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2019.11.13

育児休業の取得を全力サポート!手続きのポイントを徹底解説

結婚・出産後も仕事を続けたいと希望する女性にとって重要なのが育児休業制度ですが、申請を躊躇する人も多いようです。育児休業を取得できれば従業員にとって働きやすい職場となりますし、企業にとっても優秀な人材の退職を防げます。このような職場づくりのためには、人事担当者が育児休業制度を理解し、従業員にも理解を促すことが重要です。ここでは、育児休業の仕組みや取得について、企業側の流れを解説します。

育児休業とはどういう制度なのか

育児休業は「育休」とも呼ばれ、男女を問わず、一定の条件を満たせば正社員やパート・アルバイトなど働き方も問わず、取得が可能な休業制度です。法で認められたこの労働者の権利を、企業側は従業員に周知させなければなりません。妊娠などをした労働者に対して、育児休業などの制度を周知する「努力義務」が企業側に定められています。企業はその仕組みを理解して、従業員が育児休暇を取得できる場合や希望した場合に、しっかりとサポートできるように準備が必要なのです。

育児休業の法的位置づけ

育児休業とは、平成3年に制定された「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(以下「育児・介護休業法」)によって定められた、子を養育する労働者が法律に基づいて取得できる休業と位置づけられています。
育児・介護休業法の第6条のなかには、事業主は労働者からの育児休業の申し出があったときは、申し出を拒めないと記述されています。また、同法第10条には、育児休業の取得や申し出を理由に労働者に不利益な扱いをしてはならないとあるのです。男女雇用機会均等法の第9条3項にも、妊娠や出産をした女性に対して、解雇などの不当な扱いをしてはならないと書かれています。就業環境を害することを含め、このような扱いを企業がするのは法律違反となります。

育児休業給付金の支給

育児休業給付金とは、従業員が育児休業中に申請することでもらえる給付金です。育児休業中に収入がなくなると困る従業員に対して、国がお金を給付する制度であり、育児休暇の取得を促進させることも目的の1つとなっています。育児休業と同様に男女の区別はありません。ただし、給付にはさまざまな条件や期間が定められており、従業員すべてが受給できるわけではないことに注意が必要です。給付金についての詳しい説明は後述します。

育児休業の期間

育児休業は、労働者の子どもが1歳になる誕生日の前日までの期間で取得することが原則です。この場合の子どもとは、法律上の親子関係を持つ子どもや養子、養子縁組の試験的な養育期間における子どもなども含みます。期間は子どもが1歳の誕生日の前日を迎えるまでの連続した期間で、子ども1人につき1回が原則です。ただし、男性、女性による取得時期の違いや延長できる場合などがあり、これらについて以下の項目で具体的に説明します。

女性と男性で開始時期が違う

育児休業開始日は女性と男性で開始日が違います。女性の場合、産後休業から引き続いて育児休業に入るのが一般的であり、この場合、出産日から数えて58日目が育児休業開始日となります。また、男性が育児休暇を取る場合、配偶者の出産日当日が開始日となります。後ほど説明しますが、この育児休業開始日は育児休業給付の開始日ともなります。

期間を延長できる場合

育児休業期間は特別な理由がある場合に延長が認められています。平成29年3月に育児・介護休業法が改正され、子どもが1歳6カ月になるまで例外的に延長できた期間が、さらに2歳まで伸びたことに注意が必要です。
1歳6か月まで延長が可能な場合の理由は、配偶者が育児休業をしており、かつ認可保育園への入所申し込みをしたにもかかわらず入所できなかった場合です。つまり、子どもが待機児童の状態となってしまった場合に延長が認められます。さらに、子が1歳6か月に達する時点においても、本人または配偶者が育児休業をしており、認可保育園への入所申し込みを行っているにもかかわらず入所できなかった場合は、2歳までの延長が可能です。
この他の理由でも、養育者が死亡した場合や、病気やケガなどで養育が困難になった場合、離婚によって同居が解消された場合も延長が認められています。新たに子を授かって6週間(多胎妊娠の場合14週間)以内に出産を予定している場合や産後8週間以内の場合も、延長が認められるケースです。こうした理由で育児休業の延長が認められれば、育児休業給付金の支給対象期間も自動的に延長されます。
認可保育園に入所できなかった場合には「不承諾通知書」や「待機通知書」などの証明書類と申込書のコピーを、その他の場合は必要に応じて医師の診断書や住民票などの書類を用意し、延長を申請します。企業の担当者は従業員の育児休業が終了する前に、該当の従業員に必要となる書類を提出してもらいましょう。

