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2024.5.17

サンクスカードとは?企業が導入する目的や運用ポイント、成功事例を紹介

近年、オンライン会議やテレワークなどの普及により、従業員同士のコミュニケーションが希薄になったり、会社へのエンゲージメントが下がっていることが問題となっています。このような背景から、従業員同士で日々の感謝の気持ちを送り合う「サンクスカード」への注目が高まっています。

しかし、なかには「強制されるのは面倒くさい」「気持ち悪い」とネガティブな印象を持ってしまう従業員がいることも。

本記事では、サンクスカードの概要や導入目的、おすすめのサンクスカードツール、成功事例についてわかりやすく解説します。サンクスカードの書き方や例文にお悩みの方や、ネガティブな印象を与えない運用のポイントについて知りたい方もぜひ参考にしてください。

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サンクスカードとは

サンクスカードとは、職場や学校などの組織内で感謝の気持ちを伝えるために使用されるカードのことです。感謝の意を示すことで、職場の雰囲気を向上させたり、チームワークを強化したりする効果があります。サンクスカードは別名「ありがとうカード」「サンキューカード」「グッジョブカード」など、企業独自の名称で利用されることもあります。

サンクスカードを活用しなくても、感謝の気持ちはさまざまな方法で表現することができます。しかし、あえてカードとして目に見える形で贈ることで、気持ちをさらに丁寧な形で表現したり、「ありがとう」を伝えるきっかけを意識しやすくなります。

サンクスカードの運用方法や形式

サンクスカードの運用方法は企業によってさまざまで、紙やカードに感謝の気持ちを書いて相手に直接手渡ししたり、回収ボックスを経由して届けたりします。また、近年はサンクスカードのデジタル化も進んでいて、アプリやシステムで送り合うケースも増えています。

サンクスカードのデザインに悩んでしまうという方もいらっしゃるかもしれませんが、最近は無料のテンプレートやイラストを公開しているWebサイトも多数ありますので、ぜひ「サンクスカード 無料 テンプレート」などで検索し、参考にしてみてください。

結婚式におけるサンクスカード

サンクスカードは、結婚式に来ていただいたゲストへのお礼や今までの感謝の気持ちを伝える際にも使用されます。この場合は、ギフトに添えて渡したり、テーブルに置かれている席札やパンフレットと一緒に置かれることが一般的です。

結婚式の当日は、なかなかゲスト一人ひとりとじっくり話す時間が取れないことも。サンクスカードを事前に用意しておき、一人ひとりに向けたメッセージを用意すると、参列したゲストも喜んでくれることでしょう。

サンクスカードの目的とメリット

サンクスカードを導入する目的とメリットは主に、「感謝を伝え合う組織文化の醸成」「従業員の見えづらい頑張りや行動の可視化」「エンゲージメントの向上や離職率改善」「企業理念やMVVの浸透」の4つです。それぞれ詳しく解説します。

感謝を伝え合う組織文化の醸成

定期的にサンクスカードを送り合うことで、同僚の良い部分に自然と意識が向くようになり、感謝を伝えあったり褒めたりする文化が自然と根付く効果が期待できます。ポジティブなフィードバックは、従業員同士の信頼関係の構築や心理的安全性の確保にもつながり、チームワークの向上やオープンな組織づくりに役立ちます。

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従業員の見えづらい頑張りや行動の可視化

サンクスカードを活用しなくても、日々同僚に対して「会議資料作成してくれてありがとう」「話を聞いてくれてありがとう」など、感謝を伝えている方もいるかもしれません。しかし、口頭では感謝を伝えていても、当人同士の範囲に留まってしまい、上司や他のチームメンバーにはその頑張りや行動がうまく伝わらないことがあります。サンクスカードを活用することで、普段は見えづらい小さな行動も可視化することができます。

企業の場合、なかには目立ちにくい部署やチームもあるかもしれません。縁の下の力持ちとして、日々コツコツサポートしてくれている従業員の行動を可視化できるようになると、公平な評価やモチベーション向上につながっていきます。

