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2023.10.10

適性検査とは?企業が行う目的やテスト形式・主な種類10選を解説

企業が適性検査を導入することにより、新卒採用・中途採用や配属先の選考、人材マネジメント、人事評価の補助などがスムーズに機能する可能性があります。

そこで本記事では、最初に適性検査の概要を説明した後、企業が適性検査を行う目的・活用方法、主なテスト形式、主な種類について詳しく解説します。企業が適性検査を行う際の注意点も説明するので参考にしてください。

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適性検査とは

適性検査とは、能力・適性・性格などの人材の特性を数量的かつ客観的に評価するテストです。主に求職者や既存社員の特性を理解するために実施されます。ほかの受検者との比較や、面接や対話では把握しづらい特性の理解に効果的です。

適性検査の種類には以下があります。

  • 能力検査
  • 性格検査

所要時間は適性検査のタイプによって異なりますが、通常1回の検査につき30分程度が目安です。

能力検査

能力検査は論理的思考や一般常識、情報処理能力、発想力や基礎学力などを測定する検査です。採用プロセスの中で候補者を選別したり、既存社員を適切な部署へ配置したりする際に役立ちます。主に新卒採用で実施されるケースが多いでしょう。

一般的に国語や数学のような問題が出題されますが、ニュースや歴史をもとにした一般常識テストや、専門知識を図る独自のテストなど目的に応じて使い分けやすいという特徴があります。

性格検査

性格検査は仕事へのアプローチや姿勢・人間性・パーソナリティ・意思決定の傾向などから企業風土への適合性や業務に対する適性を評価する検査です。

主に採用後に適合できるかどうかを判断するために実施されます。中途採用では能力検査を行わず、性格検査のみ実施する企業もあるようです。

一般的に思考の傾向や性格、特性を測る設問が出題されます。

企業が適正検査を行う目的・活用方法

適性検査の目的や活用方法を把握することでさまざまな場面で導入しやすくなるでしょう。企業が適性検査を行う主な目的や活用方法として以下が挙げられます。

【適性検査を行う主な目的】

  • 新卒採用・中途採用の選考
  • 職務分析・配属先の選考
  • 自社に関する退職者の分析
  • 人材マネジメント
  • 人事評価の補助
  • チームや部署内のコミュニケーション

それぞれ解説するので参考にしてください。

1.新卒採用・中途採用の選考

適性検査の実施により、面接や履歴書だけでは理解しづらい業務処理能力やストレス耐性などを客観的に把握できます。

検査結果を参考にすることで、採用ミスマッチを防止するだけでなく、入社後の教育にも役立ちます。一部の適性検査は「入社後に活躍できる人材かどうか」の予測も可能です。

なお、新卒採用で重視されやすいのは基礎学力や潜在能力です。一方の中途採用に関しては、企業の社風や業務内容との適性を重視する傾向があります。

2.職務分析・配属先の選考

適性検査は採用活動だけでなく、職務分析や配属先の選考にも活用できます。検査結果を配置基準や人材育成方針に反映できるからです。したがって、社員一人ひとりが向いている職種や業務の把握が可能になるでしょう。

また、適性検査はタレントマネジメントにも活用できます。タレントマネジメントとは、社員のスキルや経験などを理解したうえで、人材配置や能力開発を通じて最適化するための戦略です。

適性検査データを一括管理することにより、タレントマネジメントの仮説を立てる効果が期待できます。

3.自社に関する退職者の分析

社員の定着率が低い場合は、適性検査の結果を退職者の分析に使用することをおすすめします。人材の獲得は企業共通の課題であり、退職が続くと大きな損失を被るからです。

一般的な離職理由として「ストレスに弱い」「人間関係がうまくいかない」などがありますが、適性検査の結果を分析することで、異なる傾向を把握できるかもしれません。

社員が定着するかどうかは社風や雰囲気だけでは決められないため、客観的な指標である適性検査は効果的な方法と言えます。

4.人材マネジメント

適性検査を活用することで社員が企業に求めるものを把握できます。例えば、挑戦や報酬などの価値観です。

挑戦を重視する社員が多ければ、チャレンジしやすいシステムを構築したり、報酬を重視する社員が多ければ、成果主義を導入したりといった対策も考えられます。

また、適性検査はキャリア面談のツールとしても活用可能です。一般的に社員のキャリアを決める際は、人事部と社員が面談を行います。その際、事前に人事部が適性検査の結果を把握していれば、社員の志向性や特徴がわかるため、キャリア面談がスムーズに進むでしょう。

5.人事評価の補助

多数の部下がいる管理職にとって社員一人ひとりの評価の判断方法に迷うケースは少なくありません。評価の判断方法に迷う際は、適性検査の結果を活用して部下の特性を把握するのも一つの方法です。

