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2024.7.31

コンピテンシー評価における自己評価の書き方とは?ポイント・例文を紹介 

こんにちは!働きがいを応援するメディア「ピポラボ」を運営するサイダス編集部です。 
今回のテーマは、「コンピテンシー評価における自己評価の書き方」。評価時期に差し掛かり、「自己評価をどうやって書けばいいの?」とお悩みの方もいらっしゃることでしょう。本記事では、コンピテンシー評価における自己評価の書き方のポイントや例文を紹介します。 

また、本記事では被評価者(=評価をされる人)の自己評価だけでなく、評価者(=評価をする人)の評価の書き方のポイントもお伝えします。360度評価制度を取り入れている企業の場合、部下だけでなく、上司・同僚に対する評価を記載することもあります。ぜひ本記事を参考にしてください。

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コンピテンシー評価とは 

コンピテンシー評価とは、仕事において高いパフォーマンスを発揮する人材(=ハイパフォーマー)に共通する行動特性(コンピテンシー)を評価基準として行う人事評価制度のことです。コンピテンシー評価では、業員のスキルや業務知識ではなく、行動特性を評価するため、「成果に結びつくような行動をとれたかどうか」が評価基準になります。自己評価においては、「なぜその行動をとったのか」を具体的に記載することが大切です。次の章では、コンピテンシー評価における自己評価の書き方のポイントをご紹介します。 

コンピテンシー評価における自己評価の書き方のポイント 


まず、自己評価を書く際に押さえておくと良い5つのポイントを紹介します。 

【自己評価を書く際のポイント5つ】 

① 自分を客観的に見て評価をする 
② 具体的な数字を用いてプロセスや結果を書く 
③ 失敗・反省・問題点も含める 
④ 改善点を具体的に書く 
⑤ 自分が考えているよりも1段階高く評価する

① 自分を客観的に見て評価をする 

自己評価を付けるときは、過小評価や過大評価になってはいけません。まずは、自分の働きを客観的に見てどうだったのか、フラットな気持ちで振り返ってみることが重要です。 

「あれだけ頑張ったのだから周りにも評価されているはず」と考えて付けた評価は、根拠がない上に評価する側とのギャップが生じる恐れがあります。「自分の努力がどれだけチームや組織に貢献したのか」「どのような影響を与え、どんな成果につながっているのか」など、客観的な事実に基づいて評価することが大切です。

② 具体的な数字を用いてプロセスや結果を書く 

「成功した」「うまくいった」「貢献した」など、抽象的な評価の書き方では、評価する人からの納得が得られません。必ず数値を用いて、具体的に示すことが大切です。数値化が難しい業務や職種でも、なるべく数値を用いて表現することで、客観的な評価を行いやすくなり、納得感のある人事評価の実現につながります。 

(例)部下の指導に関して自己評価をするケース 

「部下の生産性が○%向上した」
「欠勤が目立っていた部下の欠勤日数が○日に減った」 

失敗・反省・問題点も含める 

自己評価には良いところだけでなく、失敗したことや反省すべきこと、問題点も含めることが重要です。悪かったことを報告すると評価が下がってしまうと心配する人もいるかもしれませんが、ネガティブな要素も盛り込むことで、自分のことを正しく理解できていると認識してもらうことができます。

ダメだったところを自ら振り返って反省することも、ビジネスマンとして求められる重要な要素です。 自分で振り返るスキルをつけることで、より説得力のある自己評価になるでしょう。 

改善点を具体的に書く 

③の失敗や反省、問題点を書いたら、それに対する具体的な改善点を必ず書くようにするのも欠かせないポイントです。ダメだったところをどのようにして改善するのかを明記することで、より説得力が増します。また、「改善しようと思っている」という意欲の高さをアピールすることで、高評価につなげることができます。 

(例) 

×「下半期は、営業成績を上げられるように改善していく。」 
○「下半期は、お客様とのつながりを強くしていく。
  また、お客様からのご要望に瞬時に対応し受注率の増加させる。」 

自分が考えているよりも1段階高く評価する 

自分が思っている評価よりも1段階高く書いておいたほうが、上司からの評価は高くなる傾向にあります。上司は自己評価で出した基準の前後で評価しがちです。 

自己評価で3をつけると、上司は2〜4あたりで付けることが多いため、自分が思っているよりも低い評価を付けられる可能性が高まります。1段階上の基準にしておくことで、低く付けられるリスクを減らせるのがメリットです。 