エンゲージメントの向上や離職率改善

日常業務ではなかなか口に出せない感謝の気持ちをカードを通じて伝えることで、社員同士のコミュニケーションが活発になります。また、サンクスカードのやりとりを通じて、職場内の心理的安全性が高まると、「安心して働き続けられる職場である」という認知が広まり、エンゲージメントの向上や離職率改善につながります。職場への幸福度を高めるため、サンクスカードは健康経営の分野でも注目されています。

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企業理念やMVVの浸透

サンクスカードでは、日々の小さな感謝だけでなく、企業の経営理念やMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)に沿った行動に対して賞賛を送ることもあります。「あなたの〇〇の行動は、企業のMVVにマッチしていました」というメッセージを発信することで、企業でどのような行動が求められているのか、どのような人物が理想とされているのかが従業員にも伝わり、企業理念とマッチした人物の育成や組織の醸成を促進します。

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サンクスカードは気持ち悪い?よくある失敗例

サンクスカードは、組織文化の醸成やエンゲージメント向上につながる有効なツールです。しかし、ただ導入するだけでは運用が形骸化してしまったり、従業員からネガティブな印象を受けてしまうこともあります。ここでは、よくある失敗例とその対策をご紹介します。

失敗例1:形式的になりすぎる

サンクスカードの交換が形式的な儀式となり、ノルマ化されてしまうと、カードを送ることが目的になってしまい、肝心の感謝の気持ちが込められていない場合があります。「いつもありがとう」「お疲れさまです」といった曖昧なメッセージばかりが書かれても、感謝の気持ちが伝わらず、受け取る側としても「こんなものをもらっても面倒くさいだけで、意味がない」「嬉しくない」「気持ち悪い」などネガティブな印象を受けてしまいます。

形式的になるのを防止するためには、カードを書く際のガイドラインを設け、具体的なエピソードや感謝の理由を書くようにすることがおすすめです。例えば、「〇〇さん、昨日の会議でのプレゼン資料作成を手伝ってくれてありがとう」といった具体的な内容にすることで、感謝の気持ちが伝わりやすくなります。また、上司が率先してサンクスカードを書くことで、他の社員の模範となることができます。

失敗例2:特定の人に偏ってしまう

サンクスカードが特定の人ばかりに集中し、他の従業員が取り残されることがあります。これにより、「サンクスカードをもらえない」「感謝されていない」と社員が不満を抱く可能性があります。

対策としては、全従業員が均等に感謝されるように、ランダムにペアを組む仕組みを導入するなどが挙げられます。また、感謝のメッセージを集計し、偏りがないか定期的にチェックすることもおすすめです。ただし、「偏らないように」と気にしすぎて実施状況を細かく管理してしまうと、ノルマのようになってしまい、サンクスカードの本質が失われてしまうこともあるので注意しましょう。

失敗例3:従業員の負担が大きく、運用が続かない

最初は盛り上がっていたものの、時間が経つにつれてサンクスカードの運用が疎かになってしまうことがあります。形骸化を防止するためにも、サンクスカードの運用を定期的に見直し、改善点をフィードバックする仕組みを導入しましょう。カードの配布や改修を簡素化するツールやプロセスの導入も検討し、従業員全員が手軽に参加できるようにすることも重要です。

また、サンクスカードを書くことが従業員にとって負担になってしまうこともあり得ます。サンクスカードの交換頻度を適切に設定し、無理のない範囲で運用することが重要です。例えば、月に一度の「サンクスデー」を設定するなど、定期的でありながら負担にならない頻度に調整します。

失敗例4:受け取る側のリアクションが薄い

感謝の気持ちを込めてサンクスカードを書いても、受け取る側がそのカードに対するリアクションが薄いと、送り手のモチベーションが下がってしまうことがあります。

サンクスカードを受け取った側も、その感謝の気持ちに対してリアクションを示すことの重要性についても社内で共有し、双方向のコミュニケーションを促進しましょう。たとえば、カードを受け取った際に「ありがとう、嬉しいです」と一言添えたり、カードを送ってくれた相手に対してまたサンクスカードを送るのもおすすめです。

サンクスカードの運用ポイント6つ

サンクスカードの効果を最大限に引き出すためには、「明確な目的・目標の設定」「参加しやすい環境の整備」「ガイドラインの策定」「表彰制度の導入」「フィードバックの回収と改善の実施」「研修やワークショップの実施」などのポイントを押さえて運用しましょう。それぞれ詳しく解説します。

