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2021.10.25

セクショナリズムは危険?セクショナリズムを解決するにはどうするべきか?

セクショナリズムが生まれてしまうと、社内の各セクションが自分のセクションの利益ばかりを考え、組織全体に悪影響を及ぼしかねません。セクショナリズムが組織にどのような弊害をもたらすのか、またセクショナリズムの原因とは何なのかを知っておきましょう。そのうえで、セクショナリズムをどのように解決すればよいのかなどについて解説します。

セクショナリズムとは

セクショナリズムとは、英語の「sectionalism」と同じ意味であり、日本語に訳すと「割拠主義」です。自分が所属するセクションの利益だけを考えて、他のセクションと協力することに否定的であったり他のセクションをないがしろにしたりする風潮だと捉えればよいでしょう。セクショナリズムが存在する組織では、セクション間の連携がうまくとれないため生産性の低下や人間関係の悪化などが起こります。自分のセクションの利益を考えるのは当たり前のことであり、それ自体は決して悪いことではありません。ただし、組織全体の利益を見据えたうえで自分のセクションの利益を考えているかどうかがポイントとなります。組織内での自セクションの優位性を保つために、他のセクションに協力しなかったり蹴落とそうとしたりするような態度がセクショナリズムです。

セクショナリズムの種類

セクショナリズムには、どのような種類があるのでしょうか。

無関心型・非協力型セクショナリズム

無関心型・非協力型セクショナリズムとは、他のセクションに興味を持たないセクショナリズムのことです。自分のセクションにしか興味がなく、組織全体の利益を考えていません。他のセクションに協力することは余計な業務が増えたり余計な責任を負わされるリスクが増えたりすることだと捉え、他のセクションとのコミュニケーションをとりたがらないのが特徴です。

批判型・排他的型セクショナリズム

批判型・排他的型セクショナリズムとは、他のセクションを敵対視しているセクショナリズムのことです。興味がないわけではなく、他のセクションに対して攻撃的であるのがこのセクショナリズムの特徴です。他のセクションが自分のセクションの足を引っ張っているといった被害者意識のような考えを持ち、批判をしたり排除しようとしたりするような動きを見せます。セクション間でいがみ合うことは組織全体に悪影響であり、大きな問題に発展する可能性もあるため放置すべきではありません。

セクショナリズムの問題点

セクショナリズムが引き起こす問題とは、どのようなものなのでしょうか。

部署間の連携が損なわれる

他のセクションと積極的にコミュニケーションをとろうとしないような風潮や他のセクションを批判する考え方が蔓延していると、セクション間に亀裂が入ってさらに連携が損なわれます。そうなると、セクション間の交流がどんどん少なくなり、組織としてセクションをまたぐような業務がやりづらくなるでしょう。また、セクション間の対立が原因となって、業務へのモチベーションが損なわれることもあります。

ストレスの増加

批判をされて、いい気分になる人はいないでしょう。いがみ合ったり対立したりすることで、攻撃されたセクションに所属する人はストレスを抱えることになります。それだけではなく、セクショナリズムの考え方自体が自分さえよければいいといったネガティブな要素を含んでいます。他のセクションのせいで自分たちの業務がはかどらないという考えも被害者意識であり、捉え方によっては責任転嫁です。セクショナリズムにとらわれている人自身も負の感情が強く、ストレスを抱えているケースが多くあります。

また、セクショナリズムに支配された人間関係のなかでは他のセクションの悪口ばかりが話題の中心となり、悪いムードが漂います。セクショナリズムの考え方に賛同できない人がいたとしても、自分の意見を言い出せる雰囲気ではありません。組織全体の利益を考えて建設的な意見交換をしたい人がいたとしても、言い出しづらい空気になってしまいます。全体の利益を考えられるような広い視野を持った優秀な人材は、どんどん辞めていってしまう可能性があります。

信頼を失う

社内のコミュニケーションが希薄だと、顧客や取引先などからの問い合わせに対してどのセクションに取り次げばいいのかわからない可能性があります。取り次ぎなくても自分のセクションの業務には支障がないと感じた場合や他のセクションを蹴落としたいと考えた場合、担当のセクションから連絡を入れると相手方に説明しておいて取り次ぎがないといったことが起こります。問い合わせがあった事実すら知らされないまま、担当のセクションは顧客や取引先などから折り返しの連絡がなかったことに対してクレームを受けるでしょう。

一時的に困るのは担当のセクションだけだったとしても、組織全体の評判が落ちればすべてのセクションに影響が出ます。適切に取り次ぎをしないと、顧客や取引先などの問い合わせに対して真摯に向き合わない会社だと噂されてしまい信頼を失うリスクがあるでしょう。現代ではSNSなどの普及により、個人の発信が大きく取り上げられることもあります。複数の顧客から問い合わせの対応が悪い会社だと発信されてしまったら、会社の評判が落ちる可能性もあります。