ただし、自己評価を高く付けすぎてしまうと、「自分のことをよく理解できていない」「客観的に自分を見れていない」と思われ、マイナスなイメージを与えてしまうこともあります。あくまでもプラスするのは1段階だけであり、それ以上は止めておくのが無難です。

自己評価の書き方を例文で紹介 

自己評価の書き方のポイントを押さえたところで、実践に役立つ例文もチェックしておきましょう。今回は、自分に適した例文を見つけやすいよう、以下の職種別に部下と上司のケースに分けて紹介します。 

入れるべき内容やポイントもあわせて紹介するので、参考にしてみてください。 

例1:営業職

営業職は業務成績が数値で表れるので、他の部署に比べると比較的書きやすいという特徴があります。目標や今後の課題などは数値化し、明確なものにしましょう。 

部下のケース 
実績を伝えた上で、どのような取り組みを実施したのかを具体的に記します。改善点に対しては、これからの取り組みとして、自分なりに課題をあげましょう。 

【例文】 

今年度の売上目標100万円に対し、110万円を売り上げた。既存顧客へのアプローチを積極的に行い、確実な売上につなげられた結果だと思う。 
ただし、新規顧客では20件を目標にしていたが、10件に留まった。売上目標は達成しているものの、新規顧客は達成できなかったので、B評価とする。次年度では新規顧客を確保できるよう、新規開拓に力を入れる。 

上司のケース 
営業職は数値化しやすいため、部下の売上や業績などは一目瞭然です。しかし、上司は結果だけでなく、他の部分にも目を向けなければいけません。その従業員が他のメンバーをどうフォローしたのか、どんな動き方をしていたのかなど、定性的な部分も評価することが重要です。 

【例文】 

目標達成率110%は大変素晴らしい結果である。後輩へのアドバイスも的確で、チーム全体を見れている。今後はチームリーダーとしても活躍できるだろう。しかし、新規顧客の確保については目標に達していないので、次年度では新規開拓にも力を入れてほしい。自分なりに優先順位を付けることが課題になるだろう。 

例2:事務職 

事務職は成果を数値化しづらく、定性的な項目が多いため、自己評価しにくい職種です。毎回同じ評価にならないよう、日常業務のなかで数値化できるものはないか探ってみましょう。 

部下のケース
毎日同じ作業の繰り返しで、ほとんど変化のない事務職は自己評価しにくいものです。しかし、数値化しにくい目標でも、なるべく定量化して書くことで、自分なりに評価を付けやすくなります。 

【例文】 

業務日報のフォーマットを見直したことで、引継ぎの際に起こりやすいミスを減少することができた。前年度のミスは10件に対し、今年度のミスは3件。これにより、ミスを修正する手間が省け、作業効率も上がった。 
しかし、発注ミスをしてしまったため、先方に迷惑をかけてしまった。今後同じミスが起きないよう、発注する際はダブルチェックを徹底する。 

上司のケース
定量化しづらい目標が多い分、上司は部下をしっかりと見て、定性的な部分を評価できるようにしなければいけません。毎日同じ作業の繰り返しでも、ルーティンワークをこなすのが早くなっている、残業時間が減っているなど、部下の変化や努力に気付いてあげましょう。 

【例文】 

引継ぎ時に起こりやすいミスが減少したことで、他の業務に支障が出づらくなった。業務日報のフォーマットの見直しは今まで誰も提案してこなかっただけに、高く評価できる。他の業務でも見直せるところがあれば、積極的に提案してもらいたい。 
発注ミスは単純なミスだっただけに、しっかり確認しておけば防げていた。ダブルチェックを導入し、今後同じミスをしないよう徹底してほしい。 

例3:企画・マーケティング職 

企画やマーケティング職は、仕事内容によって「評価が分かりづらいもの」と「分かりやすいもの」があります。新商品の開発や販売促進に関わるエピソードがあれば、積極的に記載するべきです。また企画が途中段階の場合は、結果を数値で表せないので、自分のポジションやどのようなことで貢献したのかを書きましょう。 

部下のケース
企画やマーケティング職の業務は、データの精査やリサーチを行い、企画を作って交渉することです。コンピテンシー評価シートには、どのように動いてどんな企画を通したのかなどを書きましょう。また、プロジェクトの結果など業務のなかで数値化できるものは、それも示します。 

