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2020.2.10

優秀な中間管理職とは何ができる人?必要な資質やスキルについて

組織における中間管理職は、部下の育成やマネジメントなどの重要な事業を担当することも多く、企業が成長していくために欠かせない人材です。しかし、中間管理職に十分なスキルが備わっていないために、悩んでいる経営者もいるでしょう。そこで、この記事では中間管理職に求められる資質やスキル、優秀な中間管理職の育成方法などを紹介します。

中間管理職に求められる役割とは?

中間管理職の主な役割とは、組織のマネジメントと適切な労働環境の確保、人材育成の3つです。

1:組織のマネジメント

中間管理職はある程度の人数を束ねる立場にあります。そのため、従業員や業務全般においてのマネジメントを行わなければいけません。

たとえば、特定の従業員に業務が集中している場合は、業務の分担や業務フローの見直しを検討し、業務の偏りや長時間労働を防ぐ必要があります。また、従業員一人一人の特性を把握したうえで、各々の能力を発揮できる場面を適切に見極めなければいけません。

2:適切な労働環境の確保

さらに、従業員が気持ちよく業務に励むことができるよう、環境を整えるのも中間管理職の大事な仕事です。
従業員同士が助け合う風土が定着しているか、コミュニケーションが円滑にとれているかを常に気にかける必要があります。従業員が安心して働けるよう、会社や組織が今後どのような方向に向かっていくのか、将来のビジョンを示すことも大切です。

3:人材育成 

ただし、いくら中間管理職が優秀であっても、それだけでは組織が成長するとは限りません。部下を育成することも重要な課題となります。中間管理職自ら手本を示ながら、部下に経験を積む場やスキルアップの機会を提供しましょう。

中間管理職がうまく育たない主な原因

高い実務能力を評価されて中間管理職に抜擢されたものの、実際に業務にあたってみると意外に活躍できなかったという事態は、それほど珍しいことではありません。中間管理職がうまく育たないのは、本人の意識がプレーヤーのまま管理職についてしまっていることが大きな原因です。

まず、プレーヤーとマネージャーでは役割が全く異なります。中間管理職は自ら業務にあたって成果を出すわけではありません。部下とコミュニケーションをとり、誰にどのような業務を分担するか考えることを求められます。

万が一、部下のかわりに中間管理職がプレーヤーとして業務にあたってしまうと、部下はもちろん中間管理職自身も成長する機会を失ってしまうでしょう。可能な限り部下に仕事を振り分け、部下に対応できないことがあればサポートに回るのが中間管理職の役割です。

中間管理職に必要な資質

中間管理職を抜擢するにあたり、プレーヤーとしての優秀さはもちろん、中間管理職に必要な資質を備えているかを見極めることが重要です。

中間管理職に求められる資質とは、柔軟な考え方ができること、バランス感覚に優れていること、ストレスに強いことの3点です。

1:柔軟な考え方ができること 

中間管理職は自ら業務にあたるのではなく、部下に指示を与えて成果を出さなければいけません。部下の育成や業務の効率化など、中間管理職としての仕事は、プレーヤーとは内容が全く異なります。そのため、プレーヤーから中間管理職へと成長するには、考え方を根本的に変える必要があるのです。

2: バランス感覚に優れていること 

また、中間管理職は所属する部署を越えて、人材や物品、資金などを調整する場面が増えます。そのため、組織全体のバランスを意識して、関係各所と連携がとれることが望ましいです。

3: ストレスに強いこと 

しかし、中間管理職は上司と部下を同時に持つことになるため、板挟みの状態に陥ってしまうことも少なくありません。上司からプレッシャーをかけられたり、部下がなかなか育たなかったりして、ストレスを感じることもあるでしょう。さらに、中間管理職の悩みランキングでは、板挟みになり辛いことや、部下の指導がうまくいかないことなど育成面での悩みが多く挙げられます。さらに、30歳後半から40歳前半という年齢で中間管理職になる事が多いのですが、なった途端にストレスや多くの役割、役職のプレッシャーがかかり休職する社員も多いそうです。

ストレスに強いタイプであれば、中間管理職としての悩みや壁に直面しても、前向きに対処できます。ただし、自分ではストレスに耐性があると思っていても、真面目で責任感がある人はストレスを抱え込みやすく、うつ病になりやすい傾向があるので注意が必要です。

中間管理職に必要な能力・スキル

1.コミュニケーション能力

ここからは中間管理職としての業務で求められる5つのスキルについて紹介します。1つ目のスキルは「コミュニケーション能力」です。中間管理職になると、他部署で働く人々や上司、部下など、プレーヤー時代よりも関わる人の幅が広くなります。そのため、高いコミュニケーション能力が欠かせません。ただし、コミュニケーション能力が高い人とは、必ずしも人付き合いが上手い人という意味ではありません。プライベートでも社内の人と関わったり、終業後に一緒に飲みに行ったりすれば、円滑なコミュニケーションがとれるとは限らないので注意しましょう。
重要なのは、個人的に親しくなることではなく、ビジネス上の信頼関係を築くことです。コミュニケーション能力が高い人なら、社内外を問わず相手の立場を理解したうえで、言葉を選びながら会話ができます。また、上司と部下の意識を統一するために、双方にわかりやすく納得できるように説明することも、コミュニケーション能力が高くなければできません。

