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2021.2.15

アジリティとは?意味やアジリティの高い組織の目指し方

ビジネスシーンにおいて、耳にする機会も多いのが「アジリティ」という言葉です。ただ、アジリティの意味や重要性について、きちんと理解できていないという人も多くみられます。一体、アジリティとはどのようなものなのでしょうか。この記事では、アジリティの意味や重要性、さらにアジリティの高い組織を目指すためのポイントについて紹介します。

アジリティとは?なぜ注目されているのか

そもそもアジリティとはどのようなもので、なぜ注目されているのでしょうか。概要や注目されている理由について見ていきましょう。

アジリティとは?

アジリティとは、日本語で簡単にいうと「機敏性」のことをいいます。英語で素早いという意味を持つ、「agile」に由来しています。アジリティはビジネスだけではなく、サッカーやバスケなどスポーツ分野でも広く活用されている概念です。たとえば、サッカーでもこの用語を使うシーンが多くあります。サッカーにおけるアジリティは、「チームの動きを瞬時に察知して機敏に反応するスキル」のことを指し、アジリティトレーニングなどを取り入れることもあります。この概念はビジネスシーンでも共通しており、「状況に素早く対応できる力を持つ」ことが、いわゆるアジリティが高いという表現になるのです。

アジリティに似た言葉:「アジャイル」との違い

アジリティと似た言葉に、アジャイルがあります。アジャイルは、形容詞で「素早い」「身軽な」「機敏な」という意味を持ちます。迅速かつ適切にソフトウェアを開発する際に用いられることが多く、IT業界ではよく使われる言葉です。

犬の障害物競走のことも「アジリティ(アジリティー)」と言う

犬と指導手が息を合わせ、制限時間内にコース上に設置されたハードルやトンネル、シーソーなどの障害物をクリアする競技のことも「アジリティ(アジリティー)」と呼びます。歴史はそれほど古くありませんが、ヨーロッパでは盛んに行われています。

アジリティが注目されている理由とは

現代のビジネスシーンは、目まぐるしい速度で変化しています。現状は大きな問題がないように見える企業でも、少しでも気を抜くと企業存続の危機に陥る可能性もゼロではありません。今後どのような事態が起きたとしても、それに「適切かつ素早く対応するスキル」が現代の企業には求められています。こうしたビジネススピードの変化から、企業の指標としてアジリティが注目されるようになったのです。アジリティの高さは、ビジネスパーソンが企業に強く求められるスキルの一つといえるでしょう。

俊敏性(クイックネス)との違い

アジリティと似た言葉に「俊敏性」が挙げられます。アジリティと俊敏性は意味を混同して考えられがちですが、厳密には言葉の持つ意味が異なります。どのような違いがあるのか、きちんと知っておきましょう。

俊敏性とは

俊敏性とは、シンプルにまとめると「速く反応する」ことをいいます。クイックネスと呼ばれることもあり、いかに素早く動けるかという「スピード性能」を指すときに使われる言葉です。

俊敏性とアジリティの違い

俊敏性はあくまでも「スピード性能」を表す言葉です。一方、アジリティはスピードの速さだけではなく、課題に対して多くの選択肢があるなかで、「適切なものを素早く選択して速やかに行動する」という意味合いで使われます。つまり、言い換えると、課題に対しての「対応力」という意味で用いられることが多いのです。その場に合う適切な判断を速やかに行い、いかに自律的に行動できるかどうかという意味合いが強くなります。

個人として「アジリティ」が高いメリット・低いリスク

個人としてアジリティが高い場合と低い場合とでは、どのような違いがあるのでしょうか。アジリティが高い場合のメリットと、低い場合のリスクについて、詳しく見ていきましょう。