【例文】

昨年売り出した商品の売上が伸び悩んでいたので、原因を独自に調査した結果、単に知名度の低さが原因ではないかと予測。そこで、メディアへの露出を増やすことで、商品名検索数が前年よりも30%アップした。それに伴い、売上も前年比150%を達成した。 
同じように伸び悩んでいる商品が多々あるので、それぞれの原因解明と改善に力を入れたいと思う。 

上司のケース 
数値化できるものだけでなく、そうでない部分も見た上で評価することが重要です。たとえば、プレゼン能力やデータ分析の仕方など、定性的な部分も評価に記載するとよいでしょう。 

【例文】 

プロジェクトチームでは常に先頭に立ち、みんなを引っ張っている姿が見られる。行動力もあり、指示を受ける前に自分なりに課題を見つける姿勢は高く評価できる。また、調査力にも長けているので、今回のように売上が伸び悩んでいる商品の見直しにも成功したのだろう。今後もその能力を活かし、即戦力として活躍してほしい。 

例4:コンサルタント職 

コンサルタント職の業務は、クライアントの問題を解決することです。顧客に対して行った対応について振り返って評価しましょう。顧客に成果が出ている場合は、その旨もしっかり報告します。 

部下のケース
クライアントに対してどのようなことをしたのか、抱えている問題に対してどのような解決策を提案したのかなどを具体的に記載します。

【例文】 

新商品を販売するための広告プランの依頼を受けた。いくつか候補を提出したが、イメージが違うようで、決定に躊躇していた。そこで、顧客の意図や考えているアイデアを深掘りし、さらに費用の削減を提案したところ採用された。 
結果的には、顧客が掲げていた目標販売数を大きく超え、今回のプロジェクトに満足してもらえた。

上司のケース
コンサルタント職もまた他職種と同様、定性的な部分も見て評価することが重要です。さらに、クライアントとの関係性に注目することもポイントになるでしょう。

【例文】

顧客が抱えている課題に気付いた上で、当初の案を改善し、プロジェクトを成功させたことについては高く評価できる。顧客の要望を真摯に受け止めようとする姿勢は、他の従業員も見習うべき見本となる。 
改善すべき点として、入念にヒアリングやミーティングをしておけば、もっと早くプロジェクトを進められていたのではないかと思われる。顧客が抱える課題や要望に対して敏感になれるよう、ヒアリング力を高める必要があるだろう。 

例5:クリエイティブ職 

デザイナーや編集などを行うクリエイティブ職は、1人で作業して成果を出すことがほとんどです。そのため、周囲との団結力や協調性を高めるよりも、自分のスキルを上げることがとても重要です。 

部下のケース
クリエイティブ職は自分のスキルを高めることが重要なので、成果に加えて自分のスキルアップのために何をしたかもアピールするとよいでしょう。意欲的に取り組む姿勢や向上心をアピールできます。

【例文】 

新しいアイデアを生むために、デザインの関連書籍を毎月3冊ずつ読んでいる。幅広いジャンルに適したデザインが描けるようになり、今期のWEBサイト受注率は前年よりも10件増やすことができた。 
また、納期に遅れが生じないよう、周囲のスタッフに支援してもらっている。おかげで、今期も納期遅れは0件で、計画的かつ余裕のある行動ができている。 

上司のケース
部下のスキルアップに励む姿を評価するのは当然のことです。加えて、クリエイティブ職は人とのコミュニケーションの機会が減りがちなので、そんななかでどうやって人と接しているかなども見てあげるとよいでしょう。評価される側にとっては、自分では気付きにくい改善すべき点を知れるきっかけになるはずです。 

【例文】 

向上心が高く、仕事に対して意欲的に取り組む姿が見られる。WEB開発に向けた業務に携わっており、周りと連携を取りながら、さまざまなアイデアを出してくれる。 
また納期は、今まで一度も遅れたことがない上に、余裕をもって行動できている。スケジュール管理がうまくできているところは、当たり前ではあるものの、できていない人も多いので、高く評価できるだろう。 

コンピテンシー評価の5段階のレベル 

ここまで、自己評価の書き方や例文をご紹介しましたが、中には「自身や評価者(部下)が今どの段階にいて、次はどのレベルを期待されているのか」を知りたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。 

