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2019.8.27

新入社員の採用・研修担当者必見!今どきの採用・マネジメント術とは?

新入社員のトレンドを採用や研修に活かしたいと考えている人にとって、今どきの新入社員にどのような傾向があるのかということは気になるトピックでしょう。最新のトレンドを理解しながら採用活動やマネジメントをおこなうことで、新入社員の離職率を下げることにもつながります。今回は、最新の調査に基づいて新入社員の特徴を解説していき、その動向に対応するための採用方法やマネジメント術を紹介します。

「今どきの新入社員」とはどんな人々か?

今どきの新入社員はどのような性格を備えており、どのような働き方やキャリアを望んでいるのでしょうか。ここからは、最新の調査に基づいて弾き出した新入社員像のトレンドを一望していきましょう。

売り手市場で入社している背景

まず、今どきの新入社員は「売り手市場」の中で就職活動をしていたということは無視できない事実だといえます。ここでは、売り手市場で入社した新入社員が置かれている環境について説明していきます。

転職も容易である

売り手市場であるということは、すなわち転職先も簡単に探し出せるということを意味しています。そのため、優秀な人材を確保するだけではなく、企業にとっては離職を防ぐための努力が一層重要なポイントになってきているのです。実際に、厚生労働省の発表している平成27年度までのデータをみてみると、新入社員の3年以内の離職率は約3~6割の割合で推移してきています。
つまり、苦労して大卒の新入社員を獲得しても、10人中3人は3年以内に辞めてしまうのが現実なのです。新入社員が早期に離職してしまう理由としては主に3つのものが挙げられます。1つ目が「思っていた仕事と違う」と理想と現実のギャップに失望するケースで、2つ目が「定時に帰れない」ことに不満を募らせるケースです。そして、3つ目が「相談できる上司がいない」と人間関係を不安視するケースとなっています。

新入社員が「選ぶ側」にある

人材の売り手市場では、企業と新入社員の関係性において逆転現象が起きることになります。すなわち、企業が新入社員を選ぶのではなく、新入社員が企業を選ぶという状況になるのです。このような状況においては、これまでのやりかたを踏襲するだけでは優秀な人材を獲得することは到底できないでしょう。企業側から人材に歩み寄り、今どきの新入社員の性格や仕事に対する希望をしっかりと把握することが重要なのです。そのうえで、新入社員に選んでもらうための採用方法やマネジメントを実践していくことが肝要だといえるでしょう。それでは、今どきの新入社員の具体的な特徴について次の段落からみていきましょう。

最近の新入社員の特徴

複数の大手採用サイトにおいて、自社のシステムを利用して就職活動を行った新入社員に対する調査が行われており、その結果が公表されています。平成30年度のそれぞれの調査結果を見比べてみると、新入社員にはある程度共通した特徴が見受けられることがわかりました。ここからは、今どきの新入社員に共通する3つの特徴について紹介していきます。

主体性より協調性

今どきの新入社員の多くにみられる特徴の1つ目として、主体性よりも協調性を重視するということが挙げられます。会議などに参加したときは空気を読んで場を丸くおさめることが得意だという特徴がありますが、自分が目立つような行動は取らない傾向があります。つまり、誰かに反対意見を述べたり、自分の主張をはっきりと伝えたりするのが苦手な人が多いということです。
また、打ち合わせ中に疑問に思ったことなどは書き留めておき、後日あらためて問い合わせる傾向があるという点も特徴的でしょう。この傾向の背景には、持ち前の消極性に加えて「行動を起こす際は根拠を明らかにして納得したうえで実行したい」という考え方があります。その場で発言することが少ないため、それぞれの新入社員がどれだけ物事に興味を持ち、また理解しているのかといったことは判断が難しい項目だといえるでしょう。

仕事よりプライベート優先

全国的に働き方改革が推進されているという流れもあり、仕事だけではなくプライベートを大切にしようという雰囲気が社会全体に広まっています。そうした背景も一因となって、新入社員の中でも仕事よりもプライベートを優先したいという人の数が増えてきています。例えば、定時で帰宅できるという条件は企業選びに際して重要度が増してきているといえるでしょう。また、有給が取りやすい、女性だけではなく男性も育児休暇が取得可能な環境であるといったような条件も人気が高まっています。このように、今どきの新入社員はプライベートを優先できる企業に魅力を感じるという傾向が強くなりつつあるのです。

