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2020.10.16

基本給とは?月給との違いなど意外と知らないお給料のことを教えます!

毎月支払われる給料の金額は、どの社員でも同じではありません。社員それぞれの働き方や家族構成によって違いがあります。しかし、人事の担当者でも、給料の内訳や支払われ方について詳しくは知らないというケースは意外にも多いようです。とくに基本給に詳しくなると、給与制度について理解を深められます。そこで、この記事では基本給から手当まで、その仕組みを徹底的に解説していきます。

基本給とは

基本給は、その名が示す通り基本となる給料のことで、「基本賃金」と呼ばれることもあるものです。月々支払われる給料には通勤手当や役職手当、家族手当、住宅手当のほかに、残業手当や休日出勤手当などのさまざまな手当てが含まれています。また、歩合給など業績に応じて支払われるお金が加算されていることもあるでしょう。これらの手当てや歩合給などを含まず、給与全体のベースとなる部分が基本給です。

基本給の基準は企業によって異なります。一般的には、年齢や勤続年数によって決定することが多く、職種や業務内容、技能などで判断されるケースもあるでしょう。しかしながら、基本給は残業手当や通勤手当などのように、働いた時間や日数によって支給される金額が変わることがありません。毎月同じ金額が支払われるのが基本給の特徴です。

月給との違い

基本給は手当などのオプションをすべて取り除いた「基本」となる賃金です。では、月給との違いは何でしょうか。まず、月給は基本給にさまざまな手当てを加えた賃金をいいます。家族手当や通勤手当などの各種手当と、インセンティブなどを合わせた会社から支給されるすべての報酬が「月給」です。基本給が22万円の場合には、そこに手当などが付与されることから、月給は22万円以上になるでしょう。求人などで見かける月給○○万円以上というのがこれに当たります。

また、月給は「基準内給与」と「基準外給与」の2つに分けられるのも特徴です。基準内給与は、所定の労働時間分を働いたときに毎月一定の金額が支払われるものをいいます。基本給に、住宅手当や家族手当といった変動のない手当が合わさったものが基準内給与だということです。一方、基準外給与の金額は毎月変動します。例を挙げると残業手当や休日出勤手当、時間外手当などがあたります。残業や休日出勤の回数は毎月同じではないケースがほとんどのため、基準外給与の金額は月によって異なるのです。基本給と各種手当となる基準内給与に基準外給与が加えられたものが月給として支払われます。

基本給の種類

基本給の種類① 仕事給型

月によって金額に変動がないのが基本給ですが、基本給も3つの種類に分類されることがあります。種類ごとに性質が違いますので覚えておくのがよいでしょう。まず、多くの企業が採用しているのが「仕事給型」です。仕事給型の基本給は仕事の内容に大きく左右されます。また、個人の能力も反映され、職務遂行能力、業績、成果なども基本給を決める要素となるのが特徴です。学歴や年齢、勤続年数で基本給が決まるのではなく、仕事の内容や能力で基本給が定められます。仕事給型では労働の対価としての賃金が実現できることから、社員がモチベーションを維持し、高い能力を発揮するケースが多いでしょう。

基本給の種類② 属人給型

基本給の種類には「属人給型」もあります。これは、学歴や年齢、勤続年齢によって基本給が決まるスタイルです。どのような仕事をしているのかといった点や、職務遂行能力、成果などに左右されることがなく、社員個人の属性で基本給が決定します。いいかえると年功序列冷の賃金体系であり、本人給や勤続給と呼ばれることもあるでしょう。日本では多く導入されてきた型式で、定期的に昇給することから、安定した将来が期待できるのがメリットです。生活に必要とされる賃金の額は年齢によって異なるため、年齢によって基本給に差をつける考え方は、生活保障の意味も兼ね備えています。

基本給の種類③ 総合給型

基本給の種類として「総合給型」は多くの企業に採用されています。総合給型は、これまでに紹介した仕事給型と属人給型の双方の要件が基本給の決定要素となるのが特徴です。仕事給型の職務や職種といった仕事内容や、職務遂行能力、業績や成果に加え、属人給型の学歴や年齢、勤続年数も考慮されて基本給が決定します。仕事給型と属人旧型の組み合わせ方法や、給与体系によってもタイプが異なり、仕事給+総合給の併存型体系、属人給+総合給の併存型体系、仕事給+属人給の併存型体系、さらに、仕事給+属人給+総合給の併存型体系があります。それぞれの企業において、基本給与の考え方を検討し、基本給の決定要素が組み合わせられているのです。

手取りはどう決まる?

