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2021.4.5

ゼネラリストって何?その育成方法やキャリア形成のポイントまで

企業で働く人材を表す概念としてしばしば使われる用語に「ゼネラリスト」「スペシャリスト」があります。企業が高い生産性を得るためには、自社の人材を適切に活かすことが欠かせません。そのためには、ゼネラリスト・スペシャリストという概念を十分に理解したうえで人材戦略を構築することが必要です。そこで、今回はゼネラリストをとりあげ、スペシャリストとの違いや育成方法、キャリア形成などについて詳しく説明します。

ゼネラリストとは?

ゼネラリストは「広範囲な知識・技術・経験をもつ人」を意味する言葉です。ビジネスにおいては、幅広い分野の知見と経験があり、オールラウンドに活躍できる人材を指します。ゼネラリストの大きな特徴は、多岐に渡る分野の経験と業務知識があることです。豊かな経験から多面的な切り口で物事をとらえて判断することが可能で、ビジネス上の課題に対してこれまでにない解決法を思いついたり、斬新なサービスやシステム開発の糸口を発見したりできます。

さらに、複数の業務をこなしてきた経験を土台として、さまざまな仕事を客観的な視点で評価できるのもゼネラリストの特徴の1つといえるでしょう。豊富な経験や保有する知識の多さから、想定外の事態が起こっても慌てず臨機応変に対応できるのも強みです。有能なゼネラリストは、自身が組織や周囲の人間からどのような役割を求められているのかを適切に把握し、それに応じた振る舞いをすることができます。部下やチームをまとめるポジションや、現場を広く見渡して適切に管理するポジションに適切な人材といえるでしょう。

ゼネラリストとスペシャリストの違い

ゼネラリストの対義語がスペシャリストで、特定の分野における専門性が非常に高い人材を指すときに使われます。幅広い分野を経験し広い知識があるゼネラリストとは対照的に、特定の分野の専門知識やスキルを深く習得しており、一点集中で活躍できる人材です。もちろん、仕事をするにあたっては専門とする分野以外に隣接分野の知識も必要なケースもあるため、完全に1つの分野に特化しているとは言いきれません。とはいえ、ゼネラリストに比べると、スペシャリストが保有する専門知識は高度でその領域は狭く深いものといえます。

ホテル業界を例にあげれば、宿泊部門や料飲部門などの各部門をジョブローテーションして幅広く経験をつみ、ステップアップして支配人やマネージャーになるのがゼネラリスト、コンシェルジュやソムリエなどがスペシャリストに該当するでしょう。IT業界でいえば、プロジェクトマネージャーはゼネラリスト、一定以上のレベルがあるシステムエンジニアはスペシャリストにあたります。ゼネラリストはスキルや知識を横へ横へと幅広く広げていき、スペシャリストは意識やスキルを下へ下へと深く掘り下げていくとイメージすればわかりやすいでしょう。

スペシャリストには、1つのことに黙々と集中でき興味関心のある物事を業務に結び付けられる人がなる傾向があります。

ゼネラリストの育成方法

ゼネラリストには、誰でもなれるものではありません。人により、向き・不向きがあります。そのため、企業がゼネラリストの育成を望むのであれば、まずは素質がある人材を慎重に選抜する必要があります。そのうえで、選んだ人材にキャリア・デベロップ・プログラム(CDP)を適用し、時間をかけて育てることが必要です。CDPとは、数年~数十年先を見据えた中期的・長期的スパンの能力開発プログラムを指します。ただし、プログラムといっても画一的に組まれた内容を履修するようなものではありません。

CDPは、ゼネラリストとなることが期待されている本人が主体的に目標を設定し、企業側が目標の達成に向けて全面的に支援するというものです。社員本人のキャリアデザインに対する希望を考慮して組まれたプログラムのため、主体的にキャリアの形成を図ることができます。リーダーやマネージャーなどの管理職になることを大きく期待されているゼネラリストにとっては、キャリア形成は欠かせないものです。企業サイドは、社員が自発的に考えて業務に取り組める状況・体制を整えておくことが大切です。

ゼネラリストに適している働き方

ゼネラリストは、さまざまな分野の知見や経験があり、不測の事態にも適切に対応できるオールラウンダーな人材です。それでは、ゼネラリストとしての能力を活かすには、どのような働き方が適しているのでしょうか。ここでは、ゼネラリストに適した働き方を解説します。

管理職

ゼネラリストの特性をもっとも活かせる働き方の1つが管理職です。管理職は、現場を見渡し、プロジェクトを成功裏に収めるために現状を正確に把握し、組織を統制したり部下に指示を出したりする必要があります。部下の指導・育成を行ったり上層部に現場の状況や成果を報告したり反対に上層部の意向を現場に周知させたりするのも管理職の大切な業務です。広い視野と豊富なノウハウに基づく客観的な考え方も欠かせないでしょう。管理職はプレイヤーとして自分の仕事だけをしていれば良いわけではありません。自分以外の仕事も管理する必要があり、ゼネラリスト的な働き方が必要です。

