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2020.5.29

目標とは?目標と目的の違いや目標達成の方法を解説! 

上長から今期の目標を提出するようにいわれても、目標の設定方法がわからず、悩んでしまうケースは多いものです。また、しばらくすると忘れてしまうことから、目標の設定には意味がないと思っている人もいるでしょう。しかし、うまく目標が設定できると、大きな成功につながるのです。そこで、この記事では的確な目標設定の方法を紹介します。

目標と目的って?「目標」と似た言葉の違い

目標の設定方法がわからないという人のなかには、目標と目的の区別がついていないことが多いでしょう。目標と目的は定義が異なるため、それぞれの意味についてしっかりと理解しておくことが大切です。

目的とは

まず、目的は最終的に成し遂げようと目指す到達点を意味しています。そのため、長期的なものが設定されます。例えばビジネスにおける目的とは「先月よりも売上げを上げる」「会社をもっと大きくする」などの将来的な企業戦略や経営ビジョンを指します。

目標とは

目標とは、目的という最終的なゴールに向けて、その間に設定される、達成すべき具体的な結果や成果を示す小さな指標のことです。そのため目標は「売上高〇億円」といった具体的で明確な数値で示されるのです。目標は、将来の状態や状況を明確に定め、その達成に向けた取り組みを計画する上で非常に重要な役割を果たします。業務内容そのものを指すのが目標であり、目的の達成に向け、どこまでがんばるのかという達成水準を打ち出します。したがって、目的は1つであっても、複数の目標が存在することは珍しくありません。企業の戦略を成し遂げるためには、いくつもの具体的な目標を設定することが大切です。 

方針とは

目的や目標と似た言葉には方針もあります。これは、計画を実行するうえで必要となる原則やルールのことです。会社の経営などに関する方向性を明確に示す言葉として方針が使われています。 

目的と目標の違い

このように目的と目標は似ていますが、異なる概念です。 これらをまとめると、目的は、ある行動や活動をすることで達成したい大きな意図を示し、一方、目標は、具体的な結果や成果を示す、明確で具体的な指標です。 

たとえば、社会貢献につながる企業理念やパーパスを掲げる企業の場合、その企業が設定する目標は、具体的な活動や取り組みを通じて、社会貢献を達成するためのものとなります。例えば、廃棄物の削減や再生可能エネルギーの利用などの具体的な目標を設定することができます。 

目的は「何のために」という大きな意図を示すものであり、目標は「目的を達成するための具体的な到達点」を示すものです。 

目的を明確化する必要性

目標を設定するには、目的を明確にしておく必要があります。目的がわからないまま設定された数値目標だけを追ってしまうと、モチベーションが落ちる可能性が高くなるでしょう。その結果、効率が下がってしまうこともあるのです。また、目的が明確でない場合には、本質ではない点に固執してしまい、目標が目的化してしまうことも珍しくありません。そういった状態に陥らないためにも、しっかりと目的を明確にしておきましょう。

目的があって初めて目標が設定できる

これまで説明した通り、目的とは何を実現したいのかであり、そのために具体的にどうするのかという指標を設定するのが目標です。したがって、目的がない場合には目標が設定できないでしょう。たとえば、何の前置きもなく穴を掘ろうといわれても、穴を掘る意味や意義が理解できず、意欲的に穴を掘ることはできません。しかし、安定して水が供給できる井戸を手に入れようといった目的が明確になると、目標として穴が掘れるようになるのです。しっかりとした目的があって初めて目標が設定でき、モチベーションを持って仕事ができます。

また、やるべきことがわかっていても、どこまでやるのかがわからないこともあるでしょう。目的にたどり着くまでにどのくらいの人や物、金が必要かといったリソースの規模を設定することは非常に重要です。また、目的達成に向けて必要となる時間もしっかりと設定する必要があります。この、リソースの規模や必要な期限が正確に見積もられた達成可能な目標は、目的を明確にすることで初めて設定できるのです。目的と目標が正しく設定できれば、理想とする状態へと到達できるはずです。

個人が仕事の目的・目標を設定するメリット

ここまで目的と目標の違いや、それぞれの必要性を説明してきましたが、目標を設定することでどのようなメリットが期待できるのでしょうか。ここからは、会社で要求された目的の設定によって得られる具体的なメリットを見ていきましょう。

モチベーションを高く持って仕事に取り組める 

まず、目的や目標を設定すると、モチベーションを高く持って仕事に取り組めます。自分で設定した目的や目標がある場合には、主体的な仕事が可能です。また、周りから与えられた仕事を達成したときと比べると、より強い達成感が得られます。自分から進んで仕事に取り組んでいるという実感が湧くことから、前向きになるのもメリットでしょう。

自信やさらなるスキルアップにつながる 

設定した目的や目標を達成した経験が積み重なると、大きな自信も生まれます。努力の結果として目標が達成されると、スキルや経験が増えることから自信へとつながるでしょう。スキルや経験に裏付けられた自信を持って目標に取り組むと目標が達成しやすくなり、さらなる自信が得られるといった正の連鎖が生まれるのです。

