2020.05.07

仕事に必要なコミュニケーション能力とは?その高め方について

仕事に必要なコミュニケーション能力とは?その高め方について

仕事を円滑に進めていくためには、さまざまな能力が必要とされます。なかでも、「コミュニケーション能力」は、仕事によっては特に重要視されるものです。この記事では、コミュニケーション能力とはどのようなものを指しているのかを示したうえで、それが仕事において重要とされている理由などについて詳しく解説していきます。

コミュニケーション能力とは?

より良い人間関係を維持するために、周りの人とコミュニケーションをとることは、仕事においても同様です。社会人になると、高いコミュニケーション能力を持っている人材は優秀だとされるケースが少なくありません。加えて、仕事によっては「報・連・相」を求められることも多くあるのが実情です。コミュニケーション能力とは、人間同士がやり取りをするときに、スムーズな意思疎通を可能にするための能力のことをいいます。そのため、一方的に話をする人や単なる話し上手の人、周りの人の意見に耳を傾けない人は、「コミュニケーション能力が高い人」とはいいません。

ビジネスシーンにおけるコミュニケーション能力とは、主に3つの力が必要です。まず、他者に対して論理的に伝える力です。何か問題点などがある場合でも、それをはっきりとさせて、「相手にわかりやすい言葉で伝えられるかどうか」がビジネスシーンでは特に重視されます。次に、周囲の人に伝えたり、説得したりする力も欠かせません。ビジネスシーンでは、自分の考えを相手に押し付けるだけではうまくいきません。周囲の人とより良い関係を築いたうえで、時には相手を説得するなどして自分の考えや言い分を理解してもらうことも必要です。

さらに、協力を得て周囲を巻き込む力も求められます。仕事は、一人で行うことはできません。目標を達成するために、チームの協力を得るなどして仕事に取り組めるかどうかもビジネスシーンでは重要です。

なぜ仕事においてコミュニケーション能力が必要なのか?

仕事においてコミュニケーション能力が必要とされていることには、複数の理由があります。社会人に求められるコミュニケーション能力とは、社会のなかで多くの人とかかわっていくうえで欠かせない能力です。そのため、コミュニケーション能力は社会的スキルともいえるでしょう。また、どのような仕事においても自分一人では完結しません。ビジネスシーンで他者とかかわりを持ち、情報を共有したり協力を得たりすることは必須です。

「他者の協力を得ることができなければ業務で成果を上げることは難しい」という問題があります。ビジネスシーンで目標表を達成し続けるためには、普段から周囲の人と適切なコミュニケーションをとることによって、良い人間関係を構築しておくことが大切です。

人間関係を円滑にする

「コミュニケーション能力」というと、「自分の考えを、相手にどのように伝えるべきか」という点ばかりを考えてしまいがちです。たしかに、ビジネスシーンでは情報を共有したり、他者と認識のズレを生み出さないようにしたりするために、自分の考えや意見などを相手に対してわかりやすく伝えようと努力することが欠かせません。しかし、コミュニケーションにおいては「相手のことを正しく理解するために、自分は何をしたら良いのか」という点についてもしっかりと考える必要があります。

相手のことを理解するために、まずは他者とより良い関係を構築していくことが大切です。周囲の人と良好な関係を築きたいなら、自分を知ってもらうのはもちろんのこと、「相手を理解したい」という姿勢でのぞむことが求められます。相手を理解したいと考えているなら、まずは相手に興味を持つことからはじめてみましょう。他者に興味を持ち、相手のことを「もっと知りたい」と思って好意的な態度で会話ができれば、信頼関係が築きやすくなります。加えて、相手の内面まで深く理解していくことによって、より親密な交流が実現したり、他者とのかかわりがスムーズになったりする点はメリットです。

情報交換・共有により認識ズレを無くす

ビジネスシーンにおいては、常に情報を共有していくことが欠かせません。例えば、チーム内でお互いに情報を提供し合うなどすれば、その情報を業務に役立てることもできるでしょう。それだけでなく、これまで自分が知らなかった情報を得ることが、売上に直接影響する可能性さえあります。業務をスムーズに進めていくためにも、情報を共有、または交換するプロセスを押さえておき、実際のビジネスシーンに生かしていきましょう。情報交換などのプロセスには、「報告」「説明」「連絡」「相談」があります。

これらを順番に行うと、良好な人間関係が築きやすくなったり、お互いのことを理解したいという気持ちが生まれたりするなどのメリットにつながります。また、情報を共有する場合は、「コミュニケーションの目的は何か」という点をしっかりと考えたうえで話をすることが重要です。上司や同僚と情報交換・共有をするときには、業務の進捗状況を伝え合うだけでは不十分でしょう。他に、問題点を伝えたりアドバイスを求めたりするなど、一人ひとりがコミュニケーションを行う目的についてもしっかりと考えてみましょう。コミュニケーションの目的を考えることによって、コミュニケーションの精度もどんどん高まっていきます。

