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2021.5.28

マネジメントの定義と役割とは?手法や求められるスキルを解説

新型コロナウイルス感染症の拡大防止をきっかけにリモートワークで働く人も増えており、組織・人材のマネジメントの重要性が高まっているのが現状です。初めてマネジメント職に就いた人や、現在マネージャーを務めていて十分に成果が出ない人にとっては、効果的なマネジメント手法について気になるのではないでしょうか。

今回は、マネジメントの定義と役割をはじめ、組織運営への落とし込み方やマネジメントに求められる能力について解説します。

マネジメントの定義(ドラッカーの定義)

マネジメント(management)という英単語は直訳すると「経営手腕」「管理能力」という意味です。また、お金や時間・情報などの有効利用という意味も含まれています。
アメリカの経営学者ピーター・F・ドラッカーによると、マネジメントとマネージャーはそれぞれ次のように定義されています。

・マネジメント:組織に成果を上げさせるための道具、機能、機関
・マネージャー:組織の成果に責任を持つ者

一般的には、マネジメントは成果を上げるために経営資源の一つである「ヒト」を育てながら組織を運営し、人材育成や組織運営に対する責任を担う人がマネージャーとして認識されることが多いです。

マネージャーとリーダーの違い

マネージャー(manager)は会社の幹部として経営意識を持って組織を統括し、チームやメンバーにさまざまな働きかけを行って目標達成をサポートする役割です。サポートの一環として目標達成度の評価を行い、その結果に基づいてメンバーの育成や助言指導を行います。
一方、リーダー(leader)は目標達成に向けて適正かつ効率的に業務を遂行できるよう、チームの先頭に立ってメンバーや関係者を導く役割です。現場の最前線でメンバーが気持ちよく仕事に取り組めるようフォローアップを行ったり、率先して手本を示したりする一面もあります。

マネジメントとリーダーシップの違い

リーダーシップは、目標達成への具体的な方向性を示した上でチームの生産性を高める力です。メンバーの人間関係の維持やモチベーション管理を担うため、人間性の高さが求められます。
それに対してマネジメントでは、経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報・時間・知的財産)を有効に活用した上で組織を管理・運営し、なおかつ運営に関する工夫を加えて目標達成に導くことを目的としています。組織全体のリーダーシップに加えて、意思決定機能を持つのが特徴です。

マネジメントの役割3つ

マネジメントの役割として、ドラッカーは3つの考え方を示しています。「社会」「組織」「人間」をつなぎ、組織で成果を出すための重要な役割です。

①組織のミッションを果たす
自分の組織ならではの目的や使命を果たして会社としての利益を上げ、組織の維持・発展を目指します。

②組織で働く人の能力を活かす
メンバーが与えられた場で自己実現を目指せるよう、社員のモチベーションコントロールやフィードバックを行い、個々の能力を引き出します。

③社会の問題解決に貢献する
ミッションそのものが社会のニーズに合致しているか、問題解決を通じて社会に価値を提供できるかどうかを常に追求していくことが、組織を長続きさせるためには大切です。

具体的なマネジメント業務例

マネージャーは企業の経営層に位置し、組織の運営・管理に関する決裁権を持っています。会社によっては人事権を持っている場合もあります。特に、社員の指導・育成はモチベーション管理にとどまらず、組織力を強化するためにも重要な位置づけです。
会社内でのマネジメント業務について、事例とともに詳しく確認してみましょう。

社員のモチベーション管理や指導・育成

組織の中で密接なコミュニケーションを取ることは、マネージャーと社員(部下)との人間関係を良好に保つだけでなく、仕事への動機付けを行うためにも大切です。仕事の目的や意義について十分に理解させるなど、日々の業務の指導を行います。
社員のスキル向上を通じて仕事への自信とともに会社からの高い評価を獲得できるよう、教育研修の機会も提供します。その上で、時には思い切った挑戦を促すのも、モチベーション管理の面では有効でしょう。

