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株式会社浅野製版所
導入規模:〜50名  利用開始:2016年1月

誰もが納得できるフェアな評価制度を作りたかった
健康経営の基盤は「社員との信頼関係」

浅野製版所の創業は1937年(昭和12年)、82年の歴史を誇る製版業界の老舗で、「実は現在の社長(二代目)が生まれた年の創業なんですよ」というエピソードを伺いました。創業当初はいわゆる「写真製版」からスタートし「アナログ製版」を主な業とされていましたが、ここ10年ぐらいのデジタル技術の目覚ましい進歩や変化に伴い、先進のデジタル技術の確立に努められ、現在では「プリントメディア」と言われるものをすべてカバーされています。また、浅野製版所は「健康経営」にも熱心に取り組まれ、「健康経営優良法人2017/同2018/同2019」をはじめ、数多くの受賞歴や認定をお持ちです。2012年の入社以来、様々な変化のリード役を務められてきた新佐氏、社歴15年の中で会社の変化を体感された成井氏、会社が構築した新評価制度によって昇格されたばかりの入社5年目の小塙氏、それぞれの立場でのお話を伺いました。

※インタビューの内容は取材当時のものになります。

社名 株式会社浅野製版所
創立 1937年3月
資本金 1,000万円
社員数 44名
事業内容 画像処理・デザイン・プランニング・DTP・フォトレタッチ・印刷関連事業
Webサイト https://www.asanoseihanjyo.co.jp/

浅野製版所は2017年に創業80年を迎えられました。創業当初から現在までの80年で製版技術は劇的な変化を遂げ、その変化に対応できずに業界から去っていった会社も少なくありません。そんな中「まだまだ新しいことを始めます。」とホームページで宣言されるほど、浅野製版所はエネルギーに満ちています。(https://www.asanoseihanjyo.co.jp/saiyo/

2012年に入社された新佐氏は近年の会社の変化のいわば「仕掛け人」。2016年のサイダス導入の経緯なども含めて伺いました。

デジタル時代はスピードが命
技術の変化で要求されるスキルも変化

成井氏:
弊社の仕事は代理店からの発注が多く、印刷を含むプリントメディアは納期が限られた発注がほとんどです。時間が無い中での作業が多いとはいえ、素材はネット上に溢れるほどあるので、社内のデザイナーはどうしても凝りたがる。クオリティと納期のせめぎあいのようになっています。昔から「無理な納期との闘い」のようでしたが、それは今でも変わりません。

新佐氏:
スピードが大事であることはもちろんですが、「今までどおりに」「誰でもできる」仕事を「言われるがまま」やっていれば良い時代は終わっています。代理店からの仕事(いわゆる川下の仕事)が多い中で、他社にない自社の強みを生かすことが必要になっています。単に「早い」だけでなく、クリエイターの仕事の質やクリエイティビティが問われる時代になっています。

当然その点を評価できる評価制度が必要でした。もちろん「型にはまった作業をきちんと淡々と納期通りに」できることも大事な評価要素なのですが、それだけではなくなった、ということです。

左:営業部 部長 ビジネスコーディネーター 成井 俊文氏
右:経営企画部 主任 産業カウンセラー 新佐 絵吏氏

会社の理念や風土をベースに

浅野製版所の企業理念は「お客様への感謝と奉仕、信頼と期待に応える」、職場風土として「職場を通して、自己の成長を遂げる」をあげられています。
この「経営理念」は、毎朝全員で唱和されているそうで、入社15年目の成井氏、5年目の小塙氏は、入社当初からこの「毎朝唱和」を当然のこととして実行されていましたが、2012年に入社された新佐氏は、最初は驚かれたそうです。
「とはいえ仕事柄大きな声を出すことがあまりないので、これは良い習慣なのかもしれません(新佐氏)」

現在の社員数は45名、ほぼ全員が正社員、毎年入社や退社があっても大体そのぐらいの人数に落ち着いているとのことです。制作に携わる方が25名、営業が15名、残りが管理部門という分布とのこと。

新佐氏の入社は2012年、「自分のアイデアを提案して試すことができる会社に入りたかった」と浅野製版所を選ばれたそうですが、すでに入社して7年。様々な社内の変化の仕掛人としてご活躍です。

