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2019.7.23

永年勤続表彰はどうしたらいい?賞与の相場や記念品が課税対象になる条件とは?

永年勤続表彰制度の実施に向けて準備をしているという方もいるでしょう。その中には永年勤続表彰の制度を導入する場合、どのようなことに気を付けたらいいのかわからないという人もいるのではないでしょうか。たとえば、賞与や記念品は課税対象になるケースもあるので、内容をよく検討する必要があります。この記事では制度を実施するために必要な情報を提供するとともに賞与や記念品について、相場や課税対象の条件を説明します。

そもそも永年勤続表彰とは?

永年勤続表彰制度とは企業に長く勤めている社員に対して、これまでの頑張りを称えつつ今後についての期待を示すもののことを指します。同じ会社に何年も勤めるということは楽なことではありません。若年層の離職率、転職率が増えていることからも、同じ会社に何年も勤務するということ自体が少なくなってきています。そうした中で、永年勤続表彰は企業から感謝の気持ちを社員に伝えることで、モチベーションや意欲を高められるというメリットがあります。永年勤続表彰があることによって、若年層の離職率をさげ、意欲を上げることにも繋がるのではないかと考えている経営者も少なくありません。
永年勤続表彰は表彰状とともに、賞与や記念品を贈るケースが多いです。賞与は現金として与えられることもあれば商品券として与えられることもあります。また、記念品については名前入りのトロフィーやカタログギフトなどのように自分で内容を選べるような記念品も増えてきています。
年数としては10年ごとに永年勤続表彰をおこなっている企業が多く、企業によっては、3年や5年などのスパンで表彰することもあります。毎年のようにして表彰するものではなく、数年おきに行うというケースが多く、その表彰をもらうために頑張って仕事をしているという人も少なくありません。

永年勤続表彰で付与される記念品の例

付与される内容は企業によってさまざまです。たとえば、賞与のみ、記念品のみ、賞与+記念品などのようにさまざまな組み合わせや内容があります。記念品の中には永年勤続を称える文言が付けられた表彰状やトロフィーなどがあります。また、カタログギフトを贈り、社員が記念品を自由に選べるようにしている企業もあります。記念品だと好みの問題もあり、せっかく表彰されてもあまり嬉しくないという人もいます。そういった人たちに対応するために、カタログギフトを贈るという形式をとっている会社も少なくないのです。
賞与は現金以外にも、商品券や旅行券などを付与するケースもあります。また、「リフレッシュ休暇」「特別休暇」のような有給休暇を与える企業もあります。また休みを取るということも容易ではないこともあり、こういった有給休暇が増えると心身ともにストレスを減らすことができるので社員からも喜ばれることもあるようです。賞与の金額は他に付与するもの(記念品や休暇など)があるかどうかによっても異なります。相場としては、10年で5万円程度、20年で10万円程度だと言われています。

永年勤続表彰のために必要な準備

永年勤続表彰を設ける準備として、まず永年勤続表彰を行う年数と、付与する内容を決定する必要があります。3年に一度の表彰にするのか、それとも、10年に一度なのかということを決めます。また、記念品を贈る場合、どのような文言を入れるかについても検討する必要があります。商品券を贈るのか、記念品を贈るのか、ということについて考えていきます。
どのようにして表彰するのかも重要なことです。たとえば、大々的な表彰式を実施する場合、段取りや会場設営もしなければならないということもあります。会社の朝礼で簡単に表彰するだけなのか、それとも、大きな会場を借りて皆で表彰をするのかという表彰会の規模についても考えなければなりません。場合によっては担当者を設けたり会場を予約したりすると更にコストがかかることも視野に入れなければなりません。表彰を行うにしてもどのような形式で行うのかによって、会社が負担する仕事量やコストが変わってきます。会社としてはできるだけ、コストは抑えたいところですが、社員のモチベーションを上げるという目的のために永年勤続表彰を取り入れたいと考える会社も少なくありません。
実際に永年勤続表彰を取り入れた会社は離職率が下がったり、社員のモチベーションが上がったりすることもあり、たとえコストがかかっても誰かが離職したり、会社全体の士気が下がるよりはマシと考えて導入を決意する会社もあるのです。

永年勤続表彰による賞与は課税対象!

永年勤続表彰による賞与は課税対象になります。商品券は換金性が高いため、現金と同じく課税対象になります。金券ショップやオークションなどで転売することで現金にすることができるものについては課税対象になります。
課税対象になるということは税金がかかり、額面よりも少なくなるということを意味しています。本人が記念品を自由に選択できる場合(カタログギフトなど)も、記念品の価格に応じた課税がおこなわれます。せっかく記念品をもらっても課税対象になってしまうと、手元に残る分が少なくなるということもあり社員の間では不満を感じる人もでてくることもあります。

永年勤続表彰で課税対象にならない場合とは?