目標設定

組織に所属する社員と面談を行い、社員の持つ強みや意欲を把握した上で個別の目標設定を行います。同時にマネージャーは、社員の能力育成の方向性を見定めて育成目標も設定します。
目標設定の際は、四半期・半期といった短期間の目標を設定するだけでなく、社員の将来設計にも深く関わることが、主体性を持った成長への取り組みを引き出すためには大切です。また、組織全体の社会的使命や将来の見通し・価値観(ミッション・ビジョン・バリュー)、そして成長への期待を社員へ明確に伝えるのもポイントです。

社員へのフィードバック

マネジメントは、社員の目標を設定して仕事を任せるだけではありません。個人目標・組織目標の両方を達成して初めてマネジメントの効果が発揮されます。定期的に社員の仕事内容やパフォーマンスを評価し、望ましい行動姿勢と改善が必要な課題の両方を伝えるようにしましょう。
早期の行動変革を促すために、日々の仕事ぶりを観察する中で、必要な場面で具体的なフィードバック(リアルタイムフィードバック)を行うことも有効です。

経営・組織ミッションなどの情報伝達

社員と目標を共有するためには業務に必要な情報収集だけでなく、経営層との密接な情報共有が大切です。マネージャーは、事業の方向性や会社のミッション・パフォーマンス指標(KPI)などの重要指標について話を受け、組織の目標達成に必要な内容を細分化して社員に提示します。
業務遂行に関する法令や労働関係の法規に関する理解を深め、仕事のルールとして社員に展開することも、企業の社会的存在を守るためには重要な取り組みです。

さまざまなマネジメント手法

マネジメントの手法は、マネージャーの役割やポジションによって3つの階層に分かれています。組織運営や人材管理などさまざまな業務でも、業務の特性に応じたマネジメント手法が用いられています。ここで、階層別・業務別のマネジメント手法を確認しておきましょう。

階層別マネジメント手法

①トップマネジメント
トップマネジメントには強力なリーダーシップが求められ、会長や社長・専務といった取締役会のメンバーや部門を統括する執行役員など、会社の最高経営陣で構成されます。会社全体の経営理念を決めた上で、事業計画や組織体制を構築する役割を持っています。経営に関する最終的な意思決定と、その決定に伴う最終的な経営責任を担うのが特徴です。

②ミドルマネジメント
ミドルマネジメントは中間管理職とも呼ばれ、部長職・課長職クラスが該当します。現場業務に精通している立場でトップマネジメントをサポートし、ローアーマネジメントに組織の戦略を橋渡しする役割を持っています。会社にとって「経営参謀」「扇の要」ともいわれ、バランス感覚が求められる立ち位置です。業務が円滑に進むよう、部下の教育指導や職場環境の整備も行います。

③ローアーマネジメント(ロワーマネジメント)
ローアーマネジメントはマネジメント層の最下位に位置し、係長・主任や現場のリーダーが該当します。ミドルマネジメント層からの業務指示や目標と現場で働く人に落とし込み、経営戦略を現場の活動に反映させる役割です。目標達成に当たっては現場での生産・営業活動が必要不可欠なため、人間関係を円滑に保つ能力が求められます。

業務別のマネジメント手法

①組織運営
部下と円滑なコミュニケーションを取りながら目標達成・生産性向上を目指す「チームマネジメント」や業務の進捗管理・人員管理を行う「プロジェクトマネジメント」が代表的です。個人レベルの知識・経験を組織の知的財産として管理する「ナレッジマネジメント」や、利害関係の調整を経て組織の課題解決・成長につなげる「コンフリクトマネジメント」も実践されています。

②人材管理
社員の能力を把握した上で適材適所に配置する「タレントマネジメント」をはじめ、行動への動機付けを通じて成果を出せる行動を促進する「モチベーションマネジメント」、目標達成に向けたフィードバックを行う「パフォーマンスマネジメント」などが知られています。多様な働き方が進んでいることから「ダイバーシティマネジメント」を取り入れる企業も現れ始めました。

