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2020.12.9

企業の人材育成の要!ハイパフォーマーの定義・分析・活用方法とは

「ハイパフォーマー」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。企業の売上向上や組織の成長に大きく影響する人物を指します。ハイパフォーマーの存在や意味を知らないまま、企業を成長させていくための施策に悩んでいる経営陣、人事担当者は少なくありません。この記事では、ハイパフォーマーの定義から分析方法、活用方法まで解説します。

ハイパフォーマーとは

生産効率を大きく高める人材

業務上、高いスキルを持って目立った業績を残している人材をハイパフォーマーと呼びます。ハイパフォーマーは組織内で中心的な役割を果たし、企業の発展に大きく貢献している人物です。ハイパフォーマーは上層部から課せられたノルマを達成するために努力し、企業に利益をもたらします。そのため、ハイパフォーマーが多い企業ほど、生産効率が高いといえるでしょう。

他の従業員へ大きな好影響を与える

また、ハイパフォーマーは他の従業員にも好影響を与えます。身近に優れた人材がいると、従業員は「自分も頑張らなければ」と奮起するからです。さらに、目標にできる理想像を近くで見られるのもポイントです。ハイパフォーマーは組織作りにポジティブな成果を加えてくれることが多く、人材育成やエンゲージメント向上をサポートしてくれます。HRテック(ATやクラウド、ビックデータ解析などの最先端技術を活用して、人事業務領域が抱える課題を解決し、効率よく質の高い業務を支援するサービス全般)が進化したことで、どの企業もハイパフォーマーを客観的なデータによって定義できるようになりました。後進育成のため、ハイパフォーマーを大切にしようという傾向は強まっています。

なぜ注目されているのか

労働力不足の時代に注目される

なぜハイパフォーマーが注目され始めたのかというと、1つは「労働力不足」が挙げられます。高齢化社会などの影響で、企業は十分な労働力を確保するのが難しくなってきました。そのため、従業員の数ではなく、1人あたりのパフォーマンスで企業力を向上させる必要が生まれているのです。また、「8-2の法則(パレートの法則)」などの理論が提唱されたのも大きいといえます。8-2の法則はイタリアの経済学者、ヴィルフレド・パレートによって発見されました。すなわち、企業の業績を決定づけるのは、従業員の2割ほどを占めるハイパフォーマーであるという理論です。こうした研究が進むにつれて、経営者は従業員の質を高める工夫を施すようになりつつあります。

人材の有効活用にも

こうした背景から、規模に関係なく、多くの企業がハイパフォーマーの確保、育成に力を注ぐようになりました。人材の有効活用という側面から、企業の抱える欠点を克服できる大切なテーマとして経営者の関心を集めています。

ハイパフォーマーは人材育成にも活用できる

コンピテンシーモデルとは

おおまかに定義すれば、ハイパフォーマーは「生産性の高い従業員」となります。そして、ハイパフォーマーはコンピテンシーモデルともかかわりがあります。コンピテンシーモデルとは、「行動特性」のことです。優れた人材は独自の行動パターン、思考回路を持っています。そして、「多くのデータを参照すると、優れた人材の行動特性からは共通点が浮かび上がってくる」という考えに基づき、コンピテンシーモデルは企業成長の目安として注目されてきました。コンピテンシーモデルが明確になれば、優秀な人材の育成がより楽になるからです。

ハイパフォーマーをコンピテンシーモデルに

コンピテンシーモデルを固める際、必要なのは理想の人材を設定することです。その人の行動を分析し、客観的なデータに置き換えることで他の従業員が参考にできるようになります。ここでいう理想の人材にあたるのがハイパフォーマーなのです。優秀な従業員をハイパフォーマーとして選出し、行動や思考を観察すればコンピテンシーモデル構築に近づけます。コンピテンシーモデルのデータは、企業が行う人材育成に役立ちます。

ハイパフォーマーの特徴

ハイパフォーマーの特徴①成果を重視する

明確なイメージで仕事をしている

企業に貢献できるハイパフォーマーを見定めるにあたり、重要なのは「業務上の成果」です。ノルマの達成率、新規顧客の獲得件数など、与えられたタスクを高次元でこなしている人材こそハイパフォーマーと呼べるでしょう。彼らには目標に向かう、明確なイメージがあります。そのため、プロセスに取り組んでいる間も悩みや迷いがありません。そして、「必ず成果に結びつけよう」とする強い意識を持っています。スキルもさることながら、正しいメンタリティによってハイパフォーマーは成果を生み出しているのです。

