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2022.12.23

人的資本と働きがいを考える ピープルサミット|第2部:ユーザー企業4社の事例

サイダスサミットの第二部では、サイダス製品を活用いただいている4社に登壇いただき、サイダスの導入背景や活用事例などをお話いただきました。本記事では、そのうち3セッションのハイライトをレポートします。

第2部 Session1:株式会社きらぼし銀行様

登壇者
株式会社きらぼし銀行 広報部 部長 吉田 裕幸氏
株式会社きらぼし銀行 HR部 調査役 木村 充氏

組織内コミュニケーションの活性化への取り組み

吉田氏
きらぼし銀行は合併後に職員が増え、お互いの顔と名前が一致しなくなるといった組織内コミュニケーションの課題がありました。異なる企業文化で育った職員同士が融合するためには、お互いの理解促進が重要と考え、サイダスを導入して1on1やタレントマネジメントシステムの活用を始めました。

サイダスの導入後は、新たな組織文化の醸成を促進するために3つの行動指針を定め、人事制度を一新。具体的には、年功序列や業界特有の資格取得に伴うポイント制度の廃止など、人材育成方針や研修プログラムの全面見直しを進めました。

また、制度の見直しに加えて、キャリアデザインシートと人事勧誘制度を新設しました。

キャリアデザインシート
「どういう業務をやりたいか」ではなく「どうキャリアを描きたいか」「どう自分の人生をつくっていきたいか」といった質問を行う

人事勧誘制度
サイダスにあるチャンネル機能を活用して、数十社あるグループ会社の社長が自社の募集ポジション情報を公開。社員が自分の希望にあわせて自由に応募できる制度。

プロフェッショナリティの高度化

組織内コミュニケーションの活性化と、新たな行動指針である「きらぼしびと」が浸透するに従い、中途採用や社内研修の強化も必要になりました。また、採用や研修を強化するためには、職員一人ひとりのスキルやコンピテンシーを可視化しなくてはなりません。

そこで、従来のテクニカルスキルに加えて職員の志やコンピテンシーを統合したスキルチェックシートを作れないか、サイダスと協議をしている最中です。ユーザーの意見を取り入れて議論を交わしながら、一緒にシステムを作り上げていけるのがサイダスの良さだと感じています。

サイダス導入と施策の効果・影響

サイダスを活用したことで、人的資本経営に必要なデータが自然と蓄積されたのは良かった点です。今後は、蓄積されたデータをどう活用していくか考えなくてはなりません。

また、社員の過去の評価と所属履歴に加えて、エンゲージメントや行動特性、コミュニケーション、具体的なスキルといった要素も可視化できるようになったのも成果の一つだと思います。サイダスはただ情報を一元化するためのシステムでもコミュニケーションを活性化させるだけのシステムなわけでもなく、統合的なプラットフォームです。だからこそ、サイダスを最大限活用して、社員一人ひとりが能力を最大限発揮できるような仕事や環境を提供していきたいです。

第2部 Session3:シミックホールディングス株式会社様

登壇者
シミックソリューションズ株式会社 BPR推進室 藤﨑 照浩氏

藤﨑氏
シミックソリューションズ株式会社は、ヘルスケア領域に従事するシミックホールディングスを親会社に持つ会社で、管理部門に特化しています。今日は、弊社の国内すべての社員が利用するサイダスの導入背景や活用方法などをご紹介します。

導入背景

サイダスの導入背景としては、合併吸収による急激な社員数増加が第一に挙げられます。数千人単位で社員が増えるなかで、異なる業種業態の集合体となり、サイロ化が始まりました。他にも、消極的な人事異動や、データの分析者がいないなど人事面の課題も浮き彫りになりました。また、社員からは「キャリアパスが見えない」「正しく評価されていない」という声が出てきたため、キャリアパスの課題に取り組む目的でサイダス導入を決定しました。

なぜサイダスを選んだのか

シミックグループは、「良い人材を確保し価値ある企業に高める」という思いで事業を行っています。それに対して、社員は「仕事へのやりがいや評価への納得感を持って、安心して働き続けられること」を重要視しています。

企業と社員の思いを実現し、タレントマネジメントに取り組むためにサイダスが最適だったのです。

サイダスを使えば、自分を知り、やりたいことを見つけて目標をかかげ、それに対して実践し評価をするサイクルが1つのシステム上で実現できます。

なお、サイダスの社内浸透を促すために、システムに「CAMPUS」という名前をつけました。

こういったシステムは、社員にとっていかに身近なものとして感じてもらえるかが大事です。そのためのストーリーや名称は、忘れがちな視点ですがシステム導入の際に必須のポイントです。

導入後の流れ

上記図のような流れで導入を進めていきました。ここでポイントなのは、一気に導入を進めるのではなく、ストーリーを持ちながら順番に進めることです。その結果、大きなトラブルなく導入が出来たと思います。

データ連携

データ連携の際は、あえて過去のデータを全て切り捨てて、1からデータ集計を行いました。また社員がサイダスを見たときに、自分のデータがどう扱われているか全部分かるよう透明性も意識しました。