ポイント1:明確な目的と目標を設定する

サンクスカードを導入する際には、その目的と目標を明確にすることが重要です。組織全体で共有し、理解してもらうことで、社員一人ひとりが意識を持って参加できます。

導入目的としては、「コミュニケーションの促進」「モチベーションの向上」「チームワークの強化」などが挙げられます。目標の設定としては、以下のような定量目標と定性目標を定めるのがよいでしょう。

定量目標・月に交換されるサンクスカードの数
・メッセージを受け取った社員の割合
定性目標・職場の雰囲気の改善
・チームワークの向上

ポイント2:誰でも参加しやすい環境を整える

全ての社員が気軽に参加できるように、運用ルールを明確にし、カードの配布や回収のプロセスを簡素化しましょう。紙のカードで運用している場合は、オフィス内の共有スペースや従業員がよく利用する場所にカードやペンを用意し、気軽に書けるようにするのがおすすめです。また、最近はツールやシステムを活用したデジタルカードも普及しています。集計作業も楽になるため、オンラインで手軽にメッセージを送れるようにするのもおすすめです。

ポイント3:具体的なメッセージを書くためのガイドラインを設ける

感謝の気持ちが具体的に伝わるように、サンクスカードを書く際のガイドラインを設けます。以下のポイントを参考にしてください。

①具体的な内容を書く
「〇〇さん、昨日の会議でプレゼン資料の作成を手伝ってくれてありがとう」のように、具体的な出来事を記載しましょう。なぜ感謝しているのかも明確に記載することで、受け取る側も納得感を得られます。

②ポジティブな言葉を使う
「あなたのおかげで仕事がさらにスムーズに進みました」など、相手の行動に対してポジティブな言葉を使うことで、受け取る側の気持ちがさらによくなります。

ポイント4:定期的な実施と表彰制度の導入

サンクスカードの効果を持続させるためには、定期的な実施や表彰制度の導入がおすすめです。「毎月1日を”サンクスデー”と設定し、全従業員がメッセージを送る日と定める」「運用担当者を決めて、啓蒙活動を行う」など、社内浸透を促進しましょう。

また、特に感動的なメッセージや多くの感謝を受けた従業員を表彰し、インセンティブを提供したり、社内イベントやニュースレターで表彰者を公表し、感謝の文化を社内に共有すると、より効果的にサンクスカードの文化を定着させることができます。

ポイント5:フィードバックの収集と運用の改善

サンクスカードの運用状況や効果について、定期的にフィードバックを収集し、改善点を反映させることが重要です。アンケート調査やヒアリングを通じて、従業員からの意見や感想を集めましょう。フィードバックはただ集めるだけでなく、結果を共有したり、意見を反映させた改善策を試験運用することも大切です。

ポイント6:感謝の文化を醸成するための研修やワークショップの実施

サンクスカードを定着させるためには、従業員一人ひとりが重要性を理解し、実践することが必要です。管理職やリーダー層を対象に、感謝の重要性を認識してもらうためのリーダーシップ研修を実施したり、全従業員を対象に、感謝の伝え方や効果について学ぶワークショップを実施するとよいでしょう。

また、ポスターや掲示物、社内報やSNSを活用して、サンクスカードの成功事例を共有し啓蒙するのもおすすめです。

サンクスカードの例文集

サンクスカードの書き方に正解はありません。自分の言葉で感謝の気持ちを込めて書くことができればきっと相手に気持ちが伝わることでしょう。しかし、サンクスカードを書こうと思っても、いざとなるとうまく書けないとお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは、シーン別にサンクスカードの例文を紹介します。

シーン1:日常の感謝

①日々のサポートに対する感謝

いつもお世話になっております。日々のサポート、本当にありがとうございます。〇〇さんのおかげで、スムーズに仕事が進められています。
これからもどうぞよろしくお願いします。

②小さな親切に感謝

この前、資料作成を手伝っていただき、ありがとうございました。
おかげで早く仕上げることができました。いつも助けていただいてありがとうございます!

