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2020.8.17

マネジメントの役割やすべき仕事って?今マネージャーに求められているのは?

部下または組織全体のマネジメントを担当している人のなかには、マネージャーとして何をするのが正解なのかわからず悩んでいる人もいるでしょう。マネージャーに求められる役割を果たすためには、まずはマネジメントが何のためにあるのかという点について理解しなければなりません。ここでは、マネージャーの仕事や求められるスキルなどを紹介します。

そもそも「マネジメント」とは?

マネジメントとは、管理や経営といった意味を持つ言葉です。おおまかには、組織の目標設定を行い、できる限り早く効率的に目標へ到達するため施策を行うことを指します。企業などで行われるマネジメント研修とは、経営管理を行うために必要な知識やスキルを学び、業務に反映するための研修です。具体的には、組織内の経営資源を効果的に活用する方法を考えて実践したり、リスク管理などを実践したりといった方法で目標達成を目指します。また、マネジメントを実際に遂行する人をマネージャーと呼びます。
マネージャーの具体的な役割とは、組織を作るために目標を設定することです。たとえば、部下とコミュニケーションをはかったり、評価や人材育成を行ったりします。企業の管理職はもちろん、芸能事務所で営業や仕事を獲得するための交渉を行う人や、ホテルの支配人を指すこともあり、幅広い職業を指す言葉です。

ドラッカーとマネジメント

マネジメントの一般的な定義は、アメリカの経営学者であるピーター・ファーディナンド・ドラッカーが考案したとされています。イギリスの銀行やアメリカの証券会社などに勤務し、大学でも法律などを学んだドラッカーは、優れた経営学者であり企業コンサルタントでもありました。政治や経済、経営に関する著作の発表を始めたのは1939年頃です。代表的な著作として、1954年に刊行した「現代の経営」や1973年に刊行した「マネジメント」などが挙げられます。
「マネジメントの発明者」や「マネジメントの父」とも呼ばれ、マネジメントの定義を生み出した人物です。ドラッガーの定義によると、マネジメントは組織に成果を上げさせるための道具や機能、機関のことを指します。一方、マネージャーは組織の成果に関する責任を担う者です。マネジメントとはどういうものなのか、詳しく知りたいときはドラッガーの著作である「マネジメント」や「現代の経営」を読むといいでしょう。

マネジメントの役割

ドラッガーは、マネジメントの役割を組織のミッションを達成し、組織の人材を活かし、社会に貢献するものとして定義しました。まず、組織のミッションを達成させるには、それぞれの組織が持つ使命を正しく把握したうえで、達成できるよう働きかけなければなりません。また、可能な限り迅速に目標を達成するためにも、寄り道をせずに目標達成へ向かう必要があります。
次に、人材を活かすとは、組織で働く人の成長と自己実現を助けるということです。組織は働く人たちに対して目標達成や労働力の提供を求めるばかりではなく、能力を活かして自己実現できる場を提供しなければなりません。そして、会社は社会のために存在することを自覚し、社会全体へ貢献できるようなミッションを達成する義務があります。

リーダーシップとの違い

マネジメントとリーダーシップは、いずれも企業の向かうべき目標や方向性を示すことから、混同されることが多い言葉です。しかし、厳密にはマネジメントとリーダーシップでは求められる役割が違います。まず、マネジメントとは組織が定めた目標に対して、決められた人や資源を活用しながら、どのような手段を用いて達成していくかを決めることです。一方、リーダーシップとは目標を達成するために組織の人々を動かすための力です。
リーダーは組織に変革を起こし続けるために、リーダーシップを発揮して人々を引っ張っていかなければなりません。マネージャーは、リーダーが決めた組織のメンバーや意思決定のプロセスなどを把握したうえで、決められた目標に向かって寄り道することなく最短で辿り着けるよう、組織の指導や先導を行います。たとえるなら、モノを作る際に「何を作るのか」を提案するのがリーダーで「どのように作るのか」を考えるのがマネージャーと考えるとわかりやすいでしょう。