パパ・ママ育休プラス制度

「パパ・ママ育休プラス」とは、男性の育児休業の取得促進を図るために平成22年に設けられた「両親ともに育児休業をする場合の特例」の通称です。「プラス」とは通常1年間の育児休業期間が、1歳2カ月まで2カ月延長できることを示しています。
パパ・ママ育休プラスの特例では、両親ともに育児休業を取る場合、母親の出産後8週間以内(産後休業中)に父親が育児休業を取得すると、後でもう一度時期をずらして育児休業を取得できます。母親の育児休業期間は出産から1年間で終了しますが、父親の育児休業期間は最大で1年2カ月まで延長が可能です。ただし、父親の2回の休業期間の合計は1年間以内にしなければなりません。なお、父親の2回目の育児休業は無条件で取得できます。たとえば、母親の職場復帰をサポートするために育児休業を取得したいといった場合でも、企業は認めなければなりません。

育児休業の対象者

育児休業は、産前産後休暇と違って誰でも取れる制度ではありません。取得できる人の要件が決められていることに注意が必要です。そのため、育児休業の申請が合った場合には、提出前にこれらの条件にあてはまるのかチェックする必要があります。従業員の権利を守るためにも、企業の担当者は対象者となる条件を熟知しておきましょう。

育児休業を取得できる条件

育児休業を取得できる条件は以下の3つです。
1つ目は「原則として1歳に満たない子どもを養育する男女労働者」で、2つ目は「同一の事業主のもとで1年以上継続して雇用されていること」となっています。3つ目は「子供が1歳6カ月になる日の前日までに労働契約(更新される場合は更新後の契約)の期間が満了することが明らかでないこと」です。
これは育児・介護休業法の第5条に記述された、育児休業を申請できる対象者の条件です。育児休業とは子育てをしながら仕事を続けたい人のための制度なので、継続して仕事をしており、今後も仕事を継続できる人が対象となっています。企業の担当者は対象の社員がこの条件を満たしているかをまず確認しましょう。
この条件を満たせば、有期契約従業員(パート、派遣、契約社員など雇用期間の定めのある労働者)も育児休業を取得できます。ただし、日々雇い入れられる労働者(日雇い労働者)や週の所定労働日数が2日以下の労働者は育児休業の対象にならないので注意しましょう。

労使協定で対象者を明確に

育児休業の対象外となる条件は「雇用されて1年未満の労働者」「1年以内に雇用関係が終了する契約をしている労働者」「所定労働日数が2日以下の労働者」です。しかし、対象外にできるのは、労使協定がある場合に限ります。したがって、上記の労働者を企業が対象外にしたい場合、従業員に明示して労使協定を結ぶ必要があるのです。

育児休業給付金受給のために

育児休業給付金は育児休業中に生活に困らないよう該当する社員が国からもらうことができる給付金のことで、雇用保険法に定められている雇用継続保険の1つです。労働者の円滑な仕事の継続が目的のため、支給の対象となるのは、職場に復帰する意志がある人だけです。また、いろいろな条件や期間が定められているので、企業の担当者は制度を正しく理解して申請しなければなりません。

