2019.06.13

より良い職場にする為に!ワークライフバランスについて理解しよう

より良い職場にする為に!ワークライフバランスについて理解しよう

男女ともに長く働きやすい企業の条件として重視されているのが「ワークライフバランス」への取り組みです。ワークライフバランスの向上に力を注ぎたい人事担当者や経営陣としては、ワークライフバランスを向上させるためにはどのような方法があるのか気になることでしょう。この記事では、ワークライフバランスを向上させるための具体的な施策や事例について紹介します。最後まで記事を読めば、ワークライフバランスを向上するためにはどのような取り組みを推進していくべきか理解できますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

ワークライフバランスの意味と効果とは?

具体的にワークライフバランスとはどのような意味を持つのかうまく説明できないという人もいるのではないでしょうか。実際に社員のワークライフバランスが向上した場合どのような効果が期待できるのか、また理想的なワークライフバランスが実現できている状態について解説していきます。

ワークライフバランスの定義

ワークライフバランス(WLB)とは、仕事とプライベートの生活との調和が取れているかどうかの指標のことです。2000年代後半頃に働く女性が家事や育児などでキャリアを断念しなくてすむように、女性支援の意味で使われ始めました。もちろん今では、女性だけでなく男性にも使われる考え方へと進化しています。男性の場合では、かつては仕事での成功が人生の成功だというような価値観もありました。しかし、加速する少子高齢化やグローバル化、働き方改革などの背景もあり、男性も女性も仕事だけでなくプライベートの生活を充実させるという考え方が重視されています。ワークライフバランスには、仕事とプライベートの生活とを調和させることで得られる相乗効果や好循環といった意味合いも含まれます。

ワークライフが向上した場合の効果

ワークライフバランスを向上させることは、社員の満足感につながるだけなく、企業にとっても大きなメリットがあります。まず、これまで女性を中心に離職の原因となりがちだった出産や育児、介護などに対して柔軟な対応をとることによって、社員の離職を防げることです。労働人口の減少が危惧される日本においては、社員の流出は企業にとって存続にかかわる死活問題となりかねません。

また、多様な働き方に対応した制度を整えることで、長時間労働の改善にもつながります。社員としてはできるだけ定時内に仕事を遂行しようとするため、労働生産性が向上します。より短い時間でアウトプットを出してもらえることは、会社にとっても人件費の削減につながるでしょう。加えて、ワークライフバランスの向上に力をいれることで、社員を大切にし、社員の離職も少なく長く安心して働ける優良企業というイメージが醸成されます。その結果として、優秀な人材を獲得できる可能性が高まります。

理想的なワークライフバランス

理想的なワークライフバランスを実現するためには、ぜひ導入していきたい制度があります。たとえば、育児休暇や介護休業、短時間勤務制度、フレックス勤務制度、テレワークなどです。制度導入のポイントは、男女問わず、さまざまな条件の元に働いている一人ひとりの状況に適した柔軟な働き方を支えるということです。また、人事制度がどれほど拡充しても、社員が実際にその制度を利用しやすい状況にしなければ改革は進みません。もっとも効果的なのは、経営トップ自身が旗振り役として職場の風土改革を推進していくことです。

また、多様な働き方を実現するためには、短時間勤務や休業・休暇などの制度を利用した社員の評価基準を整えることも必要です。たとえば、アウトプットの総量といった量的な評価指標だけでなく、アウトプットの効率性にも注目して質的な評価指標を加えていくことも大切になります。

ワークライフバランスを向上させる制度・施策を紹介!

ここからは、ワークライフバランスを向上させる制度や施策内容について説明していきます。具体的には、育児休暇や短時間勤務制度、フレックスタイム制度、テレワーク、長時間労働の削減、福利厚生サービスの充実の6つについて詳しく解説します。

育児休暇制度

育児休暇とは社員の育児を目的とした休暇のことです。1992年に育児休業法が施行されたことをきっかけに、一般企業で制度の導入が広がりました。2002年には育児介護休業法として定められ、育児休暇とは1歳に満たない子どもを育てるために必要な休業と定義されています。育児休暇を利用しやすい風土を整えることで、社員が出産や育児によって離職するという状況を改善できます。出産や育児がひと段落した社員を今までと同じ待遇で迎え入れることによって、社員は安心して出産や子育てを行うことができるでしょう。より多くの社員に活躍の場を提供できるほか、職場に新しい風が吹くという期待もできます。

