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2021.6.28

ジョブディスクリプションとは?メリットや作成方法を徹底解説!

会社員として仕事をするにあたっては、「この仕事をしてください」と会社側が指定した業務を行うことになります。業務範囲や業務内容の指定を行う場合、使われる可能性があるのが、ジョブディスクリプションです。なかには、ジョブディスクリプションについて詳しく知らない人もいるのではないでしょうか。そこで、本記事ではジョブディスクリプションの概要や、作成方法について解説します。

ジョブディスクリプションとは?

ジョブディスクリプションとは、職務の内容を詳しく記載した書面のことで、日本では職務記述書と呼ばれているものです。雇用している会社側が作成し、社員に対して交付します。ジョブディスクリプションは、欧米企業においてなくてはならない書類です。しかし、日本の企業では、このジョブディスクリプションに相当する書類がないケースほとんどだといわれています。

ジョブディスクリプションは、さまざまな場面で活用される書類です。例えば、採用活動だけでなく、人事評価などにも使われています。この書類を作成する目的は、社員の職務内容や業務範囲について明確に示すことです。そのため、業務の内容や範囲にあいまいさが残っていると、重複作業が生じたり誰も対応しない業務ができたりして、生産性は上がりにくくなるでしょう。ジョブディスクリプションで業務内容などを明確にすれば、生産性が向上すると期待できます。日本でジョブディスクリプションを作成する習慣が定着していない理由は、欧米と日本で労働習慣が異なる点があるからです。

日本では、人物評価・人間関係中心で採用や転職が成立することが多い傾向でした。一方、欧米では、「どのような仕事ができるか」という職務中心の転職になっています。この違いにより、欧米では欠かせないジョブディスクリプションが、日本ではほとんど見られないのです。

ジョブディスクリプションのメリット

日本では、あまり見られないジョブディスクリプションですが、作成すればいくつかのメリットを得ることが可能です。ここでは、ジョブディスクリプションの主な4つのメリットについて説明します。

給与体系がわかりやすくなる

1つ目のメリットは、業務範囲が明確になることによって、給与体系もわかりやすくなることです。それぞれの社員が担当する業務が明確になっていれば、業務内容や難易度を考慮し業務別の給与体系を整えたうえで、各社員に適用することができるようになります。ジョブスクリプションがなく、担当業務があいまいな状態では、仕事の達成度や貢献に関する評価が不明確になってしまいかねません。その状態で給与が決められると、「自分は評価されていない」「働きや成果に見合った給料ではない」といった不満を、社員へ募らせてしまう可能性があります。また、社員間の給与額に関する不公平感が生じることもリスクです。

ジョブディスクリプションを導入して、各社員のやるべきことが明確になれば、給与に関しても公平な体系を組むことが期待できます。結果的に、ジョブディスクリプションの導入によって社員の不満を解消することにつながるでしょう。また、平等・公平な給与体系ができることは、訴訟リスクの回避にもつながる点も、見逃せないメリットです。

ほしい人材を採用しやすくなる

2つ目のメリットは、自社が求めている人材を採用しやすくなることです。ジョブスクリプションがあれば、採用したあとで「どのような仕事をするのか」がわかりやすくなります。採用される側としても、入社後の仕事内容が明確になれば安心ですし、採用面接においても会社が求めることが明確になるためアピールもしやすくなるでしょう。結果的に、会社が求める業務に精通したスペシャリストの採用につながる可能性が高くなります。業務内容を明確にすることで入社後の育成をしやすくなる点も、ジョブディスクリプションを作成するメリットです。

また、求職者に対して自社の募集内容を提示するにあたって、ジョブディスクリプションを利用して職務内容などを明示しておけば、採用時におけるミスマッチを防ぐことにも役立ちます。条件が合わない人が応募しなくなることで、採用に関わるコストを下げることが可能です。さらに、ミスマッチが防げれば採用後すぐにやめてしまうことを回避することにもつながるでしょう。

人事評価が明確になる

3つ目は、人事評価の基準が明確になり、より公平な評価が可能になることです。仕事の成果を適切に評価するためには、どのような業務を求めるのかを明確に社員に示す必要があります。ジョブスクリプションは、仕事内容を規定するとともに、評価基準を明確にすることにもつながるのです。明確な基準がなければ、同じ仕事をしたとしても上司によって評価が変わってしまう可能性があります。ジョブディスクリプションによって仕事内容と範囲を明確にすれば、成果を測りやすくなりスムーズに人事評価を進めることにつながるでしょう。

ジョブスクリプションで仕事内容を明確化することは、法的な訴訟リスクを避けることにもつながります。社員からの訴訟は、不満が原因となっていることが多い傾向です。その不満は、会社側の評価と社員の自己評価の違いから生じます。そのため、ジョブスクリプションで、あらかじめ評価基準の基礎となる業務内容などを規定しておけば、トラブルの回避が期待できるでしょう。さらに、公平な人事評価が行われるようになれば、社員は「公正な人事評価が行われている」と感じ、安心して仕事に打ち込めるようになる点も見逃せないメリットです。ジョブスクリプションを作成することは、社員のモチベーションアップにもつながります。