受給できる条件

受給できる条件は以下の5つです。1つ目は1歳未満の子どもがいることです。ただし、育児休業の期間を延長した場合は、それに合わせ1歳2カ月や1歳6カ月、最長2歳になるまで受給できます。2つ目は雇用保険に加入していることです。育児休業給付金は雇用継続保険なので、未加入の場合は対象外となります。
3つ目は育休前の2年間で、1カ月に11日以上働いた月が12カ月以上あることです。ただし、病気やケガなどやむを得ない事情により、受給条件を満たせない場合は、育休前の2年間に加えて最大2年間の加算が認められることもあります。4つ目は育児休業期間中の1カ月ごとに、休業開始前における1カ月の賃金の8割以上が支払われていないことです。企業によっては、育児休業とは別の育児休暇制度などにより、独自に給料の何割かを支払う取決めを従業員とすることがあります。この取決めによって賃金を8割以上支払っていると、育児休業給付金が受給できなくなる点に注意が必要です。5つ目は、育児休業期間中に就業している日数が、各1カ月で10日以下であることです。

受給できる期間

育児休業給付金が受給できる期間は、育児休業の期間と同様、受給できる期間は原則子どもが1歳になるまでです。育児休業の延期の手続きをとった場合は、それに合わせ1歳2カ月、1歳6カ月、最長2歳になるまで受給ができます。
なお、受給資格を確認した後に退職する予定となり、その後退職をした場合、退職日を含む支給単位期間の1つ前の支給単位期間までが支給の対象となります。支給単位期間の末日で退職した場合には、当該期間までが含まれます。この場合、すでに受給した育児休業給付金を返金する必要はありません。

支給額の計算方法

1カ月で受け取れる給付金の額は「休業開始時の賃金日額×支給日数×給付率」で計算できます。休業開始時の賃金日額とは育児休業開始前の6カ月の総支給額を180で割って平均を求めたものです。支給日数は原則として30日です。給付率は育休開始から180日は67%、180日を超えると50%に減ります。なお、パパ・ママ育休プラス制度を利用した場合、たとえば産後58日目から母親が育休をスタートして180日間を67%の給付率で育児休業給付金で受け取れます。そして、母親の出産後8週間以内(産後休業中)に父親が育休をスタートさせれば、さらに180日間を67%の給付率でもらえるのです。

支給申請手続きの方法

育児休業を開始したらすぐに「育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書」の提出が必要になります。記入自体は該当する従業員にしてもらいましょう。また、母子健康手帳と、受取口座の通帳の写しも企業に出してもらいます。これらに加えて初回は「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」、添付資料として賃金台帳や出勤簿など賃金の支払い状況を確認できる資料が必要です。労働者が特に希望しない場合は、企業が管轄のハローワークに書類を提出し、支給申請手続きを完了させます。

従業員が育児休業を申し出たらやるべきこと

企業が従業員から育児休業を申し出を受けた場合、条件を満たしていれば拒否できず、必ず休業させなければなりません。ここでは、育児休業取得前から取得した後、復帰するまでの間に企業側がやるべきことについて、各項目で詳しく説明します。
なお、従業員からの申し出を待つだけでなく、妊娠や産前産後休暇を取ることがわかった時点で、育児休業を取るかどうかを確認しましょう。育児・介護休業法では、育児休業の制度を従業員に周知する「努力義務」が定められています。

育児休業申出書の受理と育児休業取扱通知書の交付をする

育休の申し出があったら、まず育児休業申出書の受理をして、育児休業取扱通知書の交付をします。育児休業給付金の手続きは、育休開始の1カ月前までに完了する必要があるので、この作業は少なくとも育休開始の1カ月前までに余裕を持って済ませておきましょう。育児休業を申請するかどうかについて、産休を取る前に確認しておくのがよい方法です。育児休業取扱通知書には、申し出を受理したこと、育児休業開始予定日と終了予定日を記述します。申し出を拒否する場合は、理由を記述します。

育児休業への職場の理解を促進する

書類の準備も大切ですが、対象従業員の周りの人たちに対して、育児休業について理解を促し対象従業員をサポートする体制づくりをすることも重要です。マタニティ・ハラスメントは法律違反となる場合もあります。対象従業員の職場環境を害したり、不利益な扱いを受けさせたりすることは、育児・介護休業法と男女雇用機会均等法で法律違反と定められているからです。これは男性の場合でも同じです。パパ・ママ育休プラス制度などの制度改正によって、男性が育児休業を取りやすくなってきたものの、まだまだ周囲の理解度が低いケースも多々あります。

