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2021.4.28

KPIの設定方法やコツ|KGI・KFS・OKRとの違いも解説

ビジネスシーンでよく耳にする「KPI」は、事業や組織の目標を達成するために大切な指標です。最近では、KPIだけでなくKGIやKFS・OKRという指標も合わせて活用されるようになりました。そこで今回は、KPIと他の指標との関係性、KPIを設定するメリット、設定方法やコツを分かりやすくご紹介します。

KGIや指標KPI(重要業績評価指標)とは|KGIやKFSの意味や違いと合わせて解説|指標の例 

KPIは、日本語で「重要業績評価指標」と表します。Key Performance Indicatorの頭文字をとったもので、ビジネスにおける指標の一つとして利用されています。KPIは、設定した目標を達成するための過程について数値で評価するものです。そのため、現在の目標に対する進捗がわかったり、目標に向けた行動がとりやすくなったりするのが特徴です。KPIを設定することで、曖昧だった日々の業務の個人目標や過程が可視化されます。目標や過程が可視化されることで、日々の業務に対する意識にも変化が生まれるでしょう。
営業におけるKPIの例としては、契約数や売上高、アポイントの回数などが挙げられます。
KPIと比較されたり一緒に使用されたりするものに、KGI・KFS・OKRがあります。混合しやすいため、違いをわかりやすく解説します。

KPIとKGIとの違い

KPIとKGIの違いは、評価の対象となるものです。KPIは業務を行う過程を数値化するのに対して、KGIは最終的な目標に対する数値化を行います。
KGIは、日本語で「重要達成指標」と表されます。Key Goal Indicatorの頭文字をとったもので、組織の中での最終目標です。そのため、KGIをもとにKPIが設定されると考えるとわかりやすいでしょう。KPIとKGIは同時に利用することが多いものです。
KGIの具体的な例としては、「月あたりの契約件数を100件とする」といったものが考えられます。このKGIに対して、「週あたり全体で100件以上の訪問を行う」「受注率25%以上を目指す」などのKPIが設定されます。

KPIとKFSとの違い

KPIとKFSとの違いは、KPIが目標となる数値を指すのに対し、KFSは過程自体を指すという点です。 
KFSは、日本語で「重要成功要因」と呼ばれます。その名前の通り、事業を成功させようとする場合に鍵となってくるものを指します。KFSは、組織で戦略を立てていく際には必ず必要になってきます。KFSが言語化できていることによって、プロセスを評価するKPIが設定しやすくなります。KPIとKFSで対象とするものは同じです。KFSがプロセスそのものの意味を持つのに対して、KPIは目標数値を意味する点が違いになります。 
たとえば、KFSが契約件数である場合には、KPIは「契約件数を月に100件」などの目標数値になります。このような関係性にあるため、両者を混同してしまわないよう注意が必要です。 

KPIとOKRとの違い

KPIとOKRの違いは、適用される範囲です。OKRとは、日本語で「目標と成果指標」と訳されます。Objectives and Key Resultsの頭文字をとったもので、会社で一丸となって取り組む目標です。OKRではなかなか達成できないような目標をあえて設定します。達成率は60%~70%に設定する場合が多く、100%を目指すわけではないので大胆な目標設定が可能になり、従業員の能力を押し上げるきっかけとなります。 また、会社全体の目標であるため、部署を越えて一つの目標に突き進むのが特徴です。従業員は帰属意識も高めることができ、企業に貢献している実感を得られやすいというメリットもあります。 OKRについては、到達点・状態など定性的なものを目標に掲げます。「自社のサービスAについてより収益化ができるようにする」「自社サービスBについての評判や認知度を高める」などがOKRの例です。OKRをもとに、各部署やチームで定量的なKPIを設定するとイメージがするとわかりやすいでしょう。

KPIを設定する目的

KPIを設定する目的は、目標を効率的に達成することです。

効率的な目標達成

KPIは、定量的で客観的に評価が可能なものを設定します。そのため、目標達成率もわかりやすく、振り返りもしやすくなるのが特徴です。定期的に振り返りを行い、「目標数値にするために何がたりないか」が明確にできることから、方向性の修正もしやすくなります。

KPIを設定するメリット

KPIを設定すると以下のようなメリットを得られます。

  1. 公平な評価ができる
  2. モチベーションのアップになる
  3. 生産性が向上する

公平な評価ができる

一番のメリットは、公平な評価ができるということです。KPIを設定すれば、達成すべき期限や数値が具体化されます。そのため、漠然とした評価ではなく、客観的で具体的な評価ができるといえるでしょう。
また、進捗の共有ができることも公平な評価につながります。目標を立てたものの、進捗が共有できていない場合には、評価が曖昧になってしまう可能性もあります。KPIでは進捗が共有しやすいため、評価が公平になります。
たとえば、営業職に売り上げ目標を600万円と設定した場合、売上が600万円以上であれば目標達成、それ以下であれば未達成というふうに定量的な成果の指標となります。
KPIを設定することによって、マネジメントもしやすくなります。数字でメンバーの状況を把握しやすいため、メンバーの状況は数値化できないことが多いですが、KPIを設定することによって数字での把握がしやすくなるため、目標に対する達成度や前年度との比較なども可能です。 

