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2021.1.7

ビジネスにおける「スキーム」って?似た言葉との違いやスキーム図の作り方

ビジネスでは、しばしば「スキーム」という言葉が使われます。なんとなく理解できているものの、正確な意味はよくわからない人も多いのではないでしょうか。ここでは、スキームの意味やビジネスシーンにおける使い方、よく似た意味をもつほかの言葉などについて説明します。誤解を避けるためにも、ビジネスにおいては用語の意味を正しく理解して使うことが大切です。

「スキーム」の意味・ビジネスシーンにおける使い方

「スキーム」は「(体系的な行動の)計画や構想」「悪だくみ、陰謀」などの意味を持つ英語の「Scheme」から来ています。日本でビジネス用語として使われるときは、「枠組みを持った計画」「体系的な計画」を意味することが一般的です。また、意味を広くとらえて「作戦計画」や「構想」などを指すこともあります。いずれにせよ、漠然とした想定や予定ではなく、目的を達成するためにすべき行動やそのための手順、しくみが決められ、実行を待つ状態にある計画を指す言葉です。

なお、先に述べたように英語のschemeは「悪だくみ」「陰謀」などの意味も持っており、特にアメリカではこの意味で使われる傾向があります。国内企業で日本人社員を相手に使うのであれば、気にすることはありません。しかし、アメリカでビジネスをするときなどは、悪い意味にとられることを避けるためにも使わないほうが無難でしょう。

「プラン」や「フレームワーク」など似た言葉との違い

スキームと似たビジネス用語はほかにもあります。たとえば、「プラン」や「フロー」「フレームワーク」「ストラテジー」といった用語です。これらについても、なんとなく意味は分かるものの、適切に説明できる人は少ないのではないでしょうか。ビジネスにおいては、無用のトラブルを避けるためにも用語は正しく使う必要があります。それぞれの正しい意味や使われ方を把握しておきましょう。

プラン

プランは英語のplanからきた言葉です。すでに日本語としてよくなじんでいる言葉のため、特に意識せず使っている人も多いでしょう。ビジネスシーンでプランというときは「計画」のことを指し、そこに「予定」や「考え」などの意味も含まれます。つまり、まだ細部まで決まっていない、構想段階にある計画というイメージで使われるのです。たとえば、「SNSを活用して売上アップを目指そう」と考えたものの、具体的にどのSNSを導入しどのように活用していくか決めていない段階は、プランであってスキームにはなりません。スキームのほうは、すぐに実行に移せるくらい、具体的に手順や方法が決まっているニュアンスで用いられます。

フロー

フローとは一連の流れのことで、「どこから始め、どのようなステップを経てどのように終わらせるのか」を表すものです。ビジネスでは「フロー」単体ではなく、ほかの単語と組み合わせて「ワークフロー」や「業務フロー」などというようにも使われます。ワークフローや業務フローは基本的に同じものです。複数人で担当する業務において、それぞれが取り組むべき作業の流れを図式化したものを指します。フロー化することで業務の進捗状況を確認しやすくなり、自分が担当する作業が全体のなかでどのような意味を持つかもわかりやすくなるでしょう。この点で、スキームとは明確に意味の異なる言葉といえます。

フレームワーク

フレームワークは単に「枠組み」や「構造」を表す言葉です。なにかを決める際に、なかなかまとまらず困った経験がある人も多いのではないでしょうか。物事を決めるときは、ある程度決まった枠組みのなかで考えるほうが効率的です。フレームワークは思考の枠組みを指す言葉で、意思決定や戦略立案、問題解決などに用いられます。計画がともなわず枠組みだけである点において、スキームとは異なります。

ストラテジー

「軍事的戦略」「(用意周到な)策略」などを意味する英語の「strategy」からきている言葉です。日本においてビジネス用語として使われる場合は、「戦略」「計画」などを意味します。ただし、個人や小規模なチームでの戦略について用いられることはあまりなく、企業など比較的大規模な組織での総合的な戦略の意味で使われることが一般的です。将来を見据えた戦略というニュアンスを含む点で、スキームとは異なります。”

「事業スキーム」とは?事業スキームの作り方は?