給与について考えていくと、手取りという言葉も出てきます。手取りとは、会社から支払われる額面上の総支給額から、保険料や税金などが控除として差し引かれた金額です。総支給額は、基本給や各種手当、基準外給与が合わさった額であり、働いた対価が金額として表されています。そこから、差し引かれる控除には、1年間決まった金額が天引きされるものと、その月の収入に応じて変動する金額のものとがあります。

1年間固定の金額が天引きされるものとして知られているのが、介護保険料と厚生年金、雇用保険料、さらに、住民税です。収入に応じで金額が変動するものには、所得税が挙げられます。住民税は、都道府県民税と市町村民税の2つがあり、これら2つを合計した金額が差し引かれているでしょう。また、企業によっては労働組合費や貯蓄制度を設けているところもあり、会社独自の判断で給与から差し引かれています。それに加えて、退職金の積立金などが天引きされるケースもめずらしくないでしょう。手取りの金額は、正社員で働く一般的なサラ―リーマン場合、総支給額の75~80%だといわれています。

基本給と手当どちらも税金はかかる?

仕事をしてお金を稼ぐと所得税や住民税などがかかりますが、基本給だけでなく手当も課税の対象になるのでしょうか。まず、所得税は収入に対して課税されるのが特徴です。収入が多ければ多いほど税金が高くなり、天引きされる金額が増えます。また、残業や休日出勤が多かった月や、業績がよかった月などには手当が増えるため、納めるべき所得税の金額も高くなるでしょう。なぜなら、所得税の課税対象には、基本給だけでなく手当やインセンティブも含まれているからです。

しかしながら、どの手当も課税の対象になるわけではありません。手当によっては、一部非課税となるものも存在します。例えば、通勤手当は基本的に非課税ですが、15万円をこえた部分は課税の対象です。常識の範囲内での出張旅費も非課税とされているものの、社内で出張旅費規程を作成する必要があります。そのほか、宿直手当や日直手当にも課税の対象となるものがあるので気をつけましょう。1回の宿直や4000円までの宿直・日直手当に関しては非課税ですが、それをこえると課税の対象です。

義務付けられている手当

手当は基本給のほかに支払われる賃金ですが、その全ての支払いが労働基準法で義務付けられているわけではありません。労働基準法で支払い義務があると定められている手当は、時間外手当と休日出勤手当および深夜労働手当だけです。このうち、時間外手当は法定労働時間をこえた時間に対して支払われます。法定労働時間とは、1日8時間、1週間で40時間です。この労働時間をこえた場合には、基本給を時給換算した額の125%以上を手当として支払わなければなりません。

休日出勤手当は、会社が法定休日とする日に出勤した場合の手当です。日曜日を会社の法定休日としているのであれば、日曜日に出勤すると休日出勤となります。この場合にも基本給が時給換算され、その金額の135%以上が休日出勤手当として支払われるのです。深夜労働手当は、深夜とされている時間帯に働くと支払われます。午後10時から翌朝の午前5時までが深夜であり、深夜労働手当の金額は基本給を時給換算した額の25%以上です。また、通常の賃金または時間外手当、休日出勤手当に上乗せされるのも特徴でしょう。すなわち、深夜残業をした場合には時間外手当の125%に25%がプラスされ、150%が賃金として支払われます。

