働きがいを応援するメディア

2020.12.7

一流企業も採用!業務効率を上げるマインドフルネスの効果とやり方とは?

「マインドフルネス」という言葉をご存じでしょうか。マインドフルネスを実践すると業務の効率を上げることができるといわれており、近年ビジネスの場でも話題になっています。世界の一流企業でマインドフルネスを取り入れている企業も多く見られるので、ビジネスパーソンとして正しい知識を持っておきましょう。この記事ではマインドフルネスの概念を紹介し、その効果とやり方などを解説していきます。

マインドフルネスとは?

日本マインドフルネス学会では、マインドフルネスに関して「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること」と定義しています。マインドフルネスでは瞑想を行い、心を無の状態にします。瞑想をすると今起きていることだけに集中でき、次第に心身がリラックスしていくのです。マインドフルネスで瞑想をする目的のひとつに、その時々に浮かんだ思いや考えをありのままに認識することが挙げられます。落ち着いて自分自身と向き合うことができれば、仕事やプライベートで起こるさまざまな事柄に対して冷静、かつ的確な対応ができるようになります。
また、マインドフルネスは多くの人がさまざまな定義を提唱しているため、定義について限定的に述べるのは非常に難しいことです。しかし、数々の定義を見てみると、共通する要素がふたつあることに気が付きます。
まず、「判断をしない」という点です。一般的に、私たちは身のまわりの出来事に対して「好き」や「嫌い」という物差しで判断しています。ただし、これらの判断基準は自分自身の感情に左右されているケースがほとんどです。マインドフルネスでは、今現在自分がどのような状況に置かれているかにかかわらず、判断や評価を一切しないのです。マインドフルネスを行っているときには今の状態をありのままに観察していき、その都度湧きあがった感情を完全に受け入れることが大切というのが共通している部分です。
次に、「今この瞬間に意識を向ける」ということです。人間は普段、身のまわりで起こるあらゆる出来事に対して自動的に反応します。また、現在に加えて過去や未来のことまで含めて考えるのが習慣化しているので、多くの注意力を浪費している点も特徴のひとつです。しかし、マインドフルネスではそれらに気を取られずに集中して「今この瞬間」に意識を向けることが重要です。

マインドフルネスの歴史

ビジネスシーンなどで「マインドフルネス」という言葉を耳にする機会が増えてきましたが、マインドフルネスとは仏教の教えのひとつである「サンマ・サティ」をもとにしたものであるといわれています。サンマ・サティとは「常に落ち着いた心の行動」を意味する仏教用語です。1979年、アメリカ人の分子生物学者であるジョン・カバット・ジン博士は禅を学んでおり、禅の考えを現代的にアレンジし、医療分野で用いたことがマインドフルネスの始まりです。医療分野でマインドフルネスを取り入れることによって、患者が抱えていた慢性的な痛みや、そこから生じるストレスが緩和されていきました。その後マインドフルネスにまつわるさまざまな研究が行われた結果、マインドフルネスは医療分野で有効性があることが明らかとなりました。
さらに、現代ではマインドフルネスは医療分野以外でも注目されており、AppleやGoogle、フォードなどの大企業が社員研修の一環として導入したことでも知名度が高まっています。ビジネスパーソンが日常生活のなかにマインドフルネスを取り入れると、集中力アップや生産性向上などが期待できます。

マインドフルネスが注目される理由

マインドフルネスは現在多くの企業が注目しており、実際に業務に取り入れているところもたくさんあります。マインドフルネスがここまで注目されている理由のひとつとして、時代の変化が挙げられます。技術の革新などをはじめとして、世界はめまぐるしい速さで変化をしており、その変化に素早く対応することが企業としての課題のひとつです。
その結果、企業は優れた商品や良いサービスを生み出していくために、従業員に対して効率良く働き、生産性をアップさせることを常に求める傾向にあります。しかし、日々の業務にスピード感を求められると、従業員が過剰にストレスを感じてしまう恐れもあります。そのため、効率化を考えながらもストレスを軽減し、良好な人間関係を保っていくうえでのひとつの手段としてマインドフルネスが広く注目されているのです。