社会保険料免除の手続きをする

従業員が育休に入ったら、育児休業等取得者申出書に必要事項を記入し、社会保険料免除の手続きをします。書類の提出先は所轄の年金事務所です。育休期間中は、従業員と企業側のそれぞれが負担する社会保険料(健康保険や厚生年金)が免除されます。免除期間は育休開始月から終了月の前月までです。終了月が月末の場合、その月までとなります。なお、免除期間は社会保険料が支払われたと同じ扱いで、将来の年金額が計算されることも、従業員に伝えましょう。

育児休業給付金の支給申請手続きをする

育児休業給付金の支給申請手続きも、従業員から特に希望がない限り企業が行います。提出先は管轄のハローワークです。提出する書類は初回が「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」「育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書」「休業開始時賃金月額証明書」です。また添付書類として、賃金台帳、出勤簿など収入を確認できる書類と、母子手帳の写しなど育児状況を証明できる書類も提出します。育児休業給付受給資格確認票と育児休業給付金支給申請書は、ハローワークで交付してもらえます。
従業員の記入や写しの提出などが必要となるため、余裕をもって企業の担当者に提出してもらいましょう。2回目以降は育児休業給付支給申請書と賃金台帳や出勤簿など収入を確認できる書類の提出だけになります。また、自社で育児休業に対する手当などを支給している場合には、育児休業給付金の申請要件に影響が出て従業員の利益が減らないかチェックしておきましょう。

いざというときに慌てないように就業規則を整備しておく

近年、働き方改革の推進によりワーク・ライフ・バランスの適正化や女性の社会進出の機運が高まってきました。そうしたことから、育児・介護休業法は頻繁に改定を重ねられていて、企業の就業規則も常にその動きに沿って見直す必要があるのです。職場に育児休業の取得を希望する従業員が現れたときに、就業規則が未整備ということのないよう、企業側と従業員が話合いをしながら、こまめに見直しをしましょう。

男性の育児休業にあたっての注意点

男性が育児休業を取得する場合も、手続きや条件については女性とまったく変わりません。ただし、育児休業の期間に関してだけは異なっているので、この点に注意しておきましょう。女性の場合、産後休業から続けて取ると出産日から起算して58日目から育休が起算されます。一方、男性は、男性は配偶者の出産日当日から育児休業が起算されるのです。

男性の育児休業取得が推進される理由

男性の育児休業取得が推進されている理由は、ワーク・ライフ・バランスの実現が求められていること、女性の社会進出促進が求められていることです。ワーク・ライフ・バランスは働き方改革が提唱してよく知られる言葉になりました。仕事以外の家庭や趣味なども大事にしようという考え方です。育児もそのひとつであり、育児休業の制度の改正が進んでいます。
女性の社会進出は当たり前となったものの、一方で出産や育児の負担が大きい現状は、十分改善されているとはいえません。出産、育児を機にキャリアが中断してしまう女性も多くいるのです。女性だけに負担が偏らないためには、男性の育児参加が不可欠といえます。しかし、厚生労働省の平成28年度の調査では、男性の育児休業取得がわずか3.16%と、非常に低い水準に留まっていて、今後一層の取得推進が求められているのです。

男性の育児休業取得によるメリット

男性の育児休業取得によるメリットとは何でしょうか。ここでは企業側の視点で考えてみます。まず、男性の仕事のモチベーションが高まりやすいことです。ワーク・ライフ・バランスの向上によって育児の時間が取れれば、女性の負担も減ることで家庭円満になるケースも多いようです。仕事により、もっと家族を幸せにしたいというモチベーション向上にもつながりやすいといえるでしょう。また、育児と仕事の負担が減れば精神的な余裕が生まれ、クリエイティブな発想につながることなどもあるかもしれません。
また、男女問わず育児休業を奨励している会社はイメージがよいものです。待遇のよい職場環境をアピールできれば、優秀な人材も集まってきやすいですし、社員もやりがいをもって長期間働いてくれます。そして、女性社員の社会進出を促進できるのもメリットです。男性の育児休業を取得することで、女性がスムーズに職場復帰することをサポートできます。また、育休中の男性社員のポストを女性が代行することなどで、キャリアのステップアップにつながることも考えられます。

