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シミックホールディングス株式会社
導入規模:5001〜10000名  利用開始:2016年10月

タレントマネジメント成功の鍵は「ストーリー」と
社員にとっての使いやすさ(ツールとしての利便性)の追求

1985年に創業されたシミックグループは、1992年に医薬品開発を支援する「CRO事業」を日本で初めて本格的に始動させました。事業が拡大する中で、組織のどこに、どのようなスキル、経験を持った人材がいるかが見えづらくなるという課題を抱えていました。その課題を解決すべく、グループを束ねるシミックホールディングス株式会社の人事部門を、人財の活用と育成に軸足を置いた「人財部」へと変容。CYDASを活用しながら、組織横断での人財の見える化や人財開発力の強化を推し進めています。そうした同社の人財部で、CYDASの運用と活用を取り仕切るプロジェクト推進部の藤﨑 照浩氏にお話を伺いました。

※インタビューの内容は取材当時のものになります。

社名 シミックホールディングス株式会社(CMIC HOLDINGS Co., Ltd.)
創立 1985年3月14日
資本金 5,122億円
社員数 6,728名(連結)
事業内容 CRO(医薬品開発支援)事業、CDMO(医薬品製剤開発・製造支援)事業、CSO(医薬品営業支援)事業、ヘルスケア事業、IPM(Innovative Pharma Model)事業
Webサイト https://www.cmicgroup.com/

グループ社員の「専門性」が人財情報として把握できない

藤崎氏:
シミック各社のビジネスは社員に「専門性」を求めます。その意味で「人(ひと)集約型」まさに人が会社にとっての「財」なのですが、グループ会社の数が増えるに従って、中央の人事組織から、社員ひとり一人がどのような才能、スキル、希望を持っているか(どんな「財」なのか)が見えづらくなっていました。こうなると、人材の発掘、適材適所の人員配置、グループ会社間での異動や抜擢人事などを行なうことができませんし、グループ全体として、人材育成のプランも立てにくくなります。(インタビュー当時グループ会社数は国内外22社、社員数は約6,500名)

会社にとって大きな転換点となったのは、現在のCHO(最高人事責任者)が着任して人事部を「人財部」とし、グループ全体のタレントマネジメントに注力し始めたことにあります。
同時に人財部ではタレントマネジメントの基盤となるシステムの選定を始めました。

ーそれがCYDASの導入に繋がるのですね。

藤崎氏:
特に「人事目線」でシステムを導入した時には、システムを導入しただけ、つまり活用できずに終わってしまうことが予想できました。

シミックホールディングス株式会社 人財部 プロジェクト推進部 藤﨑 照浩氏

なぜCYDASを選んだのか

システムに求めた4つの要件

ーシミック様ではタレントマネジメントのシステムに何を求めたのでしょうか。

藤崎氏:
① 社員にとってわかりやすい
② 情報が簡単に集めやすい
③ 短期間に導入でき、コストパフォーマンスが良い
④ ユーザーフレンドリーである
の4つです。このうち、2番目の情報の集めやすさは「人財情報のバケツとして機能すること」とも言えますが、各部門・部署のマネージャーがそれぞれ持つ人財情報を手軽にシステムに投入でき、すぐに取り出せることを意味しています。

ーその中でも特に「わかりやすい」「使いやすさ」にこだわられたと聞いていますが、その理由は何でしょうか。

藤崎氏:
理由は簡単でタレントマネジメントは人事のシステムですが「人事部の使うシステム」ではなく、あくまでも「現場のマネージャーや社員」のためのシステムだからです。わかりにくい、使いにくいシステムでは、社員は自分の情報を登録しようとはしませんから。その点CYDASのシステムは「見た目が楽しい」「人事システムっぽくない」ところも評価のポイントでした。

タレントマネジメントで大切なことは社員の成長にあります。マネジメントというと、とかく「管理する」と考えられがちですが、要点は社員の成長をサポートすることにあります。「社員それぞれが自分を評価し」「やりたいことを見つけ」「目標を掲げて学び」「また評価する」という社員成長のためのサイクルを回すことです。この社員成長のためのサイクルの確立を含めて1つのシステムで回せることが、CYDASに決定した要因の一つです。学ぶためのシステムや評価するシステムがバラバラでは、社員も上司も覚えることが多くて面倒に感じ、そのうち使われなくなってしまいます。

CYDASに決定する際に比較した他社のシステムには「社員成長のためのサイクルを回す」という仕組みがなかったのです。

システム導入で失敗しない秘訣は“ストーリー”

ーシミック様ではCYDASのシステムを導入して2年以上が経過しました。他の企業では導入したものの運用がうまくいかなかったというケースもある、と聞いていますが、シミック様の成功の要因はどこにあったのでしょうか。

藤崎氏:
タレントマネジメントは概念が広いので、流行っているから、とか、システムを入れれば何とかなるだろう、と思って導入すると失敗します。例えば「ハイパフォーマー(成績優秀者)が誰かを知りたい」と思ってシステムに「ハイパフォーマーは誰?」と聞いても答えは返りません。ハイパフォーマーとはどんな人で、その人がどんなスキルを持っていて、どんな経験を経てハイパフォーマーになったかを知らなければ、「誰がそうなのか」は答えられません。

システム導入で大事なことは「ストーリー」を明確にしておくことです。

人財情報の多くは社員個人が持っています。今までの経験や、過去のチームメンバー、影響を受けた人、成功体験などは人事では知り得ない情報です。これらの情報をいかに集めるか。また、将来のビジョンやこれから取り組みたいこと、なども人事が把握している情報ではわかりません。これらの「生きた」情報をどうやってシステムに投入してもらい、タレントマネジメントにつなげるか。それをどんなステップで、どんな形で、いつまでに、誰がやるのか、どんな風に社員に伝えるか、そんなストーリーを持って導入することが大切です。

