2024.11.1
ロイヤリティとは?ロイヤルティとの違い、ビジネスにおける意味、向上させる方法
こんにちは!働きがいを応援するメディア「ピポラボ」を運営するサイダス編集部です。
今回のテーマは「ロイヤリティ」です。皆さんは、「ロイヤリティ(Loyalty)」「ロイヤルティ(Royalty)」という言葉をご存知でしょうか。発音が似ているため同じ意味の言葉だと考えている人もいるかもしれませんが、実は意味は全く異なります。
今回は、ビジネスの世界でよく使われる「ロイヤリティ」と「ロイヤルティ」の言葉の違いをわかりやすく説明します。ロイヤリティを向上させる方法もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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目次
ロイヤリティとは?意味や使い方を解説

ロイヤリティ(Loyalty)とは、顧客や従業員への忠誠心や帰属意識などの意味を持つ言葉で、日本のビジネスシーンやマーケティング・人事領域では「顧客ロイヤリティ」や「従業員ロイヤリティ」など、ブランドや企業へのコミットメント・忠誠を意味します。
【ロイヤリティがつく言葉】
顧客ロイヤリティ:
ユーザーが特定の企業やブランドのサービス、商品に対して持つ信頼や愛着心
従業員ロイヤリティ:
従業員が勤める企業に対して抱く信頼や愛着心、帰属意識
マーケティング領域における「ロイヤリティ」、人事領域における「ロイヤリティ」についてはそれぞれ後ほど詳しく紹介します。
ロイヤリティに似た言葉「ロイヤルティ」とは?
ロイヤリティと似た言葉に、「ロイヤルティ」があります。ロイヤルティ(Royalty)とは、王族や王位、王権という意味のほか、(君主のような)気品、気高さなどの意味で用いられる言葉です。例えば、「ロイヤルティ溢れるアクセサリー」という場合は、「気品あふれるアクセサリー」という意味になります。また、イギリスの王室をロイヤルファミリーと呼ぶのもこの言葉から来ています。
ただし、日本のビジネスシーンで使われる場合は、「特許権」「商標権」「著作権」など、権利の使用料を指すことが一般的です。例えば、「ロイヤルティを著作者に支払う」「本部には売上の20%のロイヤルティが入る」などの使われ方をします。フランチャイズの加盟店が大本の企業に支払う際に発生する使用料や、音楽や写真の使用料など、ビジネスシーンではさまざまな権利が発生しているのです。
ロイヤリティとロイヤルティの違い
ここまで、ピポラボでは、「ロイヤリティ」を「Loyalty(忠誠・コミットメント)」、「ロイヤルティ」を「Royalty(権利)」の意味でご紹介してきました。ただ、これらはスペルが「L」か「R」の違いしかないことから、日本語で表記する際は、両方とも「ロイヤリティ」または「ロイヤルティ」と混同して表現する人もいます。
英語の聞き分けができる人であれば、RとLを違う音として認識できますが、多くの日本人にとってそれは難しいものです。したがって、ロイヤ「リ」ティとロイヤ「ル」ティと表記や発音を変えることで識別している人が多いようです。
どちらも「ロイヤリティ」または「ロイヤルティ」と表現する人と話す場合は、前後の内容や文脈からどちらの意味で使用しているのか推察する必要があります。ピポラボでは、わかりやすいよう、Loyaltyを「ロイヤリティ」、Royaltyを「ロイヤルティ」として説明します。
ロイヤリティとロイヤルティの違いをまとめると次のようになります。
ロイヤリティ | ロイヤルティ | |
スペル(英語表記) | Loyalty | Royalty |
意味 | コミットメント 忠誠心 | 権利 王族 気品・気高さ |
発音表記 | [lɔ́iəlti] | [rɔ́iəlti] |
フランチャイズで使われる「ロイヤルティ」の種類
