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2021.9.8

理想のチームを作るために!タックマンモデルの概要から方法を紹介

組織をうまく運営していくためのチーム作りに役立つ「タックマンモデル」というものがあることをご存じでしょうか。タックマンモデルは、理想のチームを作り上げるために重要なモデルです。この記事では、タックマンモデルの概要を説明しつつ、タックマンモデルを活用して理想のチームを作り上げる方法を紹介していきます。

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タックマンモデルとは?

タックマンモデルとは、1965年に心理学者のブルース・W・タックマンが提唱した、チームビルディングにおける発達段階を表したモデルです。タックマンモデルでは、チーム結成時から成果を上げられる状態になるまで、チームの発達段階を4段階(5段階)に分けています。当初は、4段階でしたが1977年に目的が達せられてチームが解散する「散会期」も加えて5段階になりました。チームは、人をただ集めれば自然に団結力が生まれて成長するわけではありません。会社組織を持続的に成長させるためには、チームビルディングが重要だと考える企業が増えています。

タックマンモデルの基本的な考え方は、チームが成長していく各段階で起こる問題をクリアにしていくことでチームが機能しはじめ、最高のパフォーマンスができるようになるというものです。

タックマンモデルの4ステージ

タックマンモデルのステージは、「形成期」「混乱期」「統一期」「機能期」の4段階に「散会期」を加えた5段階です。この記事では、特にチームを形成してから機能するようになるまでの4段階について詳しく解説します。

形成期

形成期は、まだチームのメンバーが集まって間もなく、お互いをよく知らない時期です。特に、よく知らない人ばかりが招集されたチームの場合は、「業務で誰がどのような役割や責任を担っているのか」についてしっかりと把握できているわけではありません。見た目は、和やかな雰囲気に見えていても、まだまだメンバー間で本音を言い出せなかったり、遠慮がちになってしまったりすることもあるでしょう。

お互い理解が足りないために、なにかしたいと思いながらも自分がなにをすればいいのかわからず不安に感じるメンバーも多い傾向です。そのような状態の形成期に必要なのは、お互いを知ることであり、リーダーにもメンバーの相互理解が深まるようにチームをまとめる力が求められます。そのうえで、チームのメンバーが目指すべき目標や目的を明らかにし、共同で作業していく意識を持たせるように導くことが必要です。メンバー同士が、相互理解を深めるきっかけになるように「ゲームやアクティビティを行う」「交流会のような場を設ける」などが具体的な方策が大切になります。

混乱期

実際に、プロジェクトが開始するとメンバー同士で、仕事の進め方がわかるようになってきます。そのなかで、チームの目的や目標に対する認識の違いが出てきたり、意見が食い違ったりすることもあるでしょう。「自分だったらこうする」など、具体的な業務の進め方で対立が生まれるなど、人間関係がギクシャクすることもあり得る状態です。原因として、チーム全体の目的および各自の責任や役割がしっかりと定着していなかったり、理解しきれていなかったりすることが挙げられます。「不満を抱えたまま対立が続く」「実際に作業をする際にメンバー同士が衝突する」といった事態も起こりやすい時期です。

表面的には、衝突していないように見えても問題がないとはいえません。ただ、お互いに関心が向いていないだけで、「相手のことに無関心な状態」ということもあるでしょう。本来は、協力するべきところ、メンバー内で競争になってしまっていることもあり得ます。チームをうまく機能させて結束を強固にするためには、この時期をどう乗り越えるかが重要です。

統一期

混乱期を乗り越えると、チームが目指すべき目的や目標を正しく把握し、メンバーそれぞれの役割や責任が共有されるようになります。その結果、チームに統一感が生まれはじめている状態です。チームの雰囲気も、議論することはあっても混乱期のような対立するのではなく、実りのある話し合いができるようになります。メンバー同士が対立している状態ではなく、「チーム全体と問題点」という構図になっていることが特徴です。プロジェクトに対してのモチベーションも高まり、それまでは活発に発言しなかったメンバーから意見が出されるようになることも珍しくありません。

メンバーそれぞれの持ち味が生かされ、お互いの役割や立場を正しく認識したうえで活発な議論ができるようになることが理想です。この時期は、メンバーがせっかく乗り越えた混乱期に逆戻りしていまわないよう気を配ることが重要になります。

機能期

統一期から、さらに発展してチームが一致団結し、結束力が強まるとともに連動性も生まれます。メンバーがお互いにサポートできるようになり、チーム全体として最もパフォーマンスが発揮できるような状態です。チームとしてまとまりをみせながら、メンバー各自も高い自立性を備えて行動できるようになっています。この状態にいたるまでの段階では、リーダーとしてメンバーをまとめて導くことが求められます。しかし、機能期に入るころにはメンバー各自が目的に向かって衝突せずに進めるようになっているため、過度に口を出す必要はありません。

適切にフォローする必要はありますが、どちらかというとメンバーの自発性を促すようなかかわり方にシフトするほうが、より強いチームとしてまとまるようになります。

混乱期を乗り越える方法

混乱期を乗り越えられることで、チームがうまく機能していくことが期待できます。そのため、強いチームを形成するためには、混乱期をいかにして乗り越えるかが重要です。混乱期に、メンバー間で衝突が起きるのは、お互いを十分理解できていないことが原因といえます。プロジェクトに対する考えや、主張のズレ、生き方そのもののズレなどを解消するためには、本音をぶつけ合うことが大事です。メンバーそれぞれが、どのような価値観を持っているのか知るきっかけとして、「ランチを一緒に食べる」「飲み会を計画する」などがあります。チーム間で本音をぶつけ合える場を設けることがポイントです。

また、リーダーの存在も混乱期をうまく乗り越えるために重要なポイントとなります。チームを束ねるリーダーがなにを考えているのかわからないようでは、そもそもチームの結束など望めません。そのため、「どのようなチームを作り上げたいのか」「どのように仕事を進めたいのか」など、リーダーとしての考えを積極的に伝え、メンバーとの間で情報を共有することが大切です。

混乱期は必要!

混乱期を乗り越えることは大変なため、「最初から混乱期を避けて機能期が訪れてくれればいい」と考える人もいるかもしれません。たしかに、対立や衝突するのを避けて無難にやり過ごすことはできるでしょう。ただし、タックマンは混乱期や統一期を経て機能期に到達する発達段階をたどらなければ、チームの力は十分発揮されないと考えていました。事なかれ主義で、ぶつかり合うことを恐れている状態のままでは、本音の部分で不満を持っていたり不信感が渦巻いていたりする可能性があります。

その状態から成長することができなければ、結局は表面的に機能期に達したように見えても成果は低くなってしまいます。混乱期を経験してそれを乗り越え、統一期、機能期へと進むステップが完全に成し遂げられていなければ、チームは混乱期に逆戻りすることもあるため、混乱期を経験することは必要です。

適切なチームビルディングを行いましょう

タックマンモデルについて理解できたでしょうか。タックマンモデルでは、理想のチームを作り上げるために、4つ(5つ)の適切なステップを踏んでいくことが重要です。メンバーが、お互いを正しく理解しチームが一致団結してプロジェクトに取り組めるようになるためにも、タックマンモデルを軸にチームを作り上げましょう。

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