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2021.1.27

源泉徴収票はどこを見る?必要になる時や再発行の方法・会社員の確定申告

多くの人が毎年源泉徴収票をもらいますが、その内容を改めて確認したことはあるでしょうか。源泉徴収票は、時として提出を求められることや、その記載内容を確認しなければならないことがあります。ここでは、源泉徴収票を見る際のポイントや、どんな時に必要になるか、再発行の方法、会社員の確定申告などについて紹介します。

そもそも源泉徴収とは何かおさらい

源泉徴収とは、会社が労働者の毎月の給与から所得税をあらかじめ差し引くことです。差し引かれた所得税は、会社によって給与が発生した翌月10日までに国に納められます。労働者は所得税を、会社を通して納付しているため、自身で確定申告を行う必要がありません。源泉徴収を行う際の税額は「給与所得の源泉徴収税額表」を基に算出されます。しかし、この所得税は概算の額で、確定額と異なることがあるでしょう。そこで、年末に1年間の給与の支払いが済んだ時点で差額を調整します。これを年末調整と呼びます。そして、この年末調整の結果を事業主が本人に通達する際に発行されるのが源泉徴収票です。なお、賞与も源泉徴収の対象となりますが、税率は賞与の額ではなく、前月の給与の額で決められます。

源泉徴収票は2種類

源泉徴収票には2つの種類があります。「給与所得の源泉徴収票」と「退職所得の源泉徴収票」です。先述の、年末調整の結果を報告するために発行される源泉徴収票は「給与所得の源泉徴収票」に当たります。また、退職時に発行されるのも「給与所得の源泉徴収票」です。通常、退職に伴う源泉徴収は退職後1カ月以内に発行されます。一方、退職手当が支給された場合に発行されるのが「退職所得の源泉徴収票」です。ここには支払われた退職手当と、それにかかった所得税が記されています。給与所得と異なり、退職所得は支給された金額がその時点で確定しているので、後に調整する必要がありません。退職所得には定年退職、中途退職にかかわらず、退職を理由として支払われるすべての手当てが含まれます。

混乱しやすい「支払調書」「給与支払報告書」との違い

「支払調書」と「給与支払報告書」は混同されやすいので違いをしっかり確認しておきましょう。「支払調書」とは会社が税務署に提出する法定調書の一種です。取引先の会社などが報酬を支払った個人事業主に「支払調書」を発行することがありますが、これは義務ではありません。これは、報酬を受けた個人事業主が確定申告をする際に便利であろうと、慣習として発行しているものです。当然、自社の社員にも「支払調書」を交付する義務はありません。一方、「給与支払報告書」は給与を支給した企業が、市区町村に提出する書類です。市区町村では、「給与支払報告書」を基に住民税を計算します。記載内容は源泉徴収票とほぼ同じです。違いは、住民税を普通徴収するのか、特別徴収するのかという選択肢がある点です。

源泉徴収票が必要になるタイミング

年末調整後に発行される源泉徴収票が必要になるタイミングはいくつかあります。まず、年の途中で転職する際に転職先の会社に提出するために必要になります。これは、転職先にて年末調整をしてもらうためです。それから、住宅ローンなどを組む際に、給与証明として源泉徴収票を提出する場合があります。ほかにも、結婚して扶養に入る場合などは、結婚相手の勤める会社に源泉徴収票を提出しなければいけません。また、転職をしていない会社員でも、副業による収入が20万円を超える場合や、給与所得が2000万円を超える場合には、個人で確定申告を行う必要があるため源泉徴収票が必要になります。2019年4月1日以降、確定申告の際に源泉徴収票を添付する必要がなくなりましたが、確定申告には源泉徴収票の内容を記載しなければいけないため、源泉徴収票自体が不要というわけではありません。

源泉徴収票をもらえるタイミング

源泉徴収票がもらえるタイミングは何度かあります。まずは、退職時です。従業員が退職する際には、企業は源泉徴収票を発行する義務があります。これは、従業員が確定申告を行ったり、転職先に提出して年末調整を受けたりするためです。次は、年末調整時です。企業は年末調整が完了したら、その最終報告として従業員に源泉徴収票を発行しなければいけません。これにより、従業員は自分の1年間の収入や所得税額を知ることができます。さらに、退職手当が支払われた場合には、退職所得に対する源泉徴収票が発行されます。源泉徴収票は企業によっては電子公布されることがあるでしょう。しかし、従業員から書面による源泉徴収票の請求を受けた場合、企業はそれを発行しなければなりません。必要があれば、経理部に頼んでみましょう。

源泉徴収票をなくした!再発行は可能?

