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2020.7.1

ビジネスでチームワークを発揮し、チーム力を高める6つの施策を紹介!

生産性を上げるために、組織内でのチーム力を高めるための施策をとることは重要です。優秀な人材が集まっている組織でも、団結していなければ能力は発揮されません。ビジネスにおいては、どれだけチームがひとつになって目標に進んでいけるかが重要です。この記事では、チーム力の大切さを解説します。読めば、チーム力を高めるための心がけから具体的な施策まで理解できるでしょう。

チームワーク・チーム力の違い

混同しやすい言葉として「チームワーク」と「チーム力」が使われています。いずれも組織で物事を成し遂げようというとき、必要な概念であるのは同じです。ただし、意味は大きく変わるので気をつけましょう。

チームワークとは 

まず、チームワークとは、個人では達成できないことを行うために必要な連帯性のことです。また、チームのメンバー同士の共同性も表しています。チームワークがとれている組織ほど、自分以外のメンバーのことを思いやり、強い意思で仕事ができるようになるといえます。

チーム力とは

一方、チーム力とはチームワークの集まった状態を指す言葉です。

ビジネスでいえば、組織は「チーム」「課」「部」といったように、細かく分けられています。そして、それぞれを構成しているメンバーにチームワークが求められています。全てのチームワークが集まったとき、チーム力として大きな結果を生み出すことができるのです。

いわば、チーム力はチームワークが統合されて表出される概念だといえます。ビジネスで成功を収めるにはチームワークを意識しつつ、最終的にはチーム力を高めていくことが重要です。

なぜビジネスではチーム力が重視されるのか?

優秀な個人が組織にいれば、ある程度は結果を残すことも可能です。それでも、個人の能力だけでなくチーム力が大切なのは「人には得意と不得意がある」ことが理由のひとつになっています。

たとえば、企画開発を得意とする人材がいたとして、斬新な製品を次々に思いついてくれるとします。しかし、本人が実際に製品を組み立てたり、売り込んだりできるとは限りません。それらの苦手分野は他の人材に任せなければ、企画開発のスキルも無駄に終わってしまいます。他の職種についても同じことがあてはまり、巨大な組織になるほど1人で仕事はできなくなるのです。

チーム力が正しく育まれた組織であれば、メンバー同士がお互いの苦手分野を補い合う土壌ができあがっています。担当がはっきりしているので迷いなく仕事ができます。分からない点が出てきたら、得意なメンバーに任せたり質問したりして克服していくことが可能です。

そうした連携がとれていれば、得意分野の能力も最大限に発揮されていきます。数少ない優秀な人材が多くの仕事を担当しなければならない組織より、効率的に成果を出すことができるでしょう。

チーム力向上によって見込める効果

組織のチーム力が向上していくとさまざまな効果が見込めるようになります。ここでは、チーム力が向上することによる効果を4つご紹介します。 

1 業務効率化 

たとえば、「業務効率化」は大きなポイントでしょう。苦手な作業を無理に行わなくてよくなり、得意な人材に任せることができるのでスムーズに仕事ができます。もちろん、他のメンバーにとって苦手な作業も、自分が手伝うことにより早く終わらせられます。 

2 モチベーションアップ 

次に、「モチベーションアップ」も重要な効果です。チーム力の高い組織では、メンバー同士の絆が深まっているのが特徴です。 

誰かが悩んでいるとき、すぐに相談できる相手がいます。日常的に励まし合い、お互いを刺激していくので困難な状況も乗り越えられる力が生まれます。 

3 情報共有 

そのほか、「情報共有」も大きな効果となって現れます。チーム力の高い組織では、メンバー間でプロジェクトの進捗が共有されています。誰が何をどれくらいやればいいのかが見えるので、仕事に迷いがなくなります。 

4 柔軟性 

そして、「柔軟性」が身につくのもメリットです。チーム間の意見交換が活発化しているため、ひとつのプロジェクトにも複数の選択肢が生まれます。急な方向転換にも臨機応変に対応できるのは組織としての強みです。 