人事評価は昇給や昇格・管理者の選任に直結する重要な評価と言えます。適性検査は客観性が高いため、公平な評価・処遇が可能です。自分が受けた適性検査の結果がベースにあることで、社員もフィードバックに対する納得感を得やすいでしょう。

6.チームや部署内のコミュニケーション

同じチームや部署内でも上司、部下、同僚について理解不足に陥るケースがあります。理解不足は業務分担に支障が生じかねないものの、適性検査を把握することで対策できる可能性があります。

例えば「対人折衝や活動意欲が高い社員を営業職に配置すれば部署内の理解が深まる」といった対策です。同じ傾向を持つ社員を同じ部署に配属することにより、コミュニケーションが密になる効果が期待できます。

適性検査の主なテスト形式と内容

適性検査の主なテスト形式と内容には以下があります。

【適性検査のテスト形式】

  • 筆記試験
  • テストセンター
  • インハウス
  • Webテスト

それぞれ解説するので参考にしてください。

1.筆記試験

適性検査の筆記試験は、該当箇所を塗りつぶすマークシート方式が一般的です。適性検査会社が提供する問題と用紙を使用します。採点は提供会社や、受検を申し込んだ企業の人事部が行うことが多いでしょう。

筆記試験は一定の時間内で解答するため、受検者にとっては解き方の対策が重要です。後述するWebテストと比較して分析結果が出るまで時間がかかるケースが多く、費用の負担が大きい傾向があります。

2.テストセンター

テストセンターとは、適性検査提供会社が全国各地に受検会場を用意する形式です。受検者は会場に足を運び、本人確認のうえ、用意されているパソコンで受検します。

企業は受検者に関する情報を管理システムに入力したうえで、当日の詳細を記したメールを受検者に送信します。後述するインハウスのように企業が受検会場を用意しなくてもよいため、比較的、手間と時間はかかりません。

3.インハウス

インハウスとは、適性検査の提供会社ではなく、受検を申し込んだ企業側が会場やパソコンを用意する形式です。適性検査の実施後、すぐに結果をダウンロードできるため、採用面接の判断材料に使いやすいという特徴があります。

ただし会場やパソコンの準備、受検要領の説明を企業側が行う必要があるため、一定の時間と手間が必要です。

4.Webテスト

Webテストは受検者が自宅のパソコンを使用して解答する形式です。企業側、受検者側の双方にメリットがあります。

企業側のメリットとして、時間や手間、費用の大幅な削減が挙げられます。受検者側のメリットはエリアや時間を問わずに受検できるという部分です。

ただし自宅にパソコンがない受検者への対応や、不正行為への対策などを考える必要があるでしょう。

企業で利用されている適性検査の主な種類・内容

ここでは、企業で利用されている適性検査の主な種類・内容として、以下の10種類を解説します。

【適性検査の種類】

  1. CUBIC
  2. TAL
  3. CAB
  4. TAP
  5. ミキワメ
  6. 玉手箱
  7. Compass
  8. スカウター
  9. 内田クレペリン精神検査
  10. eF-1G

1.CUBIC

CUBICは個性を多角的に可視化できるクラウド型の診断ツールです。検査によって人や組織の見えづらい側面を可視化できますし、採用から組織活性化までの一元管理や、分析から研修・コンサルティングまで利用できるという特徴があります。

主な内容は次のとおりです。

検査手段Webテスト、ペーパーテスト
用途新卒採用・中途採用・人事評価・配置転換・人材育成・採用後のミスマッチ防止
測定領域性格・能力・趣味・指向・職業適性・ストレス耐性
提供企業CUBIC
サイトURLhttps://cubic-co.jp/

なお、人事DXツールのCYDAS(サイダス)では、タレントマネジメントシステムとは別に、適性検査としてCUBICを導入しています。CUBICの結果はCYDAS(サイダス)で分析可能です。

2.TAL

TALは専門の弁護士のチェックを受け、人権に配慮された質問文や選択肢を使用している適性検査です。主な内容は次のとおりです。

検査手段36問選択式と図形アイコン配置
用途採用適性検査(新卒・中途・障がい者)・正社員登用
測定領域コミュニケーション力・ストレス耐性・責任感・積極性・行動力・向上心・メンタル傾向・コンプライアンス傾向
提供企業人総研
サイトURLhttps://www.jinsoken.jp/index.html

3.CAB

CABはコンピュータ職の適性診断です。職務適性以外にも、「チームワーク」や「バイタリティ」のような9つの特性を予測できるという特徴があります。

主な内容は次のとおりです。

検査手段マークシート
用途コンピュータ職の適性診断
測定領域暗算・法則性・命令表・暗号・パーソナリティ(OPQ)
提供企業日本エス・エイチ・エル
サイトURLhttp://www.shl.co.jp/

