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2024.7.29

トヨタも導入したスキルマップの項目例を職種ごとに解説【営業職・技術職・事務職】

働きがいを応援するメディア「ピポラボ」を運営するサイダス編集部です。

今回のテーマは「スキルマップ」です。この記事では、営業職・技術職・事務職におけるスキルマップの項目例やスキルマップがよく活用されている業界について詳しくご紹介します。スキルマップの作成方法やサンプルシートについては、「スキルマップとは?導入方法、シートの作り方、項目例をご紹介」の記事で詳しくご紹介しています。

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スキルマップとは

スキルマップとは、従業員一人ひとりが今取り組んでいる業務内容に関するスキルレベルを一覧表にしたものです。必要とされる能力やスキルは、職種や業務内容、役職によって異なりますが、「誰が」「どのようなスキルを保有しているのか」を整理し、「見える化」することで、人材育成や最適配置、採用などに活用したり、企業が求めるスキルと従業員が保有するスキルのギャップを分析することができます。

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スキルマップの作成例

ここからは、職種別のスキルマップの作成例についてご紹介します。本記事では、以下の職種のスキルマップの作成例をご紹介しています。

作成例:営業職のスキルマップ項目例

営業職におすすめのスキル項目は以下の通りです。

【営業職のスキル項目例】

  1. 自己分析力
  2. 交渉力
  3. プロジェクト管理能力
  4. 顧客理解力
  5. 顧客獲得能力
  6. 競合理解力

営業職は、自社の商品やサービスのメリットをアピールして、契約につなげることが基本的な仕事です。自分に自信がない人では、積極的に製品やサービスを売り込むことは難しくなります。そこで、スキル項目に「自己分析力」を加えるのがおすすめです。自分という人間を知り抜くことができれば、自分の活かし方もわかってきます。自信が持てないのであれば、準備を綿密に行うなど、自分に合った方法を探ることが大切です。

また、実際に契約まで結びつけるには、「交渉力」のようなスキルも求められます。大型の案件に着手することになれば、プロジェクトチームのなかで力を発揮できる「プロジェクト管理能力」も必要になるでしょう。

営業職が目を向けなくてはならないのは、自分が担当しているクライアントです。商談の勝率を上げていくためには、「顧客理解力」や「顧客獲得能力」を向上させていかなくてはなりません。顧客を獲得するには、ターゲットアカウントセリング(TAS)などの手法もどんどん取り入れていきましょう。自社の競合相手を視野に入れておくために「競合理解力」も加えると、バランスのとれたスキル項目になります。

スキル基準は、3~4段階のレベル設定が分かりやすくおすすめです。各レベルのイメージは以下の通りです。

レベル3:習熟度が低い後輩にやり方を教えることができる
レベル2:自分一人で業務をこなしていくことができる
レベル1:先輩について補助を行うことができる

スキル評価は、上司による評価を基本として、余裕がある場合には本人の報告をもとにした上司の評価を考慮に入れておきます。

作成例:技術職のスキルマップ項目例

技術系の職種に関するスキルマップについて、ITエンジニアを例に見ていきましょう。ITエンジニアと一口にいっても、システムエンジニアやサーバエンジニア、プログラマーなど、その業務に応じてさまざまな仕事にわかれています。しかし、会社によっては、通常であればプログラマーが行うプログラミングなども、システムエンジニアがサポートに入らなければならないこともあります。スキル項目を作る際には、その会社の規模や方針、業務の種類などを考慮に入れる必要があるでしょう。

ITエンジニアのスキル項目例としては、以下のようなものが挙げられます。

【ITエンジニアのスキル項目例】

  1. 要件分析力
  2. 設計力
  3. コーディング力
  4. テスト力
  5. エラー対応力
  6. 顧客理解力
  7. コミュニケーション力

ITエンジニアのスキル項目は、業務を遂行するために求められるテクニカルスキルが多くなるのが特徴です。「要件分析力」や「設計力」、「コーディング力」に加えて、業務に応じたテストケースを作れる「テスト力」や、プログラミングでエラーが出た場合に解決できる「エラー対応力」なども必要です。また、システムエンジニアは、クライアントと打ち合わせをしながら、システムの設計から開発にまで携わります。そのため、「顧客理解力」や「コミュニケーション力」などのスキルも求められるでしょう。

また、技術職のスキル基準は、資格やプログラミング言語単位のスキルについては、スキルを持っているか、持っていないかの2つの選択肢で記述したほうがわかりやすくおすすめです。レベルに応じた段階を持たせるならば、技術力などにもとづく細かい設定を作ってもよいでしょう。以下のように、年数で決めてしまうのも分かりやすい方法です。