マインドフルネスのメリット

マインドフルネスのメリット①集中力が高まる

マインドフルネスを行うメリットのひとつとして、集中力が高まることが挙げられます。マインドフルネスを実践する際には、ストレスの低減を目的として瞑想を行います。正しいやり方で瞑想をすると、集中力がアップしやすくなるのです。また、瞑想している間は自分の心としっかりと向き合えるので、頭に浮かんでいるさまざまな思考が整理されていきます。すると、心身がリラックスした状態になり、集中力もぐんとアップしていきます。
特に、並行して複数の仕事に取り組んでいる状況では、優先順位やそれぞれのタスクの納期を考えなければならないので、不安や焦りが生じてしまいがちです。しかし、マインドフルネスで精神状態を安定させて高い集中力をもって取り組むことができれば、質の高いパフォーマンスで仕事ができるようになるのです。

マインドフルネスのメリット②ストレスの軽減

仕事やプライベートなどがあまりに忙しいと大きなストレスが溜まり、場合によっては心身のバランスを崩してしまう恐れがあります。心身のバランスが崩れているときというのは、自律神経が良い状態で機能していないケースがほとんどです。自律神経には、交感神経と副交感神経のふたつが存在しています。交感神経は自分の意思とは関係なく体の機能を調整する神経で、普段の活動時に動き、心身を興奮させたり、緊張させたりするなどの働きがあるものです。一方、副交感神経はリラックスしているときに優位になり、心身を鎮静状態に導いてくれます。
私たちは普段の何気ない生活のなかでもストレスを抱えがちですが、マインドフルな状態では自律神経のバランスを整え、ストレス解消も期待できます。マインドフルネスを取り入れることで副交感神経が優位になるのです。その結果、ストレスの軽減ができるのは大きなメリットのひとつといえるでしょう。

マインドフルネスのメリット③健康増進

日本には「病は気から」という言葉があるように、心がつらい状態にあるときは、体にも何らかの不調が現れやすくなります。マインドフルネスで心を鍛えていくと、おのずと体も鍛えることができるので、健康が増進されるという点もメリットといえるでしょう。
また、ストレスを溜め込んでしまうと体調を崩すだけでなく、過食になるなどの問題を抱える人も多く見られます。しかし、マインドフルネスを行うことでストレスが軽減されるので、過度な暴飲暴食を繰り返す可能性は少なくなります。暴飲暴食をしなくなり健康的な食生活を送ることができれば、結果的にダイエットにもつながるでしょう。さらに、オハイオ大学の研究によると、マインドフルネスは精神的な安定をもたらすだけでなく、身体面での抗炎症効果も期待できるということが分かっています。健康的な体作りのためにも、毎日の生活にマインドフルネスを取り入れてみましょう。

マインドフルネスの実践方法

マインドフルネスの実践方法①呼吸瞑想

マインドフルネスには複数のやり方があります。なかでも「呼吸瞑想」と呼ばれるものは、誰でも簡単に取り組める実践方法です。呼吸瞑想をする場合、自分の呼吸に意識を向けていきます。呼吸をする際には自分の肺が伸縮している様子を意識したうえで、体内に空気が流れている感じに気付くことを目指します。
呼吸瞑想を行う場合、まずは背筋を伸ばして椅子に浅めに腰かけましょう。そして、ゆっくりと息を吸って、ゆっくり吐き切ります。このとき息を止めないように気を付け、呼吸に集中することがポイントです。慣れてきて呼吸に集中できるようになったら、次は自分の体全体が浮かんでくるような意識で取り組んでいきます。呼吸瞑想は1日1回、10分程度から始めます。集中力が30分以上続くようになるまで、少しずつ時間を延ばしながらチャレンジしてみましょう。

マインドフルネスの実践方法②歩行瞑想

歩行瞑想とは、体の動きに意識を向けることで気づきを得るというマインドフルネスの実践方法です。自分の体の動きが上手く感じ取れると、「体が動いている」と実感できるようになります。
歩行瞑想に取り組む際、まずは体の力を抜いてリラックスして立ちます。この状態で、自分の足の感覚に注意を向けてゆっくりと歩いてみましょう。足の動きや感覚を意識しながら、5~10分程度歩き続けます。歩行瞑想といっても、歩くときに目を閉じる必要はありません。歩行瞑想ではまわりの景色を眺めながら歩くのではなく、視線は前方に固定します。加えて、普段歩くときよりも少し遅めのスピードで歩きます。このとき、足の感覚だけでなく呼吸や体全体の動きに注意するとともに、自分の内部の感覚にも意識を向けながら集中して取り組むことがポイントです。

