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2021.9.6

あなたも陥ってしまうかも?ゆでガエル理論の概要と脱却方法を紹介!

「ゆでガエル理論」というものをご存じでしょうか。ゆでガエル理論とは、「環境の変化に対応できないと、ゆでガエルになって時代に取り残されてしまう危険性がある」というビジネスシーンで良く語られる理論です。もしかすると、あなたも陥ってしまっている可能性もあります。

本記事では、ゆでガエル理論について概要や原因から脱却方法まで詳しく解説していきます。

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ゆでガエル理論とは?

ゆでガエル理論とは、ゆっくりとした環境変化に対応できずに死んでしまうカエルをたとえ話に使った、危機に対応する難しさや大切さを示す教訓です。ゆでガエルのたとえ話は、次のような内容で語られます。「カエルは熱いお湯の中に入れると危険を感じてすぐに飛び出そうとします。しかし、水から徐々に水温を高くしていくと、温度変化に危険性を感じることなく慣れてしまい、危険な水温になっても気づかずに、ゆだって死んでしまう」というものです。

実際に、カエルが入った水の温度をゆっくりと上げていっても、カエルは途中で逃げ出そうとするため、科学的な根拠のない話とされています。しかし、ゆでガエル理論はビジネスシーンに置き換えることができるため、わかりやすいたとえ話として広く知られるようになりました。ゆでガエルは、会社にも個人にも置き換えることができます。たとえば、顧客ニーズの変化に伴い会社の業績が徐々に低下しているケースを見てみましょう。この場合、「景気が良くなれば業績も回復するだろう」と、やり方を変えずに営業努力を続けても、業績は低下していく一方です。気づいたときには、回復できないほどの痛手を受けていることがあります。(ゆでガエル状態)

危機を脱却するには、新しい商品やサービスの提供など、顧客ニーズの変化に対応した対策が必要です。個人の場合、自分のスキルや実績に満足し向上心を失っている人は、ゆでガエルの予備軍といえます。常に、進歩・変化するビジネスシーンでは、新しい知識や技術を習得し活用していくことが求められるのです。その中で、自分のスキルが停滞していることに目を向けずに努力を怠っていると、ライバルや後輩に追い越されて社内の地位を失ってしまいます。ゆでガエル(ゆでガエル状態)にならないためには、常にスキルを磨く努力と向上心が必要です。

ゆでガエルに陥る原因

ゆでガエルに陥ってしまう主な原因は、「過去のやり方に固執する」「風通しが悪い」「未来に対してネガティブ」の3つです。

過去のやり方に固執する

ゆでガエル理論に陥ってしまう原因の1つ目は、過去のやり方に固執することです。顧客のニーズは、時代とともに技術の進歩に合わせて刻々と変化しています。過去に成功したビジネスのやり方を続けているだけでは、顧客のニーズを満たすことはできなくなってくるのです。そのため、過去のやり方や昔よく売れた商品ばかりに固執してしまうと、ゆでガエル状態に陥りやすくなってしまいます。

また、ビジネスにおいては高い利益を求めるよりも、リスクを回避することを選ぶ傾向です。このような、現状維持・安定志向が過去のやり方に固執してしまうのが要因の一つでしょう。やり方を変えるには、時間と労力がかかり少なからずリスクが発生してしまう可能性があります。しかし、新しい顧客のニーズを探り本当に求められているビジネスモデルに対応していかなければ、時代に取り残されていってしまいかねません。

風通しが悪い

2つ目の原因は、風通しが悪いことです。社内の風通しが悪いと、経営者と従業員の間で意思疎通を活発に行うことができません。その結果、危機に直面したときに適切な対応や改革が実行しにくいのです。たとえば、「経営者が危機に直面している」と気づいた場合は、何らかの対応をしようします。しかし、日ごろから従業員との間でコミュニケーションが不足している場合、経営者の危機感が従業員にはなかなか伝わらず、迅速な対応ができません。そればかりでなく、風通しの悪い職場に愛着感をもつ従業員は少ないため、がんばって会社の危機を乗り越えようとするよりも、別の会社への転職を考える人もでてきます。