キャリア志向よりも安定志向

前項の「仕事よりもプライベートを優先」することとも関係していますが、今どきの新入社員は充実したキャリアよりも実生活の安定を志向するという傾向があります。企業のためにあくせくと働いて出世を追い求めるよりも、プライベートと両立させながら安定した働き方をしていきたいという新入社員が増えてきているのです。そのため、会社員であれば出世を望んでいるものだと決めつける考え方はもはや時代遅れであり、大量の仕事を無理やり押し付けるような行為はご法度だといえます。ただし、安定を求める傾向があるというだけのことなので、中にはキャリア志向の新入社員ももちろん存在しています。つまり、それぞれの新入社員が仕事に何を求めているのかということをしっかりと把握することが、企業にとって重要なポイントになっているのです。

ステージ別でみる! 新入社員の採用におけるポイントとは?

前の段落で見てきたように、今どきの新入社員には、協調性を重んじる、安定志向であるといった特徴があります。「今どきの採用」を実践するためには、新入社員に関するこれらの情報を活かしていくことが重要だといえるでしょう。ここからは、新入社員の採用におけるポイントを、選考前、選考段階、内定後の3つのステージに分けて説明していきます。

選考前

言うまでもないことですが、新入社員の採用は選考の開始前から始まっています。そして、選考前のこの段階でいかに入念に準備しておくかによって採用結果が決定するといっても過言ではありません。ここからは、自分たちの企業が求める人材を新入社員として採用するためにしっかりと実行しておくべき選考前の2つの段階について紹介します。

求める人物像の明確化

最初の段階として、自分たちの企業が求めているのはどのような人材なのかということをできるだけ具体的に明確化しておくことが大切です。求めるスキルや性格など、採用担当チームでターゲットとなる人物像をしっかりと言語化しておき、共有する必要があるでしょう。先述したように、就職活動の現場は売り手市場になっているという前提があります。そのため、企業が新入社員に求める内容と新入社員が企業に求める内容が一致していなければ、すぐに離職されてしまう恐れもあるでしょう。新入社員に離職されてしまっては、採用に至るまでに費やしたあらゆる手間とコストが無駄になることになります。そうした事態を防ぐためにも、自分たちの企業が求める明確な人物像を提示できるようにしておかなければならないのです。

採用プロセスの見直し

最初の段階を踏むことで求める人物像が明確化すれば、就活生の中でもどのような層に重点的にアピールするべきなのかということがわかってくるでしょう。そこで、次の段階として採用プロセスを見直す必要が生じます。それまでの採用の期間や方法などが、自分たちの企業がターゲットとする層にとって最適なものになっているかどうかという点について、あらためて検討しましょう。また、スマホの広がりやそれに伴う就活サイトの増加など、世の中の変化にも気を配って柔軟に対応するべきです。ターゲット層が頻繁に利用しているWebサイトやアプリから自分たちの企業のホームページへのアクセスが容易かどうかといった点もしっかりと確かめておく必要があるでしょう。

選考段階

選考前の準備を経ていよいよ選考段階に移ったとき、企業はどのようなことに気を付ける必要があるのでしょうか。ここからは、選考前の努力を最大限に活かすための2つのポイントについて見ていきましょう。

求める人物像をしっかり説明

まず、採用担当チームの中で選考前に言語化し共有していたターゲットとなる人物像を説明会などの場で就活生にはっきりと伝える必要があります。理由として、新入社員が求める人物像をよく理解していなければ、入社後に「思っていたのと違う」と感じて離職されてしまう恐れがあります。しかし、説明会の段階ではっきりと求める人物像を伝えていれば、「自分は求められていない」と感じた就活生はそれ以降の選考に進まなくなります。つまり、求める人物像にマッチすると感じている就活生のみが次の選考に進んできてくれるということです。就活性にとっても企業にとっても無駄な手間やコストが省けるため、双方の利益を考えても求める人物像は早い段階で明確に伝えておくべきだといえるのです。