アジリティが高いことによるメリット

ビジネスにおける成功者は、一般的に「行動が速い」傾向にあるといわれています。アジリティが高いとそのぶん効率的に仕事をこなし、「早く結果が出せる」ようになります。すると、取引先や上司からの信頼が高まり、より大きな仕事を任せてもらえるようになるのです。仕事が早いと好印象を与えられ、よりスムーズに仕事を進められるというメリットがあります。
また、仕事が早く終わると、結果的に「自由な時間」も増えます。その時間を活用してリフレッシュタイムを設けられることもメリットです。いい仕事をするためには、適度な休息が欠かせません。しっかりと休める時間を作ることで、仕事の質を高められるでしょう。さらに、スキルアップを目指す人は勉強時間を確保しやすくなり、さらなる成長を目指せます。アジリティが高いと、自分磨きにもつなげられることがメリットです。

アジリティが低いことによるリスク

アジリティが低いと「まずは動く」ということが難しくなります。この場合、頭で考えるだけでなかなか行動に移せず、「仕事が遅くなる」原因につながるのです。仕事は正確性に加えて、スピードも重要な要素です。仕事が遅いと信用を失ってしまうリスクが高まります。アジリティが低いと仕事のスピードが遅く、結果として成果も上がりにくくなるおそれがあるため、注意が必要です。

アジリティの高い企業経営とは

アジリティが求められるのは人材だけではありません。企業もアジリティの高さを求められることを、きちんと経営層が理解しておく必要があります。大企業が時代の流れについていけず、経営を続けられなくなったという事例は世界中に数多くあります。ブランド力だけに頼りすぎると、経営難に陥るリスクがあるため注意が必要です。
変化のスピードがめまぐるしい現代は、「企業のアジリティの高さ」が重要になります。企業におけるアジリティの高さとは、「世の中・クライアント・従業員などのニーズを素早く察知して対応する」ことを指します。変化に適応して企業を存続させるため、経営層には迅速かつ的確な判断が求められます。そのシーンに合わせて柔軟に変化し、適応できる組織能力が必要です。

アジリティの高い組織とは

アジリティの高い組織もあれば、低い組織もあります。アジリティの高い組織にはどのような特徴があるのか、チェックしていきましょう。

問題解決が早い

アジリティの高い組織には、問題解決が早いという特徴があります。あらゆる問題に対して速やかに対応できる力は、アジリティの高い企業に欠かせないものです。組織が置かれている現状を敏感に察知し、その状況に応じて適切な判断を素早く下すことができます。変化に柔軟な姿勢を持ち、すぐに動けるような組織づくりができているのです。

ビジョンや価値観を共有できている

そもそも、明確な判断基準がないと従業員は身動きが取れなくなってしまいます。アジリティの高い組織は、企業のビジョンや価値観をきちんと共有できているという特徴があります。個々の従業員が企業の方向性や課題を理解できており、それを基準にして判断できるようになっているのです。

広く情報収集をしている

アジリティが高い組織はコミュニケーションが活発です。従業員ひとりひとりがアンテナを広く張り、積極的に情報を収集して、周りに共有しています。すると、市場の最新の状況を把握できるようになり、あらゆる変化への準備を整えられるのです。最新の情報が広く共有されていれば、変化への対応速度を強化できます。多くの情報を駆使して、最適な答えにすぐたどり着けるのです。

状況判断能力が高い

アジリティが高いと、組織の状況を素早く把握し適切な判断を下すことができます。状況判断能力が高いと、変化に柔軟に対応できるため、問題が起きても冷静に対処することができる可能性が高まるでしょう。

柔軟な発想力がある社員が多い

アジリティが高いと、今まで経験したことのない不確定なことに対しても素早く柔軟に対応することができます。変化に強い組織を作るためには、社員のアジリティを向上させることが効果的でしょう。

リーダーシップを発揮する社員が多い

さまざまな事象に素早く的確な判断ができるアジリティの能力を身につけると、リーダーシップが鍛えられます。社員一人ひとりのアジリティを向上させることで、自発的に考え行動する社員が増え、リーダーを任せられる人材が増えることでしょう。