一方、永年勤続表彰で課税対象にならないものもあります。社会一般的にみて記念品としてふさわしいものであれば課税対象とはなりません。たとえば、旅行や観劇への招待費用は非課税になります。旅行券は商品券のように課税対象になることもありますが、旅行券を支給してから1年以内に使用していれば、旅行代金の支給とみなされて非課税になります。旅行券は、金券ショップやオークションなどで「現金に換金することが可能」です。旅行券を使い実際に旅行に行ったという証拠があれば、非課税になります。現金として形に残るかどうかということが課税となるか、非課税となるかの違いであるといえます。
ただ、旅行券や観劇への招待券などは興味のない社員にとってはあまり嬉しくない記念品にもなります。旅行券や観劇への招待券をもらうくらいならば、現金や商品券のほうがありがたいという人もいます。そのため、会社としては非課税になるからといって安易に記念品を旅行券や観劇への招待券にすることもできません。社員のニーズに合わせた記念品でなければ社員のモチベーションはあがることはありません。

永年勤続表彰の具体的な実施例

たとえば、永年勤続表彰としては、賞与+休暇の場合には勤続10年で賞与4万円+休暇5日、勤続20年で賞与8万円+休暇6日、勤続30年で賞与14万円+休暇7日というような実施方法が考えられます。これはあくまでも一例であって、会社によって内容は異なります。他にも、賞与+記念品の場合は勤続10年で賞与3万円+記念品1万円程度、勤続20年で賞与7万円+記念品1.5万円程度、勤続30年で賞与12万円+記念品2万円程度のような支給方法が考えられます。
記念品についてはできるだけ、非課税にしたいという考えから、旅行券や観劇招待券になるということもあります。しかし、社員のニーズに合っていないということからあまり喜んでもらえない場合もあることから自分で選んでもらう形式をとる会社もあります。たとえば、自分で内容を選べる形の福利厚生プランも多くなってきています。これは多くある福利厚生の項目から自分が必要とするものだけを選んで生活に役立てることができるため、社員からも喜ばれます。具体的にはジム割引、スパ無料、カフェ利用割引のような多種多彩な項目から好きなものから自分がリフレッシュできる福利厚生を選ぶことができるのです。一人ひとりのニーズに合わせた福利厚生を得られることから人気があります。このように自分で自由に選べるプランは社員からも喜ばれるということから、永年勤続表彰の記念品についても自分で選べる形式をとっている会社もあります。固定の記念品を贈るかそれとも選択肢をいくつか準備するかにしても、それぞれ会社が負担することになるのでそれだけコストもかかります。永年勤続表彰制度を新たに導入する際には十分な検討が必要でしょう。

永年勤続表彰を始める際のポイント

何年ごとに表彰するかについては、コストや管理面を考慮して決める必要があります。新しく永年勤続表彰制度を始める場合には、すでに長く勤務している社員に対してさかのぼって表彰を行うのかという問題があります。新しく制度を取り入れてしまうと、それまで働いてきた人たちも対象に含めるのかどうかを考える必要があります。社員のなかには、さかのぼって表彰してほしいという人もいる場合もあります。一人だけの要望に応えるわけにもいかないので、会社としては一人さかのぼるのであれば、全員の勤務年数も同様にさかのぼり対応する必要が出てきます。そうすると、そこで更に人件費やコストがかかることが考えられます。
また、正社員だけでなく、契約社員やアルバイトへの表彰はどうするかについても検討する必要があります。たとえ、5年で表彰すると決まっていても、週に1回しか勤務していないアルバイトや契約社員にまで表彰するのか、それとも、勤務時間と日数を割り出して、更に勤務年数と照らし合わせて表彰するかどうかを決めるのかということをしっかりと考える必要があります。
このように、どこまでどのような人を、会社が表彰するのかという基準を細かく決めていくことが永年勤続表彰制度を始める場合のポイントになります。

永年勤続表彰で社員の頑張りを称えよう

社員のモチベーションをあげる方法はさまざま考えられます。たとえば、ボーナスの増額や福利厚生の充実などがあります。そのなかでも、永年勤続表彰を導入して記念品や賞与などを付与することは、社員のモチベーションややる気を向上させる一つの選択肢として考えることができるでしょう。社員のモチベーションがあがると、会社としても成果や実績があがり、皆でその恩恵を分かち合うことができます。
また、永年勤続表彰は組織の活性化や、よりよい雰囲気作りをすることにも繋がるのでとてもおすすめです。社内で表彰に意味があるのかという意見も聞かれますが、お互いの労をねぎらい、褒め称える時間があることによって嫌な気持ちになる人は少ないものです。永年勤続表彰の制度にかかるコストやその内容などを考慮しつつ、社員の頑張りを称える機会を積極的に作っていきましょう。

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