短時間勤務制度

出産して職場復帰したものの、子どもがまだ小さいといった社員などを対象に短時間勤務制度を導入している企業も増えています。短時間勤務制度は法で定められたものと企業が独自に設けたものとがあり、企業で実際に活用する場合では、固定化した短時間勤務だけでは十分とはいえません。今後は短時間勤務制度を利用するのは女性だけとは限らず、さまざまなケースを想定して時間短縮パターンを複数設定することが活用を促進するためのポイントとなります。短時間勤務制度の導入は、フルタイムで働くのは難しいけれど短い時間ならば働けるという人にも労働の機会を与えることになります。結果として人材が集まりやすく、企業としても優秀な人材を確保しやすくなるでしょう。

フレックスタイム制度

フレックスタイム制度とは、1カ月以内の期間の中で総労働時間を決め、その労働時間を最終的に満たすことを条件に、社員が始業や終業時間を自由に選べる仕組みです。社員としては自分のプライベートに合わせて働く時間を選べるためワークライフバランスにつながり、また通勤ラッシュの時間を避けて出社できるというメリットがあります。企業としてもフレックスタイム制度の場合は総勤務時間が変わらないため、給与の調整や昇給、昇格にともなう問題が発生しにくく、導入しやすい制度です。フレックスタイムの中にも、コアタイムのないスーパーフレックス勤務制度というものもあります。スーパーフレックス勤務では、1日8時間勤務で8時間分の残業がたまっている場合は、有給の代わりに1日をゼロ勤務として休むこともできます。

テレワークの実施

テレワークはいわゆる在宅勤務のことで、日本テレワーク協会によって、ITツール等を利用した、場所・時間にとらわれない働き方として定義されています。インターネットの普及によってインターネット環境とパソコンがあれば自宅でも業務ができるようになったことから、導入する企業が増えていますが、比較的新しい制度です。テレワークは、企業にとって通勤手当の削減や休業者のスムーズな復帰支援、障害者雇用が広がるといったメリットが期待できます。

しかし、一方で、リスク管理やコミュニケーションの確保、別途テレワーク用の勤怠管理方法が必要となります。加えて、在宅という環境で発生しやすくなる情報漏洩リスクをいかにして防止していくかが重要です。しかし、場所や時間に左右されずに働けるテレワーク制度があれば、配偶者の転勤などによって会社に通勤できない距離に住むことになった社員でも継続して働けます。このようにさまざまな事情を持つ社員が辞めることなく働けるのは会社にとっても大きなプラスなのではないでしょうか。

長時間労働の削減

働き方改革を推進するためには、企業としては日本の大きな課題でもある長時間労働も削減していく必要があります。ただし、単に人事から残業禁止の働きかけをするだけでは、改善が難しい問題です。残業を減らすだけでなく、同時にこなしていくべき業務の量やプロセスの見直しも必要です。それがなければ、社員が定時内にこなさせなかった仕事を家に持ち帰ったり、休日にこっそり出社したりするというように状況が余計に悪化してしまう可能性が高まります。

企業としては、業務が大幅に効率化できるITシステムを導入することなども検討していくべきでしょう。長時間労働を削減することは、個人の自由な時間を得られるようになるほか、時間的な余裕が生まれることでストレスが軽減されるなど、社員の心身のケアにもつながります。結果として、家族との時間や趣味を満喫するなど、より充実した生き方ができるようになります。

福利厚生の充実

福利厚生の拡充もワークライフバランスの向上のためには検討すべきです。福利厚生とは、勤務に直結した休暇制度だけでなく、社員やその家族が会社のレジャーや宿泊施設、フィットネス・ジムが利用できることや資格習得の支援補助なども含みます。こうした福利厚生の充実は社員の企業への満足度や仕事へのモチベーションのアップにつながります。モチベーションが上がることで、社員がより質の高い仕事をしてくれる可能性も高まるでしょう。就職活動の際に福利厚生が優れていることを重視する人も多くいます。福利厚生を充実させており、社員を大切にする会社であるという良い評価を得ることは優秀な社員を集めるためにも必要なことといえます。

ワークライフバランスを向上させた企業の実例!