マインドフルネスの実践方法③ボディー・スキャン

ボディー・スキャン瞑想を行うと、無意識のうちに感じている緊張感や筋肉のこわばりに気づくことができます。この瞑想方法は疲労感が抜けない人や毎日なかなか寝付けない人には特に適していて、実践すると回復を促してくれることが期待できるので、疲れが溜まっている人はぜひチャレンジしてみましょう。
ボディー・スキャンに取り組む場合、椅子に座るか、または立った状態で呼吸を整え、骨盤や足の付け根、指先など、体のさまざまな部位に順番に意識を集中させていきます。このとき、不快な感覚があるのであれば呼吸に合わせて吐き出しましょう。吐き出すことによって不快感を軽減させるという作業を体の各部位で行い、瞑想することで生じる思いを感じ取りましょう。

マインドフルネスのデメリット

マインドフルネスのデメリット①不安が増す可能性

マインドフルネスでは瞑想を行うため、時間をかけてじっくりと自分自身の心と向き合っていきます。集中して瞑想をして自分の心と向き合うことでストレスが低減するなどの変化が生じる点は、マインドフルネスのメリットといえるでしょう。しかし、瞑想をして自分が不安に感じている部分を深く掘り下げようとしていると、その不安はなくなるのではなく、むしろ肥大していく場合があります。自分の心と正面から向き合うと、本当の悩みやネガティブな考えに気づかされることも多いので、この点はマインドフルネスのデメリットといえます。

マインドフルネスのデメリット②瞑想に依存してしまう

マインドフルネスに取り組むと、瞑想によって自分の心と向き合うことを通してストレスから解放される可能性があります。しかし、マインドフルネスに頼りすぎてしまうと、依存状態になってしまう場合があるので注意が必要です。瞑想に依存すると、なかには自分の心に閉じこもってしまう人もいます。このような状態になると、反対にストレスを感じてしまい、うつ病などの病気を悪化させてしまうこともあります。

マインドフルネスのデメリット③禅病になる可能性

マインドフルネスを行うと、場合によっては禅病になる可能性があります。禅病とは、間違った方法で修行をすることによって生じる副作用のことです。たとえば、誤ったやり方で瞑想をすると、頭痛や吐き気、幻聴が聞こえるなどの症状が出てしまうことがあります。また、禅病は、体が緊張状態から急にリラックスした場合に起こることが多くあります。そのため、最初のうちは短時間での取り組みにするなど工夫をしながら少しずつ慣らしていくなどの配慮で、予防していくことが重要です。

マインドフルネスを行う上でのポイント

マインドフルネスを行う場合は、正しいやり方を心がけることが大切です。マインドフルネスでは瞑想をする際に、最初からは上手くいかないこともめずらしくありません。瞑想をしている間に集中するのが難しい人の場合は特に、「成功させなければ」と焦る気持ちが生じることもあるでしょう。しかし、最初のうちはなかなか上手くいかないため、就寝前に5分程度取り組むなど短時間から始めてみて、少しずつ慣らしていくことが大切です。
また、マインドフルネスを行う場合は瞑想ばかりをしてしまうと心が不調になることもあるので、有酸素運動にもしっかりと取り組む必要があります。たとえば、1日10分程度、呼吸を意識しながらウォーキングをしてみると、心に余裕が生まれやすくなります。加えて、マインドフルネスは義務的に取り組むのではなく、楽しみながらチャレンジしてみましょう。義務感が強すぎるとネガティブ思考になってしまうので、無理せずに楽しむことがポイントです。加えて、マインドフルネスはある程度の期間続けて取り組むことも大事ですが、疲れてきたら一度離れてみても良いでしょう。マインドフルネスと距離を置くことで心に余裕が生まれれば、また楽しく取り組めるようになります。

マインドフルネスを取り入れてみよう

マインドフルネスの意味やメリット、やり方などを正しく理解できたでしょうか。近年ではマインドフルネスを行っている企業も多くあり、その効果はビジネスシーンでも発揮されています。また、マインドフルネスは特別な道具を必要としないため、休憩時間を活用するなどして気軽に行うこともできます。効率良く仕事に取り組み、不要なストレスをなくすためにも、ビジネスパーソンはぜひマインドフルネスを取り入れてみましょう。

Category

Knowledge

Keyword

Keywordキーワード