新佐氏:
会社は変わっていかなければなりません。その意味でもできあがった会社ではなく、変化に対するエネルギーのある会社に入りたいと思っていました。この会社は「社員の成長」を大事にする風土がありましたので、それをベースにいろいろな事を変えていきました。

ーこれだけ技術の進歩が速く、業界を取り巻く環境が激変する中、それについていけずに業界を去っていく会社も数多くありましたが……。

成井氏:
そうですね。業界を取り巻く技術や世の中の流れが大きく変化する中で、変えたい、変わりたいと思っていたのですが、なかなか変われなかった。一つには「やりかたがわからない」、また別の要素として「どうしてもクライアントの都合に左右されることが多く、変えることが難しかった」ということもありました。そんな時に新佐さんが入社して、いろいろなアイデアを提供してもらい、自分たちも一緒になって会社を変えることができました。

新佐氏:
この会社でいろいろな「変化」を起こせたのには、成井さんをはじめとする管理職の方の協力が大きかったです。変化することを恐れなかった、エネルギーがあったということですね。

小塙氏:
私が入社した時にはすでに会社の「変化」は始まっていたのですが、入社以来のこの5年でも会社は変わったと思います。入社当時から社内の雰囲気は良かったのですが、何かあったら気軽に会社(人事)に相談できる、会社の上から下までが近い、改善するスピードが速い、それらの事がありがたいと思っています。

誰もが納得できる妙な忖度のない評価制度が作りたかった
思いきって「ブラックボックス」、データで見せる公平な評価に

ー様々な「変革」や「改善」を仕掛けられていますが、評価制度について抱えていた課題や変革の方向性などをお話しいただけますでしょうか。

新佐氏:
以前はエクセルで評価をしていました。手作業で集計をするので、どうしてもミスや間違いが発生する、Macを使用している制作のスタッフからのエクセルのシートが正しく表示されない、集計に時間がかかる。そんな問題を抱えていました。
当然評価結果が賞与の金額や昇格、昇給などにも影響しますので、デリケートでかつ大事な作業だったのです。

また、評価に関わる人間の定めとして「誰が誰に何点を付けたか」がわかってしまう。社員にしてみると上司の評価、それも二次評価者(ふだんあまり関わりのない上級管理職)の評価ですべてが決まってしまう不条理さ、あるいは上司との関係性でバイアスがかかる、など様々な問題もありました。

成井氏:
確かに「誰が何点をつけたか」がわかってしまうと、ついつい忖度しますよね。

新佐氏:
そこで、評価結果をある意味「ブラックボックス」化してしまい、誰がどんな評価をしたかわからないシステムを作りたかったのです。

弊社では、管理職全員がすべての社員を評価しています。この人数だからできる事ですが、その過程で妙な「甘い・辛い」や「忖度による手加減」を排除したかったのです。

すべての評価結果を箱に投入して、そこからは結果(部門の平均・全社の平均)だけが出てくる。自分の上司だけの評価ではなく、平準化されたその人の評価をフィードバックできるようになりました。誰がどんな評価をしたかがわからないシステムにしたかったのですが、この「ブラックボックス化」が可能だったのがサイダスのシステムだけだったのです。

成井氏:
以前はどうしても他部署の上司や他部署の部下の顔色を見てしまいましたが、このシステムになってから、自信をもって自分の評価ができるようになりました。

新佐氏:
人が人を評価する難しさで、評価の甘い・辛いはどんなに話をしても研修をしても、なくなりません。また、部下にどんなフィードバックをしているかも全員分をチェックすることはできません。ただこのシステムになってから、きちんとした「結果」をロジックで説明できるようになったので、納得度は上がったと思います。

成井氏:
確かに上司の「主観」で評価をしていた時は、部下の納得度は低かったと思いますが、今は「全管理職の評価」として客観的に伝えられています。社内での自分の立ち位置(評価結果がどのあたりにプロットされているか)がわかるので、モチベーションもあがりますし、ポジティブなサイクルが回っていると感じています。

入社5年目の主任が誕生。フェアな評価による納得の結果で、社内からの反感なし

ー以前ならば主任になるのは40代になってから、という会社で入社5年目の若手の主任(小塙氏)が誕生されました。社内から「5年目で主任は早くないか?」などの声はあがらなかったのでしょうか?