クラス別の役割

クラス別の役割:トップ・マネジメント

マネジメントは役割によって大きく3つのクラスに分けられます。1つ目はトップ・マネジメントです。トップ・マネジメントとは最高経営層のことで、日本語では最高経営者層や最高管理者層とも呼ばれます。会長や社長、常務、専務などの取締役や、組織ごとの部門を取り仕切る執行役員などがトップ・マネジメントです。トップ・マネジメントの主な役割として、事業の目的やビジョン、価値観といった組織の規範を決定したり、外部組織のトップ層との交渉や人脈形成を行ったりなどが挙げられます。
運営方針や目的を決定しなければならないことから、リーダーシップが求められる立場です。なお、基本的にトップ・マネジメントの仕事を一人でこなすことはできません。なぜなら、やるべきことや求められる資質が多く、一人では担いきれないためです。そのため、トップ・マネジメントは基本的にチームで動きます。たとえリーダーシップがあっても、チームワークができなければトップ・マネジメントとしての役割を果たすのは難しいでしょう。

クラス別の役割:ミドルマネジメント

2つ目のクラスは、ミドルマネジメントです。ミドルマネジメントは日本語で中間管理層といいます。一般社団法人日本経済団体連合会によると、ミドルマネージャーの役割は大きく分けて情報関係と業務遂行関係、対人関係、コンプライアンス関係の4つです。情報関係とは、社内外から情報を集めたり組織内で情報を共有したりするなど、情報の収集や伝達する役割を意味します。業務遂行関係とは、業務の進捗を管理したり課題を解決したりするなど、業務を遂行するために必要な対策を行うことです。新規事業の立ち上げやグローバル化への対応なども含まれます。
対人関係とは、組織に所属する個人の長所を活かしたり短所を補えたりする環境を整えるなど、組織内の人材を適切に管理することです。コンプライアンス関係は、労働関係法規など業務に関係する法律を理解し、機密情報や個人情報を適切に管理するなど、法律に違反しないようコンプライアンスを管理することを指します。

クラス別の役割:ロワー・マネジメント

3つ目のクラスがロワー・マネジメントです。ロワー・マネジメントとは、監督者層や下級管理者層という意味で、現場のリーダーやチーフ、主任、係長などが該当します。主な役割は末端の指揮や統制などです。業務の遂行を直接指示し、上層部が決定した施策や組織戦略を現場に反映させます。なお、ロワー・マネジメントは、ほかの2つのクラスのように経営参画という場面はそれほど多くありません。
しかし、組織に所属する人々が問題なく仕事にあたれるよう、現場の空気を知ったうえで、円滑に業務を運ぶ必要があります。そのため、作業全体に関する知識はもちろん、リーダーシップも求められるでしょう。現場に携わる人の仕事内容を把握し、必要があればアドバイスをしたり相談を受けたりして、適切な指導や育成を行う能力も欠かせません。

マネージャーの具体的な仕事

マネージャーの具体的な仕事:部下の目標を設定する

マネージャーが役割を果たすためには、まずは部下に対して必要な指導や育成を行わなければなりません。たとえば、業務にあたるモチベーションを上げるために、どこに向かって成長するべきかという目標を設定するのも重要な仕事のひとつです。それぞれの部下の能力や長所に見合った仕事を与えられたうえで、努力するべき方向が理解できれば、業務でも十分に実力を発揮できるでしょう。
ただし、マネージャーは一方的に目標を与えるのではなく、本人が自主的に目標を考えられるよう見守らなければなりません。個人のミッションが定義できるようサポートを行いつつ、ミッションを達成するには具体的にどうするべきかを丁寧に説明します。部下は会社にとって重要な経営資源です。各々の強みを生かせるよう、適切な采配と人材育成を心がけましょう。

