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2021.6.2

プレイングマネージャーとは?必要なスキル・なる方法について紹介します!

ビジネスシーンでは、日本でもプレイングマネージャーという立場で活躍する人材が浸透してきています。プレイングマネージャーとは、現場で働く単なるプレイヤーではなく、かといって完全な管理職というわけでもありません。この記事では、プレイングマネージャーの基本知識やプレイングマネージャーとして必要な知識、なる方法について詳しく紹介します。

プレイングマネージャーとは?

プレイングマネージャーとは、ビジネスの現場で業務にあたるプレイヤーとして働くとともに、管理職としての役割も担いマネジメントも行う立場の人です。実際に、プレイングマネージャーを置く現場は増えています。例えば、飲食店などの接客業でスタッフの一員として店頭での接客業をこなしながら、シフト管理やスタッフの指導など店長としてマネジメント業務も行うことが具体例の一つです。スポーツの世界でも、選手兼監督として手腕を振るう人材も増え、さまざまな業界でプレイングマネージャーは増加傾向にあります。

プレイングマネージャーは、現場とマネジメント双方に気を配らなければなりません。その分、忙しくなることは避けられず、難しいこともあります。どちらかの業務に没入しまうと、もう一方に注意を向けることがおろそかになることもあるため、どちらも均等に業務を行うことが大切です。

プレイングマネージャーの背景

日本でプレイングマネージャーが普及したきっかけは、バブル崩壊だといわれています。バブル崩壊後の1990年代前半から企業は業績悪化を避けるための対策を取ることが求められ、人件費削減を進めた企業も少なくありません。その結果、現場スタッフにマネジメント業務を任せるプレイングマネージャーを置く企業が増加したのです。従前の日本の企業では、現場のプレイヤーがマネジメント業務まで担当することはあまりなく、現場のスタッフと管理職は明確に区別されているのが一般的でした。ただ、優秀なスタッフのなかには、マネジメント業務を十分こなせる能力を持った人もいます。

そのような人材にマネジメントを任せることで得られるメリットもあるわけです。管理職と、現場スタッフとの間で食い違いが生じることも珍しくないため、現場をよく知る人材がマネジメントまで担当することで認識の違いが生じにくくなります。プレイングマネージャーがいれば、現場スタッフと管理職とのやり取りに時間や手間を取られることもありません。現場を理解したうえで、組織をマネジメントできる能力を備えた人材がいることで迅速に意思決定を行えるため、プレイングマネージャーのような人材が必要とされるようになりました。

また、年功序列が当たり前だった時代とは異なり、日本でも徐々に実力主義が浸透しつつあります。実力のある人を求める風潮が強くなるとともに、能力を発揮しながら活躍できる場が増えてきたことも、プレイングマネージャーが増加した背景の一つと考えられています。

プレイングマネージャーが必要な理由

ここまで説明したように、プレイングマネージャーが必要な理由の一つは人件費削減です。現場のスタッフにとっては、単に管理職というポジションにあるだけで企業にあまり貢献していない人よりも、より貢献度が高い人のほうがリーダーとして納得を得やすい傾向があります。そもそも、プレイングマネージャーに登用されるのは現場で個人として業績を上げる能力を持つとともに、管理能力にも長けた人材です。企業としては、優秀なプレイングマネージャーを置くことで、売り上げにあまりつながらないポジションの管理職を削減しながら、しっかりとした指揮系統を構築することが実現します。

グローバル化やIT化が進んだことで、企業は従来に比べてビジネスの展開もスピード感が求められるようになりました。実際に、直接業務にかかわっているプレイングマネージャーがいれば、現場の声が生かしやすくなることも理由の一つです。同時に、経営側の意向も理解していることで、素早い意思決定が可能になります。現場のスタッフ自身がプレイングマネージャーとして管理職に就くことで、周囲の信頼が得やすくなり、指揮命令系統もスムーズに機能することが期待できるでしょう。

プレイングマネージャーに必要なスキル

プレイングマネージャーとして活躍するためには、どのようなスキルが必要なのでしょうか。ここからは、プレイングマネージャーに必要とされるスキルを4つ挙げて詳しく解説します。

コミュニケーション能力

一般のスタッフの場合は、現場での人間関係を良好に保つことができれば、日常の業務をスムーズに遂行することに支障がないかもしれません。しかし、経営側を含めてさまざまな立場の人間とかかわる機会も多いプレイングマネージャーは、よりコミュニケーション能力が必要です。現場のスタッフとの間でコミュニケーションをしっかりと行うことによって、現場で働くスタッフそれぞれの性格や能力などの個性をより理解できるようになるでしょう。理解が深まれば、スタッフが苦手とすることをカバーする対策を考えたり、強みやスキルを最大限に発揮させたりすることに役立ちます。