源泉徴収票をなくしてしまった場合には、経理部に頼んで再発行をしてもらうことができます。しかし、源泉徴収票を発行できるのは、該当する給与を支払った事業所だけです。税務署や役所に頼んでも発行してもらえません。ですから、転職後に前職の源泉徴収票が必要な場合には、転職前の事業所の経理部に発行を依頼する必要があります。源泉徴収票の保管と作成は事業所の義務なので、通常は依頼すればすぐに再発行してもらうことができるでしょう。しかし、経理部が繁忙期であったり、同時に複数の人が再発行を依頼したりした場合などは、再発行が遅れることが考えられます。それから、万が一源泉徴収票を依頼する事業所が倒産している場合には、破産管財人に再発行を依頼しなければなりません。経理部の担当者は従業員に源泉徴収票は大切な書類であることを周知し、また、従業員は無くさないよう保管しておくようにしましょう。

源泉徴収票でチェックしたい欄:支払金額

源泉徴収票にはチェックしたい欄がいくつかあります。まずは、「支払金額」です。「支払金額」とは1月1日から12月31日までに従業員に支払われた額面給与のことで、一般的に年収といわれます。ですから、仮に保険に加入するために年収を聞かれた場合などは「支払金額」を答えましょう。「支払金額」には固定給のほかに残業代や賞与、各種手当が含まれます。ただし、通勤費や出張の際の滞在交通費など、非課税扱いの手当ては含まれません。そして、「支払金額」は所得税や社会保険料などが引かれる前の支給総額です。したがって、従業員の口座に振り込まれる金額、いわゆる手取り額とは異なります。また、所得とも異なるので注意しましょう。

源泉徴収票でチェックしたい欄:給与所得控除後の金額

次にチェックしたいのが「給与所得控除後の金額」です。「支払金額」から給与所得控除額を引いた金額がこれに当たります。給与所得控除とは、いわゆる必要経費のことです。必要経費とは、たとえば個人事業主の場合、事務用品や水道光熱費、通信費など、利益を得るために必要とした経費がこれにあたります。これらには、税金がかかりません。しかし、従業員として働いている場合、これらは会社が支払うため個人の必要経費とは認められませんが、それでも、会社で仕事をするためには、スーツやカバンなど自分で準備しなければいけないものがあります。そこで、会社員の場合でも一定額の必要経費を想定して差し引くというのが、給与所得控除なのです。給与所得控除の額は、国税局が「支払金額」に応じた金額を定めています。「給与所得控除後の金額」には、この給与所等控除額を差し引いた金額が記載されています。

源泉徴収票でチェックしたい欄:所得控除の額の合計額

「所得控除の額の合計額」も忘れずにチェックしましょう。「所得控除の額の合計額」には給与所得控除以外の所得控除の合計額が記載されています。所得控除に含まれるのは、毎月給料から引かれていた健康保険料や厚生年金保険料などの合計額、配偶者控除の額などです。所得控除には、個人で加入している生命保険や地震保険なども含まれます。また、すべての課税対象者には一律に基礎控除が適用されます。源泉徴収票の下部にはその詳しい内訳が記載されています。これらの中には年末調整の際に申請したデータに基づく項目があるため、所得控除を受けたい場合にはきちんと申請するようにしましょう。給与所得控除額および所得控除額は課税対象になりません。正しく申請することで、税金が抑えられることになります。

源泉徴収票でチェックしたい欄:源泉徴収税額

最後に、「源泉徴収税額」です。「源泉徴収税額」とは、1年間に支払った所得税の合計額です。「源泉徴収税額」は、「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を引き、税率をかけて算出されます。「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を引いた金額は課税所得と呼ばれ、税率は課税所得によって異なります。日本は累進課税です。つまり、課税所得が高くなればなるほど、税率が大きくなります。実際の税率は源泉徴収票には記載されていません。ですから、自分の給与の税率がどのくらいかを知りたい場合は、国税庁のホームページなどに記載されているので参照してみるといいでしょう。このように、源泉徴収票には自分の給与にかかわるさまざまな情報が記載されています。これを機会に理解を深めてみるのもいいでしょう。

会社員が自分で確定申告する場合

会社員は基本的に会社が年末調整を行ってくれるため、確定申告を行う必要はありません。しかし、自分で確定申告をしなければならない場合があります。副収入の額が20万円を超える人などがそれに該当します。また、年の途中で退職して再就職をしていない人、2カ所以上から給与をもらっている人も自分で確定申告をしなければなりません。ほかにも、確定申告をした方がいい場合があります。たとえば、医療費が10万円以上かかった人や、住宅ローンを組んだ人などは確定申告で所得税が戻る場合があるでしょう。また、先述のように、確定申告の際、源泉徴収票を添付する必要がなくなりましたが、源泉徴収票に記載されている内容を書かなくてはいけません。源泉徴収票はなくさないように保管しておきましょう。

源泉徴収票は書いてあることを理解してしっかり保管しよう

源泉徴収票は、年末調整の結果を従業員に報告するために会社が発行するものです。源泉徴収票には、給与の総支給額や、所得控除の対象となる金額、1年間に支払った所得税などが記載されています。まずは、内容をしっかり理解するように努めましょう。また、源泉徴収票はさまざまな場面で提出が求められます。再発行は可能ですが、なくさないようしっかり保管しておきましょう。

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