入社後の生活を想像できるような説明

次に、説明会ではっきりと伝えるべきことは企業の求める人物像だけではありません。同時に、入社後にはどのような生活が待っているのかということを具体的に説明しておく必要があるのです。実際の社員のワークライフバランスや残業の量などのデータを具体的に伝えることで、就活生は入社した後の生活がイメージしやすくなります。その結果、自らの性格や理想としている働き方がその企業の社風に合っているかどうかということについても自覚できるようになるのです。このように、より良いマッチングを目指すのであれば、企業はなるべく具体的な情報を就活性に提供する必要があるといえるでしょう。面接においても、就活性から質問を受けたときは詳細な事実を伝えるようにするという心がけが採用後の離職の防止につながるのです。

内定後

新入社員の10人に3人が3年以内に離職していくということを考えると、内定を出した後であっても採用活動は続いていると考えておくべきでしょう。内定を辞退されることを防ぐためにも、内定後のタイミングで企業の魅力を十分にアピールしておかなければならないのです。一つの例として、社員との交流会を開催してみるのもよいでしょう。交流会によって新入社員との親睦を深めることができれば、内定辞退を防ぐだけではなく、入社後の円滑なコミュニケーションにつなげることもできるのです。

トレンドに即した新入社員マネジメントのポイントは?

実際に入社した新入社員に対しては、どのようなマネジメントを行っていくのが適切なのかを知ることも大切です。ここからは、今どきの新入社員のトレンドに即した指導方法や育成方法などについて紹介していきます。

積極的なコミュニケーションをとる

新入社員に対するマネジメントのポイントとして、基本となるのが積極的にコミュニケーションをとっていくことです。先述のように、今どきの新入社員には主体性よりも協調性を重視する傾向があります。したがって、考えを引き出すためには先輩の社員などから積極的に話しかける努力が必要なのです。また、コミュニケーションをとる中で言いにくい疑問や不満をうまく聞き出すことができれば離職を防ぐことにもつながります。さらに、控えめに見える新入社員が内に秘めている目標を聞き出すということも重要です。新入社員の目標を知ることで、上から一方的に目標を押し付けるのではなく、共に課題を設定するなどして新入社員と同じ方向を向くことができます。その結果、協調性を高めて新入社員を成長させることにもつながるでしょう。

褒めて伸ばす

次に、今どきの新入社員には褒めて伸ばすという教育方針が効果的だといえます。新入社員の協調性の高さと主体性の低さの裏には、発言することへの不安感が往々にしてあります。不安を感じている新入社員が自分の意見を主張できるようになるためには、職場において人として尊重されていると感じさせることが必要でしょう。すなわち、頭ごなしに叱るのではなく、できた仕事は褒めて、失敗は次にどう活かすかを考えさせるといった前向きな指導法を実践していくべきなのです。

プライベートを尊重する

プライベートを優先できる環境を求めているという点に着目しても、今どきの新入社員は人として尊重されることを求めているのだといえます。ワークライフバランスを重視して労働環境を整えようとする努力を企業側がみせれば、その姿勢を歓迎する新入社員も多くいることでしょう。また、ワークライフバランスの改善に取り組むことは業務の効率化を追求することにもつながります。そのうえで、新入社員が「プライベートを大切にするために業務効率を上げる」という目標を抱いていれば、どちらにとっても利益が生まれることになるでしょう。このように、企業が一丸となってワークライフバランスの改善に取り組むことは企業自体の成長にとっても大きな意味を持つのです。

まずは「求める人物像」を改めて考えなおそう!

今回の記事では、新入社員のトレンドについて説明し、そのうえで企業側が適応するための対策方法を紹介してきました。結局のところは積極的にコミュニケーションをとることで就活生や新入社員の個性を理解しようと努める姿勢が大切なのです。そして、効果的にコミュニケーションをとるためには新入社員の傾向を把握しておく必要があります。また、自分たちの企業がどのような人物に働いてほしいのかを改めて考え直すことも重要だといえるでしょう。

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