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2023.12.5

レジュメとは?会議や大学・就活での使い方と書き方例

レジュメは、大学の講義や就職活動などさまざまなシーンで用いられますが、使い方は少しずつ異なります。ビジネスシーンで活用する際には、レジュメが何を指すのかを正しく理解した上で、適切な使い方をすることが大切です。

本記事では、レジュメの意味や似た言葉との違い、シーン別の作り方や作成ポイントなどを詳しく解説します。ビジネス用レジュメの例文も紹介しますので、会議やプレゼンなどで使うレジュメをスムーズに作成するためにもぜひご覧ください。

レジュメは何語?意味と目的

レジュメとは、フランス語で「要旨」「概要」という意味を持つ「résumé」が語源の言葉です。日本語では文章を要約したもの全般を指し、論文の要点をまとめたものや、講演会や講義の内容を要約したものなどがレジュメに該当します。

また、海外ではプロフィールや職務経歴を簡単にまとめた履歴書をレジュメと呼んでおり、近年は国内の外資系企業を中心に、就職や転職の場で用いられることが増えています。

レジュメという同じ言葉でも、大学や研究機関では「論文」「資料」、就職活動では「履歴書」といったように、シーンによって意味が異なるため注意が必要です。

レジュメに似た言葉と違い

ビジネスシーンで使われるレジュメと似た言葉には、「アジェンダ」「サマリー」「アブストラクト」「アウトライン」などがあります。ここでは、各用語の意味とレジュメとの違いについて解説します。

アジェンダ

​​アジェンダ

アジェンダ(Agenda)は、「課題」「プラン・計画」「行動指針」「予定表」などの意味を持つ単語です。ビジネスシーンでは「会議の議題・内容をまとめたもの」を指して使われるケースが多く見られます。

アジェンダは会議の進行表の役割を担っており、議題や会議の流れを参加者に理解してもらい、効率的に進めるために配布されます。

レジュメも、アジェンダ同様に会議やプレゼンで使われる資料です。ただ、レジュメが会議の概要や目的をまとめたものであるのに対し、アジェンダは議題やタイムスケジュールのまとめ、という違いがあります。

サマリー

サマリー(Summary)とは「まとめ」「要約」を指す英単語です。ビジネスの現場では「報告」の意味で使われることが多く、会議の議事録を簡潔にした資料は「会議のサマリー」などと言われます。

レジュメにも要約という意味がありますが、サマリーとは使う目的が異なります。会議のレジュメが議論されるべき内容をまとめた資料であるのに対し、サマリーは会議で実際に議論された内容や意見をまとめたものを指します。

多くの場合、レジュメは会議が始まる前に参加者に配布されます。一方、サマリーは会議に参加した人だけでなく、参加できなかった関係者にも配布されるのが一般的です。

アブストラクト

アブストラクト(abstract)とは、「概要」「要旨」といった意味の言葉です。ビジネスシーンでは概要の意味で使われ、業務報告書などの主題や目的、結果といった要点を、簡潔にまとめたものを指します。

レジュメとアブストラクトは、いずれも要約という意味ですが、アブストラクトは学術分野以外で使われることは少ないでしょう。また、レジュメが会議などの内容を時間軸に沿ってまとめたものであるのに対し、アブストラクトは重点を効率的に伝えるためにまとめられたもの、という違いがあります。

アウトライン

アウトライン(outline)とは、「輪郭・外郭」「あらすじ」「概要」といった意味を持つ英単語です。ビジネスでは「要点」「大略」という意味で用いられ、会議やプロジェクトの資料を作成する前に、議題の目次や全体計画を簡単にまとめたものがアウトラインに該当します。

レジュメは会議やプレゼンの要約であるのに対し、アウトラインは会議やプレゼンで使う資料を作成する前に、おおまかな内容をまとめたものを指します。アウトラインを先に作成し、それを基に仕上げた資料の内容を要約したものがレジュメです。

【シーン別】レジュメの使い方

レジュメはさまざまなシーンで使われる言葉ですが、状況に応じて意味が異なります。ここでは、「研究・教育」「就職・転職」「ビジネスシーン」の3シーンにおける「レジュメ」の使い方について解説します。

