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2021.3.15

フリーアドレスを徹底解説!意味やメリットデメリット・注意点とは

日本のオフィスの場合、従業員は毎日決まった席で仕事をするのが一般的です。しかし、働き方改革の影響などでフリーアドレスが注目されるようになっています。フリーアドレスを、積極的に取り入れようとする企業も増えてきました。そこで、今回はフリーアドレスの概要やメリットやデメリット、導入する際の注意点などについて解説していきます。

フリーアドレスとは

フリーアドレスとは、従業員に固定の席を割り当てず、それぞれが業務内容に適した場所に着席して就労するスタイルです。例えば、大きなテーブルを囲むように椅子が置かれている場合もあれば、カフェのように広いスペースにソファが並べられている場合もあります。具体的な実施の環境は、企業やオフィスによって大きく異なるのが特徴です。臨機応変に席を変えて働くことが想定されているため、無線LANで通信が可能なノートPCやタブレット端末、スマホを用いて取り組む仕事との相性が良いでしょう。そのため、主にそのようなモバイルワークを軸とする職場に導入されています。

企業がフリーアドレスを導入する目的として、従業員一人あたりの占有面積を減らすことが挙げられます。作業に合った広さを考慮して席を選ぶため、無駄にスペースを確保し続けるような事態になりません。あまったスペースは、他の従業員が使えるため、一人あたりが有効に使える面積の増加にもつながります。その結果、導入前より狭いオフィスでも支障のない状態になり、賃料コストを削減することも期待できるでしょう。

さらに、柔軟に仕事を進める雰囲気が生まれやすく、オフィス以外での就労も視野に入れた働き方改革を促すことが可能です。以上のような目的により取り入れる企業が増加し、フリーアドレスは注目を集めるようになりました。

フリーアドレスのメリット

フリーアドレスを導入したときに期待できるメリットは、主に以下の4つです。

#社内コミュニケーションの活性化

社内のコミュニケーションを活性化できることが、フリーアドレスを導入する大きなメリットです。自由に席を選べるため、あまり話したことがない他部署の従業員とも接する機会が多くなります。直接的な関わりが少ないからこそ、「気がねなく意見を交換しやすい」と感じるケースもあるでしょう。上司と部下の席も区別がなくなることで、組織における縦の障壁が希薄になり、以前よりもコミュニケーションを気軽に取れる社風になることが多いです。

#新鮮な気持ちで仕事ができる

新鮮な気持ちで業務に取り組み、育成の積極性が増すこともメリットです。席や周囲のメンバーが毎日変わるため、良い刺激が得られることで新しいアイディアが生まれやすくなることも期待できます。企業の存在価値が底上げされ、自分の選んだ席で自由にコミュニケーションを試みながら働き続けることで、従業員に主体的なスタンスが定着していくでしょう。

#スペースコストが削減できる

さらに、スペースコストを抑えられることもメリットの一つです。在籍率を調べ、それを目安として総座席数を決めることで、個々に割り当てる場合よりも少なくできます。

#環境美化の意識向上

環境美化に関する意識が強くなるメリットもあります。フリーアドレスでは、書類や道具をロッカーなどに収納しておき、必要な分のみを席に持っていくのが一般的です。そのため、不要なものまで保管しようとすることが減り、一人あたりの荷物量の削減につながります。また、業務が終わってから机上に残るのは最低限のものだけです。そのため、整理整とんや掃除をスムーズに行えたり、セキュリティー面が強化されて持ち去りなどを防ぎやすくなったりすることが期待できます。

フリーアドレスのデメリット

フリーアドレスの導入を検討している場合は、デメリットについても押さえておきましょう。ここでは、3つのデメリットについて解説します。

#誰がどこにいるのか把握しにくい

フリーアドレスの場合、席が固定されていないため、誰がどこにいるのか把握しにくい傾向です。そのため、用事があって会いたい人がいても見つけられず、歩き回るような手間がかかるケースもあるでしょう。

#導入コストがかかる

空間的なコストカットを実現できることはメリットですが、導入する際にコストが発生する点はデメリットです。モバイルワークに備えて、無線LANを整備したりノートPCやスマホなどの機器も準備したりすることが必要になります。また、オフィスのレイアウトを変える工事を実施する費用なども必要です。

#集中して作業に取り組めない

仕事を進めるにあたり、集中力を保てないリスクがあることもデメリットです。コミュニケーションが活発になることはメリットですが、自分と無関係な会話が気になってしまうケースも見受けられます。面識のない従業員がそばにいる状況も多く、逆に抵抗感があって集中が難しくなる場合もあるでしょう。レイアウトや設備を検討する際は、仕事に専念しやすいエリアを設けたり電話ができるエリアを限定したりするなど、デメリットの対策に力を入れることが大切です。

