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2021.6.22

人的資源管理(HRM)とは?人事労務管理(PM)との違いや4大経営資源の特徴を解説

人的資源管理(HRM)は、経営戦略の実現を目的として4大経営資源の一つ「ヒト」を育成し、能力を発揮できるように管理する手法です。ヒト(従業員)がいなければ事業が成り立たないため、企業の最優先課題として取り組む必要があります。
今回は、人的資源管理の方法や人事労務管理(PM)との違い、4大経営資源の特徴について解説します。
スムーズな人的資源管理を推進できる「タレントマネジメントシステム」の活用方法も一緒に確認していきましょう。

人的資源管理(HRM)とは

人的資源管理とは、経営資源の一つである「ヒト」が最適な状態でパフォーマンスを発揮できるよう、人材を活用する制度を構築・運用する仕組みです。Human Resource Managementの略語として「HRM」と呼ばれることもあります。
人的資源管理では、働き手である人材を単に労働力やコスト(お金)と考えずに、企業活動にとってかけがえのない財産だと位置づけています。
そのため、従業員の希望や特性を尊重しながら、企業として組織的に人材の成長をサポートするのが特徴です。
近年では、市場競争の激化や働き方の多様化によって、経営戦略に従業員の意見を取り入れる動きもみられます。企業と従業員が協働で企業を盛り立てていくのが、人的資源管理なのです。

人事労務管理(PM)との違い

人事労務管理(PM)は人的資源管理とは対照的に、人材を労働力やコスト(お金)ととらえ、利益の最大化を図るために労働者を管理・統制する仕組みです。
Personnel Managementの略語として「PM」と表記されることもあります。
経営戦略の実現を目指して人材を管理する点では、人事労務管理・人的資源管理ともに共通しています。人事労務管理では、企業と従業員のあいだの利害調整と、労働力の適正化を主な目的としている点が相違点です。
言い換えると、人的資源管理では個人を重視するのに対し、人事労務管理では組織を重視しているのです。
前述のように、近年では市場競争が厳しさを増しており、従業員の能力開発も重要視されるようになりました。そのため、従来の人事労務管理に経営戦略の考え方が加わり、人的資源管理へと進化したのです。

4つの経営資源

人的資源は、4つの経営資源である「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」のヒトにあたる部分です。ヒト(人)がいなければ他の経営資源を活用できないため、人的資源は経営にとって最も大切な要素です。
近年では、さらに「新技術」「企業の風土」なども経営資源として、経営戦略に反映させる企業もみられます。4つの経営資源の特徴について、具体的に確認してみましょう。

ヒト

ヒト(人)は経営資源の中でも最も重要なものとして位置付けられています。モノを生み出すのはヒトであり、カネすなわち貨幣制度を作り上げたのもヒトだからです。
かつて、ヒトは単なる労働力として認識されており、カネの力で簡単に人を雇えた時代がありました。現代とは反対に「誰が労働しても同じ結果を得られる」という考え方もあったようです。
産業革命が進んで資本家と労働者という関係性が確立する中で、低賃金で長時間酷使される労働者の問題もクローズアップされることもありました。
20世紀に入り、経営学者ピーター・ドラッカーは次のように人的資源の定義を示しました。
「人的資源、すなわち人間(whole man)こそ企業に託されたもののうち最も生産的でありながら、最も変化しやすい資源である。そして、最も大きな潜在能力を持つ資源である」
つまり、感情や意思を持つ「ヒト」の潜在能力をいかに引き出すかが経営における重要課題である、という考え方が生まれたのです。ヒトの行動の自由と企業経営上の規律というバランスをとりながら、労働者と経営者が良好な関係性を持つことも求められています。

モノ

モノ(物)は企業活動を進めていくために必要な物理的な資源のことをいい、有形固定資産と無形固定資産、消耗品に区分できます。
ヒトが物理的な資源を活用して商品・サービスに付加価値をつけて、カネを生み出します。
土地や建物といった不動産の場合では、存在そのものに価値を生む場合があります。企業が所有するモノを換金して、事業資金などに充てるケースもあるでしょう。
モノが豊富であれば生産力が増しますが、比例してコストもかかります。品物や企業規模によっては、モノが存在するだけで税金(固定資産税)を課せられることもあります。
したがって、モノの総量とコストのバランスを意識することが大切です。

カネ

カネは文字通り「お金」ですが、現金・預金だけでなく株式・有価証券や受取手形・売掛金といった流動資産も含まれます。
ヒトの採用・育成はもちろん、設備や備品といったモノを購入するためにもカネは必須で、配分のしかたによって企業の命運が左右されるといっても過言ではありません。
また、資本金が多ければ事業規模が大きく経営が安定しているという見方もあります。
特にキャッシュフローは血液の流れとも例えられており、現金が不足すると他の資産が豊富でも企業運営に支障をきたしてしまいます。必要に応じて融資を受けられるよう、メインバンクと密接なコミュニケーションをとる企業は少なくありません。

