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2019.7.4

5分で理解できる定期健康診断結果報告書の記入方法

企業が毎年行う健康診断。常時50人以上が働く事業所では、健康診断結果報告書を労働基準監督局に提出する決まりがあります。50人を超えたばかりの企業の人事担当者や、人事担当者として日が浅い人の中には、健康診断報告書を書いたことがないという人も多いのではないでしょうか。ここでは、定期健康診断結果報告書の書き方を、わかりやすく解説します。

そもそも定期健康診断結果報告書とは?

企業は、常時使用する労働者に対して、1年以内ごとに1回、定期健康診断を実施しなくてはいけません。定期健康診断の実施は事業者の義務であり、違反した場合は50 万円以下の罰金に処せられます。とはいえ、なかには、「健康診断なんて受けたくない」という従業員もいます。しかし、定期健康診断は、実施することが事業者の義務であるだけでなく、労働者にとっても、受診することが義務なのです。そのため、労働者が健康診断の受信を拒否した場合は、就業規則等の定めによって懲戒処分の対象とすることも可能となります。
なお、常時使用する労働者に含まれるのは、正社員だけではありません。パートタイマーなどでも、1年以上継続して勤務している人や継続勤務が見込まれる人のうち、1週間の所定労働時間が正社員の4分の3以上の人は対象となります。そして、常時使用する労働者が50人以上いる企業は、「定期健康診断結果報告書」を所轄の労働基準監督署に提出しなくてはならないのです。

定期健康診断結果報告書の書き方が知りたい!

定期健康診断結果報告書の用紙は、厚生労働省のウェブサイトからダウンロードします。ただし、印刷に使用する用紙は白色度が80%以上のA4普通紙でないといけないので、注意が必要です。印刷した用紙をコピーして使用してもいけません。また、印刷にはAdobe Readerの印刷機能を使用する必要があります。ブラウザの印刷機能で印刷した場合、窓口で記入し直さないといけない可能性があるので注意事項はしっかりと守りましょう。印刷が面倒な場合は、労働基準監督署から直接取り寄せることも可能です。
用紙には、事業所の保険番号である「労働保険番号」、「対象年」、「事業の種類」など、合計で14項目の記入箇所があります。これらの項目を、順番に記入していきます。企業によっては、全員が同じ日に健康診断を受診するのが難しいケースもあります。その場合は、定期健康診断結果報告書をその都度提出するのではなく、まとめて記入することができます。対象年の項目に健康診断を行った期間を記入し、健診年月日の項目に最終の検診年月日を記入すれば大丈夫です。
「所見のあった人数」とは、何らかの項目で医師の所見のあった人の人数です。1人の労働者が複数の項目で所見があった場合は1人として数えます。「健康診断項目」の、「有所見者数」を合計すると間違いなので注意しましょう。

定期健康診断報告書を提出する際の注意点は?

「産業医」の欄については、事業所で選任している産業医の氏名や、所属先およびその所在地を記入し、確認印を貰う必要があります。しかし、医師のなかには複数の場所で勤務している人もいるのです。また、何らかの事情で所属先を伏せておきたい場合もあります。そのため、この項目の記入については、どのように記載すればよいのか、あらかじめ産業医に確認をとっておくとよいでしょう。
従業員の中には、怪我や病気によって休職中の人もいるでしょう。また、産休や育休、介護休を取る人もいます。このような休職中の人に、無理やり定期健康診断を受信させる必要はありません。ただし、その人が復職したときには、できるだけ速やかに健康診断を実施することが望ましいとされています。
定期健康診断結果報告書を提出するときには、コピーを取るのを忘れないようにしましょう。労働基準監督署には、本紙とコピーの両方の提出が必要です。労働基準監督署は本紙を受領し、コピーに受付印を押して、控えとして返却します。

定期健康診断報告書はいつまでに提出すれば良い?

常時使用する労働者が50人を超える事業所では、定期健康診断の実施後、その結果を必ず労働基準監督署に提出しなくてはいけないという決まりがあります。とはいえ、報告書提出の期限については、明確に定められているわけではありません。それは、定期健康診断の実施時期は、事業所によって異なるからです。しかし、「何月まで」という決まりはないものの、定期健康診断の実施が完了したら、速やかに報告をする必要があります。そのためには、事前に準備ができることは、できるだけ進めておきましょう。たとえば、報告書の用紙を取り寄せ、書き方のチェックなどをしておくことなどです。

定期健康診断報告書の提出は企業の義務!

「定期健康診断結果報告書」提出の対象になっている企業では、定期健康診断を実施し、報告書を提出することは法律で定められた義務です。慣れないうちは、手続きが面倒に感じることもあるかもしれません。しかし、社員の健康維持、健康管理に役立つ取り組みであることは間違いありません。定期健康診断をしっかりと行い、決められたとおりに報告書を提出することが社員の健康につながり、結局は、企業活動の健全化につながるのです。

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