フランチャイズとは、フランチャイズチェーンに契約した店舗(=フランチャイジー)が大本の企業(=フランチャイザー)に使用料(ロイヤルティ)を払うというビジネスモデルです。その事業形態から、「ロイヤルティ」という言葉が多く使われるビジネスです。加盟店はロイヤルティを払うことで、その対価として、知名度やノウハウ、商品やサービスを利用したり、運営上のサポートを受けられたりします。経営した経験がない・専門知識があまりない人でも、独立開業できるのがフランチャイズ加盟のメリットといえるでしょう。
フランチャイズというと、多くの人が思いつくのはコンビニエンスストアやファミリーレストランなどのチェーン店ではないでしょうか。そのほかにも、学習塾やエステサロン、家事代行サービスやコインランドリーなど、フランチャイズ展開している業種はたくさんあります。
また、ロイヤルティの決め方や支払い方法も企業によって異なります。以下に、代表的な3つの方式を紹介しましょう。
方式 | 内容 |
売上歩合方式 | 「月々の売上の10%」など、売上に対してあらかじめ決められた割合の金額を支払う方式で、もっとも一般的。 |
粗利分配方式 | 粗利分配方式:売上高から仕入れにかかった費用を差し引いて算出した売上総利益(粗利)に対し一定割合の金額を支払う方式。多くのコンビニエンスストアで採用されている。 |
定額方式 | 売上額にかかわらず毎月決まった金額を払う、もっともわかりやすい方式。売上が多い月は手元に多くの利益が残り、少ない月は大きな負担となる可能性がある。 |
フランチャイズの新規契約するのであれば、どの方式を利用しているのかを事前にしっかり確かめるようにしましょう。
マーケティングにおける「ロイヤリティ」の意味とは

ここでは、マーケティングにおけるロイヤリティの意味や、ロイヤリティがつくキーワードについて解説します。
マーケティングにおける「ロイヤリティ」とは
マーケティングにおけるロイヤリティとは、顧客が企業やブランドの商品・サービスに対して抱く信頼や愛着心のことを意味します。一般的には、「顧客ロイヤリティ」というキーワードが用いられ、「顧客ロイヤリティが高い/低い」というような場面で用いられます。
顧客ロイヤリティが高いユーザーは、その企業の商品やサービスを繰り返し購入・利用するリピーターになったり、より高額な商品やサービスを購入してくれたりする可能性が高いため、マーケティングの世界では重宝される存在です。また、気に入った商品やサービスは友人や家族など周囲の人に勧めることも多いため、新規顧客の獲得にもつながります。そのため、企業においてはいかに顧客ロイヤリティを高めるかが重視されます。
ロイヤリティマーケティングとは
すでに顧客ロイヤリティの高いユーザーに対して特別なベネフィットを与えて「特別に扱われている」と感じさせ、より愛着心や信頼を高めるマーケティング手法を「ロイヤリティマーケティング」といいます。たとえば、以下のような方法です。
【ロイヤリティマーケティングの手法】
- 優待価格で購入できるクーポンやオリジナルの景品を配布
- 優良顧客限定のイベントに特別招待
顧客ロイヤリティと顧客エンゲージメントの違い
「顧客ロイヤリティ」と似ている言葉に「顧客エンゲージメント」があります。顧客エンゲージメントとは、「顧客との親密度」という意味です。
一般的にエンゲージメント(engagement)は、婚約や結婚の約束、契約などを意味する英単語です。しかし、日本のビジネスシーンにおける「顧客エンゲージメント」は、「顧客との約束」ではなく、「顧客との親密度」という意味になるので注意しましょう。
顧客ロイヤリティと顧客エンゲージメントの違いは以下のとおりです。
【顧客ロイヤリティと顧客エンゲージメントの違い】
- 顧客ロイヤリティ:ユーザーに対して広くアンケート調査を実施して企業や商品にどの程度の愛着心があるかを調べ、得た指標
- 顧客エンゲージメント:顧客が実際に起こした商品の購入や利用といった行動から親密度を読み取り表したもの