情報

情報は企業が保有する技術や地域・顧客とのつながりなど目に見えない(無形)財産のことをいいます。企業が活動する中で培ってきたノウハウや、特許権・著作権といった知的財産も含まれます。
単体では無価値のデータだとしても、他の情報やノウハウと組み合わせると高い価値を生み出す可能性があるため、情報の取り扱いには細心の注意が必要です。
情報の使い方次第で企業の利益が大きく変わる可能性を秘めているため、情報を貸与あるいは売却して現金を得ることも可能です。
なお、ヒトと情報は密接に関わり合っているため、人的資源管理を適切に行うことで退職と同時に情報を失うリスクは低減します。同時に、企業の情報防衛にもつながるでしょう。

人的資源管理が注目された背景

かつては人的資源を労働力としてとらえていた時代もありましたが、工場生産の規模拡大などに伴い、属人的な労務管理方法では管理が難しくなる事態が増えました。
加えて、20世紀前半にアメリカで実施されたホーソン実験では、企業内での立場や人間関係によって人間の生産性が変化することが明らかになりました。
その後、数々の研究を経て1970年代頃には人的資源管理という考えが定着しています。「経営者が労働者のモチベーションアップへの配慮を行い、生産性を向上すべき」という考え方です。

IT技術の普及や国際的な経済情勢の変化などに伴って企業に競争力強化が求められるようになり、人材も経営資源の一つとして活用する流れが背景にあり、人的資源管理が注目されるようになりました。

人的資源管理の方法とは?

人材資源管理は組織の経営戦略に基づき、従業員の能力・素質や心理的側面に着目しながら進めていきます。人的資源管理を行うには、タレントマネジメントシステムの活用も効果的です。
ここでは先に、3つのモデル概念を活用しながら人的資源管理を行う方法を解説します。

3つのモデル概念の活用

人的資源管理の概念として、経営戦略を重視した「ミシガンモデル」と従業員の心理的側面にも着目した「ハーバードモデル」が知られています。
2000年に入ってからは、競争優位性を高める考え方を持つ「高業績HRM(AMO理論)」も注目され始めました。それぞれのモデルについて確認してみましょう。

①ミシガンモデル

ミシガン・モデルは、経営戦略の実現や企業の目標達成を重視して人的資源管理を行うという考え方です。
「採用・選抜」「人材評価」「報酬」「人材開発」の4つの機能が組織内に含まれており、それぞれが個人・組織両方のパフォーマンスに影響すると考えられています。

そのため、4つの機能を経営戦略に直接取り入れて、パフォーマンス向上を目指す循環関係の構築が大切だといわれています。
給与や役割といった具体的報酬に加えて、従業員自身のやりがい・達成感や自己成長への手応えといった内面的報酬を提供して、目標達成を促しているのが特徴です。

②ハーバードモデル

ハーバード・モデルは、経営戦略や労働市場などの状況的要因に加えて、従業員の能力や組織への愛着を重視して人的資源管理を行うという考え方です。
人的資源管理の領域を「従業員の影響」「人的資源のフロー」「報酬システム」「職務システム」の4つに分け、すべての領域を効果的に機能させることでコストの有効性を高めます。そして、個人・組織双方の目標の合致を目指すのが特徴です。
従業員のメンタル面に対する配慮や、組織への帰属意識を向上させる必要性にも言及されており、人材マネジメント手法に大きな影響を与えたとされています。

③高業績HRM(AMO理論)

高業績HRMは、個人の業績を能力(ability)・モチベーション(motivation)・機会(opportunity)の関数で数値化できるという考え方です。
3つの要素を向上させることで、競争優位性を高められるとされています。

国際的には「最上位層→最下位層→中位者」の順で人事評価を行い、育成策を検討する流れが主流です。
なおAMO理論とは別に、権限委譲・情報共有・公平な報酬・知識の4要素で構成される「PIRKモデル」もあり、帰属意識の向上に有益だとされています。

タレントマネジメントシステムの活用

次に、タレントマネジメントシステムを利用した人的資源管理の方法があります。
従業員が持つ能力・資質や才能(タレント)や経験値などの情報をデータで管理することで、適材適所の人材配置が実現します。
従業員の相性や研修受講履歴を管理できるシステムもあり、人材情報の見える化にもつながります。さらに、人事評価データも蓄積可能です。

タレントマネジメントシステムを活用して人的資源管理を行うことで、従業員の潜在能力を引き出し、企業の経営戦略も効果的に推進できるでしょう。

タレントマネジメントシステムの使い方

今回は、人的資源管理の仕組みや4大経営資源について説明しました。従業員の能力を最大限に引き出して企業の経営戦略に取り入れていくためには、タレントマネジメントシステムの活用が効果的です。
ここからは、タレントマネジメントシステム「CYDAS PEOPLE」の概要や従業員情報の管理や評価・分析機能をサイダスの従業員からご説明します。

サイダスのタレントマネジメントシステムとは?