相手から協力を得る

一般的に、コミュニケーション能力が高い人というのは、相手から協力を得るのも上手です。仕事で成果を上げたい場合、自分一人で業務を進めていくばかりでは難しいケースもあります。周りの人に依頼するなどして協力を得るのが上手になると、仕事自体がスムーズに進んでいくというメリットにもつながるのです。例えば、取引先との交渉や上司からのアドバイスが欲しいとき、部下への教育など高いコミュニケーション能力はさまざまなシーンで求められます。このとき、情報を的確に伝え、受け取ることができれば、その分業務も効率良く進みます。

さらに、コミュニケーション能力を高めていけば、相手の行動を促すことも可能になるのです。コミュニケーションをとることによってお互いが助け合いながら業務に取り組める職場環境ができていれば、生産性がアップするだけでなく、ミスも軽減していきます。相手から協力を得るときのプロセスとしては、「説得」「依頼」「指示」「命令」という流れがあります。普段から適切なコミュニケーションをとるように心がけることによって、相手も快く行動してくれる可能性が高くなるといえるでしょう。

コミュニケーション能力は「伝える力」と「受け取る力」

コミュニケーション能力は、「伝える力」と「受け取る力」の2つに大きくわけることができます。この2つについて正しく理解して、ビジネスシーンでも役立てていきましょう。

1.「伝える力」について

「伝える力」とは、自分が伝えたい事柄を相手に正確に伝える能力のことです。伝えるための手段としては、複数のやり方があります。具体的には、「書く」「話す」などの手段があるため、ビジネスシーンでは、その時々でふさわしい伝え方を選んでいくことが必要です。例えば、上司に急いで報告したいことがある場合は、口頭で伝えるのがポイント。このときには、「個人的な意見なのか」「事実なのか」をしっかりと区別して伝えられるように気を付けることが欠かせません。また、結論や目的から話すように心がけると、上司も伝えたい事柄を把握しやすくなるでしょう。

また、情報を伝えるときには、伝え方や話し方などを相手に合わせることも大切です。例えば、上司から部下に伝えたいことがある場合は、部下の知識量に合わせて話す内容を変えていくなどして、部下が納得したうえで業務に取り組んでいく必要があります。このように、ビジネスシーンにおいては、伝えたい事柄やそのときのシチュエーションなどによって、適切な伝える手段を選ぶことが求められるのです。「伝える力が高いかどうか」は、「伝えたい内容が意図する形で相手に伝わったか」も大きく影響しています。そのため、「相手へ単に伝えたい内容を話した」というだけでは不十分で、自分が伝えたいことを適切に発信していくことが重要です。

2.「受け取る力」について

「受け取る力」とは、「書く」や「読む」などの手段によって相手が伝えてきた事柄を理解する能力のことをいいます。受け取る力というと、ただ単に「相手の話を聞けば良い」というように解釈されることも少なくありません。しかし、受け取る力のなかには、相手に対してこちらから質問をすることによって、自ら必要な情報を収集したり、正確な情報を求めたりしようとする姿勢も含まれます。このように、受け取る力は質問をするなどして、「自分から情報を受け取りに行く」という姿勢を持つことが重要なのです。

また、受け取る力には相手の考えや心情に寄り添い、傾聴する力も含まれます。相手の話を聞くときには相づちをうったり、表情に気を付けたりするなどのことが欠かせません。例えば、業務にまつわる相談などを受けるときに、聞き手が相づちを適当にうつなどしたとしましょう。すると、話し手は「真剣に話を聞いてくれていないのではないか」など、ネガティブな印象を受けてしまう恐れがあります。受け取る力があまりに低いと周囲の人に判断された場合、「もう相談するのはやめよう」などという気持ちを抱くことにもつながりかねません。これが続くと、円滑なコミュニケーションを実現すること自体が難しくなってくるでしょう。

一方、普段から「相手の話は最後まで聞く」「適切なタイミングで相づちをうつ」などのことに気を付けている人の場合、ビジネスシーンでも人間関係が築きやすくなります。日ごろから「話しやすい人」「どんな話でも聞いてくれる人」などのイメージをつくっておけば、職場自体が情報を共有しやすい雰囲気になることが期待できるでしょう。人の話を聞くとき、「自分がどのような態度をとっているのか」について考えたことがない場合は、自分が人の話を聞いているときの姿勢について今一度考えてみることが大切です。