2.責任能力

2つ目のスキルは「責任能力」です。責任能力が高い中間管理職は、上司と部下の両方から優秀な人材であると評価されます。
上司の立場であれば、責任感を持って仕事に取り組んでくれる人材に仕事を任せたいと考えるのは自然なことです。安心して仕事を任せられる部下なら、当然評価も上がるでしょう。
一方、部下にとって信頼できる上司とは、ミスやトラブルをカバーしてくれたり、励ましてくれたりする上司です。自分のことを親身になって考え、味方になってくれる上司がいれば、部下も前向きに働けます。

結果として、仕事への裁量の幅が広くなる可能性が高いです。ただし、中間管理職が責任をとってばかりいると、部下の危機意識が薄れてしまうおそれがあります。たとえミスをしても、上司が責任をとってくれる状態が当たり前になってしまうと、ますます部下が無責任になり、次から次へとミスを犯してしまうという悪循環に陥りかねません。まとめ役として責任をとることは大事ですが、ときには厳しい態度で部下に接し、甘えは許されないという事実を示すことも重要です。

3.マネジメント能力

3つ目のスキルは「マネジメント能力」です。中間管理職はプレーヤーを通じて成果を上げる必要があります。そのため、部下をマネジメントする能力が欠かせません。

まず、組織の方針や外部の環境などを踏まえたうえで的確なゴールを設定し、組織内に周知します。
さらに、設定したゴールを達成するために、誰をどのような仕事に配置するのが効果的なのかを判断するのも中間管理職の仕事です。そのためには、自身がまとめるチームに所属するメンバーの個性を熟知しておかなければいけません。
実際に業務を遂行する際には、プロセスを理解し、チームメンバーに対して必要なアドバイスをしたり、励ましたりなどの対応を行います。
中間管理職として業務にあたるからには、できるだけ早い段階で基礎的なマネジメント能力を身につけておくことが重要です。基礎を理解しないまま、我流のマネジメントを続けていると、将来的にうまく適応できない場面が出てくる可能性があります。中間管理職の業務に慣れてきた後も、定期的に自身のマネジメントを見直し、必要があれば柔軟に軌道修正を行いましょう。

4.人材育成能力

4つ目のスキルは「人材育成能力」です。中間管理職の仕事は業務のマネジメントや職場環境の整備などさまざまですが、その中でも「部下の育成」は特に重要度が高い仕事といえます。自ら考えて行動できる人材を育成できれば、組織そのものがより強化されるでしょう。中間管理職はプレーヤーにとって最も身近な上司でありリーダーでもあるため、部下を直接指導する機会が多くなります。
ただし、部下の成長を促そうとして口を出し過ぎるのは逆効果です。中間管理職が先に答えを出してしまうと、部下が自分で考えて判断する機会が奪われてしまいます。最終的には中間管理職の支持を仰がなければ、何もできない部下になりかねません。部下が成長しやすい環境を作るためにも、積極的に部下に決定権を与え、自分で考えて判断する機会を与えましょう

5.危機管理能力

5つ目のスキルは「危機管理能力」です。中間管理職はあらゆる局面において責任を問われます。そのため、危機管理能力は中間管理職にとって欠かせないスキルといえるでしょう。たとえば、日頃からチーム全体で意見を出し合い、マニュアルを作成したりなどの対策をとっておけば、ミスやトラブルの防止につながります。また、過去に発生したトラブルの事例や対処法をチーム内で共有するのも忘れてはいけません。実際にミスやトラブルが起こってしまったときは、中間管理職が的確に指示やアドバイスを出し、被害を最小限に抑えるよう努めましょう。

優秀な中間管理職を育成する研修例

優秀な中間管理職の育成は、多くの企業にとって重要な課題です。中間管理職としての意識改革を行う研修やチームビルディングの手法を学ぶ研修、コミュニケーション能力の向上を目指す研修など、企業ごとにさまざまな研修が行われています。

意識改革を行う研修 

意識改革を行う研修は、プレーヤーからマネージャーへと意識を切り替えることを目的とした研修です。中間管理職としてのマインドや、リーダーとしての立ち回りを学ぶことができます。

チームビルディングを学ぶ研修

チームビルディングを学ぶ研修は、組織のメンバーと信頼関係を構築するための手法や部下の育成方法を指導する研修です。同じ目標に向かって動ける強いチームを作るための方法が身につくでしょう。

コミュニケーション能力の向上を目指す研修 

さらに、中間管理職を務めるのであれば、コミュニケーションのあり方についても知っておかなければいけません。コミュニケーション能力の向上を目指す研修では、上司や部下、他部署のスタッフなど、相手やシーンに合わせた対応力が学べます。

優秀な中間管理職は組織の要!スキルアップのサポートをしよう!

中間管理職は組織において欠かせない重要なポジションです。しかし、任命した直後から中間管理職として機能できるとは限りません。優秀な中間管理職には、求められる資質やスキルが数多く存在します。そのため、企業ごとに優先度を決めたうえで、人材を選抜する必要があるのです。会社側も中間管理職を育てるという意識を持ち、研修などのサポートを行いましょう。

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