チーム力を高める施策

1 目標と価値観を共有する

所属メンバーの目標と価値観が共有されていないと、チーム力はなかなか高まっていきません。

たとえば、ある人にとっての目標は「売上倍増」だったとします。しかし、他のメンバーが「斬新な商品を開発する」ことを目標にしていれば、両者の折り合いをつけるのは難しくなるでしょう。その結果、メンバー間の衝突が多くなり、作業は進んでいきません。プロジェクトそのものも一貫性がなくなり、第三者から見て魅力的ではなくなってしまいます。

しかし、たとえば両者に「斬新でありヒットする商品を開発する」という目標が共有されたとき、チームはひとつにまとまります。どのメンバーも同じビジョンを見ているので、非生産的な議論を交わすような瞬間は少なくなっていくでしょう。組織内の信頼関係も強まっていき、個人では難しかった大きな目標にも向かっていけます。

2 メンバーの自発性を尊重する

「自発性」を高めていくこともチーム力につながります。多くの組織はメンバー間の絆を強めようとするあまり、価値観を押し付けて無理にコミュニケーションを活性化させようとしてきました。ただ、このやり方ではかえってメンバーの反発を招き、チーム力は上がらなくなってしまいます。

チーム力とは誰かに押しつけられて醸成するものではなく、自分たちから大切さに気づいて意識していくべき概念です。チーム力を高める意味を理解できたなら、上層部から強引に働きかけなくてもメンバー間で自主的にチーム力を高めようと実践してくれるはずです。

そのためには、いきなりワークフローや組織図を改革するのではなく、目標をしっかり定めましょう。そうすれば、メンバーは目標から逆算して「達成するためには何が必要か」と考え始めます。大きな目標になるほど1人では難しいので、自然な流れでメンバー間のやりとりが生まれていきます。こうして、積極的に組織内のサポート関係が築かれるのです。そのような状態にたどり着くまで、ときにはメンバーの裁量に任せてみることも肝心です。

3 それぞれ違うスキルを持つ

上層部がチーム力のためにできることとして、「スキルの違うメンバーを集める」という施策も挙げられます。もちろん、同じスキルを持つ人材が集まれば、一丸となってチーム力が高まっていくケースもゼロではありません。

しかし、あまりにもメンバー間で得意分野が重なってしまうと、チームとしてできることの幅が広がりません。また、お互いをライバルとして認識し始めてしまうようなリスクもあります。ひとつのプロジェクトをメンバー間で奪い合うような状態になる可能性もあり、団結力から遠ざかりかねません。複数人でプロジェクトを共有したとしても不毛な諍いが多くなっていきます。

もしも違ったスキルを持つメンバーを集めれば、チームとしての総合力を効果的に高めることができます。また、担当分野が重ならないので過剰なライバル心を抱かずにすみます。専門外の分野について素直に質問することができるため、自然に組織内のコミュニケーションは活性化されていくでしょう。

まったく異なる能力を持った人同士が意見交換をしているうち、個人では思いつかなかったような提案ができる場合も少なくありません。チームを構成するときには人数やキャリアだけでなく、スキルの種別にも注意してみることが大事です。

4 緊密な連絡を心掛ける

仕事を進めるうえでの連絡を緊密にしていくと、チーム力はスムーズに高まっていきます。なぜなら、重複が少なく役割が分担されている組織では、自分が担当する仕事を進めるために、ほかの人が担当した仕事の情報が必要だからです。

また、そうすることによって「連絡をしなければ仕事が進まない」という発想に切り替わっていくので、メンバー間のやりとりが活性化されていきます。その結果、組織内に連携が生まれ、お互いを信頼しながら仕事をする雰囲気が生まれるでしょう。

コツとして、適度に依存関係へと導くのもひとつの方法です。つまり、上司と部下、先輩と後輩などの結びつきを強くし、報告や連絡、相談を日常的に行わせるのです。こうした習慣を続けていくうちに、情報交換なしに仕事をすることはなくなっていきます。