職場への理解と業務分担

育児休暇を取るにあたって、男女ともにいえることは、周囲の理解の重要性と円滑な業務分担です。他の先進国に比べると、いまだに育児をはじめとして仕事より家庭を優先させることに、抵抗を感じる人は多くいます。考え方は人それぞれでしょうが、労働者の権利として認められていることを、企業側が職場に浸透させる努力が必要です。職場だけでなく取引先や関連会社の協力も不可欠です。こうした環境を整え、育児休業の対象者を企業全体でサポートする仕組みを作るのが重要といえます。
また、不在の間の役割分担を明確にしておくことも大切です。特に女性の場合は、出産前の体調不良などで休みがちになることも考えておかなければなりません。また、職場復帰後は短時間勤務も認められています。役割分担を明確にして、育児休業をした人の仕事をカバーできる体制にしておくことが重要なのです。

育児休業中の従業員から相談があったらやるべきこと

従業員が育児休業に入っている間も、定期的に連絡を取って状況を把握し、必要に応じてサポートする体制をとることが大切です。ここでは、具体的な対応を紹介します。

育児休業期間の延長希望の相談を受けた場合

育児休業は基本的に1歳の誕生日前日までに終了する制度です。しかし、保育園が決まらない、配偶者の事故や病気、死亡などやむを得ない事情によって、育児休業の延長が申請されるケースもあります。この場合、子どもの1歳の誕生日からの2週間前までに勤務先に申し出る決まりになっています。2歳まで延長するときは1歳6カ月の2週間前までです。申し出があれば、企業の担当者が育児休業等取得者申出書(延長)を作成し、それぞれの必要書類(各種証明書類)と一緒に日本年金機構へ提出しましょう。また、育児休業給付金支給の延長申請手続きもハローワークに対して提出する必要があります。復帰予定の職場に対しては延長の申請があったことを速やかに連絡し、業務や職場の体制の見直しが必要となる可能性があることも伝えます。

予定よりも早く育児休業を終了する場合

育児期間中の従業員から早めに職場復帰したいという相談を受けたら、企業が「育児休業等取得者申出書・終了届」を提出します。これは育児休業中に提出した社会保険料免除(健康保険、厚生年金)のための申請を終了するためです。提出先は日本年金機構、健康保険組合です。

職場復帰後に必要な手続き

社内用に「育児休業復職届」などがある場合はそれを受理し、事務手続きを済ませましょう。具体的な復帰日や働く時間数、業務内容については、上司など必要な人を集めて面談しておきます。育児休業取得前の勤務状況との違いを従業員に伝えるとともに、職場も把握することが重要だからです。そうすることで、職場復帰がしやすくなるとともに、育児休業中の従業員の不安も軽減できます。
職場復帰後、子供が3歳になるまでは育児・介護休業法により残業が原則免除です。また、1日の所定労働時間を原則として6時間とする短時間勤務制度を設けなければならないことも定められています。それにより給与が下がる場合は「健康保険・厚生年金保険 育児休業終了時報酬月額変更届」を管轄の日本年金機構へ提出する必要があります。育児休業取得前と同じ業務を続けることが可能かどうか、本人と直接話し合っておきましょう。必要があれば業務の見直しも検討します。

周りへの理解を促し職場全体で育児休業を支える環境づくりが重要

人事担当者が制度をしっかり理解することで、育児休業を申請した従業員の育児生活をサポートできます。育児休業を従業員に周知させるには、継続的に説明会を開いたり資料を配布したりすることも重要です。男女ともに従業員が育児休業を取得しやすい雰囲気を作り、出産・育児の後でも安心して仕事を続けられる職場を目指しましょう。

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