目標に向かう際の考え方

ハイパフォーマーの特徴として、「目標」との向き合い方が挙げられます。彼らは目標を自覚しているだけでなく、そこへ向かうまでの間に何を上層部から期待されているかまで考えています。そして、何を達成すれば目標にたどり着けるのかを常に分析しているのです。なお、「成果重視」とは自分本位に仕事を進めることではありません。作業の優先順位を整理し、スケジュールを細かく組みながら組織の一員として行動することを指します。

ハイパフォーマーの特徴②行動力がある

成果を得るためには行動

当然ながら、アクションがないと実績には結びつきません。いかに理路整然とした計画を練っていても、自分から動かない人材はハイパフォーマーになりえないのです。行動力はハイパフォーマーの大前提といえるでしょう。彼らは、行動によってしか成果を得られないと知っています。そのうえ、今だけでなく将来のことまでを考えて、コツコツと努力できる信念も持っています。そのため、ハイパフォーマーは考えながらも常に動くことを止めません。

ハイパフォーマーはあきらめない

もちろん、いつでも行動が成功するとは限らず、失敗に終わることもあります。新たな課題にぶつかる場面も出てくるでしょう。しかし、ハイパフォーマーは困難な状況でこそ原因を追究し、次の一手を生み出す糧とします。何より、ハイパフォーマーは目標にたどり着くまであきらめません。期待した成果を出せるまでチャレンジを続けます。こうした姿を周囲に示すことで、組織全体の底上げにもなっていくのです。

ハイパフォーマーの特徴③対人能力が高い

組織力の重要性

どうしてハイパフォーマーがコミュニケーションを大切にしているのかというと、組織力の重要性を知っているからです。どれほど優秀な従業員でも、1人で頑張るだけでは成果につながりません。周囲と連携してようやく大きなプロジェクトを達成できます。そこで、ハイパフォーマーは同僚やビジネスパートナーと密に連絡を取り合い、信頼関係を結んでいきます。その結果、各方面からサポートを得られるようになり、困難なミッションも乗り越えられるのです。

メンバーのバランスをハイパフォーマーが調整

こうしたハイパフォーマーの対人能力は、組織を運営する際の基準になります。チーム作りを考える際、メンバーのバランスを意識してみましょう。メンバー同士がお互いが支え合えるようなら、そのチームの組織力は高いといえます。そこで中心になるのもハイパフォーマーの存在です。ハイパフォーマーがいれば、メンバーや部署間のコミュニケーション、取引先との交渉もスムーズに行えます。そして、個人の能力を超えた成果すらも組織にもたらせるようになります。

ハイパフォーマーの特徴④部下を大切にする

フォローやスキルの継承に積極的

先輩や取引先だけでなく、同僚や後輩とも深い関係を築けるのがハイパフォーマーの強みです。ハイパフォーマーはチームメンバーが結束しないと大きなプロジェクトを進められないと理解しています。そのため、後輩をフォローして成長を手助けすることに余念がありません。ハイパフォーマーは後輩相手にスキルやノウハウの継承を積極的に行います。もしも後輩がミスをしても、自ら後処理を引き受けます。そうやって同僚や後輩と関わる時間を長くすることで、教育が行き届いていくのです。

最終的に組織力を高める

その結果、ハイパフォーマーの能力は後進に引き継がれていきます。未熟な人材が成長することで、組織全体のレベルは底上げされます。また、「失敗しても先輩がフォローしてくれる」と思うことで、若手はのびのび仕事をしやすくなるでしょう。最終的に、若手が伸びれば先輩の仕事も助けられるため、ハイパフォーマー自身の飛躍にもつながります。後輩を大切にできるハイパフォーマーは、組織全体のパフォーマンスを高められるのです。

ハイパフォーマーの特徴⑤ポジティブに働く

周囲に好影響を

前向きで楽しく仕事をしているのはハイパフォーマーの魅力です。ネガティブな考えを持たず一生懸命働いているので、常に向上心を忘れません。また、ハイパフォーマーと一緒に働く同僚にも良い影響をもたらします。さらに、顧客にも好印象を抱かれやすいので、組織全体に望ましい流れが生まれます。前向きに働くハイパフォーマーは、チャレンジ精神も旺盛です。同僚と新しい企画を立ち上げたり、外部の勉強会に参加したりと挑戦を忘れません。現状に甘んじることなく、社会人として進化を続けていきます。