長期的な視点を持って仕事ができる 

そのほかにも、目的や目標を設定すると長期的な視点を持って仕事ができるでしょう。その結果、自分の将来のキャリアパスも明確にでき、ステップアップへとつながります。

個人が仕事の目標を立てる時の注意点

高すぎる目標や現実的ではない目標を設定しない 

個人で仕事の目標を立てるときには、高すぎる目標や現実的ではない目標を設定しないことが大切です。目標が達成できないことが続くと、意欲的に仕事ができなくなることがあるでしょう。

目標や目的達成のための必要なリソースや期限を正しく見積もって設定することが重要です。非現実的な目標を設定すると、達成に向けてモチベーションを保つことが難しくなってしまいます。その点、努力すれば達成しそうな目標を設定した場合には、チャレンジ精神が刺激され、達成に向けて前向きにがんばれるのです。いきなり高い目標を設定するのではなく、段階を踏んで少しずつ目標を高くしていくことも重要でしょう。

何をするのかあいまいな目標を設定しない 

また、目標には使ってはいけない言葉もあります。行動ではなく「~を心がけます」といった頭で考える言葉は避けるようにしましょう。加えて、抽象的な内容を目標として設定するのも望ましくありません。「向上する」や「徹底する」などがそれにあたり、何をするのかあいまいで理解しづらくなります。「努力する」や「踏ん張る」などは人や状況によって解釈が異なる言葉です。

目標には、確実に実践できて継続される言葉を使うようにしましょう。あいまいな表現ではなく、一歩踏み込んだ具体的な行動に落とし込み、目標として設定することが重要です。

目標設定の手法「SMART」

目標設定の手法として「SMART」という言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。これは、達成可能で測定可能な、明確で具体的な目標を設定する効果的な方法です。SMARTとは、Specific(具体的)、Measurable(測定可能)、Achievable(達成可能)、Relevant(関連性)、Time-bound(期限)の頭文字を取ったものです。ここでは、それぞれの構成要素について説明します。

1:Specific
Specificは具体的であることを意味します。何を達成したいのかが明確にわかる、具体的な目標を設定することが求められます。Who(誰が)、What(何を)、Where(どこで)、When(いつ)、Why(なぜ)、How(どのように)という質問を自分に投げかけ、目的が具体的であることを確認しましょう。

2:Measurable
また、Measurableは測定可能であるという意味を持っています。設定した目標の進捗状況や成功度を数値化し、具体的な指標を定めましょう。

3:Achievable
Achievableは到達可能であるという意味で、その目標は現実的に達成できるのかを指しています。つまり、目標は、現実的で、利用可能なリソースと時間枠の中で達成可能であるべきなのです。

4:Result-based
Result-basedは成果に基づいているという意味で、達成した成果に基づいた目標が設定されているかもポイントです。目標は、目的に沿ったもので、仕事や自己の成長に関連するものが適切です。例えば、「認知拡大」を目的とした目標を立てる場合、「イベントを開催する」のような表現だとあくまで目標達成の手段であり、目標ではありません。「イベントで●名を集客する」というような具体的な成果を示せる目標を設定することがおすすめです。

5:Time-line
最後のTime-lineには期限があるという意味が持たされています。いつまでに目標を達成するかが明確でなければ挫折してしまう可能性もあるでしょう。いつか達成できればいいという目標ではなく、達成するための具体的な期限や時間枠を設けた目標を設定しなければなりません。これによって、集中力とモチベーションを維持し、目標に向けた進捗状況を把握することができます。

このSMARTは、目標を作成した後の最終チェックとしても活用します。SMARTのフレームワークに従うことで、明確で達成可能、かつ意味のある目標を設定することができ、目標を達成し、成功を収めることができるのです。SMARTにしっかりと当てはまっているかをしっかりと見直して、目標を設定していきましょう。

目標設定の手法「ベーシック法」

目標設定の手法には、ベーシック法もあります。この方法では、目標項目を設定する、達成基準を決める、期限を設定する、達成計画を立てるという4つのステップをもとに目標を設定します。

ステップ1:目標項目を設定する 

4つのステップのうち、目標項目を設定するステップでは「強化」「改善・解消」「維持・継続」「開発」の4つに細かく分類されています。現時点で強みとなっているものは強化し、弱みとなっている課題は改善・解消によって乗り越えなければなりません。維持・継続では現状維持を目指し、開発によって新たな取り組みも始めます。そうして最初のステップとなる目標項目を設定するのです。

ステップ2:達成基準を決める 

その後、目標の達成基準を決めていきましょう。目標はできるだけ数値化し、達成できたのかどうかを明確にします。数値化できない目標の場合でも、具体的な達成状況を設定しておくのがいいでしょう。

ステップ3:期限を設定する 

それができると期限を設定します。効率的に仕事が進められるよう、目的をいつまでに達成するかを決めておくことも大切です。時間が限られていると、意欲的に仕事に取り組めるようにもなるでしょう。