組織のアジリティを高めるには

裁量を高める

組織のアジリティを高めるためには、いくつかの方法があります。なかでも、「現場の裁量を大きくする」ことが重要になります。現場の裁量が小さいと、従業員は何か変化や気付きがあったときにも、自らの判断で動くことができません。これでは自律的な活動ができず、従業員ひとりひとりがアジリティを高めることが難しくなります。そこで、現場の裁量をより大きくする必要があるのです。裁量が大きくなれば、それぞれの従業員が最適だと思う行動をとれるようになります。現場がよりスピード感のある対応ができるようになると、顧客にも良い印象を与えられるでしょう。
なお、裁量を高めるだけではなく、「失敗を容認する空気」をつくることも肝要です。従業員のなかには、失敗をおそれて自分で判断できなかったり、行動に移せなかったりする人もいます。こうした不安を拭うためにも、失敗を容認する空気づくりを行いましょう。経営層やリーダーなどはあくまでも方向性だけを示し、判断はそれぞれの従業員に任せることが重要です。また、この取り組みについて理解してもらえるように、しっかりと従業員に向けて説明を行うなど、努力することが求められます。

経営理念・ビジョンの浸透

個々の従業員が組織として適切な判断を行うためには、経営理念やビジョンについての深い理解が必要です。きちんと経営理念やビジョンが従業員に浸透していない場合、いわゆる「誤った判断」を下してしまう可能性があります。いくら判断が早くても、それが組織の価値観に合致するとは限らないため、注意しましょう。
組織はどのような価値観を持ち、何を基準に判断するのか、まずは情報を明確にすることが大切です。そして、その整理した情報を、しっかりと組織内の全員に理解してもらう必要があります。明確な指針を公開すれば、社員も自分でどう行動すべきか判断することができます。また、適切な判断をするためには、経験に基づいた知識とスキルが必要です。従業員が企業理念やビジョンに沿った対応を行う際に必要となる、知識やスキルを学べる機会を積極的に設けるようにしましょう。

ITツールの活用

組織のアジリティを高めるためには、環境づくりも重要なポイントです。環境づくりを行う際は、「ITツール」を活用すると良いでしょう。たとえば、「社内決裁システムを導入する」こともおすすめです。紙で決裁申請の業務を行う場合、手間や時間がかかります。システムを導入すれば、このような意思決定プロセスを簡略化することができます。
また、「情報共有ツール」や「コミュニケーションツール」などの導入も効果的です。アジリティの高い組織にするためには、従業員に最新の情報が常に行き渡っている状態にする必要があります。そこで、これらのルーツを活用することで、情報を一元化できるのです。業務に関するやり取りも、ツールを活用すれば業務フローを効率化できます。組織内にITツールを導入し、時代の変化に対して柔軟に対応できる環境を整えておくことで、仕事の効率性を高められるでしょう。

業務プロセスの見直し

業務プロセスの見直しも組織のアジリティを高めるのに効果的です。企業によっては、何十年も同じ業務プロセスで業務を遂行しているケースも少なくありません。ITツールを新たに活用するなど別の方法も試すことでアジリティの向上を図りましょう。

スキルアップできる環境の整備

「アジリティ」は、経験によって培われたスキルと知識をベースに、問題を機敏に解決していく能力のことです。そのため、経験を積めるような環境を整えることで、アジリティの向上が期待できます。組織として必要なスキルをリストアップし、社員が自発的にスキルアップできる環境を整備しましょう。

アジリティを意識して競争力の強い組織を

変化の激しい現代は、大企業でも耐えられないほどの変化が起こることもあります。どのような変化が起きたときにも、柔軟に対応できるように、組織のアジリティを高めておくことが大切です。アジリティの高い組織をつくることで、厳しい時代を生き残るための力を身につけられます。アジリティを意識して、競争力の強い企業を目指しましょう。

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