2015.6.17
埋もれている優秀人材を探す ─タレントマネジメント9BOX活用編─
人手不足や変化の激しい昨今において、社員のスキルや能力、過去の業績を把握した上で、将来に向けた人材育成につなげていくタレントマネジメントの重要性が増しています。本記事では、人材の発掘や育成に活用できる9BOX分析を解説します。
9BOX(9Block)とは
9BOXはGE社(ゼネラル・エレクトリック社)が開発した人事評価モデルで、縦軸に企業バリューの合致度、横軸に業績を指標として置き、9つのブロックで相対的な人事評価をする方法です。
日本国内における人事評価は、半年や1年といった一定期間で従業員の業績や行動を評価し、給与・賞与などの報酬へ反映する仕組みが一般的です。9BOXはこの運用を合理的に行うためのツールとして日本だけでなく、世界中の企業で利用されています。
9BOXは、さまざまな活用に応用できます。優秀人材の離職防止や、将来に向けた育成対象者・サクセッションプランでの後継者候補の選出など、組織のタレントマネジメントを進める上での手段として、幅広く活用することができます。
タレントマネジメントシステム「CYDAS」では、縦軸、横軸にさまざまな指標を設定し、マトリクスでの分析ができます。次の章で具体的な分析方法を説明します。
優秀な人材が突然退職するのはなぜ?離職を防ぐための分析
タレントマネジメントで重要なことの一つとして、優秀な人材の早期退職を防ぎ、組織の成果へつなげていくことがあげられます。評価は業績やパフォーマンスに関わる項目を設定していることが一般的です。そのような情報と、「今後もここで働きたいか」というようなES調査の情報を掛け合わせて可視化することで、どのような対策をすべきかを導き出すことが可能です。
パフォーマンスを上げているのに評価が低い社員を見つけ出す
縦軸に業績データ、横軸に評価データを設定してみると、左上のブロックに表示される人材は「業績を上げているのにもかかわらず、評価が低い」という結果として読み取れます。「CYDAS」では、結果を見れるだけでなく、そこからより詳細な人材情報を閲覧することができ、何故業績を上げているのに、評価が低いのかを分析することが可能です。
評価の納得感向上に繋げる
過去のデータを見てみると、優秀なメンバーで退職した人材は、この左側に表示されるケースが多々ありました。 その分析結果から優秀な人材が退職しないための施策をおこなう事はとても重要であることがわかります。退職理由にはいくつか種類がありますが、評価結果に納得がいっていない場合、給与にも納得がいっていないというケースが少なからずあります。業績を上げている人材の退職が周囲に与えるインパクトはとても大きいはずです。突然の離職を未然に防ぐために9BOXを活用できます。
仕事の役割配分と仕事への満足度を測る
組織で定期的にエンゲージメントサーベイを実施している企業が増えてきています。また、業務への適性という観点で適性検査を実施している企業も少なくないでしょう。サーベイや適正検査には、働きがいや、やりがいを測る項目も設定されています。
「CYDAS」ではこのようなサーベイ結果を9BOXに反映することが可能です。縦軸に「役割配分」、横軸に「仕事への満足度」を設定してみます。役割配分が適性で、仕事への満足度が高い社員は今後もそのポジションでの活躍が期待できます。しかし、役割配分が適切ではなく、満足度が低い社員は違う役割でポテンシャルを発揮する可能性があるので、異動や配置転換などを検討してみることも一つかもしれません。仕事への満足度が低い場合、離職リスクがあるだけでなく、周りへのネガティブな影響が起こる可能性があるため、サーベイ結果で詳細な要因を分析した上で、面談を実施するなどの対策を行うことが効果的です。
適所適材の配置へ繋げる
ポジションで必要なスキルと、適性を掛け合わせた分析で適所適材な配置の検討に活用できます。例えば、「新規顧客開拓を推進する新しいプロジェクトのメンバーを抜擢したい」などのケースが考えられます。評価項目の中に新規開拓のスキルと適性を測る項目を持たせて、適切時期で評価を実施し、現状を把握します。その結果をもとに、人員を選出します。9BOXの右上のブロックに表示された人材がもっとも成果が期待できる人材です。それぞれのブロックの人材をリストにすることもできるので、比較した上でメンバーやプロジェクトリーダーを選出できます。
育成対象者を選出する
業績を目標管理で評価しているなら、その結果と適正検査の特定の職務適正などを掛け合わせて分析ができます。この分析では、適正があるのになかなか業績が追いついていない社員が可視化できるため、育成対象者として抽出することが可能です。前章で説明したようにリストでより詳細な情報を見て、上司からフィードバックを行なったり、適切な研修を計画したりさまざまな施策につなげることができます。
「CYDAS」では特定の条件で人材をグループ化。ハイパフォーマーの傾向分析や要ケア人材、後継者候補の発掘まで、人事戦略の立案に活用できます。
施策のPDCAを回せる タレントマネジメントシステム「CYDAS」
タレントマネジメントは、従業員のスキルや能力を最大限発揮してもらうことで、企業成長につなげていくための仕組みです。9BOXはタレントマネジメントを推進するためのツールとして役立ちますが、人事が本来実現したいことを明確にした上で活用していくことが重要です。
従業員のこれまでの経験、キャリア希望などの情報をもとにタレントマネジメント実現を目指すなら、「CYDAS」がおすすめです。効果的にデータを活用することが可能で、1on1による効果的なフィードバックや、育成計画など、企業ごとの特性や、マネジメントに合った運用を実現できる仕組みが揃っています。詳細は下記資料よりご確認いただけます。