ステップ4:達成計画を立てる 

最後に、目標達成のためにどのように仕事を進めていくのかを具体的に計画します。

目標管理とは?目標管理のポイント

目標達成のためには「目標管理制度」について知っておくことが大切です。目標管理は、1950年代にアメリカの経営学者であったピーター・ドラッカー氏によって提唱されたマネジメント手法です。上司や経営者ではなく、従業員自らが目標を立て、その進捗や実績によって評価をしていく考え方です。目標管理は英語で「Management By Objectives」といい、MBOという呼び方が馴染み深い方も多いでしょう。
本来、目標管理は人材育成のための手法であり、人事評価を行うためのものではありませんが、社員が成長することで、組織の成果へと繋がる個人目標を設定し、その目標の達成度合いで評価をする人事評価の方法として広く浸透しています。
目標管理は、目標達成に向け、やるべきことをさらに細かく分けて自分で管理していくことをいいます。目標管理には、やること管理、モチベーションの管理、人の管理の3つの要素があるのが特徴です。

やること管理 

やること管理では行動目標を立てて実行します。目標が設定されていても、何をしていいかわからないときや、やることがありすぎる場合には、達成に結び付きにくいでしょう。そのため、何をするのかを明確にする必要があります。

モチベーションの管理 

また、モチベーションの管理では、何のために動いているのかを明確にすることが重要です。どんな仕事であっても、モチベーションがなければうまくいかないでしょう。目標を達成するとどんな未来が待っているのかを具体的に伝え、何のための目標であるかを明らかにすると、意欲的に仕事ができるようになります。

人の管理 

個人の目標であっても、会社内で何かをする場合にはチームを組むこともあるでしょう。チームで1つの目標に向かうときには部下の成長やチーム内のメンバーの協力が必要不可欠です。
誰に何をしてもらい、どう育ってもらうのかといった点を明確にし、実行に移すこともポイントでしょう。チームにおける自分の役割をしっかりと理解し、チーム内で適切なコミュニケーションを取ることも忘れないようにします。

近年注目されている、会社目標、チーム目標、個人目標を紐づけた目標管理手法「OKR」については下記記事で詳しく解説していますのでぜひご覧ください。

決めた目標を達成するコツ

進捗具合を定期的にチェックする 

決めた目標を達成するには、期間中に進捗具合を定期的にチェックしましょう。もし順調に進んでいないようであれば、課題を克服するためにどのようなアプローチが求められているのかを考えなければなりません。チーム内の仕事が進んでいない場合には、支援や指導をする必要もあるでしょう。進捗状況のチェックには、タスクを一覧化しておくことが大切です。さらに、タスクの優先順位を考えてスケジュールへと落とし込みます。

同じ目標を達成している人を参考にする 

また、すでに同じ目標を達成している人を参考にするのもポイントです。誰かが経験した情報を参考にすると、どう動くべきなのかがわかりやすくなるでしょう。失敗した事例なども参考にすると、避けたほうがいい内容などもわかってきます。

同じ目標をすでに達成した人が周りにいないという場合でも、ネットで検索をすると見つかるケースは多いものです。書籍化されている場合もありますので探してみるのがいいでしょう。

必要のないタスクを捨てる 

そのほかには、必要のないタスクを捨てるというのもポイントです。
目標を達成するにはたくさんの行動を起こさなくてはなりません。しかし、忙しくて行動できない場合には、目標の達成どころか状況を変えることも難しいでしょう。そのため、タスクを減らし、目標達成のために行動する時間を確保することが重要です。

モチベーションを維持するには

目標を達成するには、どれだけモチベーションを維持して仕事に取り組めるかが重要な鍵を握ります。ですから、意欲的に仕事に取り組める方法を知っておくのがいいでしょう。

目標を達成したときの姿を想像する 

まずは、目標を達成したときの姿を想像することが大切です。そうすることで、やる気が湧き出してくるようになります。

目標のなかに小さい目標を作っておく 

また、設定した目標が大きなものであった場合でも、そのなかに小さい目標を作っておくことがポイントです。小さい目標を達成するたびにご褒美がもらえる仕組みを作っておくのもいいでしょう。段階的にステップアップしていくことで、大きな目標へと向かいやすくなります。

誰かと目標を共有する 

1人ではどうしても行き詰ってしまうという場合には、人と話したり相談をしたりしましょう。誰かと目標を共有することでも、モチベーションは維持できます。似たような経験がある人に相談ができるのであれば、問題解決に向けて導いてもらうのもひとつの方法です。
モチベーションの維持で大切なのは、やはり「心からやりたい!」と思える気持ちです。何としてでも達成したいと感じられる目標を最初から設定することで、意欲的に目標の達成を目指せます。そういった理由から、目標は設定が肝心だと言えるのです。

目標と目的を分けて考え理想に向かって確実に進もう

「今期の目標を設定して提出する」と考えると、身構えてしまったり、面倒くさく感じてしまったりする人もいるでしょう。しかし、目標の設定は仕事における自分の目的を明確にすることです。目的にたどり着くために目標を設定すると考えると、モチベーションも維持できます。目標を設定するという課題が出たときは、これをいい機会と考えてみてはいかがでしょうか。そのうえで、これからの自分のキャリアと向き合ってみましょう。

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