セクショナリズムの原因

セクショナリズムは、どのような原因によって引き起こされるのでしょうか。

過度な競争意識や成果主義

相対的な評価システムを設けているなど自分のセクションと他のセクションが比較される環境下に置かれると、対抗意識が強くなりすぎてしまいます。組織内での競争は、お互いに高め合って成長することができる場合もあります。しかし、過度な競争意識はセクショナリズムを生み出すきっかけになる可能性があることを知っておかなければなりません。

また、業務成績など目に見える成果をあげているセクションが偉いのだといった成果主義の思想も、セクショナリズムにつながります。自分の所属しているセクションが成果をあげている場合には、もっと認められてもいいはずだと承認欲求が高まるでしょう。承認欲求のせいで、目に見える成果をあげていない他のセクションに対して攻撃的になることもあります。高い成果をあげようとすると、セクション内での仲間意識が強くなります。仲間意識が強くなると、組織全体の利益よりもそのセクションだけの利益を優先してしまいがちです。

縦割り組織や権力の偏り

縦割りの組織では、自分が所属するセクション以外に興味を持つことが難しくなります。セクション内でのコミュニケーションは大切にするが、他のセクションとのコミュニケーションは重要視しないといった発想になるのも無理はありません。結果としてセクション間での情報共有が少なくなり、全体として見たときに連携のとれていない組織になってしまいます。

また、セクション間の権力に差があると権力の強い側の意見ばかりが通るようになり、権力が弱い側は我慢を強いられ続けることになるためフラストレーションがたまるでしょう。権力の強い側が偉そうな態度をとるわけではなかったとしても、権力の弱い側はいつか絶対に立場を逆転させてやるといったような強い敵対意識を持つことが予想されます。セクション間の権力に差があれば、当然ながら部長などの管理職の権力にも差が出ます。権力の強いセクションの長の意見ばかりが通されると判断が偏り、ストレスを抱える人が多くなるでしょう。

セクショナリズムの解決方法

情報の共有

まずは会社の理念や方針をすべての社員に周知し、自分が携わっている業務に関してだけではなく組織全体の利益を念頭に置く土台を作ることが必要です。どのセクションが組織全体のどの部分に関わっているのかを知り、会社の理念や方針に沿ったそれぞれのセクションの方針や目的についても情報を共有します。何のために存在しているセクションなのかがわかれば、数字に成果が現れないようなセクションであっても必要性が理解しやすくなるでしょう。

他のセクションの業務内容についても自然と興味が持てるようなシステムを作ったうえで、社内SNSなどを活用してコミュニケーションを促します。社内イベントなど、業務以外での関わりを増やして親睦を深めるのもひとつの手です。ただし、業務が忙しいセクションの負担にならないように注意する必要があります。

横割りの組織編成

従来のように、専門分野ごとにセクション分けすることを縦割りと呼びます。これに対し、複数の専門分野にまたがるような組織編成を横割りと呼びます。横割りの組織編成をすることで、多角的な視点から業務を行うように促すことができるでしょう。専門分野の違う社員同士のコミュニケーションが活性化され、横のつながりの強化が期待できます。ただし、突然の組織改変は混乱を生む可能性があるため、他のセクションに対する理解が十分に浸透しているかどうかなどを確認しながら慎重に導入する必要があります。

評価制度の見直し

セクショナリズムの原因として、過度な競争意識や成果主義が挙げられるのは前述した通りです。相対的な評価システムを設けていると競争意識が強くなりすぎることもあるため、絶対的な指標で個別に評価するなどの工夫が必要でしょう。また、セクションごとに評価するのではなく、個人の適性などを見て評価する制度設計が求められます。

定期的にジョブローテーションをすることも、セクショナリズムを防ぐ手段として有効です。ずっと同じセクションに居続けることがわかっていたら、自分のセクションに関する知識やスキルだけ磨いていればよいことになり、セクション内での仲間意識も強くなりすぎてしまいます。しかし、他のセクションに異動になる可能性があるのならば、他のセクションの業務内容もある程度は知っておこうと考えるようになるでしょう。本来ジョブローテーションは、個人の適性を見たりスキルアップさせたりするためのものだとされています。一方で、積極的に他のセクションとコミュニケーションをとろうという意識が芽生えるきっかけにもなるのです。

セクショナリズムを生み出さないようにしよう

セクショナリズムは、社内のムードを悪くするだけではなく社外からの評価を落とすことにつながる可能性もあります。組織全体の利益を考えて動くことができる社員が増えることは、会社にとってメリットが多いといえます。セクショナリズムの問題点や原因についてしっかりと把握し、セクショナリズムを生み出さないようなシステムを作りましょう。

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