管理職になるまえにさまざまな部署で業務を経験してきているため、部下としても安心して指示に従い、仕事の管理を任せられます。

マネジメント職

マネジメント職は、組織や担当する相手が最大限の成果をあげられるように、さまざまな手段を効率よく用いて目標達成まで導く仕事です。マネジメントする対象の業務についての深い見識と理解が欠かせず、対象が増えるほど必要な業務知識も広く深く膨大なものとなります。これまでにさまざまな部門の仕事を担当して経験を積み重ね、広く知識を蓄積しているゼネラリストにまさに適任といえます。なお、マネジメント職についてからも知識の習得は続けなければなりません。さらなる飛躍を目指してゼネラリストとして研鑽を積み、学び続ける姿勢が求められます。

ベンチャー企業の社員

ベンチャー企業の社員もゼネラリストに適した働き方です。明確な定義はないものの、通常、ベンチャー企業とは創造的・革新的なアイデアや高度な技術をもとにビジネスを展開している企業を指します。大半が中小規模の企業で、少数精鋭で事業を回していることが一般的です。そのため、社員1人1人に大きな裁量権があり、意思決定までのスピードが速いのが大きな特徴といえます。社員全員が経営に深く関わっていることもよくあり、それぞれが要所要所で的確な事業判断をすることが求められるケースも多いです。状況を適切に把握し、ビジネスシーンに応じてさまざまな役割を果たすオールラウンダー的能力も求められます。

これまでにゼネラリストとして活躍してきた経験があるなら、その手腕を最大限に発揮し活躍できるフィールドといえるでしょう。未経験の人であれば、特定の専門領域に留まらず複数の分野に渡って幅広い業務知識を得たり経験を積んだりすることが可能です。これからゼネラリストを目指す人にとって、ベンチャー企業はうってつけの場といえます。

人事・総務

人事は、会社に貢献できる有能な人材を採用し、育成環境を整え適所に配置するなど非常に重要な役割を担っています。人事部門で働く社員は、単に労務関連の制度や法律などの専門知識だけではなく、対人交渉能力や折衝力、細やかな調整力なども求められます。膨大な数の面談をこなしたり多くの人と連携したり、他部署の要望を聞き取って対処したりするほか、社内外問わず臨機応変に対応するなど高いコミュニケーション能力も必要です。

総務は、各部署の社員が快適に業務を遂行できるよう環境を整えたり、備品の管理や必要な手配、手続きを行ったりする部門です。社内イベントの企画運営をしたり代表電話に来た問い合わせに対応したりするのも総務の仕事です。会社のバックオフィスとして担当する業務の幅は広く、各部署でどのような業務を担当し何が必要なのかなどを知っておく必要があります。さらに、企業経営に関する幅広い知識も欠かせません。

このような広範な知識が必要なバックオフィス領域も、ゼネラリストが活躍できる場といえます。

ゼネラリストとしてキャリアを積むには?

ゼネラリストとしてキャリアを構築したいのであれば、周囲の人間と積極的に関わり、さまざまな意見を聞いて多くのことを吸収する姿勢が大切です。企業内にはスペシャリストもおり、企業外にも他企業の社員など業務上の関わりがある人はたくさんいるでしょう。このようなさまざまな立場に立つ人との間に軋轢を生まず、スムーズにコミュケーションをとることが大切です。また、ゼネラリストは広範囲に渡る知識や見識が必要とされます。そこで、常日頃から業務内外のさまざまなことに好奇心をもち、積極的に学ぶ姿勢も重要です。

これからの時代、ビジネス環境は目まぐるしく変動し、最先端の知識を間断なく学び続ける必要があります。とはいえ、知識や技術を1人でコツコツと学ぶことはおよそ生産的ではなく、非効率です。積極的に周囲の人間からアドバイスを受けながら学習していく必要があります。変化を恐れず、知らないことは知らないと率直に認め前向きな気持ちで学ぶ姿勢が保てるなら、ゼネラリストとしてのキャリアを形成するのは難しくないでしょう。

ただし、ゼネラリストになりさえすれば安泰につながるというものではない点に注意が必要です。ゼネラリストとして豊かな経験や幅広い見識、高い対応力などを身につければ、活躍のフィールドが増えることは確かです。とはいえ、景気や業界の動向は予測できるものではなく、キャリア形成は個人の資質や能力にも左右されます。ゼネラリストになることを業務上の目標とするのではなく、キャリアを成功に導くための手段としてゼネラリストになることを再認識しておくことが大切です。

学びの姿勢を忘れずにゼネラリストとして成長しよう

ゼネラリストは豊富な業務経験やスキル、広範囲に渡る知識などからビジネスにおけるさまざまなシーンで活躍が期待されます。特に、組織をとりまとめたり部下を指導・育成したりする管理職などでおおいに活躍できるでしょう。ゼネラリストとして働きながら常に学び続ける姿勢を大切にし、習得した知識やスキルを横へと拡大してキャリアアップしていきましょう。

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