その他の手当

時間外手当や深夜労働手当のほかにも、仕事給的手当や生活給的手当などの手当があります。仕事給的手当は、仕事を基軸として算定されるのが特徴です。大きく4つに分類され、職務に関する手当、能力に関する手当、成果に関する手当、勤怠に関する手当があります。職務に関する手当には役職手当や営業手当などが挙げられるでしょう。なかでも、役職手当は仕事の責任の重さによって支払われるものであり、管理監督職に支払われるケースが多くみられます。ただし、役職手当によって優遇されることから、役職手当が付与される場合には、法律上残業代を支払う必要がありません。

能力に関する手当は資格手当や技能手当などです。その職種で優遇される資格を保有している場合に支払われることのある手当で、手当を支給することで人材の確保や資格取得を奨励します。成果に対して支給される手当は歩合給や達成手当、無事故手当などです。会社が定めた目標を達成したときに支給されることが多く、手当があることで社員のモチベーションが向上するでしょう。さらに、皆勤手当や精勤手当などは勤怠に関する手当に分類されます。

一方の生活給的手当は、生活を基準に支払われるものです。生活を保障する意味合いで支給され、私生活に関する手当と勤務などに関する手当の2つに分類されています。私生活に関する手当は家族手当や住宅手当で、勤務に関する手当は地域手当や単身赴任手当です。扶養に入っている家族に対して支払われるのが家族手当ですが、近年では仕事の成果と扶養家族は関係がないと考えられ、支払われないケースが増えています。ただし、会社都合で転勤になる場合には単身赴任手当が支給されることが多いでしょう。

基本給が高いメリット

基本給が高いメリット① ボーナスが高くなる

基本給が高く設定されるといくつかのメリットが考えられます。その1つ目となるのが、ボーナスが高くなるという点です。ボーナスの算定方法として「算定基礎額×賞与倍率+調整額」を採用している会社が多いでしょう。ボーナスの算定基礎額は基本給が元になるため、基本給が高くなるとボーナスの金額も増加します。例えば、月給の額面が25万円で、そのうちの基本給が15万円だとしましょう。このとき、ボーナスの支給実績が夏2カ月分、冬2カ月分とします。その場合、15万円×2カ月分×年2回となり、ボーナスは60万円です。もし、月給の額面は同じでも基本給が20万円であれば、ボーナスは80万円にもなります。基本給が異なるだけで年額20万円もの差額が生じるのです。

基本給が高いメリット② 残業代が高くなる

基本給が高いメリットの2つ目には残業代が高くなることが挙げられます。残業代の算定方式は「残業時間×1時間あたりの基礎賃金×割増率」です。ここで問題となるのが基礎賃金です。これは、基本給から家族手当や通勤手当といった特定の手当てを除き、諸手当を加えた金額をいいます。正しく求められた基礎賃金を1カ月当たりの所定労働時間で割ると、「1時間あたりの基礎賃金」が算出されるのです。したがって、基本給が高い場合には、残業代の計算に使用される基礎賃金が高くなり、もらえる残業代が増える仕組みとなっています。

基本給が高いメリット③ 収入が安定する

基本給が高いメリットの3つ目は収入が安定することです。基本給は労働条件の不利益変更禁止の原則に基づき、従業員の同意なく一方的な減額はできないと定められています。会社の経営が不安定なときでも当事者同士の合意がなければ下げることができませんので、減額されにくい部分であるといえるでしょう。また、基本給は毎月必ず支払われなければならないものです。残業をしたときや成果が認められたときに支払われる賃金とは大きく異なる性質をもつため、簡単には減らせません。一方の手当は、支給対象の変更や算定方式の見直しといった理由で簡単に下げることが可能です。残業時間に制限を設けられたり、休日出勤の回数を減らしたりすると、給与が大きくダウンすることもあるでしょう。そういった理由から、基本給が高いと毎月の収入や生活の安定につながるのです。

給与について理解しよう!

給与とひと言でいっても、その内訳や支払われ方は細かく分類され、労働基準法でもしっかりと定められています。人事の面でも大きなカギとなりますので、給与についてきちんと理解しておくことが大切です。基本給などの仕組みが分かると、企業選びや働き方の検討に大きく役立ちます。今回の記事を参考に、給与についての理解を深めましょう。

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