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2023.9.22

【簡単に解説】協調性とは?企業における必要性や協調性がある人の特徴

協調性という言葉は、日常生活でよく使われる言葉の1つです。企業という組織で働く上で協調性は重要な要素であり、協調性を高めていくことができれば、風通しの良い職場づくりや事業成長にもつながるでしょう。

本記事では、協調性の意味や仕事で協調性が重要な理由、協調性がある人・ない人の特徴、組織の協調性を高める方法などについて解説します。協調性がないことを活かす方法についても紹介するので、企業における人材配置や人材育成を考える際にぜひお役立てください。

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協調性とは何か?言葉の意味を確認

協調性とは「自分と異なる環境や立場の人や違う考え方を持つ人と協力して、同じ目標の達成に向けて行動できる能力のこと」です。

仕事でもプライベートでも、人と関わる限りは意見や考えが異なることは当然にあります。そこで、円滑にコミュニケーションを取り、関係を築いていくために協調性は必須といえます。

協調性と似ている言葉に、イエスマンがあります。イエスマンは名前の通り、自分の考えを捨てて多数派の意見に従う人のことを指します。

一方、協調性は周囲の意見に合わせながらも、自分の意見をしっかりと持っている状態です。「自分の考えをはっきりと持っているか」「自分の意見を持たずに単純に周囲に合わせているだけか」という点が、イエスマンとは異なります。

協調性とコミュニケーション能力の違い

協調性は、コミュニケーション能力と深く関係しています。コミュニケーション能力というと、自分の意見や考えを他人に伝える、または相手が伝えようとしている内容を正確に理解できる能力のことです。

コミュニケーション能力が高い人は、意思疎通が得意で、友好的な傾向があります。誰とでも打ち解けて仲良くなれる上、人の話をよく聞くため、信頼関係の構築もスムーズです。

コミュニケーション能力があると協調性にも優れており、反対にコミュニケーション能力が低いと協調性も劣る傾向が見られます。

仕事・ビジネスに協調性が必要とされる理由

ここでは、仕事やビジネスにおいてなぜ協調性が必要とされるのか、主な理由について解説します。

職場の風通しが良くなる

協調性の高い人が多い組織では、積極的に意見を出し合える雰囲気が生まれます。相手の意見を聞く、自分の意見を伝えるといったやり取りが活性化され、風通しの良い職場づくりにつながります。

反対に、協調性のない人が多い場合、自分の意見を言い出しにくい雰囲気になってしまい、情報共有が進まず、業務効率や課題改善の停滞につながることも考えられます。

仕事がスムーズに進む

協調性が高い人は、業務を円滑に進めることができます。多くの仕事は立場や意見の異なる人と協力する必要があります。協調性が高い人が集まる組織では、周囲と適切なコミュニケーションを取りながら円滑に作業を進められる上、仕事がしやすい人間関係を構築できます。

また、他部署との必要なコミュニケーションもスムーズにおこなえるので、意思疎通が不十分なために発生するトラブルを回避できます。滞りなく業務が進行する職場には、ポジティブな雰囲気が流れ、社員のモチベーションもアップするでしょう。

理念が浸透しやすい

協調性の高い人が多い組織では、企業理念や社内文化が浸透しやすい傾向にあります。協調性の高い人は共感や理解が得意であり、企業が掲げる理念やビジョンを抵抗なく受け入れることができます。その結果、理想的な行動を取り、成果を出していくのです。

また、協調性があることにより、企業の中で受け継がれてきた独自の文化や環境にもスムーズに馴染みやすい傾向があります。環境に柔軟に対応できるため、周囲と足並みを合わせながら自分の能力を発揮して組織に貢献できます。

役割分担を適切に行える

協調性が高いと、他人への配慮ができるため、集団の中での自分の立ち位置や役割をすぐに理解します。組織への貢献度や生産性の高いチームを作るためには、目標を設定した上で各々の役割を明確にする必要があります。

協調性の高い人が多い組織では、各々が求められている役割を正確に把握しており、適切な役割分担が実現します。そして、組織の目標達成に向けて必要な行動を迅速に取ることができます。

イノベーションが生まれやすい環境になる

協調性のある人材が集まっている組織では、活発な意見交換を推進する環境が構築されます。その結果、今までにないイノベーションが生まれるきっかけになる可能性もあるでしょう。

普段交流の少ない部署や立場の人との交流によって、新しいアイデアやひらめきが生まれやすいとされています。協調性が高い社員同士でフラットな関係性を築いている企業では、お互いの意見や考え方を尊重したやり取りが盛んになるため、斬新な発見につながる場合もあります。

協調性がある人の特徴

協調性が高い人は、企業の発展や事業成長のために重要な存在です。ここでは、協調性がある人の代表的な特徴を紹介します。

視野が広く洞察力に優れる

協調性の高い人には、視野が広く洞察力に優れる人が多く見られます。その場の人間関係を的確に見抜く力があり、誰が決定権を持っていて、誰と話せばスムーズに仕事が進むか、など仕事に重要なポイントを効率よく理解できます。