実施体制

現在システムの運用は3名体制。うち1名が専属となっています。この1名は、何かトラブルがあったときにすぐ動けるように配置しています。

サイダスを入れて6年たってわかったこと

サイダスを導入して6年が経ち、様々な成果が現れました。とくに感覚ではなく、エビデンスベースの考え方に変わったことは大きな変化だったと思います。

一方、会社がキャリアを用意してくれると社員が受け身に考えてしまうことや、データ分析が難しかった点は課題として残りました。

まとめ

今日の話をまとめると、導入時に大事なのは次の2つです。

①システムと制度は両輪で動かすこと

②平等ではなく公平に

社員の中にはキャリアを望まない人も少なからずいます。できるだけキャリアを望む社員の自己成長を促し、働きかけをしていくのが大事だと考えました。

タレントマネジメントシステムを導入するなら、自分たちがやりたいことから始めた方が良いでしょう。自分たちがどんなゴールを目指したいのかストーリーを作りながら進めてみてください。

また、人事はイベントごとにしかシステムを使いません。それよりも社員が毎日使いやすく、データ収集がしやすいシステムを選ぶのも大事だと思います。これらを考慮した結果、私たちはサイダスにたどり着きました。今後も、サイダスを活用したタレントマネジメントを推進していきたいと思います。

第2部 Session4:進工業株式会社様×株式会社オービックビジネスコンサルタント様

登壇者
進工業株式会社
経営企画ディパートメント 人事総務セクション 人事チーム リーダー 吉岡 修志氏
株式会社オービックビジネスコンサルタント
マーケティンググループプロダクトマーケティングマネージャー 津吉 沙織里氏

津吉氏
本日は、製造業における経営の意思決定を可能にする情報活用のあり方というテーマで、進工業の吉岡さんにお話を伺いたいと思います。

吉岡氏
進工業株式会社の人事を務める吉岡です。弊社は電子部品の製造販売を行っており、人事情報の活用を促進するために、サイダスや奉行クラウドを導入しました。

進工業のシステム全体像

始めに、弊社のシステムの全体像を紹介します。まず、サイダスに人事データベースがあり、ここで人事情報を一元管理しています。勤怠管理や給与管理を行っている奉行シリーズの情報は、全て人事データベースにAPIで自動連係しています。全ての情報をサイダスで管理した上で、経営やマネージャーが活用できるような体制となっています。

津吉氏
奉行クラウドのような基幹システムを導入してからサイダスを導入するケースが多いですが、貴社は先に情報の箱を用意したのですね。この業務体制を作ったのは何故か紐解くために、3つ質問をしたいと思います。

Q1.ペーパレスで情報が集まる業務環境を目指したきっかけは?

吉岡氏
私の入社以前は、様々な人事データを紙で管理していたんです。紙の束を前に、「この中から情報を探すのか…」と途方にくれたのがきっかけで、システムで情報の一元化をしたいと思いました。紙で管理する情報に加えてExcelファイルも使っていたのですが、開くまで中身がわからないですし、必要な情報を探すのは紙と同じく大変でした。

津吉氏
現在、どのくらいの社員数なのでしょうか。

吉岡
私の入社時は300名ほどでしたが、ここ数年で急増しており、現在は単体で500名ほど在籍しています。この人数の情報を紙とExcelで管理するのは非効率的だと考えました。

Q.2 具体的な導入効果は?

吉岡氏
情報を探す手間が減り、業務効率が高まったのが1番の効果です。また、誰でも遠隔地から情報にアクセスできるようになったのも大きな効果だと思います。業務効率化した結果、情報活用のことを考えられるようになりました。

得られた成果

  1. 業務効率
  2. 遠隔地からのアクセス(リモート)
  3. 情報活用による意思決定の促進

津吉氏
3つめの効果について重ねてご質問です。人事総務の部門から「意思決定を促進する」上で、何を意識していますか。

吉岡氏
今までは、「xxの資料をまとめてください」と言われても、言われたとおりに情報を集めて渡すのみでした。つまり、どういった意思で情報を集めたかったのか考慮できていなかったんです。

情報収集の時間が効率化できれば、そのデータの見せ方や、活用方法について考える時間が生まれます。依頼元の「データをこのような意図で見せて、会社をこう動かしたい」という意見に合わせて、意思を実現するためのデータを提示するようになりました。

例えば、社員の給与データを経営陣に見せる際に、ただ平均給与を出すだけでは意味がありません。約180社の上場企業の企業のなかで進工業はどの位置にいるのか分かるようなデータを見せた方が、経営者も「もっと給与を上げていかなくては」と気付くことができます。意味のあるデータを見せれば、経営の意思決定を促せると考えています。

Q.3 進工業が目指す情報活用のあり方とは?

吉岡氏
今後の展望としては、データ集計だけで満足しないことです。データ活用の目的はその都度異なるので、どのように見せるべきか考えながら、アクションが起こしやすい形でデータ提供することを目指します。

例えば、製造業では工場の生産ラインの残業時間管理は難しく、平均残業時間を出してもあまり意味がありません。どうやったら生産ラインの業務が平準化できるか想像しながら、管理者に気付きを与えるようにデータを整えて情報提供をします。必要があれば、棒グラフなども使って可視化すると良いと思います。この、情報の見せ方を、今まさにサイダスを使って考えているところです。マネジメントで活かせるようなデータを集計し、見せていきたいと思います。

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