レベル3:実務経験が3年以上
レベル2:実務経験が1年以上3年未満
レベル1:実務経験が1年未満

作成例:事務職(経理)のスキルマップ項目例

事務系の仕事に就いている人のスキルマップも見ていきましょう。一般事務のスキル項目例としては、以下のようなものが挙げられます。

【事務職のスキル項目例】

  1. コミュニケーションスキル
  2. PCスキル
  3. スケジュール管理能力

一般事務の仕事は、書類の作成や管理、データ入力などに加えて、来客や電話、メールの対応など多岐にわたります。業務を円滑に行うには、「コミュニケーションスキル」や「PCスキル」は必須といってもよいでしょう。とりわけPCのスキルに関しては、知識だけでなくてPC作業の正確性やスピードも求められます。

一般事務のスキル項目は、会社の規模によって大きく変わります。分業が進んだ大企業の場合には、一般事務の仕事はある程度決まっており、他の社員が行っている仕事の進捗状況を確認しながらスケジュールを調整する必要はほとんどありません。その一方で、規模の比較的小さい会社の場合には、一般事務にさまざまな仕事が振られる可能性が高いです。そのような現場では、高いレベルでの「スケジュール管理能力」が必要になります。専門でない業務の事務を任されることもめずらしくないことから、そのための知識や資格の有無もスキル項目に加えるのもよいでしょう。

スキル基準については、資格の有無以外はレベルに応じた段階を持たせるのがわかりやすいです。営業職で解説したように、先輩の補助から仕事を始めて、一人で業務をこなせるようになり、新人に指導できるレベルにまで習熟度を上げていくのがよいでしょう。スキル評価では、自分にできることと今後の目標を本人に報告してもらうのがおすすめです。そうすることで自分に足りていない点が明らかになります。上司や先輩社員が適切なサポートを行えば、本人のモチベーション向上にもつながるでしょう。

トヨタ自動車におけるスキルマップの活用例

トヨタ自動車は、生産工程における複数の作業を遂行する「多能工」を育てることを目的として、スキルマップを取り入れました。今では「トヨタ生産方式」と称され、スキルマップ活用の成功例として幅広い業界でお手本とされています。

トヨタ生産方式では、スキルマップを用いて従業員のスキルを可視化し、不足しているスキルを洗い出します。従業員一人ひとりが習得すべきスキルが明確になるため、効率的かつ効果的な人材育成が可能です。

さまざまな技術を持つ多能工により、業務遂行のムラが軽減され、多くの製品を品質を維持して生産できます。また、多能工の管理は、チームワークによる生産性の向上につながります。

▼合わせて読みたい▼
「多能工とは?多能工を進めるポイント・メリットは何でしょうか?」

スキルマップが活用されている業界・業種

多くのメリットが見込めるスキルマップは、さまざまな業種や職種で活用されています。ここでは、スキルマップの活用事例として、製造業界とITエンジニア職を取り上げます。人材育成や従業員満足度の向上にスキルマップを役立てるために、ぜひ参考にしてください。

製造業界

先述したトヨタ生産方式を含め、ものづくりの進化・成長を目指す製造業界では、スキルマップを導入する企業が多く見られます。特に高度な専門性や技術力が求められる製造部門や技術部門では、部署やチームにおけるスキルの偏りやムラがあると、生産性の低下を招く可能性があります。

そこで、スキルマップを用いて「誰がどのようなスキルを持っているか」「業務にどこまで技術が必要なのか」など正確に把握することで、社員個人や組織全体としてスキルの抜け漏れを回避できます。

また、ベテランが持つ熟練された重要な技術を、正確かつ確実な形で次世代に伝達する上でもスキルマップが効果的です。業務ごとの習得スキルをレベル別で把握して、適切な指導者と引き継ぎにふさわしい社員を選定することで、スムーズな継承が実現します。

IT・エンジニア

近年、IT業界でもスキルマップを取り入れる企業が増加しています。エンジニアをはじめとするIT業界の多くの職種は、専門知識や高い技術力が必要な上、年々求められるスキルは多様化しています。

スキルマップにより社員が持つスキルの種類やレベルを的確に把握できれば、プロジェクトに必要な人員を効率的に収集できます。また、プロジェクトを管理するマネージャーにとっては、メンバーの選定や案件ごとの技術管理がスムーズに行えるというメリットがあります。

スキルマップの管理にはマネジメントツールを活用

スキルマップを活用することで、公正かつ正確な能力評価や人材配置の最適化、効率的な人材育成といったメリットが期待できます。また、社員個人にとっては、求められるスキルや不足している能力が明確になり、適切なゴール設定やモチベーションアップにもつながります。

スキルアップの効率的な管理には、操作しやすいマネジメントツールが役立ちます。CYDAS (サイダス)は、社員の人材情報を一元管理できる人事システムです。社員の評価やスキルだけでなく、意思や価値観などの個人情報を1つにまとめており、キャリアプラットフォームとして活用できます。スキルマップの効果的な活用方法についてもご提案可能ですので、下記よりお気軽にお問い合わせください。

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