また、観察力や問題発見能力も長けており、周囲の状況や場の空気などを読むことが得意な傾向があります。そのため、相手の立場や感情を正確に察せるため、初めて訪れる現場や取引先でもすぐに馴染めるでしょう。

傾聴力がある

協調性がある人は、相手の立場にたって共感しながら話を聴く能力があります。相手の話を客観的かつ冷静に受け止め、協調しながら話を勧めていくため、議論を進めやすいでしょう。

また、たとえ相手が間違っていても頭ごなしに否定せず、最後までじっくり話を聴くため、相手を嫌な気持ちにさせずに話ができます。

自分の意見を押し付けず他人を尊重できる

傾聴力に関係することとして、自分の意見を押し付けずに他人の立場を尊重できることも、協調性が高い人に見られる特徴です。他人が自分と異なる意見を持っていても、尊重して積極的に理解しようとします。

意見が対立した場合、まずは相手の意見に耳を傾け、よくヒアリングします。そして、他者の意見を尊重すべきだと判断した場合には、躊躇なく優先させることができます。また、必要な議論を交わし、肯定的な意見も述べられるため、単純に自己主張がなく同調しているといったマイナスの印象を与えることは少ないでしょう。

気遣いができる

協調性がある人は、周囲の人や場の状況を普段からよく観察しているため、的確な気遣いができます。困っている人を手伝うのはよくあることですが、協調性が高い人の場合、洞察力を使って事態を正確に把握して、必要なときだけサポートや気配りを提供します。

また、先読みしてフォローできる人も多く見られます。困っていないように見える状況や自分から助けを求めることが苦手な人に対しても、自然な流れで接する傾向があります。

ルールを守る

協調性が高い人は、社内規則やコンプライアンスといったルールを守ります。協調性がない場合、小さなルールなら良いだろうと勝手に判断し、自己中心的な行動を取ることもあります。

一方、協調性がある人は、ルールを破って周囲の人に迷惑をかければ、部署や企業全体にとってマイナスになると理解しているため、ルールを遵守して行動します。また、ただ画一的にルールを守るだけでなく、必要に応じて臨機応変に対応できる傾向も見られます。

ポジティブな発言が多く改善策を提案できる

協調性が高い人は、ポジティブな発言が多い傾向があります。仕事は1人で完結するものではなく、皆の協力で成り立つものであると理解しているため、「ありがとう」など感謝の言葉や前向きな言葉をよく使っています。また、明るく前向きな考え方があり、一緒に仕事がしたいと思われる人も多く見られます。

反対に、他人に不快を与えるような悪口や不満など、自分が言われたら嫌な思いをする発言は少なく、トラブルや輪の空気を乱すことはほとんどありません。そのため、協調性が高い人が増えることで、社内の雰囲気も良くなることが期待できます。

協調性がない人の特徴

協調性がある人とは反対に、協調性がない人も中には存在します。では、協調性がない人にはどのような特徴が見られるのでしょうか。代表的な項目を紹介します。

プライドが高い

協調性のない人に多い特徴として、プライドが高い点が挙げられます。協調性に欠ける人は、いつも自分優先で、他人の意見は「聴く価値がない」などと耳を貸さないこともあります。

また、自分の意見が正しいと考えるため、自分の意見が否定されることや、他人の意見が採用されることに対して不満を持ち、露骨に不機嫌になる人もいます。プライドの高い人が相手の立場に立って考えないことで、チームや組織のモチベーションが下がるリスクもあるでしょう。

融通が効かない

協調性がない人は、融通が効かず、臨機応変な対応ができない傾向にあります。自分が正しいと思い込んでいること以外の視点や、他者の考え方を取り入れる能力が高くないため、状況がマイナスに変化していても、柔軟に変えることができません。

その結果、大きな問題に発展するリスクもあるでしょう。常識などの固定観念に縛られている場合も含めて、融通が効かないままでは周囲の変化に取り残されてしまう可能性があります。

自分の意見を押し通す

融通が効かない特徴に通じるものとして、自分の意見を押し通す点が挙げられます。協調性がない人は、他人の気持ちや意見を考慮しないため、他者の意見は聞いても無駄という認識を持っています。そのため、周囲の意見や希望に耳を傾けず、自分の意見や自分の意志を通したいと考えます。

意見が対立するシーンでも議論や意見の交換ができず、自分の意見を一方的に押し付けてしまいがちです。立場や価値観の異なる人がいる集団で、こうした傾向のある人がいるとチームから協調性が失われてしまうでしょう。

協調性がない人の長所・強み

協調性がないことは、悪い面やデメリットばかりではありません。自分の考えにこだわれるという意味では、専門性の高い業務に向いている場合もあり、配置転換などの際に参考になるでしょう。ここでは、協調性がないからこその長所や強みについて解説します。

単独行動できる強さがある

自分の考えにしたがって、1人で行動できる強さを持っていることは強みと言い換えられます。自分の中でやりたいことがはっきりしているため、思ったことを行動に移せるというプラスの面があり、さまざまな趣味に取り組んでいる人もいるでしょう。