5 意見が言いやすい

誰でも「意見が言える」チーム作りも大切です。

チーム力向上には、全メンバーが「組織に帰属している」との思いを持つことも必要です。しかし、自分の意見が通らないとあきらめた時点で、そのメンバーが発言する機会は少なくなってしまいます。その結果、疎外感を覚えて組織内で孤立していくこともありえるのです。

会議やミーティングのときだけ「意見を言いなさい」と強制しても、活発なコミュニケーションは生まれません。むしろ、ふだんの現場でどれだけコミュニケーションがとれているかが重要です。意見を言いやすいムードがしっかり漂っていれば、時と場所を選ばず、誰でも自分の考えを口にできるはずです。

注意したいのは、役職や年齢などで特定のメンバーに発言力が偏ってしまうことだといえます。こうしたメンバーが「自分の意見を聞くべき」という雰囲気を作ってしまうと、若手や部下はどんどん発言できなくなっていきます。ただ、それでは組織の方向性が固定化されていき、新しい発想を取り入れられません。チーム力を高めるためには上下関係にとらわれず意見交換をすることが必要なのだと、全メンバーに理解してもらいましょう。

リーダーの役割

リーダーの役割1:メンバーに「期待」をする 

リーダーとして、まずは全てのメンバーに「期待」をしましょう。リーダーがメンバーを信用していないと分かれば、チーム内のモチベーションは低下していきます。チームに忠誠心をなくしていくので、団結力も高まりません。リーダーが心からメンバーを認めてあげられれば、彼らは自発的に成長しようと努力してくれます。

なお、メンバーへの期待は分かりやすく示すことが大事です。はっきりと「君には期待しているよ」と口に出してかまいません。また、メンバーが結果を出したときはオープンな場で称賛するようにします。メンバーは自分の仕事を誇りに感じ、強い達成感を覚えるからです。

リーダーの役割2:目標管理を行う 

次に、「目標管理」もリーダーの重要な役目です。メンバーごとに仕事の進捗を把握し、必要があれば相談やサポートを行います。チーム力を高めるにはメンバーとの情報共有が不可欠であり、リーダーから積極的にやりとりをするべきです。

そのうえで、「モチベーションアップ」のために働きかけ続けましょう。メンバーが落ち込んでから動いても意味はありません。些細な変化もすぐ感じ取り、個別に話を聞くなどしてモチベーションの回復に努めます。

チームビルディング研修の効果

メンバー同士の関係性を強め、チーム力を向上させていくには「チームビルディング研修」の受講という方法があります。

チームビルディング研修では業務内容に関することよりも、メンバー間の信頼を高めていく点に重きを置いています。なぜこうした研修が必要とされるようになったのかというと、忙しい日常業務の中で絆を深めていくことが難しいからです。研修という名目で時間を割き、同じプログラムを共有しているうちに仲間感覚を高揚させたり信頼し合えたりするようになっていきます。

また、目標を共有する場としてもチームビルディング研修は役立ちます。もちろん、ほとんどの組織は常に目標を掲げ、従業員にも理解を求めているはずです。しかし、与えられた役割が異なると、目標は同じでも捉え方にズレが出てしまうこともありえます。そのため、担当する仕事が変われば、まったく違う価値観のもとに仕事をしているような状況が生まれがちです。

チームビルディング研修では全メンバーが正しく目標を確認し、お互いの認識のズレを埋めていける機会となりえます。

おすすめのチームビルディング研修

実際にチームビルディング研修を行うのであれば、ゲーム形式のロールプレイング研修がおすすめです。ゲーム感覚だと参加者が集中しやすいうえ、連帯感を生み出すことも可能だからです。

また、できればビジネスシーンを連想させるような内容にするとよいでしょう。たとえば、新商品を開発して顧客相手にプレゼンするまでをチームごとに話し合って実践してもらうような研修です。プレゼン内容を順位付けするようにすれば、競争意識が高まるのでゲームも盛り上がるでしょう。