2種類のコミュニケーション方法

コミュニケーション方法には、「バーバルコミュニケーション」「ノンバーバルコミュニケーション」の2種類があります。「バーバルコミュニケーション」とは、「言語コミュニケーション」のこと、「ノンバーバルコミュニケーション」は「非言語コミュニケーション」のことです。ここからは、この2種類のコミュニケーション方法について見ていきましょう。

1.「言語コミュニケーション」について

「言語コミュニケーション」とは、書いたり話したりするなど、言葉によるコミュニケーションのことです。言語コミュニケーションが適切に行われることによって、周囲の人とも円満な人間関係が築けるようになります。また、言語コミュニケーションは、「伝える」「聞く」「質問する」の3つによって成立するものです。特に、ビジネスシーンでは「タイミングや正確な言葉選びができるか」が重視される傾向にあります。適切な言葉によって展開されるコミュニケーションが繰り返されれば、人間関係も良好なものになるでしょう。ただ、あくまでも使われた言葉をベースに判断することが必要です。

2.「非言語コミュニケーション」について

「非言語コミュニケーション」とは、言葉そのものを越えた部分によるコミュニケーションのことを指しています。そのため、「空気を読む」ということをイメージするとわかりやすいかもしれません。例えば、「海外旅行時に日本語が通じないため、身振り手振りで現地の人に質問をした」などの経験がある人もいるのではないでしょうか。これは、非言語コミュニケーションにあたるものです。「言葉が通じない」というシチュエーションでは、ジェスチャーや表情などを駆使して、何とかして自分の考えを相手に伝えようとするのが一般的でしょう。具体的な非言語コミュニケーションとしては、「声のトーン」「相手の表情」「文脈」「背景状況」などが具体的な要素で、言語コミュニケーションを補完してくれるものでもあります。

例えば、アメリカの心理学者アルバート・メラビアンによる「メラビアンの法則」では、非言語コミュニケーションがいかに重要であるかを記しているのです。メラビアンの法則は、「3Vの法則」とも呼ばれており、「自分の話が相手にどのように伝わっているか」について理解していくうえで非常に重要になります。ここでいう「3V」とは、「Verbal(言語情報)」「Vocal(聴覚情報)」「Visual(視覚情報)」といった3つの単語の頭文字をとったものです。メラビアンによると、コミュニケーションにおいて言語情報はわずか7%しか影響を与えないとされています。

言語情報には、話の内容などが含まれていますが、伝える力をより強化していくためには、言語情報以外の部分も重視していく必要があるのです。また、メラビアンによると話し手が聞き手に与える影響として聴覚情報は38%、視覚情報は55%と示されています。この法則からもわかるように、コミュニケーション能力を高めていくためには話す内容を精査するだけではなく、「話すスピード」「表情」「ジェスチャー」「仕草」「声の大きさ」などにも十分配慮することが必要です。ビジネスシーンで、「仲間の協力が得られない」「伝えたいことが思うように伝わらない」などと感じているのであれば、聴覚情報や視覚情報の部分を見直すことも検討してみましょう。

コミュニケーションの形式

コミュニケーションとは、常に1対1のものばかりではありません。コミュニケーションの形式には、「1対1」と「1対他」のいずれかがあります。ここからは、2つのコミュニケーションの形式について、それぞれに見ていきましょう。

1.1対1のコミュニケーション

1対1のコミュニケーションは、「自分」と「相手」によるコミュニケーションです。相手としては、上司や同僚、部下などの他に、家族や友人など、さまざまな人が挙げられます。1対1のコミュニケーションでは、相手が誰になるのかはケースバイケースであるため、相手によって話し方や内容などを変えることが必要です。この形式でのコミュニケーション能力が向上していくと、「相手と親密な人間関係や、信頼関係が築きやすくなる」というメリットにもつながるのです。

ビジネスシーンでは、1対1のコミュニケーションが求められるケースがしばしばあります。例えば、上司との面談やヒアリングなどは、1対1で行われることもめずらしくありません。1対1になると、「何を話せばいいのかわからない」「1対1は緊張する」などという問題に直面する可能性があり、このような課題を抱えているビジネスマンはたくさんいるのが実情です。1対1のコミュニケーションの場合、相手との密度が高い傾向にあるため、沈黙を恐れて「自分が頑張って話題を提供しなければ」と思うあまり、一方的に話をしようとする人も見られます。しかし、このようなタイプの人のことをコミュニケーション能力が高い人とはいいません。

優れたコミュニケーション能力を持っている人というのは、相手との意思疎通がしっかりとできる人のことをいいます。1対1のコミュニケーションを円滑に行うためには、特に傾聴する力を高めていくことが必要です。相手に興味を持ち、相手の話をしっかりと聞こうという姿勢をうまく示すことができれば、親密な関係が築きやすくなり初対面の人との間にも信頼関係が生まれる可能性もあるでしょう。

