2022.6.13
ストレッチ目標って何?これを読めば目標設定の仕方・概要などが理解できる
企業が成長するためには、従業員一人一人の成長が不可欠です。そして、部下を成長させるためには、適切な目標設定のもとで正しく管理することが必要になります。そこで有効となるのが「ストレッチ目標」です。しかし、これが具体的にどのような目標なのか、何を意識して取り組めばよいのかなど、わからない点が多いかもしれません。今回の記事では、ストレッチ目標について、概要や目標設定のポイントなどを含めて紹介します。
目次
ストレッチ目標とは?
ストレッチ目標とは、英語のstretch(引き伸ばす)から来ており、通常の取り組みでは達成が難しいが、少しずつ頑張れば達成可能となるようなレベルに設定された目標を指します。ストレッチの名前の通り、たとえば、前屈で床に指が届かなかった人が、日々のストレッチで身体を伸ばすことで、少しずつ床に指が届くようになるイメージです。業務におけるストレッチ目標では、社員個人が最大限努力して少しずつ目標に近づき、最終的には目標を達成することが求められます。
ストレッチ目標という言葉を最初に用いたのは、アメリカのゼネラルエレクトリック社の元最高経営責任者であるジャック・ウェルチ氏です。ウェルチ氏は、「すぐに手が届く目標よりも、達成困難と思われる位置に目標設定したほうが企業の成長につながる」と考え、一見すれば不可能と思われるほど理想の高い位置へ目標を設定したのです。そして、ストレッチ目標を達成するために、社員がこれまで以上の能力を発揮することや、新しい資質や可能性を開花させることを求めました。これを繰り返すことで、同社の成長につながっただけでなく、社員一人一人の能力も向上していったことから、個人や組織の育成方法の成功事例として世界中に広まったのです。
ストレッチ目標の設定の仕方とは?
ストレッチ目標は、ただやみくもに理想の高い目標を設定すればよいというものではありません。あまりに実現不可能で絵空事のような目標設定をしてしまうと、かえって部下のやる気をそいでしまうでしょう。したがって、部下の能力の向上と長期的な目標達成が実現できるよう、適切な目標設定をする必要があります。そのためには、まず、日ごろから部下とコミュニケーションをとり、信頼関係を築いておくことが大切です。部下の能力やスキル、行動特性を随時正しく把握し、理解しておきましょう。そうすることで、難易度が低すぎず高すぎない適切な程度の目標設定が可能になります。
実際に目標設定を行う際には、部下ともよく話し合い、部下がその目標に対してやる気を持てるような目標を設定しましょう。部下が身につけるべきスキルや、目指すキャリアの方向性なども見極めて判断していきます。上司と部下がお互いに納得したうえで目標設定をすることが大切です。具体例としては、「新規顧客獲得を20〇〇年度の4倍にしよう」などというものが挙げられます。こういった目標は、短期では達成が困難ですが長期的に努力すれば実現できないこともない程度の目標です。
そして、その目標達成に向かって部下たちはそれぞれ何をすればよいのか、どういったスキルを磨けばよいのかなどを考えつつ行動するようにします。これを繰り返すことで、一人一人の成長につながっていくのです。
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ストレッチ目標の効果・メリットとは?
ストレッチ目標を設定することの最大のメリットは、部下の能力を最大限に引き出せる点にあります。一見、達成困難と思われる目標へ挑戦することで、頭をフル回転させ、これまでになかったような新しい方法を工夫したり、新たな能力に目覚めたりすることが期待されます。また、ストレッチ目標は一過性のものではなく長期的かつ継続的なものなので、少しずつ目標達成に近づいていることを実感でき、仕事に対するモチベーションアップにもつながるのです。さらに、目標達成に少しずつ近づいていくことで、部下はその都度自身の成長を把握することができます。
このように、ストレッチ目標は、部下である社員一人一人が自身の成長を実感しながら目標に取り組めるので、成功体験の積み重ねにつながります。そして、その積み重ねが最終的には企業の成長につながり、大きな成果を上げられるようになるのです。
ストレッチ目標を効果的に実施するポイントとは?
ストレッチ目標は、適切な目標設定ができれば大きな成果をもたらしますが、設定レベルが低すぎたり高すぎたりすると、かえって部下のやる気を下げたり上手くマネジメントできなかったりする可能性があります。したがって、以下のポイントをきちんと押さえ、適切な目標設定を心がけましょう。
まず、ストレッチ目標はあくまでも長期的に取り組めば達成できる、現実的な範囲で設定する必要があります。あまりに無茶な目標設定をしてしまうと、部下を追い詰めたり、最悪の場合パワハラと認定されたりすることになりかねません。達成不可能な目標設定をすることのないよう、日ごろから部下の実際の能力や適性を把握しておくようにしましょう。
また、部下に対し何の説明もなしに厳しいストレッチ目標を課すことは避けましょう。部下からすれば、なぜそのストレッチ目標が必要なのかを理解できなければ、達成に向かって努力する気にはなりません。よって、目標設定の経緯や理由、期待していることなどを十分に説明し、上司と部下が相互に理解したうえで目標達成に取り組むようにしましょう。続いて、ストレッチ目標設定後、取り組みが始まった後は、部下のフォローアップを欠かさないことも必須です。ほったらかしにはせず、その都度上司自身の目で進捗状況を確認するようにします。また、部下から相談しやすい環境を整え、必要であれば個別面談の機会を設けたりすることも大切です。
個人と組織の可能性を引き出すためにストレッチ目標を設定しよう
ストレッチ目標について、概要や押さえるべきポイントを理解できたでしょうか。上司には、ストレッチ目標についてしっかり熟知し、部下とコミュニケーションをとることで適切な目標設定をすることが求められます。また、目標を部下自身が設定するのは困難なので、上司が全体を把握したうえで適切なフォローをすることが大切です。目標設定後もアフターフォローを欠かさず、社員個人および組織の成長を促すようにしましょう。
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