モチベーションのアップになる

従業員のモチベーションのアップにつながることも、KPIのメリットといえます。KPIを導入することで、目標に対する心理的な障壁を下げる効果があります。
数値目標が設定されることで、やるべきことが明確になります。やるべきことが明確になれば、今週すべきこと、今日すべきこととタスクが段階的に整理され、迷いや不安も軽減されます。
さらに、KPIを設定すると振り返りがしやすくなります。定量的な評価ができるため、振り返りも客観的に行うことができるからです。次回の目標も客観的な振り返りから設定でき、モチベーションのアップにつながるでしょう。

生産性が向上する

KPIが設定されると、業務に優先順位をつけることができ、自然と生産性も向上していきます。優先順位の高い業務と低い業務の区別がつけやすく、従業員それぞれがやるべきことを明確化できます。
さらに、PDCAサイクルがまわしやすいのもKPIを設定するメリットです。とくに曖昧になりがちなCheckとActionが、KPIによって明確になります。そのため、PDCAサイクルをよりスピーディーにまわすことができ、生産性の向上が期待できます。

KPIの設定方法|ツリー構造で考える

KPIは、ロジックツリーの形で設定するのがおすすめです。ツリーの最上部にKGI、その下にKFS 、最後にKPIという順のツリー構造になります。ロジックツリーの形にすることでKGIやKFSとの整合性を取ることが可能です。

KGIを設定する

まずは、KGIを設定しましょう。KGIはツリー構造の上部となります。KGIは個人目標ではなく、事業や組織全体で達成すべき目標であり、最終目標です。定量的な目標にすることで、会社としての方針をより従業員に共有しやすくなるでしょう。 
ただし、企業として達成する目標であるため、それぞれの部署では別々に戦略を立てる必要があります。そこで、次に設定するのがKFSです。 

KFSを設定する

KFSは、KGIに対しての重要なプロセスのことを指します。目標達成のために、どのような方法が鍵となるかを考え設定します。
多くの場合、KGIで設定した目標達成のためには、それぞれの組織で複数のプロセスを経ることになるでしょう。その中でもとくに重要なものを見定めます。
ここではプロセスを見定めるのみで、目標設定などは行いません。KFSが定まったら、KPIの設定を行いましょう。

KPIを設定する

最後に設定するのがKPIです。ツリー構造でいうとKPIは一番下の部分になり、KPIは、KFSをもとに設定します。KGI・KFSの枠組みの中で、何を成し遂げたらよいのかを決めてきましょう。KFSに対しての数値化ということを頭にいれて、KPIを設定していくことが重要です。
KPIが決まったら、一度ロジックツリーの形に整え、俯瞰して見てみましょう。改めて整合性・一貫性を確認できたら完了です。

【KPIツリーについてもっと知りたい方はこちら】

KPI設定・設定のコツは「SMART」

KPIを設定していく際には、SMARTという考え方を意識するとよいでしょう。それぞれ英語の頭文字をとっており、全部で5つのポイントがあります。

Specific:明確な

Sは、Specificを意味で、明確な目標設定をすることが大切であるということです。KPIの数値が誰が見ても適切であるかなど、数値の明確さがポイントです。
KFSについても、誰が見てもイメージのしやすいものにしておくとよいでしょう。特に人事部で目標を設定する場合には定性的な目標となることも多く、現場との認識の違いが発生しがちです。そのため、現場にあわせた言葉で目標設定をすることも考える必要があります。

Measurable:測定可能な

Mは、Measurableを指し、測定可能なKPIを設定することが大切です。客観的に計測ができる数値を設定することで、目標と測定の客観性を保ちましょう。たとえば、訪問回数や契約獲得数などがMeasurableな数値の例です。そのほかにも、受注率や販売数なども測定しやすい数値といえます。

Achievable:達成可能な

KPIを立てるときには、Achievable(達成可能)なものを設定するとよいでしょう。目標を達成できると、従業員の満足感や評価にもつながっていきます。とはいえ、甘い目標を設定する必要はありません。少し厳しめの目標をあえて設定することで、社員の成長を促せるでしょう。もちろん、厳しくし過ぎて到底達成できないものにしてしまうとモチベーションにも影響が出るため注意が必要です。

Relevant:関連性のある

KPIを設定する際には、ロジックツリーの形にするなどして、Relevant(関連性)のあるものになっているのかを確認することが大切です。KGIやKFSと一体の目標設定ができていないと、適切なKPIとはいえません。
また、目標が従業員やチームの課題と結びついているかという視点も大切です。チームや個人の役割と解決するべき課題として共通認識のある部分がKPIになれば、従業員それぞれの当事者意識が生まれるでしょう。

Time-bound:期限を定めた

KPIは、期限を決めておくことが必要です。具体的な期間をきめることによって、日々の業務での行動に落とし込めます。期限はKPIに設定した項目に応じて柔軟に変えていきましょう。
1週間という短いスパンのものもあれば、四半期や上半期など長めのスパンのKPIもあるはずです。期間を設定する際には、それが本当に適切な期間かどうかを考えるようにしましょう。

KPI設定の具体例|マーケティング

マーケティング関連業務では「見込み客」をKPIにしがちです。しかし、Webマーケティングであれば『サイトの月間アクセス数を1万にする』などですが、こういった見込み客系の指標は、売上をKGIにした際には明確さに欠けます。より分かりやすく、直接的な指標を設定することが大切です。他にも、「新規顧客の獲得率」や「既存顧客の定着率」「顧客満足度」なども因果関係のあるKPIであると言えます。 

目標管理にはタレントマネジメントシステム「CYDAS」

今回は、効率的な目標達成のためのKPIについてご紹介しました。
目標を適切に設定することで、生産性向上やモチベーションのアップを目指すことができます。

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