将来の心配をしない

さらに、苦境と対峙してもハイパフォーマーは頭を働かせることを止めません。問題解決に必要なことを考え、解決できるまで根気強く課題に向き合います。こうした姿を見て、同僚も「自分も頑張らなければ」と感化されていくのです。このように、ハイパフォーマーは将来の心配をして落ち込むようなことがありません。全力で今できる仕事をこなしていくからこそ、組織のピンチにも存在感を発揮します。ときには、気落ちした仲間を引き上げるような、リーダーの役割も務めてくれるでしょう。

ハイパフォーマーの分析方法

ハイパフォーマーの分析方法①価値観

はっきりとした軸がある

組織がハイパフォーマーのデータを取るのであれば、彼らの「軸」に注目しましょう。どのような仕事であれ、最後までやり遂げるには「正しさ」「優先順位」といった軸が出てきます。業務内容を理解し、成果を得るには価値観の軸を揺るぎなくすることが大事です。ハイパフォーマーは仕事をする際、はっきりとした目的意識や価値観を持っています。だからこそ、ゴールまでの道筋を明確に思い描き、余計な事象に煩わされず一心不乱に仕事をこなしていけるのです。

価値観を数値化してみる

こうしたハイパフォーマーの価値観をデータ化すれば、他の従業員の育成に利用できます。ハイパフォーマーの考え方を参考にして、優秀な後進を育てたり、組織全体の底上げを図ったりできます。なお、価値観を分析する際には客観的で数値化できるツールを用いましょう。主観に頼って分析をしてしまうと、ハイパフォーマーの強みを見誤ってしまう危険が出てきます。適性検査を受けてもらうなどする方法が一般的です。検査をすればハイパフォーマーのデータに含まれている特長を深く調べることができ、他の従業員との違いも比較できます。

ハイパフォーマーの分析方法②知識・スキル

利益はスキルによって生まれている

業務に大きく関わる部分として、ハイパフォーマーの知識やスキルにも客観的な分析が必要です。ハイパフォーマーが組織に利益を生み出すのは、彼らの備えているスキルが優れているからです。つまり、彼らの知識やスキルをデータ化できれば、今後の人材育成に有効活用できるといえるでしょう。たとえば、ハイパフォーマーに共通している資格や経験が分かれば、社員教育の参考にできます。業務経験を掘り下げ、上司から部下への指導に役立てるのも得策です。ハイパフォーマーと似た経歴を持つ人材を、外部から社員として積極的に採用するのもひとつの方法です。

カッツ・モデルとは

なお、ハイパフォーマーのスキル分析に役立つ概念として「カッツ・モデル」があります。アメリカの経営学者ロバート・L・カッツが1950年代に発表した思想で、マネージャーに必要なスキルを3つに分類したものです。それらは「テクニカルスキル(業務遂行能力)」「ヒューマンスキル(対人関係能力)」「コンセプチュアルスキル」であり、全てを兼ね備えている人材はリーダーに向いています。ハイパフォーマーを構成している要素として参考にしてみましょう。

ハイパフォーマーの分析方法③行動特性

優秀な人材の行動は特性に基づく

人間の行動パターンを可視化したデータを「行動特性」と呼びます。「行動の理由」「行動ができるようになった過程」「状況と行動の組み合わせ」など、行動特性にあてはまる領域は多岐にわたります。一見、感覚で引き起こされているような行動でも、数々のデータを分析すれば特性に基づいていることは少なくありません。行動特性を具体的に分解し、全従業員の参考にできるよう落とし込んだものが行動レベルです。一人ひとりの従業員が行動レベルを改善することで、日々の実践的な行動に反映させることができます。

モデルを打ち出して指導を

時代とともに、ハイパフォーマーのコンピテンシーを把握しながら人材教育を行っている企業は増えてきました。こうした企業は、まず企業内アンケートなどを取ってハイパフォーマーとそれ以外の従業員の行動特性を分析しています。そして、一般の従業員が少しでもハイパフォーマーに近づけるよう、コンピテンシーモデルを打ち出して指導しています。

これからの時代に必要な存在!

ハイパフォーマーの意味や、活用方法、分析方法が分かったでしょうか。ハイパフォーマーは組織の成長を促すキーマンになりえます。少数精鋭の組織作りが求められる時代では、ますますハイパフォーマーの重要性は上がっていくはずです。ただし、ハイパフォーマーの定義は組織ごとに変わっていきます。自社のハイパフォーマーを定義できるシステムとして「CYDAS PEOPLE」や「Profile Manager」などを参考に、組織作りを見直していきましょう。

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