フリーアドレス導入の注意点

うまくフリーアドレスを導入できた場合でも以下のような注意点もあります。

#勤怠管理を見直す

一人ひとりの居場所が分かりにくく、出勤や欠勤を把握しづらくなるため、勤怠管理の仕方を見直しましょう。運用とコストの両面において優れた方法を検討することが重要です。

#朝礼やミーティングの見直し

朝礼やミーティングについても、従前のスタイルを再考したほうがよいでしょう。なぜなら、席が固定の場合のスタイルでは、すぐに従業員を集めにくく実施が難しいケースもあるからです。例えば、朝礼を全体ではなく部署単位やプロジェクト単位で行うことや、ランチミーティングに切り替えたりすることなどが解決策になります。

#郵便物や電話の取り次ぎ

個別に席を割り当てないため、郵便物の配布や内線電話の取り次ぎも不便になりやすいです。そのため、郵便BOXを部署ごとに設けたり携帯電話を従業員ごとに支給したりするなどの工夫も求められます。

#チームの連帯感の維持

仕事を進めるうえでの連帯感が欠如しやすいことも注意点の一つです。同じチームやグループでも、メンバー同士は離れた席に座る機会が多くなります。そのため、ある程度は座るエリアを限定するなどして、連帯感が維持されるように配慮しなければなりません。

#フリーアドレスの継続

フリーアドレスを定着させて継続していくには、従業員の感想をチェックすることも大事です。課題があれば改善に向けて取り組み、自社に合ったフリーアドレスの制度を確立させていきましょう。

フリーアドレス導入のステップ

フリーアドレスを導入するステップは、以下の5つに分けられます。

#ステップ1:自社への導入の可否

まず、自社への導入の可否について慎重に検討することから始めましょう。すべての企業に同様の効果があるわけではないため、どのような影響が起こるのか多角的に判断しなければなりません。

#ステップ2:在席率から座席数とレイアウトを考える

次のステップは、座席数とレイアウトの決定です。部署や時間ごとに従業員の在席率を調べることがポイントになります。全従業員の分を用意するのではなく、必要な分のみに抑えてスペースコストの削減を目指すのが基本です。

#ステップ3:デスクやロッカーなどの購入

デスクやロッカーなどの設備を購入します。個々の所有物を置いておける席がないため、収納に関する不都合を防ぐための準備は特に大切です。例えば、従業員全員にロッカーを用意したり、部署ごとに大きなキャビネットを設置したりする必要があります。

#ステップ4:PCやモニターの手配

実務に向けてPCやモニターを手配することも重要です。特に、デスクトップPCを広く用いている企業は、ノートPCやタブレットへの切り替えを進めなければなりません。

#ステップ5:運用ルールを決める

最後のステップは、フリーアドレスの運用に向けてルールを決めることです。「退勤前に机上を片付ける」「社内の資料を電子化する」などを、あらかじめルールとして明確に定めておきましょう。そうすることで、導入から運用までスムーズに進めて機能させやすくなります。

6.フリーアドレスの導入事例

導入の参考にするため、フリーアドレスを採用して成功した企業の2つの事例もチェックしておきましょう。

#事例1:キユーピー株式会社

一般的な導入先は営業部門やコンサル部門ですが、キユーピー株式会社は工場間接部門にも取り入れています。複数の部署の垣根を取り払い、自由に席を選んで就労するスタイルを推進しました。それに合わせて従業員にはノートPCを配布し、無線LANを使って働ける環境の整備にも取り組んだのです。商品の生産部門にまで導入したことで、業務効率のアップ以外に、現場でアイディアが生まれる効果も生じました。

#事例2:日本航空株式会社(JAL)

日本航空株式会社(JAL)は、2015年にフリーアドレスを取り入れて成功しています。その際にポイントになったのは、「人・モノを停留させない」という明確な指針です。これに従って、企画や管理を含む12以上の部門で採用しており、社内の活発なコミュニケーションを促すことになりました。従業員の生産性がアップして、残業が減るといった改善も見られています。

フリーアドレス導入で組織の活性化を!

業務効率のアップや新規アイディアの創造など、フリーアドレスは多くのメリットをもたらすスタイルです。しかし、従来のスタイルと同じ感覚で運用すると、せっかく導入しても十分に機能しない場合もあります。そのようなリスクを避けるために、自社に向いているかどうか検討することも大切なポイントです。「ルールを決める」といった対策を事前にしっかり行って、組織の活性化に役立てられるように努めましょう。

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