新規事業を立ち上げるときなど、必要な資金を調達するために金融機関に融資の相談に行くこともあるのではないでしょうか。その際、外部に見せて説明する資料が必要となるため、事業スキームを事業計画書として作成するケースがあります。また、自社内で資金繰りの方法や経営状況を見直すために作成する場合もあるでしょう。事業計画書を作るとき押さえておくべきポイントは、次の5つです。

    • 事業コンセプト、ビジョン
    • 事業ドメイン(領域や範囲)
    • マネタイズ方法
    • 自社の強み
    • 財務計画

客観的かつ簡潔にまとめることも大切です。

事業コンセプト、ビジョン

事業コンセプトとは「どのような事業なのか」を表したものであり、ビジョンはその事業が目指すべきゴールです。どのような事業かは理解できても、ビジョンが設定されていなければ方向性が定まらず迷走しかねません。そのため、まずはこの2つを明確にすることが大切です。

事業ドメイン(領域や範囲)

事業ドメインとは事業活動を行う領域や範囲を示す用語です。範囲を設定することで事業の方向性が明確になり、まとまりのない多角化や経営資源の過剰投入、分散などを防ぐことができます。

マネタイズ方法

事業を行う上でどのように収益化を図るかは、非常に重要な問題です。収益につながらなければ、事業を行う意味がないでしょう。収益を得る具体的な方法や価格設定の方法などを記します。

自社の強み

事業においては、どのような価値のあるものを提供するのかが重要になります。他社と同じようなモノでは、事業が成長し大きな利益を上げられるようになる可能性は低いからです。自社のサービスや製品にはどのような価値があり、どのような強みがあるのかを明確にすることが大切です。

財務計画

資金の使い道や売上の見通し、コスト、リスクなどを含め、具体的な財務計画を盛り込みます。

「スキーム図」とは

スキームを図解したものが「スキーム図」です。スキーム図を作成する目的は、第三者でも内容を容易に理解できるようにすることです。そのために外せない情報が「ヒト・モノ・カネ」で、互いの関係性をわかりやすく図解化する必要があります。作成手順はそれほど難しくありません。

1.対象事業にかかわる要素をすべて洗い出し、何がどのように動きどのようにかかわっているのか、情報を整理する。
2.要素同士の関係性がわかるよう意識しながら、情報を記号に置き換えて配置していく。

スキーム図に使用する記号や矢印の種類や色、形などはあらかじめ決めて統一しておくと良いでしょう。たとえば、お金の流れを表す矢印のうえには「¥」のマークをかぶせるなどです。こうすると、視覚的にわかりやすく直感的に把握する助けとなります。

他にもあるビジネスで使う「スキーム」の種類

ビジネスでは、事業スキーム以外にもスキームが使われる場面はたくさんあります。いくつか紹介しましょう。

評価スキーム

人事評価や事業評価を客観的に行うための枠組みです。評価スキームを構築することで、客観的に評価できるようになります。

販売スキーム

商品やサービスを販売するにあたって必要となる一連の流れをとらえた枠組みです。販売スキームを用いることで販売上の課題を見直すことができ、業績不振や販売力の低下などの課題解決につながります。軸となるのは「メーカー」「販売店」「消費者」です。

資金調達スキーム

新しく事業を立ち上げる際などに、外部から資金を調達するための枠組みです。

M&Aスキーム

M&Aは「Mergers and Acquisitions」の略で、要は企業の合併・買収を意味します。経営基盤の強化や販路・事業ドメインの拡大などさまざまなメリットが得られる手段です。M&Aスキームは、株式譲渡や事業譲渡といったM&Aの手法を指します。

「スキーム」は「枠組み」のこと!

ビジネスで使われる「スキーム」は「計画をともなう枠組み」「体系化したしくみ」を意味します。スキームと似た言葉にプランやフロー、フレームワークなどがありますが、これらは意味が異なりますので、混同しないよう注意が必要です。「事業スキーム」「評価スキーム」など「○○スキーム」といった多様な使われ方をされますが、基本の意味を押さえておけば理解できるでしょう。

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