新佐氏:
全くありませんでした。というよりもきちんと手順を踏んで評価をした結果なので、全員が納得しています。今回の小塙の昇格が新しい評価制度にして初めてのことなのです。ここまでくるのに5年ぐらいかかりました。

評価制度を変えてすぐに誰かが昇格する、というのもおかしな話です。毎回の評価の積み重ねがあるからこそ、全員が納得できるのだと思います。
ある期の評価の結果「主任に昇格する基準を満たした」ということを本人に伝え、次の半年は「管理職候補」として評価をします。その結果、基準のライン(全管理職の平均で80点)を超えたので主任に昇格しています。このシステムであれば、管理職も本人もそして他のスタッフも納得できます。

ー実際に昇格された小塙様は、いかがでしたか?

小塙氏:
管理職候補になったと伝えられ、次の半年の評価基準はこれと伝えられていたので、あまり気負うことなく半年を過ごせたと思います。主任になる1年ぐらい前から若手の「リーダー」を任されていたことも大きかったとは思います。

新佐氏:
トライアルの間も頑張りすぎることなく、自然体で過ごしていましたね。普段通りにナチュラルでいたとは思いますが、「管理職として」という自制は感じていました。

ーこの管理職の「トライアル期間」の途中でフィードバックなどはされるのですか?

新佐氏:
いえ、期の最初に基準を伝えてあとは特に期中に話をするようなことはしていません。当然彼女が管理職候補になったことは全管理職が知っていますので、トライアル中はスタッフではなく「管理職として」彼女を見ていました。

管理職候補になる前に「正しい評価」をしていますし、半年間という管理職としての「トライアル期間」を経て昇格していますので、異論や反論はありませんでした。

営業部 主任 小塙 都氏

わかりやすい優しいインターフェースが導入の決め手

ーこの評価制度が実現できたのはサイダスのシステムがあったから、というお話でしたが他に導入を決められたポイントはありますでしょうか?

新佐氏:
複数のシステムを比較しましたが、機能的な問題以外に「見た目」も大きな要素でした。直感的にわかるかどうかを重視しました。中にはMacユーザーには「わかりにくい」と感じさせるような、ちょっと固い感じのインターフェースのものもありましたので。

成井氏:
使ってみようかな、と思わせることは大事ですね。使いやすいことはもちろんですが。

小塙氏:
サイダスのシステムはわかりやすいので、新しく入った社員に説明するのも簡単です。自分の目標の画面を見せればだいたいわかってもらえます。

新佐氏:
もちろんサイダスのシステムを入れた時に説明はしましたが、その後は「評価の時期です」とか「目標を設定してください」とアナウンスをすれば、各自自分の時間をみつけて入力してくれるので、楽になりました。

自社の「やりたいこと」ができる手厚いサポート体制も魅力の一つ

新佐氏:
サイダスのサポートの方には本当にお世話になっています。色々と複雑な設定をしているので、設定の時期になるとやり方がわからなくなり、電話をしてフォローしてもらっています。
シートを作って登録したつもりでも登録されていなかったり、ボタンの設定を間違えていたり、と混乱することもあるので、そんな時にはすぐに電話をして助けてもらっています。
安心して使える、ということもシステムの導入では大切です。

今後の取り組み

ーホームページで拝見したのですが、働く環境を整えることにも熱心に取り組まれ「サンクスカード」という制度も作っていらっしゃいますね。

新佐氏:
半年に1回、賞与の時期に実施しています。この集計は手作業で私がやっています。
昔は名刺サイズのカードだったのですが、若手の社員が「こんなものを考えたから使ってください」と提案してきて今の「バラの花のカード」になりました。

ーサンクスカードという仕組みが「会社からやらされるもの」ではなく、社員の皆さんに浸透している証拠ですし、小塙様がおっしゃっていた「会社の上と下が近い」ということの表れですね。

成井氏:
社員が安心して働ける会社でありたいと思っています。あれをしろ、これをしろと上が言うだけでなく、きちんとした信頼関係があれば社員が自発的に行動して成長します。そのベースになるのは「きちんとした評価制度」「安心できる評価制度」だと思っています。

新佐氏:
実は今後半年ぐらいをかけて、評価制度を見直そうとしています。目標を立てて評価する、その最後のところ(評価)はきちんとした仕組みにできましたが、立てた目標をフォローする部分が弱い、何かバタバタしていると感じています。その部分をもう少しスマートにシンプルにしたいと考えています。

ー今日は様々なお話をありがとうございました。