混同して使わないように、両者の違いをしっかり把握しておきましょう。
ブランドロイヤリティとストアロイヤリティの違い
マーケティングの領域では「ブランドロイヤリティ」や「ストアロイヤリティ」といった言葉もよく見られます。 それぞれの違いは以下のとおりです。
ブランドロイヤリティ:
他の代替ブランドがあるにも関わらず、ある特定のブランドを購入すること
ストアロイヤリティ:
複数の店舗の中から特定の店舗を選び、継続的な傾向を持ってその店舗で購買を行うこと
マーケティング業務では一定した顧客を獲得することが大きなミッションです。そのため、サービスや商品に対する需要の安定度を測るための重要な指標がロイヤリティとなっているのです。
人事分野におけるロイヤリティとは
人事分野では、自社に対して帰属意識が強く忠誠心の高い従業員を「ロイヤリティが高い」と表現することがあります。一般的に、「従業員ロイヤリティ」というキーワードで表現されます。
従業員ロイヤリティが低下すれば、士気も下がり、成果が表れにくくなリます。反対に、従業員ロイヤルティを高めることに成功した企業では、顧客満足度や生産性が向上したり離職率が下がったりする可能性が高くなります。会社が困難に陥っても見放さず、粘り強く立ち向かう従業員も多いでしょう。
従業員ロイヤリティを高めるメリット

従業員ロイヤリティを高めるメリットは以下の通りです。
①離職率が低くなる
従業員ロイヤリティが高いと、離職率が下がり、平均勤続年数が長くなりやすいです。また、従業員ロイヤリティスコアの高い従業員は、自ら会社に貢献しようとするため、業務成績が向上する傾向があります。 もし、ライバル企業からの引き抜きの話を出されたとしても、転職を考えることなく、今業務にしっかり取り組んでくれることでしょう。
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②長期的人材育成が可能に
従業員ロイヤリティが高まることで、組織は従業員の離職を心配することへの減り、将来の経営ビジョンの実現に向けて、戦略的かつ長期的な人材育成が可能になります。
離職率が高い状態では、せっかく人材育成のための施策を行っても人材が会社から離れていくことで無駄になるということも起こります。そういったリスクを恐れずに人材の育成計画を立てられることは、従業員ロイヤリティ高めるメリットの一つです。
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③人材育成における効果判定が簡単に
従業員ロイヤリティの向上によって離職率は下がり、平均勤続年数は伸びます。これにより継続的なモニタリングできるため、人材育成制度や、昇進昇格に関する制度など、組織内のさまざまな評価判定がしやすくなるうえ、正確に行うことができるようになります。
④リファラル採用を活用しやすくなる
従業員ロイヤリティの高い従業員がいれば、「リファラル採用 (リファラルリクルーティング、社員紹介採用) 」がより実施しやすくなります。リファラル採用とは自社の従業員に求職・転職活動をしている知人を紹介、推薦してもらう採用制度のことをいいます。リファラル採用には、採用コストが削減できたり自社とのマッチング精度が上がったりと、多くのメリットがあるため、活用する企業も多く存在します。
⑤組織のイメージが向上
従業員ロイヤリティが高い従業員は、自社の商品やサービスに強い愛着を持っているため、積極的に周囲にアピールします。会社の良い点を自主的に広めてくれます。
このように、企業は従業員ロイヤリティを高める工夫をすることが大切です。とはいえ、あまり難しく考えることはありません。従業員が自然と会社を好きになる、愛着を持てる仕組みや工夫を取り入れれば良いのです。たとえば、社内の風通しを良くして活発にコミュニケーションがはかれる環境を整えることで従業員同士の絆が強くなり、組織に対しても愛着を持ちやすくなります。
従業員ロイヤリティを高めるためには?

