2020.03.06

自己開発に有効!ジョハリの窓のやり方と分析方法について

自己開発に有効!ジョハリの窓のやり方と分析方法について

自己開発のツールにはさまざまなものがあります。なかでも、多くの人が耳にしたことがある有名なツールには「ジョハリの窓」が挙げられます。ジョハリの窓とは、一体どのようなものなのでしょうか。この記事では、自己開発に有効だとされる「ジョハリの窓」について、概要やメリット、具体的な実施方法について解説します。

ジョハリの窓とは何か?

ジョハリの窓とは、簡単にまとめるとコミュニケーションがより円滑に行えるように模索するための自己分析ツールのことです。主に自己と他者との関係から気付きを得て、自分が知っている「自分の特徴」と他者が知っている「自分の特徴」の一致・不一致を確認することを目的にしています。この一致・不一致を「窓のような4つの枠」に分類することで、自己理解のズレをチェックできるという仕組みです。心理学で多く使われている手法で、就活の自己分析にも活用されています。

なお、ジョハリの窓による自己分析は、「お互いをよく理解している人同士」で行うことが基本です。なぜなら、お互いのことをよく理解できていない場合、持っている情報が少なく、分析が難しくなる可能性があるためです。そのため、初対面の相手ではなく、お互いについてきちんと理解できている人と行うことが無難といえます。なお、ジョハリの窓による分析は基本的に5~8人程度で行うことが推奨されています。

ジョハリの窓の語源

あまり聞き慣れない「ジョハリの窓」の語源について、気になる人もいるでしょう。まず、「ジョハリ」については、ツールの発案者である米国の2人の心理学者が深く関係しています。心理学者の「ジョセフ・ルフト」と「ハリー・インガム」の2人の名前を組み合わせ、「ジョハリ」という単語になったのです。ジョハリという人物が実在すると勘違いする人も多いため、注意が必要です。

「窓」については、自己への理解を4つの領域に分けることが由来しています。人間には「周りに公開されている自己」「隠されている自己」、さらに「他人のみが知っている自己」「誰も知らない自己」という4つの領域が存在するという見方があります。これらを「窓」に見立てて、それぞれについて考察するところからきているといわれているのです。

ジョハリの窓の効果とは

ジョハリの窓による自己分析を行うと、さまざまなメリットを得られます。まず、大きなメリットとして挙げられるのは「自分と他人との認識のズレを洗い出せる」ことです。自分の性格はしっかりと理解できていると信じる人も少なくありません。しかし、実際には自分をきちんと理解できておらず、気付いていない部分がある人も多くみられます。このような「認識のズレ」をあぶり出して原因を探り、他者の認識を受け入れて、より良い人生を歩むためのきっかけを作れることが魅力です。自分を成長させるための要素を模索する糸口をつかめます。

さらに、自分では見えていなかった「思わぬ盲点に気付く」ことも可能です。ジョハリの窓を実施して他人の目を通し、自分の知らなかった一面に気付いたり、短所を見つけたりすることができます。自然に自己への気付きを促せることが、ジョハリの窓の大きな効果といえるでしょう。また、周囲に対してどれだけ「心をオープンにしているかどうか」を判定することもできます。なかには、自分の考えに自信がなく「黙っていたい」「秘密にしておきたい」という人もいるでしょう。秘密主義の人や感情を抑えてしまう人などは、ジョハリの窓を実施することで自己表現の不足を確認するなど、たくさんの気付きを得られる可能性があるのです。

これらの気付きを得ることで、認識のズレが軽減されてコミュニケーションがより円滑になることが期待できます。それによって、対人関係がスムーズになり、ストレスの軽減にもつなげられるのです。自分はどのような人間なのか、また周りからどのように見られているのかという多角的な視点から、自己分析を行えます。このように多くのメリットがあることから、さまざまな企業で交流促進・スキル開発などに広く活用されているのです。それ以外にも、キャリアコンサルティングなどの分野において、自分をより深く知るための手段として使われています。

ジョハリの窓の実施手順

いざ「ジョハリの窓を活用してみよう」と思っても、手順がわからないと悩む人も少なくありません。ジョハリの窓はきちんと手順を守って実施することで、分析の精度を高められます。具体的な実施手順は大きく「事前準備」「実施方法」「集計と分析」の3ステップに分けられます。それぞれ具体的にどのようなものなのか、内容を詳しくチェックしていきましょう。

1.事前準備

最初は「事前準備」のステップです。ジョハリの窓を実施するにあたり、「筆記用具」と「2種類の用紙」を準備する必要があります。1枚目は格子状にジョハリの窓を描くための用紙です。最終的に完成させるためのものとして、左上に「開放の窓」、右上に「盲点の窓」を描きます。さらに、左下に「秘密の窓」、右下に「未知の窓」を描きましょう。2枚目は自分や他人の性格・能力を記入するための用紙です。この用紙にはそれぞれの性格に一致すると考えられる要素を記入しておきます。ある調査によると、性格・能力を表す要素は約1万7950個もあるというデータも存在します。ただ、基本的には複数ある要素のなかから、当てはまると思われるものを選択すれば問題ありません。