①研究・教育|論文や研究テーマの要約

研究や教育の分野では、論文や研究テーマを要約したものをレジュメと言います。同じレジュメでも、用途や目的によってレジュメの意味合いが異なるため注意が必要です。

大学の講義内容をまとめた学生向けの資料は「講義レジュメ」と呼びます。大学において、学生が講義の内容をまとめた論文を提出する際に「期日までにレジュメを提出してください」といった形で使用されます。

また、研究内容を報告するための「研究レジュメ」では、研究の背景や経緯を冒頭に組み込むのが一般的です。他にも、文献の内容を忠実にまとめた「論文レジュメ」などがあります。

②就職・転職|就活用の履歴書や職務経歴書

就職や転職活動における「レジュメ」は、履歴書や職務経歴書など「職歴や学歴をまとめて記載する書類」を指して使われます。もともと外資系企業や海外の採用の場で使われており、グローバル化の流れを受けて国内でも使われるようになってきました。

レジュメは、企業が採用するかどうか判断するために用いるため、単なる勤務先企業や役職の箇条書きではなく、業務を通して貢献した内容や業績をわかりやすく伝える必要があります。

日本の定型的な履歴書の形式なのか、職務経歴書なのか、もしくは形式の決まっていない1〜2枚の文書にまとめるのか、応募先企業や業種などによって変わる場合があります。フォーマットが不明な場合は、担当者に確認しておきましょう。

③ビジネスシーン|会議やプレゼン資料

ビジネスシーンで使われる「レジュメ」は、「会議やプレゼンの内容を要約した資料」のことです。会議やプレゼンの日程や場所、参加予定者、議題の概要・論点などが含まれており、レジュメを見ただけでどのような会議なのかが伝わるように整理する必要があります。

また、参考資料などを追加して、会議の参加者がレジュメを見ながら議論しやすいように配慮することも大切です。

なお、レジュメに定型やフォーマットは存在せず、企業や目的などによって適切な形式は異なります。例えば、プレゼンで使われるレジュメは、取引先が自社の製品・サービスに興味を持ってもらえるよう、アピール力の高いレジュメに仕上げると良いでしょう。

レジュメの書き方、作り方

シーン別のレジュメの定義や使い方を押さえたところで、ここからは実際にレジュメを作る際のポイントについて解説します。

①研究・教育分野

研究・教育分野のレジュメは、論文や研究テーマの要約を伝える役割を担っています。そのため、自身の意見や研究内容を簡潔かつわかりやすくまとめて、興味を持ってもらえる資料に仕上げることが大切です。

タイトルや見出しをつけて、目的や方法、結果、考察、結論といった情報を漏れなく記載します。中でも、研究の重要性や意義を述べる背景と、結果に対する考察は特に重要な項目であり、しっかり明記する必要があります。

また、内容の正確性を示すために利用した参考文献なども記載します。なお、研究や教育関係の論文・資料では論理性が重視されるため、レジュメを作成する際にも整合性や論理性のある資料を意識すると良いでしょう。

②就職・転職

就職・転職で使うレジュメには、履歴書や職務経歴書の内容を記載します。具体的には、住所や生年月日などの個人情報から学歴・職務経歴、資格やスキル、自己PRまで盛り込みます。また、人となりを伝える上で趣味や特技も重要です。

応募先の仕事内容やポジションに合わせて経験やスキルをまとめることで、どのように貢献できるかを適切にアピールできるでしょう。また、企業名や役職などの事実を羅列するだけではなく、実績なども含めて自分を売り込むような内容を作成することが大切です。

③ビジネスシーン

ビジネスシーンのレジュメは、会議やプレゼンなどの要約という役割があるため、一読しただけで全体像や流れが理解できるようにまとめることが大切です。会議出席者や商談相手など、レジュメを渡す相手と目的に合わせて伝えたいことを整理しましょう。

具体的には、会議で最も重点が置かれるべき内容や結論、具体的な検討事案などが含まれます。箇条書きや短文を用いて、内容を簡潔かつ的確にまとめると見やすいレジュメが完成します。

顧客向けのプレゼン用レジュメでは、自社イメージや製品・サービスを効果的に印象付けられるよう、デザインも意識する必要があります。

わかりやすいレジュメ作成のポイント

重要事項をまとめたノート

会議やプレゼンを円滑に進めるために、読んだ人が情報を的確に把握できるようなレジュメを作成することが重要です。ここでは、わかりやすくレジュメを作成するポイントについて解説します。