4.TAP

TAPは人事採用のための適性検査です。履歴書や面接だけでは判断できない客観的なデータを提供してもらえるという特徴があります。

主な内容は次のとおりです。

検査手段Webテスト・ペーパーテスト
用途新卒採用・中途採用・配置転換・人事評価
測定領域性格・能力・興味・指向・ストレス耐性
提供企業日本文化科学社
サイトURLhttps://www.tap-tekisei.com/

5.ミキワメ

ミキワメは「自社で活躍できる人材かどうか」を短時間で判定できる適性検査クラウドです。

主な内容は次のとおりです。

検査手段Webテスト・マークシート
用途自社で活躍する人・しない人の判断
測定領域似ている社員・各部署の相性・面接ガイド・マネジメントガイド
提供企業リーディングマーク
サイトURLhttps://mikiwame.com/

6.玉手箱

玉手箱ⅠVer.2は、新卒採用の母集団形成や初期選考への活用という目的で開発された適性検査です。職務遂行上、重要な9つの能力特性のチェックポイントを出力可能という特徴があります。

主な内容は次のとおりです。

検査手段Webテスト
用途成人一般
測定領域パーソナリティに関する質問紙・行動と経験に関するアンケート
提供企業日本エス・エイチ・エル
サイトURLhttp://www.shl.co.jp/

7.Compass

Compassはストレス耐性の把握に特化した適性検査です。ストレス耐性や抑うつの傾向をアウトプットできるという特徴があります。

主な内容は次のとおりです。

検査手段Webテスト・ペーパーテスト・インハウス
用途新卒採用・中途採用・パート/アルバイト採用・人事評価、配置転換
測定領域性格・能力・興味・指向・ストレス耐性・職業適性
提供企業イグナイトアイ
サイトURLhttps://www.igniteeye.com/

8.スカウター

スカウターは「新卒採用や中途採用で失敗したくない」と考えている企業のための検査です。「定着しない、成長しない、頑張らないタイプ」を見分けられる不適性検査という特徴があります。

主な内容は次のとおりです。

検査手段Webテスト・ペーパーテスト
用途新卒採用・中途採用・人物の評価・人材活用方法の参考資料
測定領域能力・資質・精神・定着
提供企業スカウター(国内運営)
サイトURLhttps://scouter.transition.jp/

9.内田クレペリン精神検査

内田クレペリン検査は簡単な数字の足し算を行うことにより、受検者の能力や性格などを測定する検査です。企業だけでなく、官公庁や学校などでも活用されているという特徴があります。

主な内容は次のとおりです。

検査手段作業による検査
用途人材採用・配置・安全管理・メンタルヘルス・外国人・研究・治験
測定領域発動性・可変性・亢進性
提供企業日本・精神技術研究所
サイトURLhttps://www.nsgk.co.jp/uk

10.eF-1G

eF-1Gは一人ひとりの個性を細かく捉える適性検査です。豊富な測定項目によって個人の特性を可視化できるという特徴があります。

主な内容は次のとおりです。

検査手段Webテスト・ペーパーテスト
用途採用・配属・育成・登用
測定領域性格診断・能力テスト
提供企業イー・ファルコン
サイトURLhttps://www.e-falcon.co.jp/ef-1g

企業が適性検査を行う際の注意点

適性検査はあくまでも面接だけでは判断が難しい部分を補うものです。

ここでは適性検査の注意点として以下を解説します。

  • 採用時は合格のボーダーラインを明確にする
  • 不正行為に注意する

採用時は合格のボーダーラインを明確にする

採用のミスマッチを防止し、自社でスムーズに活躍できる人材を獲得するには、採用基準の明確化が不可欠です。

例えば「ストレス耐性に秀でた人材」を求める場合、適性検査の数値が10段階評価で8以上といったボーダーラインです。

求職者数が多い場合、選別する作業に時間がかかるため、採用基準のボーダーラインを明確に設定しましょう。

不正行為に注意する

適性検査では、替え玉やネット検索といった不正行為が起こる可能性があります。とくにWebテスト(自宅受検型)で発生しやすいため、各提供会社の対策に注目してください。

提供会社によっては「自分をよく見せているかどうか」を判定する仕組みを組み込んでいたり、AI監視型のWebテストを導入していたりします。

適性検査を活用し公平な採用活動・評価を実施しよう

適性検査とは人材の特性を数量的かつ客観的に評価するテストです。採用選考や職務分析・配属先の選考などで使用されています。

適性検査の形式には筆記試験・テストセンター・インハウス・Webテストがあり、具体的な検査の種類も多岐に渡ります。大切なのは、目的に応じた適性検査を導入することです。

働きがいをつくる人事DXのCYDAS(サイダス)では、クラウド上で受けられる適性検査(CUBIC)の結果を分析できます。社員の情報を把握するための機能が充実していますので、気になる方はお気軽にお問い合わせください。

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