このとき、あえてプレゼンがスムーズにいかないようなチーム分けをするのもいいでしょう。あるチームは若手だけにしたり、他のチームはプレゼンに慣れていない経理担当者ばかりにしたりと、メンバー分けに偏りを作っておきます。そうすれば、ゲームを進めていく中で自分たちの不得意分野に気づき、相談できるメンバーがいることの大切さに気づくでしょう。

ゲームを通して苦手分野を協力し合う重要性を再確認し、チーム力の意味を理解できるようになります。あまり理解してこなかった、他の部門の仕事を知るためにも貴重なチャンスとなるでしょう。

また対比のために、逆にバランスの良いチーム分けをすることも効果的です。

社内コミュニケーションツールを活用しよう

チーム力向上を目的として、社内コミュニケーションツールを導入した企業も多くなっています。社内コミュニケーションツールには、以下のような効用があります。 

情報伝達がスピーディーになる 

社内コミュニケーションツールの目的はまず「情報伝達をスピーディーにする」ことです。違う部署で同じプロジェクトを進めている場合、どうしても日常的なコミュニケーションに時間を使っている暇はなくなってしまいます。ただ、問題を放置していると情報共有が遅れ、進捗に支障をきたしかねません。 

コミュニケーションツールがあればリアルタイムの情報を逐次チェックできるので、大人数でプロジェクトを進めていくときに便利です。 

会議の必然性がなくなる 

また、「会議の必然性がなくなる」のもメリットです。意見交換や情報共有の場として会議は大切ではあるものの、そのために時間を調整するのはメンバーの負担になりがちです。コミュニケーションツールは対面しなくても報告や相談ができるので、特別に時間や場所を準備して会議を開く必要が減ります。 

作業精度や商品のクオリティを高められる 

そして、作業精度や商品のクオリティを高められるのはもっとも大きな魅力といえます。組織内でのやりとりが活発化するので問題点がすぐ見つかり、リアルタイムに改善へと動き出せます。メンバー間の団結力も高まっていくため、トラブルへの反発力も期待できるでしょう。 

よく利用されている社内コミュニケーションツール

Slack 

IT企業では「Slack」が頻繁に用いられています。Slackは複数メンバーでやりとりをできるチャットツールであり、送受信できるデータの種類が豊富なことで有名です。 

また、グループチャットと非公開チャットを使い分けできるため、やりとりをする相手を指定もできます。周囲には内容を公開できない相談を、信頼できるメンバーにだけするときなどは便利です。 

しかも、Slackはチームやプロジェクト、担当するクライアント別でスレッドを作成できます。関係のない話題にわずらわされることなく、画面が見やすいのも大きな魅力です。 

Chatwork 

業種や業態を問わず導入されるようになったツールが「Chatwork」です。高いスキルは不要で気軽にメッセージを交換できるので、広い業界で愛用されるようになりました。 

リモートワーカーや外注業者とのコミュニケーションを活性化させる手段としてもぴったりです。しかも、ビデオ通話や音声会議を行える機能も備わっています。仕事場が離れている者同士がミーティングを行いたいときにも利用できます。 

スマートフォンから画面を操作できるのも強みです。シチュエーションを選ばず、どのような人にも簡単に扱えます。 

チーム力を高めて成果を最大化

組織が保有している人材、ノウハウ、データベースを効果的に活用していくには、チーム力が非常に重要です。そして、チーム力とは意識的に取り組まなければ伸びにくい組織としての能力でもあります。 チームビルディング研修やコミュニケーションツールなどの方法でメンバー間の団結力を高めていきましょう。そうすることで、大きな目標にも一枚岩で向かっていける組織にブラッシュアップすることができます。 

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また、従業員が勤める企業に対して抱く信頼や愛着心、帰属意識を高めるためのエンゲージメントを活性化させることにも役立てられます。
組織課題に合わせたご利用ができますので、まずはお気軽にご相談ください。

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