レイアウトは分かりやすく

レジュメは、わかりやすいレイアウトを意識することが大切です。レジュメは会議やプレゼンの要点を簡潔にまとめた資料であり、読みやすく、かつ印象に残るように仕上げましょう。

凝ったデザインにすることは不要ですが、最低限のデザイン性は求められます。Webサービスで無料配布されているテンプレートなども見てみると、目的に合った見やすいレイアウトが見つかるでしょう。

目次だけで全体が把握できるように

レジュメでは、一目見て理解できる目次を作ることも大切です。どこに何が書かれているのか、すぐにわかるような目次があれば、資料の内容や会議の目的を簡単に把握でき、スムーズな打ち合わせにつながります。

また、インパクトのある目次を設けることで、議題や要点がすぐに目につき、参加者の意識が高まるといった効果も期待できるでしょう。

簡潔に要点を整理する

簡潔に要点を整理することは、レジュメの基本とも言えるポイントです。レジュメが細かすぎると、要点がぼやけてしまい、要約を正しく伝えるという役割を果たせない可能性があります。反対に、簡潔すぎるとレジュメの意味が薄くなってしまうでしょう。

箇条書きや短文でまとめるなど、要点がぼやけないよう注意することが大切です。また、見出しや説明文を工夫することで内容にメリハリが生まれ、読んだ人に印象付けることができます。

具体的なデータや数値を入れる

必要に応じて具体的な数値を入れることも大切です。売上の集計データなど数値があることにより、説得力が増します。また、客観的に状況を把握しやすくなるため、主観的な議論を避け、議論を活性化することにもつながります。ただし、数値が多すぎると要点説明から外れてしまうため注意が必要です。

また、検討事案が複数ある場合には、予定時間を併記しましょう。結論がなかなか出ないなどで時間が超過する可能性も考えて、あらかじめ目安となる時間を記載しておけば計画通り進行しやすいでしょう。

誤字脱字がないか確認する

レジュメだけに限らず、文書作成の基本として、誤字脱字がないか確認することが大切です。誤字脱字があると読みづらく、読み手を混乱させることになりかねません。また、正しい情報が伝わらないと、スムーズな進行を妨げてしまう可能性もあります。

特に、固有名詞や数値などは、誤字脱字によって印象を下げてしまう場合があるため、配布前に繰り返し確認しましょう。誤字脱字を見逃さないためには、同僚や上司など作成者以外の人に確認を依頼することも有用です。

ビジネスシーンでのレジュメのテンプレート・例文

ここで、ビジネスシーンで用いられるレジュメの作成例を紹介します。テンプレートとして活用すれば、さまざまな用途で応用できるので、ぜひ参考にしてください。

【会議用レジュメ例】

タイトル:第2回企画会議レジュメ

報告者:佐藤太郎

開催日時:2023年11月12日 10:00~11:00(予定)

開催場所:第二会議室

参加予定者:

  • 〇〇社長
  • 〇〇常務
  • 〇〇専務
  • 〇〇部長
  • 〇〇リーダー

検討テーマ:自社ホームページのリニューアルについて

具体的な検討事案:

  1. 現状の問題点・課題(レイアウト・デザイン・内容・アクセス数)
  2. 今後の方向性について

会議資料:

  • アクセス解析データ
  • 運営費用リスト

次回開催日時:2023年11月26日 10:00~12:00(予定)

次回開催場所:第二会議室

上記のように、会議の概要や要点をまとめ、レジュメだけで訴求できるよう簡潔に仕上げることが大切です。

わかりやすいレジュメ作成は読み手のことを考えて

レジュメという言葉は、大学や就職活動、ビジネスなどさまざまなシーンで用いられ、用途によって目的や使い方が異なります。ビジネスでのレジュメは「内容を要約した資料」を指して使われ、会議やプレゼンの内容や議論をまとめたものが該当します。

レジュメを作る際には、全体の流れや要点が一目で理解でき、参加者の心を掴むような仕上がりを意識することが大切です。箇条書きや短文、具体的な数値やデータなどを活用し、読み手にとってわかりやすいレイアウトを意識しましょう。

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