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2022.1.17

採用通知書とは?記載するべき項目・テンプレを紹介します!

大企業は基本的に新卒を一括採用して育成します。一方、中小企業やベンチャー企業は新卒の一括採用はせず、必要な時に採用するスタンスのところも多いです。そのような企業では社員を採用するのが数年に1度となることもあり、ノウハウの蓄積があまりないためにどのように選考結果を伝えるべきかよくわからないこともあるでしょう。

そこで、この記事では採用通知書に記載すべき項目やテンプレートを紹介します。

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採用通知書とは?

採用通知書とは文字どおりその企業の選考を受けた求職者に対して「あなたを採用することに決定した」旨を伝える通知書で、書面にして郵送することが一般的です。実は、採用通知書を発行するかどうかは特に法律上の決まりはありません。対面や電話で伝えるだけでも法的な問題はないのです。とはいえ、採用した事実を明確にするためにも発行して送付したほうがいいでしょう。送るタイミングに明確な基準はないものの、なるべく早いことが望ましいです。

最終面接が行われてから、遅くとも1週間以内に求職者の手元に届くようにしましょう。求職者は複数の会社の選考を同時に進めていることも珍しくありません。ほかの企業から採用の連絡が届けば、そちらに行ってしまう人もいるでしょう。ほかの企業からの採用連絡がなかったとしても、決定から通知まであまりに時間が経つと、その間に入社の意欲やモチベーションが下がる可能性もあり得ます。通知が早く届くほど「対応が迅速で丁寧な会社」といった良い印象を与えることが可能です。

なお、採用通知書とよく似たものに内定通知書があります。これらは、別々に送付しても両者を兼ねた「採用内定通知書」として1枚にまとめて送付しても問題ありません

採用通知書と内定通知書の違い

先にも少し述べましたが、採用通知書以外に通知するものとして内定通知書があります。どちらも似た印象を与える文書であり、同じようなものと考えている人もいるのではないでしょうか。しかし、この2つは役割が異なります。簡単にまとめると、以下のような違いです。

【採用通知書と内定通知書の違い】

  • 採用通知書:企業が選考を受けた求職者に対し、正式に採用を決定したことを通知するもの
  • 内定通知書:「企業の求職者を採用する意思」と「求職者の入社する意思」のそれぞれについて確認がとれたことを証明するもの

採用通知書は、入社するかどうかといった求職者の意思は関係ありません。あくまで企業の意思を伝えることが目的の書類で、法的な発行義務もなければ特に法的拘束力もありません。一方、内定通知書は企業と求職者の双方の合意がとれたことを示すものです。発行すれば、労使契約の1つとして求職者を法的に拘束する力が発生します。ただし、内定通知書にも発行の法的義務はないため、中途採用者の場合は発行しない企業もあります。これは、中途採用では内定の意思を確認してから入社するまでにあまり期間があかないことが多いからです。

一方、新卒採用の場合は採用決定から入社までの期間が長いため、一般に内定通知書を送付します。経団連の「採用選考に関する指針」に従い、10月1日以降に内定を出すケースが一般的です。

採用通知書に記載する項目

採用通知書にどのような項目を記載するかについて法的な決まりはありません。以下のような項目を記載することが一般的です。

【採用通知書に記載する項目】

・タイトル「採用通知書」
・社名、宛名、日付
・採用を決定した旨
・同封した書類の内訳や内容、返送期限、返送先
・今後の流れや予定
・締めの挨拶
・人事への問い合わせ先

頭語と結語もきちんと記載しましょう。頭語とは文章の冒頭に置く言葉で、採用通知書なら「拝啓」が一般的です。頭語は結びの言葉で、頭語に拝啓を持ってきたときは結語を「敬具」にします。

採用通知書に同封する書類

採用通知書を送付する際に、ほかのも送付すべき書類があれば同封しましょう。ここでは、採用通知書と同封すべき書類として「入社承諾書」「入社誓約書」をとりあげ、それぞれ説明します。なお、この2つの書類は求職者自身に必要事項を記載してもらい、返送してもらうことが必要です。そのため、必要な切手を貼り宛先を記入した返信用封筒も同封すると良いでしょう。受け取った相手の印象も良くなり、返送しやすくなることからスピーディな行動が期待できます。

入社承諾書

入社承諾書とは、採用されることになった求職者側が「貴社に入社します」という意思を伝えるための書類です。採用通知書は企業に「あなたを採用することに決めました」と伝えるものであり、求職者の意思を確認するものではありません。そこで、入社承諾書を送付して求職者に必要事項を記載してもらい、押印して返してもらうのです。記載すべき項目には以下のようなものがあります。

【入社承諾書の記載項目】

・タイトル「入社承諾書」
・社名、代表取締役名、日付
・採用通知・内定通知を受領したことを伝える旨
・入社の日付
・入社することを誓約する旨
・日付、求職者の住所・氏名欄、捺印欄