マネージャーの具体的な仕事:部下を動機づける

部下の意欲を引き出すためには、適切な目標を設定するだけではなく、積極的に仕事ができる環境作りと動機付けが必要です。そのため、マネージャーは部下個人と密にコミュニケーションを取り合って、何が部下のやる気を引き出す原動力になるのかを見極めなければなりません。また、組織内において良好な人間関係を築くことは、組織へのコミットを高めることにもつながります。
ただし、適切なコミュニケ―ションをとるためには、常日頃から部下に対する努力を深める姿勢が欠かせません。上司の視点から見たときに、部下の能力や長所を評価し、どのような活躍や成長を期待しているのか伝えることは大切です。しかし、同時に部下自身が能力をどのように生かそうと考えていて、今後どのように成長していきたいのかという点にも忘れずに耳を傾けましょう。

マネージャーの具体的な仕事:評価とフィードバックをする

部下の成長を促し、モチベーションアップを図るためにも、マネージャーは定期的に評価とフィードバックを行う必要があります。まずは部下とともに、これまでの業績や仕事内容を振り返りながらフィードバックを行いましょう。具体的なフィードバックは自分自身に期待されている役割を認識し、組織が目指す方向性を認識するきっかけにもなります。また、部下の今後を見据えたうえで、改善点についても適切に伝えることが大切です。適切な評価は、業務に対するモチベーションの向上にもつながります。
さらに、マネージャーと部下が課題を共有することで、さらなる成長が見込めるとともに、信頼関係も築けるでしょう。また、部下が課題を抱えているときは、マネージャーが解決方法を直接指導するか、部下自身の力で解決方法を見つけられるようサポートするべきかを慎重に見極めることも重要です。

マネージャーの具体的な仕事:育成する

企業にとって人材は非常に重要な資源です。人材を成長させるために、指導や育成を行うのがマネージャーの仕事です。ただし、一方的に指導を行えば、必ずしも部下が成長するとは限りません。なぜなら、部下自身が問題点を自覚し、改良するための努力をしなければ、成長は望めないからです。常に自分の仕事について内省しながら成長するよう試みる部下を、マネージャーがサポートしたり指導したりする関係が理想と言えるでしょう。
なお、適切に育成を行うためには、部下の仕事内容を正確に把握したうえで、業務面だけではなく精神面でもサポートを行わなければなりません。特に、部下の経験が浅いうちは失敗することもあります。しかし、失敗を通じて学ぶことは、部下にとって非常に貴重な経験です。マネージャーは、部下が失敗した場合に発生するリスクについて正しく理解し、十分に対策を行ったうえで仕事を与える必要があります。

マネージャーに求められるスキル

マネージャーに求められるスキルや、マネージャーとして成長するために鍛えるべきスキルとはどのようなものなのか、気になっている人もいるでしょう。まず、重要なのは意思決定が的確であることです。マネージャーには意思決定が求められえるシーンが多く、さまざまな意見や案が出されている状態で決断しなければならない場面もあります。組織を統率し、部下に安心感を与えるためにも、ぶれない判断能力が必要です。
また「管理をする」スキルも求められます。部下一人ひとりの業務や進捗を管理し、定期的に評価やフィードバックをして業務に反映する能力が欠かせません。さらに、コミュニケーション能力を鍛えることも重要です。組織全体でひとつの目標に向かっていくには、部下に自分の考えを理解してもらうとともに、部下の意見にも耳を傾けるコミュニケーション能力が求められます。そして、経営層の考えを的確にキャッチし、実際の業務へ反映させていくスキルも必要になるでしょう。

今後のマネージャーに求められること

これからの社会でマネージャーに求められることには、従来と異なる点がいくつかあります。まず、時代の流れとともに、自分自身のキャリアに対する関心が高い部下が増えてくるでしょう。マネージャーは部下が何を求め、何に関心を抱いているかを理解したうえで、的確な指導を行わなければなりません。また、子育て中の女性やフリーランスなど、多様な働き方をする人材が社内外に増えてきます。働き方の多様化についていけるよう、柔軟な対応が求められるでしょう。

役割を理解して頼られるマネージャーになろう

プレーヤーとマネージャーでは、求められる役割やスキルが大きく異なります。マネージャーは、部下や組織をどのように助け、全体の目標達成につなげていくかを考えたうえで対策を立てて実践し続けなければなりません。ここで紹介した情報を参考に、マネージャーに求められる役割とスキルを正しく理解し、組織の成長のために邁進していきましょう。

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