このように、1対1のコミュニケーションならではのメリットは、たくさんあります。1対1のコミュニケーションが、一方的な情報提供の場にならないようにするためには、「相手が安心して話せる環境」を用意する努力も必要です。ビジネスシーンにおいて、上司が威圧的な態度をとるなどしていると、業務にまつわる重要な内容でも部下は相談しづらくなってしまいます。そのため、1対1のコミュニケーションでは、信頼関係を築く努力をしたり、相手の発言を理解する態度を示したりするなどのことが大切です。

2.1対他のコミュニケーション

1対他のコミュニケーションとは、「自分」と「その他複数」によるコミュニケーションのことです。ここでいう「その他複数」とは、職場や学校などのような大きな集団から、数人規模までを含みます。ビジネスマンのなかには、「1対1なら問題なく話せるが、1対その他複数になると、緊張して話ができない」という人も多いでしょう。1対他のコミュニケーションを苦手としている人の場合、「言語コミュニケーションを重視しすぎている」という問題があります。

自分が話し手となったとき、「限られた時間のなかで、過不足なく情報を伝えなければならない」と考える人は少なくありません。コミュニケーション能力が低い人のなかには、情報を一方的に伝えようとして、「どのように話を展開していけば良いか」という点を考えすぎるあまり、必要以上に話の内容に重きを置いてしまっているケースもあります。しかし、1対他のコミュニケーションにおいて、「多くの人から共感を得たい」「自分とは考え方が違う相手とでもきちんと話をしたい」などの希望がある場合は、話の内容に配慮するだけで足りません。そのため、非言語コミュニケーションを正しく活用することがポイントです。

自分が話し手で、複数の人に関心を持って話を聞いてもらいたいなら、1対1で会話をするときよりも、声のトーンを高くしたりジェスチャーを大げさにしてみたりするなどの努力も欠かせません。他にも、スライドを工夫するなどのことも効果的です。このように、話のなかで聞き手が興味を示してくれそうな工夫を意識的に取り入れていけば、1対他のコミュニケーションに対する苦手意識が軽減する可能性も高くなるでしょう。組織内におけるコミュニケーションが円滑なものになれば、組織に一体感が生まれ、組織内でも過ごしやすくなるというメリットにもつながります。

職場において、常に「相手の話を聞こう」という気持ちが社員の間で根付いており、どのようなことでも相談できる環境があれば、多くの社員が「仕事がしやすい」と感じるでしょう。逆に、組織内でのコミュニケーションがうまくいっていなければ、業務の効率が低下したり、ミスが生まれたりする可能性もあります。組織内でコミュニケーションを活性化していくためにも、普段から社員同士で会話のキャッチボールをする習慣を持っていると、業務に関することも話しやすくなるでしょう。「組織内でのコミュニケーションが弱い」と感じている場合は、一人ひとりが質問力や傾聴力を養う努力が必要です。

コミュニケーション能力は企業の採用にも重視されている

コミュニケーション能力に関しては、企業における採用活動でも重視されている傾向です。過去に日本経団連が行った「新卒採用に関するアンケート調査結果」によると、新卒採用の選考で企業側が重視する点として、「コミュニケーション能力」が15年連続で1位にランクインしています。このアンケート結果から、日本の多くの企業がコミュニケーション能力の高い人材を採用したいと採用したいと考えているのです。そのため、「実際に仕事をはじめてから、コミュニケーション能力を高めるための努力をしよう」と考えていると、就職活動が難航する恐れさえあるでしょう。

ビジネスにおいてコミュニケーション能力は、さまざまなシーンで発揮できるものです。さまざまな仕事を想像してみると、コミュニケーション能力がまったく必要ない仕事はほとんどありません。今後、業務を効率化することなどを目的としたAI化が進んでいくといわれていますが、コミュニケーション能力が日本企業で重視される傾向が変わる可能性は少ないでしょう。新卒者などで、コミュニケーション能力について軽視している人の場合は、就職活動の前にコミュニケーション能力を高めるための努力をすることが大切です。

仕事におけるコミュニケーション能力の高め方

ビジネスシーンにおいて、コミュニケーション能力を高めたい場合、個人的に努力できる方法はたくさんあります。例えば、短い時間で自己紹介をしたり非言語コミュニケーション能力を意識的に磨いたりするなどの方法は効果的です。他に、一定期間で決まった人数に会うなどして会話のキャッチボールをする練習をすると、自然とコミュニケーション能力が高くなっていきます。

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