入社誓約書

採用通知書とともに、入社誓約書を同封することもあります。これは、「入社するにあたって貴社の方針を遵守し、損害を与えないことを制約します」という旨を伝えるためのものです。これも、入社承諾書と同様に求職者自身に必要事項を記入・返送してもらいます。必ずしも要る書類ではないものの、提出してもらうことで入社後の労務管理が楽になるため、提出してもらったほうが良いでしょう。入社誓約書に記載すべき事項としては以下のようなものがあります。

【入社誓約書の記載項目】

・タイトル「入社誓約書」
・代表取締役名、日付
・誓約内容
・日付、求職者の住所氏名欄、捺印欄

このうち、「誓約内容」の項で挙げるのは、一般に以下のような点です。

【誓約内容の項目例】

・企業の就業規則やそのほかの諸規則、指揮命令を遵守する
・企業秘密や営業機密、業務上知り得た秘密などをほかに漏洩しない
・履歴書や職務経歴書の記載事項や面接時に話した内容に偽りはない
・業務内容や勤務場所の変更、転勤などの人事方針を遵守する
・SNSに会社の不利益となることを書きこまない
・故意や過失により損害を与えた時は賠償の責任を負う

入社誓約書は法的に義務づけられているものではないため、特に様式や記載事項に決まりはありません。上記内容に加え、会社として社員に守ってもらいたいことがあれば盛り込むと良いでしょう。たとえば、「退職時にほかの従業員の引き抜きをしない」「退職後に会社の顧客と取引を行わない」などがあります。また、秘密保持契約については、採用した社員を機密を扱う部署に配属するなどより厳密に定める必要があるときは、別に「秘密保持誓約書」を作成し送付するのも1つの方法です。

なお、入社誓約書は入社承諾書とよく似ているため、内容を1つにまとめて作成し送付する会社もあります。

その他採用通知書に関するポイント

採用通知書は紙で文書を作成して送ることが一般的でした。しかし、インターネットが普及したこともあり、積極的にメールなどの媒体を利用して採用通知書を送付する例も増えています。メールであれば作成に時間がかからず、郵送のように投函してから相手のもとに届くまでのタイムラグもなく、送付にかかる時間も一瞬です。メールによる採用通知書も、記載する内容は紙による文書の場合と大きく変わるところはありません。ただし、細かな点では違いがありますので、次に述べるポイントに注意しましょう。

まず、件名は「採用通知書」「採用のご連絡」など何についてのメールなのかが明確にわかるよう書く必要があります。これは、求職者は同時に複数の会社の選考を受けていることがあり、1日に多くのメールを受け取っている可能性が高いためです。どのような内容のメールなのかがすぐに把握できなければ、ほかのメールに埋もれて求職者が気づかない恐れがあるでしょう。また、メールの場合は頭語や結語は省き、文章の冒頭に「株式会社○○採用担当の××です」と一言入れます。こうすることで、メールを開封した相手がどこの会社から届いた採用通知書なのかがすぐに分かるためです。

採用することに決定した旨を伝えたあとは、「下記書類を郵送したので、必要事項を記入、捺印したうえで期限までに返送してほしい」と伝える一文をいれて郵送書類の内訳と提出期限を続けましょう。最後は社名や部署名、電話・FAX・メールアドレスなどの連絡先を入れて終わります。なお、メールや紙の書面で採用が決定したことを伝えるだけでなく、できれば事前に電話をして直接伝えることが望ましいです。求職者と直接話すことで相手の反応がわかり、採用に対する熱意のほどが読み取れます。現在行っている就職活動の状況がどうなのかも確認できるでしょう。

不採用の人への書類

選考を行った結果、採用にいたらなかった求職者に対しても、必ず連絡を入れましょう。この場合は「不採用通知書」を送付します。郵送でもメールでも問題なく、電話ですませるケースもあります。就職活動を進める都合上、求職者は選考の結果を早く知りたいと思っていますので、なるべく早く連絡を入れることが大切です。企業イメージにも影響するため、事前に「不採用の場合は連絡いたしません」などと伝えていた場合をのぞき、連絡せず放置することは避けたほうが無難です。不採用通知の内容は、およそ以下のようになります。

  • 面接まで進み落ちたケース:来社いただいたことへのお礼
  • 面接まで進み落ちたケース:来社いただいたことへのお礼
  • 面接まで進み落ちたケース:来社いただいたことへのお礼

なお、選考に落ちた詳細な理由については記載する必要はありません。これは、落ちた理由を伝えると、求職者から異議申し立てがあったり悪い噂を流されたりする恐れがあるためです。「厳正なる選考の結果、まことに残念ながら今回は採用を見送ることとなりました。ご希望に添えず大変恐縮ではありますが、ご了承賜りますようお願い申し上げます」のように、具体的な言及を避けて不採用になったことを伝えます。

書類のミスに注意しよう

選考を重ねて採用することに決まった人材であれば、何としてでも獲得したいと思うものでしょう。そのためには、万全の状態で採用を伝えたいものです。仮に採用通知書などにミスや記載漏れがあると、求職者との間で何らかのトラブルが起こりかねません。そうならないためにも、内容に注意して採用に関する書類を作成しましょう。

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