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2021.1.12

「プロパー社員」とはどういう意味?様々な意味で使うので注意

「プロパー」という言葉を耳にしたことがあるものの、その意味はよく分からないという人もいるのではないでしょうか。ビジネスにおいては、しばしば「プロパー社員」という言葉が使われます。また、プロパーは他の単語と組み合わせると、それぞれ固有の意味を持つ言葉にもなります。この記事では、プロパーやプロパー社員という言葉の意味について解説します。

「プロパー」の社員とはどういう意味?

プロパーという言葉は、「正規の、本来の、独自の」という意味をもつ英単語です。ビジネスシーンでは、よく「プロパー社員」という言葉が使われますが、これには3通りの意味があります。
まず、一つ目の意味は、新卒で採用された生え抜きの社員のことで、中途入社の社員や出向社員と区別するために使われます。出向社員というのは、もともと所属している会社との雇用契約は継続したまま、子会社や関連会社に出向いて勤務する社員という意味です。
二つ目は正社員で、派遣社員や契約社員、パート社員など非正規雇用の社員と正規の社員を区別するために使われる言葉です。
三つ目は自社の社員のことで、協力会社や下請け会社の社員などの外部スタッフが常駐している職場において、これらの外部スタッフと区別するために使われます。主に、プロパー社員という言葉を自社スタッフという意味で使うのはIT業界が多いようです。
このように、プロパー社員という言葉は職場や業界によって意味合いが異なるため、あいまいになりがちです。そのため、場合によっては誤解が生じることもあるでしょう。人事制度の中に記載する際には、「生え抜きの社員」「正社員」「自社の社員」と明確に書くことが必要です。

プロパー社員とそうでない社員の違い

新卒で採用された生え抜きの社員という意味で「プロパー社員」という言葉を使う場合、中途採用の社員に比べて待遇面で優遇されていることも少なくありません。新卒で採用され、長くその企業に勤めているプロパー社員の多くは、企業人として一から育てるため新卒向けの充実した研修を受けることができます。また、入社時の研修だけではなく、その後も定期的に研修を受けさせてもらえる場合もあるため、中途採用の社員に比べて多くの情報量を有しているのです。そのため、将来の幹部候補生として、重要な決定に関わる機会を与えられることも多々あるでしょう。どうして、新卒で入社した社員と中途採用の社員は、同じ正社員なのにプロパーかそうでないかによって待遇に違いがあるのでしょうか。
その背景として、日本企業においては年功序列という考え方が根強くあることが挙げられます。給与や待遇が勤続年数に比例して決まることから、長くその企業に在籍していると好待遇につながりやすくなるのです。また、新卒入社の場合は、同じ年度に入社した同期のつながりや仲間意識が強くなることも少なくありません。さらに、新卒からの生え抜き社員は中途採用の社員のように他の会社を知っているわけではないため、従順さが買われ、今後の会社を担う人材として経営陣から目をかけられやすい傾向もあるのです。

プロパー社員とそうでない社員に溝ができることも

企業によっては、給与や昇進を決める際に実力よりも勤続年数に重きが置かれることがあり、中途採用よりもプロパー社員のほうが上層部から厚遇されている場合も少なくありません。たとえば、経験豊富な中途採用の社員が経験の浅いプロパー社員の補佐的な仕事に従事させられる場合や、同じ成果を出した場合にも中途採用の社員よりもプロパー社員のほうが高く評価される場合などがあります。そのため、新卒で入社したプロパー社員とそれ以外の社員の間に摩擦が生じることもあるでしょう。
こうしたことが多く起きた場合、中途採用者の間には不満がたまり、プロパー社員との間に摩擦が生まれかねません。また、プロパー社員のグループは同期や勤続年数の長い者同士の結びつきが強く、時として派閥を形成することがあります。中途入社の場合は、こうしたグループに入りにくくなることから、コミュニケーションがうまく取れず、業務を行ううえで支障が出てくることもあるでしょう。
そうしたことがストレスとなり、仕事に対するモチベーションが下がってしまうケースもあります。一方、プロパー社員は入社時からその企業のやり方に従って仕事を行ってきているため、新しいことへのチャレンジに消極的だったり変化を嫌ったりしがちです。こうした姿勢に対して中途採用者は保守的で融通が利かないと感じることが多々あります。プロパー社員とそれ以外の社員との摩擦は、組織の評価制度やコミュニケーションの取り方に問題点がある場合が多いのです。

双方の間に亀裂を生まないために企業がすべきこと

プロパー社員とそれ以外の社員の間で確執が生まれないようにするために、企業側はなにをすべきなのでしょうか。まずは、年功序列を排除して、評価制度を実力主義にしていき、誰もが納得できる形にしていくことが必要です。新卒採用の社員、中途採用の社員という立場にかかわらず、経験や実力を評価の対象とし昇給や昇進の基準となれば、ある立場にいる社員が不満を抱くことも少なくなるでしょう。ひいては、仕事へのモチベーションが上がり、業務へ意欲的に取り組む姿勢にもつながってきます。
研修についても、プロパー社員と中途採用の社員が同席できる研修の機会を設け、情報交換することで交流を深めることができます。プロパー社員は社内での業務のあり方について、中途採用者はこれまで培った経験について、お互いにスキルを渡しあうことは、企業全体のプラスになります。また、さまざまな立場の人が参加できる社内レクリエーションを企画することで、社員同士の交流や絆を深め、円滑なコミュニケーションのきっかけ作りにもなるでしょう。企業が率先して社員同士の交流を促すことが、プロパー社員には良い刺激になり、それ以外の社員にとっては孤立感の解消につながるのです。

対象は人以外にも!「プロパー」がつく言葉

プロパーという言葉は、「社員」という言葉以外のものについて日常生活やビジネス用語として使われることもあります。たとえば、プロパー商品とは、卸売業者から小売業者に卸される正規商品で、定価販売されているもののことをいいます。「メーカー希望価格」といわれる商品はこれに当たります。また、プロパー店とは正規店のことをいいます。さらに、プロパーローンとは住宅ローンの中でも保証会社を介すことなく、金融機関から直接借り入れるローンのことをいいます。リスクを金融機関が負担するローンで、取り扱いがあるのは一部の地方銀行や信用金庫、信用組合などです。
そのほか、プロパーカードとはクレジットカードの中でもクレジットカード発行会社が自ら発行するもののことをいいます。アメリカン・エキスプレスカードやJCBカードはプロパーカードの一種です。プロパーカードに相対するものとして提携カードがあります。ここまでプロパーという言葉がつく単語を紹介しましたが、これらはまだ一部にすぎません。しかし、プロパーという言葉が「正規の」「独自の」という意味を持つことを知っていれば、その言葉を初めて聞いたとしてもなんとなく意味が想像できるのではないでしょうか。

立場やバックグランドの違いを理解し合うことが大事

「プロパー社員」という言葉には複数の意味があります。いずれの意味でも、プロパー社員と呼ばれる人は、それ以外の社員と比べて企業との結束や絆が固くなりやすいことが特徴です。そのため、プロパー社員とそれ以外の社員との間で摩擦が起こることも少なくありません。企業も社員一人ひとりも、さまざまな立場の人がいることを理解し、平等かつ公平になるよう意識し、取り組みを行っていくことが必要です。

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