シーン2:プロジェクトの成功に対して

①チーム全体に対する感謝

チームの皆さんへ
プロジェクトが無事に完了しました。皆さんの努力と協力に心から感謝しています。お疲れさまでした!
次のプロジェクトでも一緒に頑張りましょう!

②特定のメンバーへの感謝

〇〇さん
今回のプロジェクトでのリーダーシップ、本当にありがとうございました。
〇〇さんの指導のおかげでスムーズに進行し、成功に導くことができました。心から感謝しています。

シーン3:特別な行動に対して

①仕事のフォローに対する感謝

先日は私が急遽お休みをいただいた際に、仕事をフォローしてくださり、本当にありがとうございました。〇〇さんのおかげで、お客様にご迷惑をかけずに済みました。感謝の気持ちでいっぱいです。

②イベントの手伝いに対する感謝

先週のイベントのお手伝い、本当にありがとうございました。〇〇さんのサポートがなければ成功させることはできなかったと思います。心から感謝しています。

シーン4:個人的な感謝

①励ましの言葉に対する感謝

先日のミーティング後に、温かい言葉をかけていただきありがとうございました。とても励まされました。〇〇さんの言葉のおかげで、また頑張ろうという気持ちになりました。

②貴重なアドバイスに対する感謝

先日は貴重なアドバイスをいただき、ありがとうございました。おかげで、新しい視点を持つことができました。これからもぜひいろいろなことを教えてください。

サンクスカードは紙とツールどちらがよい?

サンクスカードの形式は企業によってさまざまです。手書きのものであれば、手作りならではの温かみが伝わることでしょう。サンクスカード制度を効果的に運用したいのであれば、専用のツールやシステムを活用することがおすすめです。ここでは、おすすめのアプリケーションを紹介します。

理念浸透アプリケーション「Mochibe」

タレントマネジメントシステムを提供するサイダスとブランディング会社のセルディビジョンが共同で開発した理念浸透アプリケーションです。企業の理念浸透を通じてエンゲージメントを高め、組織の文化を醸成することを目的に開発され、サンクスカードとしても活用できます。

プロフィールページでは、送ったカードや受け取ったカードの数、関連するキーワードなどを確認でき、自分の行動がどのように評価されているのか、今まで自分がどのくらい感謝の気持ちを表せているかがすぐにわかります。また、月に1度、組織で1番賞賛された人を表彰する機能も搭載しています。

さらに、月に一度、企業理念や働くことに対する想いを引き出す設問に回答する機能もあり、組織全体の理念への理解も深めることができます。

Mochibeの利用イメージを動く画面で知りたい方は⇒こちらをクリック!

サンクスカードの成功事例

サンクスカードとして活用できる理念浸透アプリケーション「Mochibe」の成功事例をご紹介します。

株式会社東京きらぼしフィナンシャルグループ

きらぼしグループは、2018年に3銀行の合併で誕生したきらぼし銀行を傘下に持つ地域金融グループです。文化の異なる銀行グループ同士が統合したことで、職員同士のつながりが希薄になったり、組織風土が育たないといった人事課題に直面していました。2021年にきらぼしグループの職員同士の意識合わせのため「きらぼしフィロソフィー」を制定したものの、その浸透に難しさを感じていたといいます。そこで、「組織らしさ」を醸成するためのツールとして、日々の感謝を伝え合い、互いを認め合うことのできるサイダスの「Mochibe」を導入。従業員からは「カードが励みになる」「贈る楽しみがある」という声が寄せられ、周囲をよく見るきっかけになったとのことです。

まとめ:サンクスカードで感謝を伝えよう!

サンクスカードは、職場や学校などの組織内で感謝の気持ちを伝えるための効果的なツールです。コミュニケーションの活性化、モチベーションの向上、組織の一体感の強化、メンタルヘルスの改善も期待でき、近年、企業文化醸成の一環として広がっています。企業の施策として取り入れる際は、運用ポイントを押さえて、全従業員が気楽に、前向きな気持ちで取り組めるように工夫しましょう。

感謝の気持ちを形にするサンクスカードを皆さんもぜひ職場や学校で取り入れてみてはいかがでしょうか。

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