従業員ロイヤリティを高めるためには、組織として向かいたい方向性を明確に提示したり、従業員一人ひとりへの細やかな気配りが必要です。ここでは、従業員ロイヤリティを高めるための方法について解説します。
従業員が働きやすい環境をつくる
従業員が安心して長く働ける環境を整備することで、従業員ロイヤリティを高める効果が期待できます。例えば、フレックスタイム制やリモートワーク制度を導入することで、従業員が自分のライフスタイルに合わせて柔軟に働けるようになります。また、有給取得の推奨日などを作ることで、取得しやすい雰囲気づくりを行ううのも良いでしょう。
最近では、リモートワークとオフィス出社のハイブリッド形式を取り入れている企業もあります。その場合は、オフィス環境の改善に取り組んだり、リラックスできるスペースを設けるなどの工夫も良いでしょう。
従業員の成長を支援する
従業員が自身の成長を実感できるよう、研修や教育の機会を提供することは非常に大切です。例えば、スキルアップのための研修制度を充実させたり、資格取得支援制度などを設けることで援助するとよいでしょう。
また、明確なキャリアパスを示したり、上司と部下の1on1を定期的に実施したりすることで、キャリア目標の達成をサポートすることもおすすめです。1on1を実施する際には、上司・部下間でしっかりと振り返りができるようツールを利用するとよいでしょう。記録を残すことで進捗状況や成長が可視化できるため、感覚的な1on1になることを防ぐことができます。
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従業員とのコミュニケーションを活性化する
従業員とのコミュニケーションを活性化し、風通しの良い職場環境を作ることは従業員ロイヤリティの向上に欠かせません。社内イベントを積極的に開催したり、エンゲージメントサーベイや従業員満足度調査などを実施して、従業員からの意見や予防を積極的に聞き取ったりするとよいでしょう。調査をするだけで終わらせず、寄せられた意見を参考に、改善アクションを実行するようにしましょう。
エンゲージメントサーベイについて詳しく知りたい方は、「エンゲージメントサーベイとは?質問の項目や例、効果について解説」の記事も参考にしてください。
従業員を正当に評価する
従業員が自身の貢献を会社に認められていると実感できるよう、公平で透明性の高い評価制度を導入することも従業員ロイヤリティの向上につながります。例えば、目標の達成度合いだけでなく、日々の業務への取り組み姿勢やプロセスも評価することで、従業員のモチベーションを高めるとよいでしょう。また、360度評価など多角的な評価を取り入れることで、より公平で納得感のある評価を実現することができます。
評価結果に基づいた報酬制度を整えることも従業員ロイヤリティを高める方法です。賞与や昇給など、従業員の頑張りがしっかりと反映されるような仕組みをつくりましょう。
ピポラボでは、賞与や昇給に関する記事も掲載しているので、ぜひ参考にしてください。
「ボーナス/賞与の平均支給額は?ボーナスの種類と額の決まり方は?」
「昇給額の平均はどのくらい?年齢別・企業規模別・業種別にご紹介」
「インセンティブとは|歩合・ボーナスとの違い・導入方法などを簡単に解説」
企業のミッションやビジョン、パーパスを共有する
従業員ロイヤリティを高めるためには、企業のビジョンやミッション、パーパスを従業員に共有することが大切です。なぜなら、企業が目指す方向性や目標を明確に示すことで、従業員は迷いなく同じ目標に向かって行動しやすくなるからです。また、企業としてどのような価値観を持つ人物を求めているのかが明確になることで、「その価値観に沿った行動をとろう」と意識する従業員が増え、パフォーマンスの向上が期待できます。
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従業員ロイヤリティを高めるために、タレントマネジメントシステムを活用しよう
本記事では、ビジネスシーンでよく使われる「ロイヤリティ」について解説しました。「ロイヤリティ」と「ロイヤルティ」は混同しやすい言葉ですが、ピポラボでは、「ロイヤリティ」は忠誠心・コミットメントを、「ロイヤルティ」は権利の意味でご紹介しました。人によっては、どちらも「ロイヤリティ/ロイヤルティ」と区別せずに使用することもあるため、どちらの意味で使っているかは前後の文脈から判断しましょう。
従業員ロイヤリティの向上のためには、従業員を正しく評価したり、コミュニケーションの機会をしっかり確保したりすることが大切です。しかし、従業員規模が大きくなればなるほど、従業員一人ひとりの状態を正確に把握するのは難しくなります。
そんな時は、タレントマネジメントシステムを導入して、人材データを一元管理し、組織と従業員の「今」を把握できるようにすることがおすすめです。サイダス社が提供する「CYDAS(サイダス)」は、見える化・評価・人事戦略が1つのシステムで実現できる新しい時代のタレントマネジメントシステムです。人材情報の一元化はもちろんのこと、目標管理・360度評価・1on1・サンクスカード・組織分析など、一つのシステムに従業員ロイヤリティを向上させるアプリケーションがたくさん搭載されています。
従業員ロイヤリティを高めたい人事担当者・経営者の方はぜひご検討してみてはいかがでしょうか。「CYDAS」の詳細は、サービスサイトをご確認ください。
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