コンピテンシー評価は、記述式の評価方法以外に、受動行動・通常行動・能動行動・創造行動・パラダイム転換行動の5つのレベルに分けて評価することもあります。それぞれのレベルについて詳しく解説します。 

レベル① 受動行動 

受動行動は、「上司や先輩から指示を出されてから行動する」という受け身の段階のことを意味します。受動行動に当てはまる従業員は、率先して動く・アイデアを出す・情報収集をするという行動が見受けられない傾向にあります。 

受動行動に陥る背景には、「過去の経験から失敗を極度に恐れ、自信がもてない」「まだ社歴が浅く、先輩の指示を待った方がいいのではないかと思っていた」などの理由が挙げられます。部下の行動レベルの向上を促進したい場合は、1on1や評価面談などで、自主的な行動が実践できない理由についてヒアリングしてみるのもおすすめです。 

レベル② 通常行動 

通常行動は、「自分に与えられた最低限の業務は、指示をされる前に自主的に行動できる」段階です。通常行動に当てはまる従業員は、自主的に意見を出すなどの積極性はありませんが、「ミスなく確実にやり遂げる」という意識が高いのが特徴です。 

一方で、「自分には関係ない」という態度を取ってしまう傾向があるため、何事も自分事として捉え、前向きに業務に取り組むハイパフォーマーの行動特性を評価基準とするコンピテンシー評価においては、あまり高いレベルとは言えません。 

レベル③ 能動行動 

能動行動は「主体行動」とも言われ、明確な目的や判断に基づき主体的に行動する段階のことを意味します。 

能動行動に当てはまる従業員は、自分で目標を設定して、それに向かって能動的に行動できるという特徴があります。また、同僚や上司からのアドバイスを素直に受け入れることができ、決められたルールの中でも工夫することを怠らないので、コンピテンシー(ハイパフォーマーの行動特性)が備わっている状態であるといえます。 

レベル④ 創造行動 

創造行動は、自ら工夫をして現状を変化させようとする段階を意味します。創造行動に当てはまる従業員は、問題解決の手法を創造する能力を持ち、チームメンバーや他の部署の社員を巻き込みながら、独自の工夫を加えて状況を変化させる特徴があります。 

また、決められたルール以外の方法も取り入れ、生産性の向上や業務効率化のアイデアを社内に浸透させる力があります。能動行動は、自身の目標に対する主体的な行動ができる段階であるのに対して、創造行動は、新しいアイデアの創出ができるようになったり、組織やチーム全体の問題解決など自身以外の状況にも目を向けられるようになる点で、もう一段階上のコンピテンシーが備わっている状態であると言えます。 

レベル⑤ パラダイム転換行動 

パラダイム転換行動は、今まで常識とされていた仕組みを一新してしまうような独創的なアイデアを創造し、実現することを意味します。 

パラダイム転換行動に当てはまる従業員は、独創的なアイデアで課題を解決する力を持っているため、社内にとって大きな変化をもたらします。また、周囲の価値観を変えてしまうほどの成果が出せる従業員は、コンピテンシーレベルが非常に高い人材であるといえます。 

このように、コンピテンシー評価では、従業員の行動を5つのレベルに分けて評価することもありますが、評価レベルの仕様や定義は、企業によって変わってきます。また、全ての従業員が常にレベル5を満たしている状態である必要はなく、組織全体でそれぞれのレベルが何名必要なのか、どのように人材を育成していくのかなど、人員計画・育成計画をしっかり策定することの方が大切です。まずは、企業内でハイパフォーマーの行動特性を知るところから始めていきましょう。 

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コンピテンシー評価とは?評価シートの書き方や例文、項目例、導入ステップを解説 

適切な評価を心がけて、より良い企業づくりを! 

ここまで、コンピテンシー評価における自己評価の書き方についてご紹介しました。コンピテンシー評価は、公平かつ公正な評価ができるだけではなく、適切な運用を続ければより良い企業づくりにつながります。また、企業全体のスキルアップにもつながっていくでしょう。 

しかし、コンピテンシー評価や評価シートは作成・実施をして終わりではありません。会社の状況や従業員の変化に合わせて、一年もしくは四半期毎の見直しが必要になります。そんな時は、CYDASの目標管理アプリケーションがおすすめです。お客様の要望に沿った評価制度をそのままシステムに反映することができ、導入後すぐにご利用いただけます。 

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