③メンタルヘルス
心の健康管理を通じて自分の持つ能力の発揮につなげる「メンタルヘルスマネジメント」や、業務上のストレスをコントロールして生産性向上につなげる「ストレスマネジメント」への取り組みが一般化しています。パワハラなどのハラスメントやコミュニケーション不全を未然に防ぐ「アンガーマネジメント」の注目度が高まっています。

マネジメントに求められる能力とは

社員の能力・生産性の最大化と組織目標の達成を両立させるためには、折に触れて課題を分析して部下にフィードバックを行うことが大切です。マネジメントに求められる能力の中でも、特に大切な3つの能力を紹介します。

コーチングスキル

社員が持つ能力・長所をマネージャーが承認した上で、社員自身で課題に気づいて克服する流れにつなげる、コーチングスキルが注目されています。コーチングと合わせてフィードバック・ティーチングを組み合わせることで、効果的なマネジメント業務を行えます。これらを実施する方法として、個人面談や1on1ミーティングが挙げられます。特に1on1ミーティングは社員一人ひとりのパフォーマンスを最大限に引き上げるために上司側が部下と一対一で対話をする近年、注目されているミーティングの一つです。

課題分析力・課題特定力

組織目標を達成するためには、組織そのものの課題や事業運営の課題・人材活用に関する課題などさまざまな課題を抽出して、現状を分析する能力が欠かせません。
課題が特定されないままだと目標達成のプロセスを最適化する機会を逃し、期待された成果を出せないためです。想定外の出来事が発生した場合に、迅速・適切に軌道修正の方針を立てて部下に伝える能力も重要視されています。

アセスメントスキル

社員の性格・能力や現在直面している状況を正しく把握し、未来の成長につなげる能力であるアセスメントスキルも、マネジメントに求められる重要な能力です。社員一人ひとりと向き合って、長所・短所を熟知した上で動機付けを行うことで、経営資源の一つである人材の有効活用と組織の成長につながります。こまめにコミュニケーションを取り、社員の話に耳を傾けながら行動傾向を見極めていくのも有効でしょう。

まとめ

マネジメントは、組織の人材を活用して経営上のミッションを果たすと同時に社会への価値提供につなげる役割を担っています。企業としての意思決定を行い経営責任も担うトップマネジメントを頂点に、現場の最前線で目標達成に取り組むローアーマネジメント両者をつなぐミドルマネジメントの3層構造です。
特にミドルマネジメントは、社員の教育指導・モチベーション管理に携わる重要な役割を果たします。組織の現状を絶えず把握し、1on1ミーティングなどを通じて社員の能力を伸ばす取り組みが、人材マネジメントでは大切な位置づけです。
しかし、企業の規模が大きくなれば、部署やチームに所属する社員数が増え、ミドルマネジメント・ローアーマネジメント層の負担も大きくなります。そんな時は『1on1 Talk』などのシステムを導入することで、よりスムーズな1on1ミーティングの実現と継続が可能になります。

1on1ミーティングは、実施する人数が多いほど、スケジュール管理が難しくなります。また、いざミーティングを行う時に「何から話し始めたらいいか分からない」といった運用に関する課題も出て来ます。1on1 Talkでは、見やすい表示で複数の1on1予定をフェーズごとに一覧表示。日程や場所だけでなく、当日話したい・聞きたいことをあらかじめ設定して相手へ通知できるトークテーマ機能があります。事前に話題を告知しておくことで、よりスムーズで効果的な1on1ミーティングにつながります。

また、1on1が終了した後に自動で表示されるフィードバック機能は、上司側だけでなく部下側からも送ることができるため、お互いに話してスッキリしたことや新しく気づいた点、話し足りなかった点などを相手に伝えることができます。対面では伝えにくいフィードバックも、システムの設問に回答することで自然と答えやすくなり、お互いの信頼関係の構築をサポートします。

多角的に社員やチーム・企業の成果をサポートすることが求められるマネジメント。企業やチームに合った手法を選ぶことはもちろんですが、継続的な実施を踏まえてシステムの導入を検討してみてはいかがでしょうか?

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