例としては、以下のような要素が挙げられます。「頭が良い」「発想力がある」、「段取り力がある」「向上心がある」という具合です。さらに、「行動力がある」「表現が豊か」、「話し上手」「聞き上手」、「親切」「リーダー資質がある」などの要素もあります。それ以外では、「空気が読める」「情報通」、「根性がある」「責任感がある」、「プライドが高い」「自信家」などです。それに加えて、「頑固」「真面目」「慎重」などの要素を加えるケースも多い傾向にあります。このように、わかりやすく直感的に選べる要素を記入しておくことがポイントです。

2.実施方法

準備が整ったら、ジョハリの窓を実施するステップに移ります。まず、1枚目の用紙を1枚、2枚目の用紙を参加人数の分だけ配りましょう。例えば、参加人数の合計が7人の場合、2枚目の用紙は7枚配ります。次に、2枚目の用紙のなかから自分の性格に合致すると考えられる要素を上記した項目から複数選び出し、番号を記入します。その後、ほかの2枚目の用紙を使い、自分以外の参加者の性格に当てはまると思う要素を同じようにして書き出していきましょう。書き終えた用紙は、その本人に渡せば大丈夫です。この作業を行うことで、「自分分析」した用紙と、「他人から見た自分」の用紙が参加者の数だけ手元にそろいます。

3.集計と分析

性格分析が済んだら、「集計と分析」を行います。2枚目の要素を書き込んだ用紙と何も書かれていない1枚目の「4つの窓」を描いた用紙を照らし合わせて、それぞれ該当する要素を入れていきましょう。当てはめる要素と窓は、以下の通りです。まず、自分だけが選んだ要素は「秘密の窓」に入れます。次に、ほかの参加者だけが選択した要素については、「盲点の窓」に記入しましょう。自分とほかの参加者のどちらも選択した要素は「開放の窓」に当てはめます。最後に、自分もほかの参加者にも選ばれていない要素を「未知の窓」に入れれば集計完了です。

この集計結果をじっくりと見て考察することで、自分と他人との認識のズレを理解できます。また、自分で考察をするだけではなく、参加者同士で集計結果を見せ合い、ディスカッションを行うことも有効な手段です。1人で考察をしていると、どうしても主観的になり考えが凝り固まってしまいがちです。さまざまな人と意見を交換し合うことで、結果に対する理解を深められます。

分析結果を自己開発に活かす

ジョハリの窓によって分析した結果は、「自己開発」に生かすことができます。ジョハリの窓は認識のズレを確認するだけではなく、作成した窓について考えを巡らせることで、「自分の伸ばすべき才能」を洗い出せるのです。ジョハリの窓には、自分に関するさまざまな情報がぎっしりと詰まっています。窓のなかにある要素を確認すると、周囲に伝えられていない「本当の自分」や、「自己開示不足の状態」などに気付くことができるのです。

さらに、ジョハリの窓は自分の「新たな一面」に気付くきっかけも与えてくれます。考えもしなかった部分に自分の才能が隠れていたり、長所があったりすることも少なくありません。これまでに理解できていなかった、自分の長所や才能に気付ける可能性があります。反対に、自分では何とも思っていない部分を他人に短所として指摘されることもあるため、注意が必要です。このような指摘を受けた場合は、なるべく怒ったり反発したりするのではなく、素直に受け入れることが大切です。自分だけでは理解できなかったことについて、「気付かせてくれてありがとう」という姿勢でいるように心がけましょう。感謝の気持ちを意識しつつ、他人からのフィードバックをしっかりと受け止めることで、自身の成長につなげられます。このような気付きこそが、自己開発に活用するうえで重要なのです。

また、分析結果を存分に自己開発に生かすためには、「4つの窓」が何を表すのか、きちんと把握しておく必要があります。成長のチャンスを逃さないためにも、4つの窓が表すものについて、しっかりとチェックしておきましょう。

開放の窓(open self)

開放の窓は英語で「open self」と表記されます。 自分と他人の分析結果が同じで、自らの性質を「自他ともに認知している」状態を表しています。開放の窓の要素が多いと、自らの内なる能力や性格を他人にも伝えられるよう、堂々とさらけ出せているということです。つまり、きちんと自己アピールが行えている状態といえます。