論理的な組織運営ができるようになる

4つ目のメリットは、論理的な組織運営を可能することです。論理的な組織運営とは、その会社で働いている人が納得できる合理的な判断によって会社が進んでいる状態のことだといえるでしょう。合理的な判断の元となるものには、事業に関わる経営判断の基準はもちろん、給与体系や人事評価基準なども含まれます。経営理念など会社の考え方のよりどころがあることは重要ですが、論理的な組織運営を進めるためには、それだけでは不十分です。個々の社員が、それぞれどのような仕事をすればよいのかを、あらかじめ明確にしておくことも大切になります。そのため、ジョブディスクリプションを作成することが有効な対策の一つとなるのです。

論理的な組織運営が行われている状態であれば、各社員が十分力を発揮して安定したパフォーマンスが期待できるようになるでしょう。これにより、経営における事業計画や経営見通しが立てやすくなります。ジョブディスクリプションの作成は、論理的で円滑な組織運営を行うことにもつながるのです。

ジョブディスクリプションのデメリット

ジョブスクリプションを作成することには、メリットだけでなくデメリットがあることも認識しておく必要があります。主なデメリットは、以下の2つです。

#業務に柔軟性がなくなる
1つ目は、各社員が行う業務に柔軟性がなくなることです。ジョブディスクリプションを作成することによって、社員の仕事内容を詳細に規定することが可能になります。しかし、その一方で、社員はジョブディスクリプションに記載されていることしか取り組まないようになることはデメリットです。業務を進めていくと、時には臨機応変さが必要になることもあるため、記載されている仕事内容から外れることもあるでしょう。ジョブディスクリプション以外の業務をしなくなると、そういった状況に対応することは難しくなってしまいます。

#ゼネラリストが育たない
2つ目は、ゼネラリストの育成が難しくなることです。ジョブディスクリプションを詳細に作れば作るほど、社員が行うべき仕事は専門化され、担当以外の業務は仕事の範囲外となってしまう傾向があります。そうなると、さまざまな業務を理解しながら職場間連携の仕組みを把握する機会は減ってしまい、ゼネラリストが育ちにくくなってしまうのです。ゼネラリスト育成は、日本特有の労働文化だといわれています。しかし、ジョブディスクリプションの導入は、こういった文化を排除してしまうリスクがあるのです。

ジョブディスクリプションを作ってみよう

ジョブディスクリプションのメリット・デメリットを理解したら、いよいよ実際に作成してみましょう。ここでは、ジョブディスクリプションに記載する内容や作成にあたってもポイントについて紹介します。

4-1.記載すべき内容

ジョブディスクリプションに記載すべき主な内容は、以下の4つです。

#企業が求めている人物像
1つ目は、求める人物像です。ポジション名や必要となるスキル、資質などを記載しましょう。

#職務内容
2つ目は、職務内容です。ジョブディスクリプションのメインとなる内容です。できるだけ具体的に、業務範囲や業務を行う目的、職務上の責任を明記します。

#企業の構造
3つ目は、企業の構造です。例えば、報告のルールやレポートライン、給与体系、評価基準、さらには勤務条件などがこの項目に含まれる内容になります。

#適宜変更される可能性がある旨の記載
4つ目は、記載内容は適時変更される可能性がある旨の記載です。状況や社員の成長などに応じて、ジョブディスクリプションは書き直されるものだと認識しておきましょう。すべての項目の記載を終えたら、社員とその内容を共有します。社員が内容を理解して了承ことを証明するために、社員の署名を入れることも忘れないようにすることも大切です。

作成する際のポイント

ジョブディスクリプションの作成にあって、注意すべきポイントは以下の3つです。

#記載内容が相違ないようにする
1つ目は、実際の職務内容とジョブディスクリプションの記載内容に相違ないように作成することです。実際とは異なる内容では、作成する意味がなくなってしまいます。

#具体的かつ明確に記載する
2つ目は、記載内容は一般的・抽象的なものではなく、より具体的に記載することです。仕事内容や範囲を明確に規定することは、ジョブディスクリプションの重要な役割になります。

#職務内容変更などの際の処遇検討
3つ目は、職務内容の変更や拡大を行う場合における社員の処遇検討です。変更・拡大があるときは、ジョブディスクリプションの記載内容を変更するとともに、昇給など適切な処遇を検討するようにしましょう。

ジョブディスクリプションを効果的に活用しよう!

ジョブディスクリプションを作成して運用することよって、より公平な人事評価を行うことができるようになります。また、社員のモチベーションが上がり、経営の効率化にもつながることも見逃せないメリットです。しかし、ゼネラリスト育成が難しくなるなどのデメリットには注意が必要になります。作成上の注意点を考慮しながら、ジョブディスクリプションを実際に作成して運用してみましょう。

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