ツールとしての使いやすさを活かし、人事のシステムっぽくない見せ方を実現

ーシミック様ではCYDASのシステムを別の名前で呼ばれているそうですね。

藤崎氏:
はい、CYDASベースのポータルに“CAMPUS(Cimic AMbitious Performance Upgrading System)”という名称を付け、このシステムが社員管理のための仕組みではなく、成長の機会を創る、あるいはキャリアップをアシストするためのシステムであるというイメージを打ち出したんです。

タレントマネジメントというと、どうしても「管理される」と誤解されがちなので、もっと気軽に自分の思いや希望、キャリアプランなどを語れるものにしたいと考えました。例えば学ぶ機会の紹介、アンケートの実施、ES調査などをCAMPUSを通じて実施し、わかりやすく、入力しやすく、気軽に発言できるカルチャーを作ってきました。

CYDASはツールとしての使い勝手が良いので「社員の見える化」と「目標管理」、「目標と育成プランとの連動」というタレントマネジメントシステムができることや私達人財部がやりたいことが実現できています。

ーこのCAMPUSが社員に浸透している実例があるそうですね。

藤崎氏:
はい、従業員満足度調査の回答率が90%を超えています。6,500人の社員に実施して90%超(6,000名弱の回答)はすばらしい数字だと思いますし、CAMPUSが社員に浸透している証拠だと思います。
もちろん、私達人財部も従業員満足度調査の結果を社内にフィードバックするなど、社員からのアクションには必ず何かを返す(スルーしない)ようにしています。この必ずフィードバックを返すという地道な運用上の努力も、CAMPUSが浸透し社員に認められている要因の一つだと思います。

社員はCAMPUSの裏にCYDASのシステムがあることは知らないかもしれませんが、CYDASのシステムは、便利で有効なツールとして、私達が期待した役割を果たしてくれています。

タレントマネジメントに終わりはない

ー今後、シミック様ではどんなストーリーをお考えですか。

藤崎氏:
タレントマネジメントには終わりはありません。例えば先に例に挙げた「ハイパフォーマー」も時代によってその定義が変わります。その時代時代で誰がハイパフォーマーか、という仮説検証には文字通り「生きた」データが必要です。

シミックではようやくデータが集まってきました。人財のバケツに様々な情報が投入されています。例えば、今、上司と部下との1on1(上司と部下が定期的に行なうあまり形式ばらないコミュニケーション)が流行っていますが、上司が部下と話をする前に、その部下の情報を見ることができる状態になっています。1on1成功の秘訣は上司がどれだけ部下に興味を持っているかだと言われています。1on1の前に人財のバケツを覗いてもらえば、部下の情報が簡単に取り出せるようになっていますし、1on1で話したこともすぐにバケツに投入できます。

こうした成果が得られたのも、データを書き込む敷居がそもそも低いCYDASのおかげだと見ています。

後継者の育成やデータ分析にも取り組みたい

藤崎氏:
今後は、社員たちが、自分の成長に向けて「自己申告」が貯められる仕組みにも注力したいと考えています。この将来への希望と「今ある事実(ファクトデータ)」を組み合わせれば、その社員の育成の計画を作成することができます。また、ハイパフォーマーの発見につながることがあるかもしれません。

また、ようやく集まったデータを様々な切り口で分析したり、評価とアセスメント結果の相関なども調べたら面白いのではないかと思っています。ただ、何しろ6,500人のデータがありますので、分析と言っても大変です。

タレントマネジメントは情報の「鮮度」が命

ーシミック様ではCYDAS(CAMPUS)の運用担当は何名ですか。

藤崎氏:
実は2名です。攻め担当(データの分析をしたり新しいしかけを考えたり)の私と、守り担当(データの鮮度を保ったり、ユーザーからのリクエストに答えたり)の2名です。
例えば弊社ではグループ全体で200名以上の新卒社員が入社します。この新卒社員の情報が入社日にCAMPUSに入力されていなければ、「うちの新人はどうしていないんだ?」というクレームが入ります。情報の鮮度を保つこともタレントマネジメント成功の大事な要素かもしれません。「去年はこう思っていました」ではなく「今、こう考えています」という生きた情報が常にシステムにあることで、有効活用することができるからです。

今後の展望

藤崎氏:
タレントマネジメントはシステムを導入すれば完了するようなプロジェクトではなく、正解もなければ、成功のためのセオリーもありません。ですから、自社なりのストーリーを描き、それに沿って情報を集める施策を打ち続け、情報の鮮度を保つ運用を徹底的に行い、仮説と検証を長い時間をかけて繰り返していかなければなりません。だからこそ、あらゆる人財データが一元的に管理でき、ストーリーに沿った取り組みが淀みなく展開できるシステムが必要とされ、それがCYDASだったということです。CYDASがなければ、当社のタレントマネジメントは前に進められなかった──。そう感じています

システムはあくまでもツールであり、タレントマネジメントの全てを実現したり、課題を解決したりするのものではありません。
ハイパフォーマーを抽出したり、退職リスクを探ったり、最適な人員配置をするには更なる仮説・検証の繰り返しで実現できると思っています。
情報を収集可視化し、発見や仮設の立案・人財開発のキッカケを作るにあたり、CYDASは最適のシステムでした。

私達は、今後も適材適所を実現するための役割と人財のマッチングをCAMPUSを通じて実現させていきます。