つまり、スタッフの持つ能力を生かし、現場での実績を上げるのはプレイングマネージャーの手腕にかかっているといっても過言ではありません。また、プレイングマネージャーは経営側と現場の間に入り、調整役を担うことも求められるポジションです。どちらの意見にも耳を傾けながら、双方が納得できるよう対応しなければなりません。そのため、プレイングマネージャーには高いコミュニケーション能力や交渉能力が必要です。

業務両立のバランス感覚

プレイングマネージャーは、現場での業務を担当するスタッフの1人のため、個人の目標達成を求められます。一方で、管理職としての視点を持ち、スタッフをまとめながらチーム全体での目標達成にも力を注がなければならない立場です。どちらの役割も担う立場として仕事をする以上、片方の役割だけに偏ることは望ましくありません。一スタッフの場合は、自分の仕事にだけ集中することもできます。しかし、プレイングマネージャーはチームの目標を達成するために時間を割かなければならないことも多い傾向です。

そのため、自分の仕事に取り組む時間を減らさなければならないこともあります。そのため、自分の業務にあたる時間と、スタッフのサポートや管理をする時間をうまく調整しながら仕事をすることが大切です。また、もともとプレイングマネージャーになる人は、業務を遂行する能力が高いといえるでしょう。そのため、「部下に任せずに自分でやってしまったほうが簡単で早い」と考えてしまうこともあるかもしれません。しかし、時には自分だけで抱え込まずに部下に仕事を任せ、マネジメントに徹することが必要なケースもあります。プレイングマネージャーという立場で業務を両立させるためには、どちらの仕事もこなせるバランス感覚が必要です。

成長意欲

プレイングマネージャーになった人を見てみると、現場で優秀な成績を残している割合が多い傾向です。そのため、現場での業務に関してはもともと高い能力を有しているケースも必然的に多くなります。また、自分の担当する分野においては知識や技術も十分持っていることでしょう。しかし、現場のスタッフとして働いた経験しかない場合は、マネジメントについては未経験ということも多いのが実情です。

プレイングマネージャーとしてマネジメントに携わっていくためには、それ相応の知識や能力を身につける必要があります。例えば、自分以外のスタッフが取り組んでいる業務に関する知識や、自社が取り扱う商品やサービスに関する広い知識、クライアントの情報を知っておくことなどです。人材の育成や指導に関する知識も必要とされるため、プレイングマネージャーには成長意欲が求められます。

指導スキル

プレイングマネージャーになれば、部下となるスタッフを指導しなければならない立場になります。部下に未熟な部分があればそれを見抜き、どう指導すればいいのかを見極め、業績を上げられるように鍛えなければなりません。最終的には、上司のサポートがなくても部下が自分の力だけでスムーズに業務を遂行できるようになることが大切です。このように、人材の育成に努め、チーム全体の底上げを図ることが結果的に企業の業績を上げることにもつながります。企業の業績をアップさせる役割を現場で担うのが、プレイングマネージャーです。そのため、人材育成および指導のスキルは重要になります。

プレイングマネージャーになる方法

プレイングマネージャーとして成果を上げるためには、求められている役割をしっかりと理解することが重要です。プレイングマネージャーは、自分に課せられた個人の目標を達成しつつ部下を育成し、チーム全体としての生産性も上げて業績を残すことが期待されています。自分の業務も遂行しなければならないプレイングマネージャーにとって、部下の育成にあてることができる時間は限られています。そのなかでも、コミュニケーション能力を磨き、部下との信頼関係を構築する方法を学ぶことが大事です。いくら能力が高くても、部下からの信頼を得られなければチームはまとまらず、全体として大きな成果を上げることはできません。

部下と会話する機会を増やしたり、業務についての意見交換を頻繁にしたりするなど、意思疎通を高める努力を惜しまないことが大事でしょう。認識を一致させるためには、部下の業務に関する状況を正しく把握したうえでコミュニケーションを図ることも必要です。プレイングマネージャーは、部下と経営者サイドの間に立たなければならない立場のため、双方への「ホウ・レン・ソウ」も欠かせません。迅速な報告や連絡、相談ができなければ、業務に後れを生じさせたり、トラブルに発展したりすることになりかねません。誰に対しても報告・連絡・相談を徹底することで、チームが一丸となって業務にあたり、業績を上げるための土台が整います。

プレイングマネージャーを目指そう

プレイングマネージャーは、今後も必要とされる可能性が高いポジションです。ビジネスの現場で自分も業務にあたりながら、チームを引っ張っていく存在としてさまざまな能力を求められます。それだけに、業績を上げられれば、やりがいを感じることも多いでしょう。プレイングマネージャーになるためには、どのようなスキルが必要で、なにが足りないのかをあらためて把握しておきましょう。

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