反対に、開放の窓の項目が少ない場合は、自己開示がスムーズに行えていないということになります。他人から見てみると、「何を考えているのかわからない人」と捉えられている可能性が高い状態です。自己開示をしないと、なかなか周囲の信頼を得ることはできません。反対に、素直に自分をさらけだすと親近感がわき、周囲からの信頼を得やすくなります。すると、コミュニケーションが円滑になり、人間関係の構築がスムーズになることが期待できるのです。

秘密の窓(hidden self)

秘密の窓は英語で「hidden self」と表記され、「自分だけが知っていて他人は知らない自分」を示すものです。秘密の窓の要素が多い場合、自己開示をしていなかったり、上手にできていなかったりする可能性が高いでしょう。なお、自己開示は意識的に行っていないパターンと、自覚がないパターンの2種類に分けられます。この窓に含まれる要素で意図的に表現していないという自覚がない場合は、自分の個性を十分に表現できていない可能性があります。このような場合は、より意識的に自己表現をしてみると良いでしょう。

例えば、積極的に自分の考えを口にしてみることも一案です。また、他人に隠している趣味がある場合は勇気を出して打ち明けてみたり、休日にどのような過ごし方をしているのかプライベートについて話してみたりすることも有効な手段です。秘密を隠したまま周囲に接していても、なかなか自然に打ち解けることができません。なぜなら、秘密があるとどうしても発覚することをおそれてしまい、コミュニケーションが上手に取れなかったり、不自然になったりする可能性があるためです。それに、秘密が知られそうになると嘘をついてしまう人もいます。すると、どんどん嘘が増えていき、次第にコミュニケーションを取るときに緊張するようになるケースもあります。

しかし、その秘密自体をオープンにして人と接することができれば、発覚のリスクも心配もいりません。秘密がなくなることで、人とのコミュニケーションが取りやすくなったり、自然に楽しみやすくなったりすることが期待できるのです。人とのコミュニケーションを楽しめるようになれば、信頼関係もスムーズに築きやすくなります。すると、「秘密の窓」は「開放の窓」に移り、自分自身の開放につなげられます。その結果として、「開放の窓」を広げられるのです。

盲点の窓(behind self)

盲点の窓は英語で「behind self」と表記します。これは、「自分では気付いていない他人が知っている自分」を示すものです。この窓の要素が多い場合、自分自身の分析が苦手だったり、性格や能力をきちんと把握できていなかったりする傾向にあります。さらに、「自分自身が気付いていない部分が多い」という意味も含まれています。自分自身のことはなかなか客観的に見られないものです。自分では気が付いていないうちに誰かを傷つけたり、不快な思いをさせてしまったりするケースも多くみられます。自己理解が低いと、自分のスキルを存分に生かせなかったり、周りの人に迷惑をかけたりするリスクが高まるため、気を付けましょう。

なお、秘密の窓は「自分で気が付いている要素」であるのに対し、盲点の窓は「自分では気が付いていない要素」という違いがあります。自分では気が付いてない要素の場合、そもそも把握ができません。これからの人生をより良くするためには、自己理解を深めて成長につなげることが非常に重要です。盲点の窓は「他人から見た自分」を確認・把握することができ、自己理解を深めるために役立てられます。今まで知らなかった自分の性質をきちんと理解して受け入れることで、この項目は「開放の窓」に移っていきます。

未知の窓(unknown self)

未知の窓は英語で「unknown self」と表記されるもので、「誰からもまだ知られていない自分」を示しています。この部分はまだ誰にもわからないものです。つまり、誰にも気付かれていない「未知の可能性」とも捉えることができます。年齢を重ねると、新しいことへの挑戦を避けたくなる人も多くみられます。せっかく挑戦したのに「失敗してしまった」という事態をおそれて、何となく現状維持を選ぶ人も少なくないでしょう。

しかし、誰しも「隠れた才能」を持っている可能性があります。未知の窓はこうした「新しい自分」を見つけるための、大きなヒントを示してくれるのです。今後強く意識していれば、自分のなかで新たに開発されていくものもあるかもしれません。そうなれば、「秘密の窓」「盲点の窓」「開放の窓」のうちのどれかに、新しい要素が加わることになります。自己開発とは、つまり「未知の窓を狭めて開放の窓を広げていく」ことにつながるのです。少しずつ開放の窓を広げるように努力することで、自身の人生をより豊かなものにしていけるでしょう。

ジョハリの窓を活用して自己開発に活かそう

自己開発ツールの一つの手法として、ジョハリの窓は高い注目を集めています。ジョハリの窓を実施することによって、自分自身への理解を深められるでしょう。また、職場で行えば組織内のコミュニケーション円滑化にもつなげられます。ジョハリの窓を行う際は「ポジティブな言葉を選ぶ」「参加者の主体性を尊重する」などの配慮を心がけることが肝心です。ジョハリの窓を上手に活用して、新たな自己の発見に役立てましょう。

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