしなければならない場合もあります。その際には、キャンセルしたままにせず、その場で次の1on1の予定を入れるようにしましょう。

3.当日のテーマを決める

会議をするときにはテーマを決めておかないと、結論が出ずに時間だけが経過してしまうことがあります。1on1も同様で、当日どのようなテーマについて話すかを事前に決めておけば大切な時間を有効に活用できます。たとえば、部下が具体的にどのようなことで困っているかについて話すのであれば、その内容について会話するという流れを作っておきます。一般的に当日のテーマは上司が決めますが、1on1においては部下の問題解決や改善のための時間なので、仮に部下からテーマを提示されるのであれば、そのテーマを優先するとよいでしょう。

4.当日の進め方を考える

1on1の進め方は、上司が決めるというよりも、部下と相談しながら決めていくとよいでしょう。そのため、上司は事前にどのように進めたらよいかを事前に考えておき、部下と確認しながらベストな進め方を模索することが大切です。たとえば、部下によっては最初に課題があったほうがよいと考える場合もあります。一方で、課題が見当たらないので話し合いをしながら、課題を特定していきたいと考えている部下もいます。

部下が心地よいと感じる進め方で1on1を開始したときに、必ず冒頭で当日話し合う課題についてお互いに再確認を行います。話し合いが終了する前に上司は話の内容を総括することも大切なポイントです。今後その課題についてどのようなサポートを行うことができるのかなど具体例を提示するようにしましょう。

5.1on1を実施する

1on1を実施するときに、部下によっては緊張している場合もあります。そのため、冒頭で簡単な雑談をしたりするなどお互いが打ち解けやすくなるような雰囲気づくりをすることも必要に応じて行いましょう。部下が話しやすいと感じてくれれば、1on1もスムーズに進みます。さらに、話をしているときにはしっかりメモをとり、部下の話の内容を議事録で残しておくことも大切なポイントです。次回1on1を実施するときにも役に立ちます。

6.振り返りと次回への軌道修正

1on1が終了したら、話した内容を振り返るためにメモをお互いに共有しておくとよいでしょう。情報を共有しておくことで、次回の1on1がスムーズに進みますし、次の課題についてもあわせて決めておき、メモに残しておくことで効率良い1on1が実施できるでしょう。

1on1の事例

1.ヤフー

1on1を導入し業務効率が向上したケースです。ヤフーでは上司が多忙なために部下とのコミュニケーションが欠乏した状態にありました。その結果、業務の混乱やトラブルが起こり業務効率が悪化していることをきっかけに、1on1を導入しました。強制的に上司と部下が話し合いをする時間を確保しコミュニケーションを持つことを実現させたのです。

社内で1on1のガイドラインを作成し、上司が部下の話を聞くための3つのスキルを整理しました。コーチング、ティーチング、フィードバックなどのスキル強化を行ったところ、上司と部下の理解が深まりコミュニケーションが活発化したことが認められました。さらに、社内でも1on1が役に立っているという声が聞こえてくるようになりました。社員の9割が2週間に1回以上、30分ほどの1on1を実施しており、社内の人材育成においても大きく貢献をしています。1on1は企業が抱えるさまざまな課題の解決に役立つことがわかっています。

2.クックパッド

クックパッドでは、働くエンジニアがチーム制を導入していることからチームのメンバー間での信頼関係を強化したり、トラブルを回避したりするために1on1の導入に踏み切りました。また、チームの人数が数人程度であるため、どちらかというと個人個人が仕事をしているような環境であったことから、チームで仕事をすることをあまり得意としない社員も多いそうです。そのため、お互いをよりよく理解するために週に1回15分程度の1on1を設けることから始めました。なんでも話せるような雰囲気を大切にしています。そのため、仕事の内容だけではなく、ときにはプライベートに関することでも気軽に話せる1on1であることが特徴です。

1on1を導入したことで、コミュニケーションの時間を確保することができたため、普段は話すことがないメンバーとの信頼関係の構築につながりました。さらに、1on1を気軽に話せる場という位置づけをしているため、話しやすい雰囲気もあります。このような雰囲気で1on1を行うと、社員の間で少しずつ発生しているトラブルがあったり、個人で仕事やプライベートで悩みを抱えていたりしているときも、誰かが早い段階で問題に気づいて解決が早くなるようなメリットもあります。特に仕事上のトラブルなどは、問題が大きくなる前に開示することで、後々のトラブルを早めに摘み取ることが可能になります。クックパッドは、このような問題解決の場として1on1を活用しています。

さらに、1on1導入時はまず場所と時間を決めることから始めました。場所と時間を固定しておいて、仮に予定が入って1on1ができなくなったとしてもそのまま次の週の同じ時間に変更するというルールにしました。その結果、同じ場所と時間で1on1があることを認識し、習慣にすることで、お互いに無理なく続けられるといった効果があります。ときには、話している途中で話し足りないと感じることもあります。その場合にはお互いの合意のもとにそのまま外に出かけてランチをしながら1on1を続けるといったように、臨機応変に1on1を活用しています。

1on1を効果的に行うためのツール

1on1 Talk

1on1を効果的に実施するためのツールとして、株式会社サイダスが提供する「1on1 Talk」があります。「1on1 Talk」は、1on1の計画から、終わった後のフィードバックや振り返りまでが、クラウド上ですべて完結するサービスです。1on1のスケジューリングや記録など“ログ管理”をするだけのものではなく、これまでブラックボックス化されてきた、「どのように運用すれば効果的な1on1が実施できるのか?」という“ノウハウ”部分を分かりやすく提供することにこだわって作られています。

1on1をうまく活用して良い組織作りを

正しく運用を行えば、1on1は上司と部下双方にとってメリットは大きいです。たとえば、定期的に時間を共有することでお互いの信頼関係が構築され、現場の状況把握を容易にします。さらに、部下の仕事やプライベートにおける状況を理解し、把握して改善に向けてすすめようという上司の前向きな姿勢があれば部下のモチベーションの向上にもつながるでしょう。

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