データ入力などの事務作業をはじめ、マイペースに取り組める作業や個人で成績が出るような場面においては、前向きに行動できる可能性があります。

ぶれない自分の軸がある

自分の意見をしっかり持っている人は、ブレずに行動できる傾向があり、信念があると言い換えることができます。

周囲に迎合する八方美人とは無縁であり、優柔不断ではないことを「軸がしっかりしている」と高く評価されるケースもあります。発言や行動のタイミングを見極めることができれば、迷わず意見を明確に伝えられるという能力を活かせる可能性もあるでしょう。

人の目線を気にせず行動できる

協調性がない反面、周囲の人の目線を気にすることなく行動できる強さがある、という見方もできます。自分の意見がはっきりしているため、誰かに相談して決めることが少なく、決断力や行動力に優れている人も多くいます。

他人は他人、自分は自分と割り切りやすい傾向があり、「これが自分」という意志を曲げずに行動できる点は、メリットとなるでしょう。

面接で協調性を見抜く方法

協調性がある人を採用したいと考えている企業も多いと思いますが、担当者は採用面接においてそれを見極めることが求められます。ここでは、面接において協調性があるかどうかを見抜くポイントについて解説します。

構造化面接を実施する

協調性があるかどうかを判断するために、「構造化面接」が役立ちます。構造化面接とは、事前に決めておいた評価基準や質問項目に沿って進めていく面接のことです。面接官個人の経験や価値観に左右されず、一定の基準で求職者を評価できるというメリットがあります。

構造化面接では、チームワークや協調性に関する質問を設ける方法が有用です。その際、1つの質問を掘り下げながら具体的な経験や関係性を聞き出すことで、候補者の協調性や他者に対する考え方を把握できるでしょう。

例えば、「職場でのチームワークについてどう思うか」と質問し、回答に対して「なぜそう考えているのか」「考えに至った具体的なエピソード」などを聞いていくやり方です。

グループ面談を実施する

複数の求職者を集めておこなうグループ面談も効果的です。グループ面談では、協調性に関して以下のような点をチェックすると良いでしょう。

  • 他人の意見を頭ごなしに否定していないか
  • 他者の話を真剣に聞く姿勢があるか(相槌や軽い返事、目線など)
  • 自己主張だけに徹していないか

ほかの人の意見を認めるような発言がある人や、聴く側に配慮したわかりやすい言葉遣いができる人は、協調性のある人材だと判断できるでしょう。

意見の異なるメンバーがいたときの対処法を質問する

自分の考えと意見が異なる人に対して、どのように対処するのか質問することで、協調性の高さを図ることが可能です。例えば、プロジェクトの進め方に関して意見が異なる人がいた場合にどのような対応を取るか、その理由とともに聞き出します。

他者の意見を交えて自分の主張を展開できる人や、客観的な判断をもって意見を言える人は一定レベルの協調性があると判断できます。

組織の協調性を養う方法

組織の協調性を養うためには、企業組織にとって協調性を備えた人を増やしていく必要があります。ここでは、組織の協調性を高めるための方法を紹介します。

チームビルディング研修を導入する

組織の協調性を高める方法として、チームビルディング研修の導入が挙げられます。「チームビルディング」とは、個人のスキルや能力を発揮して、組織におけるチームワークを強化するための取り組みです。

社員のコミュニケーション能力や主体性の向上を通して、連帯感を高めることで、結果的にチーム全体の生産性やモチベーションの向上といった効果が期待できます。

チームビルディング研修は、アクティビティやスポーツなどを使って、目標に向かって協力し合うことを体験します。また、共同生活をしながら相互理解を深める合宿形式は、新人研修でも多く取り入れられています。

チームワークが高まるゲームを行う

チームビルディング研修と似たような活動として、チームワークを必要とするゲームをおこなうことも効果的です。ゲームに楽しく取り組みながらチームワークの大切さを体感することができます。

謎解きやボードゲームなど頭を使うゲームは、冷静な判断力や論理的思考の習得にもつながります。

適切な人事評価を行う

組織としての協調性を高めるためには、社員個人の協調性を最大限に発揮できる環境づくりも大切です。そこで、評価軸として協調性を盛り込むことで、組織にとって協調性が価値あるものであると社員に認識してもらうことができます。

具体的には、コンピテンシー評価などを導入し、協調性が高い社員の行動を基にした評価基準を採用します。適切な評価制度を構築して、社員に対して評価項目を明示することが、効果的な人材育成の実現につながります。

タレントマネジメントシステムで組織の協調性を高めよう

協調性は、他者の意見や考え方を受け止め、相互に協力しながら目的達成に向けて行動できる能力のことです。協調性の高い人が多い組織では、仕事が円滑に進む上、組織の雰囲気や文化の構築もスムーズに進みます。

ただ、協調性がない場合でも自分の意見がブレないなどのメリットがあるため、企業における協調性の解釈を明確にした上で、人材育成に活かしていく必要があるでしょう。

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