自社での取り組みを推進していくにあたって、ワークライフバランスを向上させた企業の実例を知っておくことも参考になるでしょう。マニュアル改善、一人ひとりに適した働き方の導入、長時間労働の削減という異なるアプローチでワークライフバランスの向上を実践している3つの企業を紹介します。

マニュアル改善で成功した企業

第一生命保険株式会社ではマニュアルを改善することで働きやすい環境を整えました。具体的には、3つの部署が統合され人員が減ったことで、各部署で別々に行っていた作業をひとりの社員が一貫して行えるようにするためにマニュアルが作成されました。その際、経験者がマニュアルを作ると初心者には分かりにくいものとなってしまうため、初心者が中心となってマニュアルを起案したのです。結果として、経験者の個人的な知見に依存しなくてもマニュアルがあれば未経験者でも業務が行えるようになり、業務の見える化が進みました。そのほかにもいくつかの業務の改善を実行した結果、メリハリのある働き方が実現し、結婚後や出産後にも働きやすい職場環境が実現されました。

一人ひとりに適した働き方を導入し成功した企業

サイボウズ株式会社では、育児休暇などの基本的な制度だけでなく、先進的ともいえる取り組みを次々に導入しています。たとえば、在宅勤務制度のほか、自己都合で退職しても6年間までは職場復帰できる育自分休暇制度、副業の許可、子連れ出勤制度などです。ポイントとしては、一人ひとりの状況に適した働き方を導入するということに主眼を置き、働きやすい環境を整えていきました。結果として、離職率が28%から4%へと大幅に下がり、社員のモチベーションもアップしたことによって生産性も向上したのです。

長時間労働の削減で成功した企業

長時間労働が慢性化していたSCSK株式会社では、健康的な労働環境の構築を目指して取り組みを進めていきました。具体的には、フレックスタイムの導入や有給休暇取得推進、在宅勤務制度の拡充、一定時間以上の残業に対して所属部門にペナルティを設けるなどの施策を実行した結果、長時間労働が減り、社員の疲労感の改善につながりました。社員の満足度も大幅に向上したことで、仕事へのモチベーションが上がっています。

ワークライフバランスを向上させる際の注意点とは?

ワークライフバランスを向上させていく際には、注意したいポイントもあります。ここからは、注意するべきこととその対策法について紹介します。

ワークライフバランス向上に向けた取り組みを行う際の注意点

ワークライフバランスは、日本では比較的新しい考え方です。そのため、処遇にどのように反映されるかを明確に定めたうえで、社員にも周知徹底しておく必要があります。そのあたりが曖昧になったままだと、ワークライフバンスを向上させている社員が職場で浮いてしまったり、制度の利用をためらったり不満を持ったりする社員が出る可能性があります。具体的には、休業や短時間勤務を実現するためには、業務を引き継いだりサポートしたりする周囲の協力が不可欠です。

休業や短時間勤務は社員の権利であり、また誰でも必要であれば取得が認められる人事制度であることをきちんと社員規則やイントラネットなどに明記しておきましょう。人事や職場のリーダーなどが率先してその旗振り役となり、社員一人ひとりがさまざまな価値観やライフスタイルを認め合うことが出来る職場風土を整えていく必要があります。

ワークライフバランス向上に使えるITツール

ワークライフバランスを向上させるためには、社員一人ひとりの意識改革が不可欠ですが、業務の効率化につながるシステムもあればよりスムーズに導入されるでしょう。たとえば、CYDASの、「Performance Cloud」や「MBO Cloud」を活用するという方法があります。Performance Cloudは、人材を多様な視点から複合的に分析するアプリケーションです。ロジカルな分析結果に基づき、最適な人材配置や能力開発、戦略的な組織づくりをサポートし、社員個人と組織のパフォーマンスの最大化を目指します。

MBO Cloudは、社員個人の目標を会社の経営目標や部門目標とリンクさせられるソフトです。さらに個人の目標や成果を人事評価システムと連携させることで、適正かつ効率的に評価できるようになるというものです。合理的な評価が可能になるだけでなく、人事部門の工数も大幅に削減できます。

ワークライフバランスを理解し目的に沿った向上を目指そう!

ワークライフバランスを向上させるためにはさまざまなやり方があります。ただし、もっとも大事なのは単に短時間労働を推進することではなく、会社一丸となって業務効率化に取り組んでいく姿勢です。その際、業務をカバーできるITツールなどを導入することで、より業務効率を高めることが可能となり、ワークライフバランスの向上がスムーズに進められます。ワークライフバランスを着実に向上させるためには、制度に加えてITツールの導入も検討してみると良いでしょう。

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