こんにちは。サイダスの塩田です。
当社のタレントマネジメントシステム「CYDAS PEOPLE」では、従業員のデータを活用して働きがいのある職場づくりの実現をサポートします。
従業員個人のスキルや過去の評価を一目で確認でき、従業員の相性も考えた上での適材適所の人材配置をシミュレーションできるのが特徴です。
数年前からタレントマネジメントシステムが普及し始めていますが、たくさんのデータが入って機能が豊富なのは、今や当たり前ですよね。
人事部門でも従業員の情報を集めるわけですが、社員自らが自分のスキルや、将来の希望に関する情報を登録してくれるのが理想の姿だと当社では考えています。
せっかくシステムを活用するなら、経営層・人事部門・社員一人ひとりと良好な関係性を保っていきたい。そんな思いから「CYDAS PEOPLE」は生まれました。

Performance analysis

先ほど3つのモデル概念でもお話ししたとおり、従業員の人材開発を効果的に進めるためには、現状のパフォーマンスの正しい分析が必要不可欠です。
「CYDAS PEOPLE」の「Performance analysis」を使えば、さまざまな人材データをもとにしながら、従業員の才能や素質を深く理解できるようになります。

9個の指標から従業員の能力を把握する「9Box」分析や、適材適所の人材配置をサポートする「HR Portfolio」をはじめとする、豊富なデータ分析機能も搭載しています。将来的に活躍が期待できる人もピックアップしてくれるので、組織全体のパフォーマンスを高めていくにも効果的です。

成功理由を分析する際も「Performance analysis」が役立ちます。成功したメンバーの行動特性(コンピテンシー)を分析した上でロールモデルを作成し、次世代の人材育成につなげられます。
成功体験を共有できれば、従業員のモチベーションも高まるのではないでしょうか。

目標管理アプリケーション

従業員が納得する形で公平に人事評価を進めることが、人的資源管理の第一歩です。一方で、進捗状況の管理や評価結果の集計・分析は担当者にとって負担が大きいものです。評価シートがなかなか提出されずに悩んだという人もいるのではないでしょうか。
「CYDAS PEOPLE」の「目標管理アプリケーション」なら評価履歴をデータで管理するので、簡単な操作で集計・分析データを確認できます。過去のデータなどとの比較も自由自在、従業員の成長度合いも一目瞭然です。
これまで運用されてきた紙やExcelの評価シートも、そのままシステムに引き継げるので導入時も安心してください。
従業員はパソコン・タブレットやスマートフォンからいつでも目標を確認できるため、仕事ぶりをこまめに振り返りながら、無理なく目標達成に取り組めます。上司や人事部門では評価の未提出者を管理でき、督促などの工数を削減できます。
評価や目標管理を通じた上司と部下のコミュニケーションが促進されることで、頑張れば報われるという風土の定着も後押ししますよ。

パーソナルプロファイル

人的資源管理を効果的に進めるには、データの探しやすさが大切なポイントです。

「CYDAS PEOPLE」の「パーソナルプロファイル」では社員の顔写真や氏名はもちろん、持っている資格や社内での経歴などのあらゆる情報を一目で把握できます。
登録されているすべての項目から社員検索ができるので、知りたい情報をとことん絞り込めるのが魅力です。

例えば、新しいプロジェクトに最適な人材を探したいときは、納得いくまで検索して候補者一覧を作成できます。しかも、このように個人のスキルや過去の評価も一目でわかります。
もちろん検索した情報は保管できますが、内容を確認できる人を限定する機能もあるため、機密を守る面でも安心して活用できます。登録された情報は従業員自身でも変更できるので、最新の情報に更新しやすいのも魅力ですね。
もう1つ、社員の研修受講を検索して一人ひとりに合った研修プログラムを作るという使い方もできます。社員の弱点を補強し、さらに強みを発揮していく企業も増えてきました。このように、人事情報を従業員のパフォーマンス向上にもぜひ役立ててみてください。

人的資源管理に取り組んだ他社事例

最後に、サイダスのサービスを導入いただいた事例をご紹介します。

株式会社大分銀行様は、インターネットバンキングの普及など金融機関を取り巻く環境が変化する中、従業員一人ひとりと向き合う人事政策に取り組む戦略を推進しています。その一環として、サイダスのサービス導入を決めていただきました。

キャリア面談で職員から丁寧に聞き取った「何をしたいと思っているのか」という志(Will)を、キャリアプランシートという形で見える化できました。職員の志をもとにキャリアプランに即した人材育成計画を立てて、個人の成長を支援できる形の研修を実現しています。
従業員個人の可能性だけでなくグループ会社の職務情報も見える化した上で、仕事に付加価値をつける取り組みも始まっています。

従業員情報の管理や人事データの分析はシステムに任せて、社員一人ひとりと向き合う時間を作る。人の目でデータを見て判断し、適材適所への人材配置を決めるというシステムとの共存共栄を目指しています。

タレントマネジメントシステム「CYDAS PEOPLE」を導入して、仕事の価値が高まる人的資源管理を実現してはいかがでしょうか。

株式会社大分銀行様の事例、全文はこちらからお読みいただけます。

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