逆に、従業員が危機に気づいたとしても、その情報が経営者には伝わりにくいでしょう。風通しの悪い職場では、波風を立てないほうが楽に過ごせると思う人も少なくありません。そのため、多少不満があったとしても、「自分が我慢すれば良い」と思う環境ができあがってしまいがちです。そのような環境では、問題点や改善点が見つかったとしても目を背けてしまい、より一層問題が増大していき取り返しがつかなくなることもあるのです。特に、経営者の意見に反対できないようなワンマン経営の場合は要注意です。従業員は、外部の変化に気づいても意見することに、ためらってしまいます。経営者も従業員とのコミュニケーション不足から、社内で起こっている変化に気づけないでしょう。

未来に対してネガティブ

3つ目の原因は、未来に対してネガティブになってしまうことです。世の中は、景気の悪化や異常気象、大地震や台風被害など、未来に不安を感じるようなニュースが山のようにあります。先行きが見えない状況が長く続くと、その不安はより一層大きくなり、ついマイナス思考に陥りがちです。人は、マイナス思考に陥ると防衛本能が過剰反応し守りの姿勢になってしまいやすくなります。冷静な判断をすることが難しくなり、自分が置かれている状況を正しく把握することもできなくなるでしょう。その結果、事実を受け入れられなくなったり、変化を恐れたりするようになってしまいます。

つまり、未来への不安がマイナス思考につながり、守りの姿勢が強くなることで変化する危機に気づきにくい体質になってしまうのです。

ゆでガエルから脱却する方法

最後に、ゆでガエルから脱却する3つの方法を紹介します。

危機意識の向上と共有

第1の方法は、危機意識の向上と共有を図ることです。そもそも、環境の変化に気づけなければ、従来のやり方を変える必要性を感じることはありません。会社経営をオープンにして、経営者だけでなく従業員一人ひとりが経営状況を把握できる環境づくりが必要です。たとえば、会社の財政状態が厳しい状況であれば、経営者は財務諸表を公開することで従業員に危機意識を持たせることが期待できます。その他、外部から新しい人材を登用するなど、従業員に刺激を与えることも効果的です。

オープンな環境であれば、従業員から危機に対応するための変革をもたらすこともできます。大きな会社を一人の従業員が動かすことは困難ですが、同じ危機意識を共有するメンバーを集めてグループを作れば、大きな組織を動かして危機を乗り越えることも期待できるでしょう。

客観的に状況を把握する

第2の方法は、客観的に状況を把握することです。会社であれば、自社の商品やサービスの質、仕事の内容を客観的な目で観察し、顧客のニーズに応えられているのかどうかを判断することが重要になります。個人であれば、自分が置かれている立場や状況を細かく分析し、「現状維持すべきか」「改善が必要か」など客観視することが大切です。ビジネスを取り囲む環境は、常に変化しているため、今までの経験や業績や基に状況を判断すると、顧客ニーズの変化を読み誤ってしまう可能性があります。

そのため、過去の実績にとらわれずにどんどん新しいやり方を模索していきましょう。外部からの視点を取り入れて、客観的に経営状態を見てもらうことが、危機を回避しやすい体質づくりに役立ちます。

ビジョンを設定する

第3の方法は、ビジョンを設定することです。会社でも個人でも明確なビジョンを持ち、目標に向かって常に努力し続けることが重要になります。明確なビジョンを持てば、モチベーションが向上しプラス思考にもつながるでしょう。前述したように、マイナス思考は守りの姿勢を強めて、環境の変化や危機に気づきにくい体質へつながってしまう可能性があります。一方、プラス思考は攻めの姿勢を強めて、環境の変化にも気づきやすい体質になることがメリットです。

変化の激しいビジネスシーンを勝ち抜くためには、常に現状に疑問を持ち、未来に向けて変革していく心構えが必要になります。社員全員がビジョンを共有し、同じ方向に進んでいれば、あらゆる変化に対応しやすく変革も力強く進むでしょう。そのためには、ビジョンの周知を継続的に行うことが重要です。

現状維持ではいけない!

ゆでガエル理論について、理解できたでしょうか。生活環境や技術の進歩により、顧客ニーズも刻々と変化しています。過去の栄光にすがって現状に甘えていると、ゆでガエル状態に陥ってしまいかねません。ゆでガエルから脱却するためには、常に客観的に現状をとらえて目標を持つことが大事です。ビジネスシーンを勝ち抜くためには、現状維持ではなく積極的に現状打破を心がけましょう。

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