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2023.10.10

【簡単に解説】アセスメントとは?ビジネス、人事への活用方法

アセスメントととは数値などを用いて客観的な評価を行うことで、人材育成や適切な人材配置に役立ちます。ただ、活用シーンが幅広いため、ビジネスにおいても業界やジャンルによっては意味や実施方法が異なります。

本記事では、ビジネスにおけるアセスメントの意味や業界・分野別の使い方、アセスメントの現場での進め方などについて解説します。人材アセスメントにおすすめのツールも紹介しますので、効果的な評価制度の活用にぜひお役立てください。

アセスメントとは?ビジネスにおける意味

アセスメント(assessment)とは、「評価」「査定」といった意味の英単語で、人物や物事などを客観的に評価・査定することを意味します。税金や資産などに対して使われる他、ビジネスの場では、特定の人物の能力やスキルなどを評価する際に用いられます。

アセスメントは、医療や福祉、保育などさまざまな分野で活用されており、シーンごとに内容が多少異なる場合があります。とはいえ、対象物の情報を収集し、客観的な評価をするという根本の考え方は共通しています。

アセスメントが必要な理由

アセスメントがビジネスにおいて求められている理由として、各対象の評価・分析と、そのデータの有効活用を効果的に進められる点が挙げられます。各分野において必要なアセスメントを実施することで、最適な結果を得ることが可能です。また、労働災害や環境への悪影響といった企業の信頼性に関するリスクの予防にもつながります。

例えば、環境アセスメントでは土地や環境というアセスメントの対象を正しく分析することで、理想の開発が明確になります。また、医療・福祉業界では、利用者1人ひとりに合ったサービスの提供につながるでしょう。

【業界・分野別】アセスメントの目的・使い方

アセスメントは、ビジネスのさまざまなシーンで活用されており、分野によって評価対象や目的は多少異なります。ここでは、業界や分野別の代表的なアセスメントの概要を解説します。

人材アセスメント

ビジネス分野で最も広く浸透している言葉の1つが「人材アセスメント」です。人材アセスメントは、人事分野で行われるアセスメントのことで、人材1人ひとりの行動特性や資質、能力・スキルを正しく把握・評価するために行われます。

採用や昇格、管理職の選出といったアセスメントの目的を決定し、外部の評価者が客観的な項目に基づいて対象者を評価します。評価には、企業外の第三者機関による心理テストやシミュレーション、適性検査などを利用するケースがよく見られます。

アセスメントの結果を利用することで、評価担当者の主観や感情を除いた客観的な評価基準による採用や人材の選定ができます。そのため、求める人物像と採用・配属する人材のズレが減り、効率的な人材配置が進みます。同時に、採用コストの削減や離職率の改善といった効果も期待できるでしょう。

リスクアセスメント

リスクアセスメントは、安全で快適な職場づくりを目指し、労務管理や職場環境の改善を目的として行われます。職場における危険性や有害性を事前に分析し、事故やトラブルを除去・低減させる対策の検討や導入に役立ちます。

具体的には、リスクの重篤度や発生頻度を測定し、発生の可能性を組み合わせてリスクの見積もりを行います。そして優先順位をつけ、効果的な対策や手段を実施します。

現在、リスクアセスメントは、製造業や建設業をはじめ、さまざまな業界で取り入れられています。現場で考えられるすべてのリスクを網羅することは非現実的ですが、複数人で実施しながら多角的にリスクを評価し、精度を高めることは可能です。

環境アセスメント

環境アセスメントは、開発事業が環境に与える影響を評価する指標で、環境保護に配慮した開発事業を行うために用いられます。環境影響評価や「アセス」などとも呼ばれます。

道路や河川、発電所など大規模な開発事業の際には、自然に対する影響を評価し、自然破壊や公害を起こさないよう配慮する必要があります。事業者は、開発により影響が及ぶ可能性のある地域住民や自治体などからも意見を聞き、専門家の意見も交えるなど、相互協力の元で事業内容を検討することが重要です。

看護アセスメント

看護アセスメントは、患者にあった看護計画の策定や実施を目的として行います。患者の状態に関する情報を集め、分析・評価することで問題箇所が明確化されるため、必要な処置やサービスを見極めることが可能です。

看護アセスメントでは、「SOAP」と呼ばれる看護記録手法などのプロセスが用いられます。医療や看護におけるアセスメントでは、患者の異常を発見することも重要であり、正常な状態を把握しておく必要があります。

日常的に患者の様子を観察することで、状態の変化を素早く察知でき、早期対処につながります。

介護・福祉アセスメント

介護・福祉アセスメントは、介護対象者の情報を収集し、要望や課題を明確にすることで、必要な処置やサービスを見極めるために行われます。問題を客観的かつ的確に把握することで、症状の進行を回避できます。

看護アセスメントと同様に、介護や福祉の現場でも患者の主観的情報と、血圧や体温などの客観的情報の両方を把握する必要があります。そこで、患者の情報に基づく問題の分析と計画実施、結果の見直しまでを効率的に行える介護アセスメントが有用です。

また、アセスメントは、対象者の状態や要望から適切なケアプランを作成する際にも役立ちます。情報はアセスメントシートとして書面化し、現場スタッフなど関係者全員で共有されます。

アセスメントシート

アセスメントシートは、介護・福祉アセスメントにおけるケアプランを作成する際に必要な重要書類です。シートには、ケアマネージャーが対象者と家族にヒアリングを行い、日常生活での身体的・心理的な状況を記録します。

介護・福祉などの現場では現状をしっかりと把握し、客観的に評価することが求められています。アセスメントシートを利用することで、求められるサービスを確実に提供することにつながります。

政策アセスメント

政策アセスメントとは、新しい政策の企画立案について、設定目標に対する必要性や効率性、有効性などの観点から評価する指標です。対象となるのは、予算や税制、財政投融資の他、既存政策の見直しなどが含まれます。

政策アセスメントの実施により、政策の意図や効果を事前に予測し、国民への企画立案のプロセスを明確化します。また、無駄なコストの発見と削減にもつながります。

保育アセスメント

保育アセスメントは、子どもたちの発達状況を全体的に把握し、指導計画や個別計画を立てるために行われます。保護者や先生が子どもの発達の状況や課題を共有し、適切な支援を行うことを目的としています。

また、子どもの状況を家庭や保育所、地域で共有し合い、接し方を考える際にも役立ちます。保育アセスメントにおいてもアセスメントシートに必要な情報を記録しますが、項目になくても気になる点はすべて記入することが大切です。

心理アセスメント

心理アセスメントは、カウンセリングや心のケアが必要な対象者がどのような状況にあるのかを把握し、適切な処方を判断するために行います。

パニック障害やうつ病などの症状から日常生活における不安や悩みまで、心理的な不調や強いストレスがある場合に、面接や心理検査、観察などによって診察します。心理アセスメントの評価では、健康的な側面や行動特性、性格などを含めた総合的な理解が重要視されます。

ライフサイクルアセスメント

ライフサイクルアセスメント(LCA/Life Cycle Assessment)とは、製品やサービスにおける生産・消費などのライフサイクル全体、または特定の段階における環境負荷を定量的に評価するものです。環境問題に対する意識が高まっている現在、特に注目を集めています。

ライフサイクルアセスメントを通して、原料調達から廃棄・リサイクルまでの総合的な環境負荷を評価でき、環境に配慮した商品の検討に役立ちます。新しい商品開発はもちろん、既存商品の製造プロセスの見直しにもつながります。

アセスメントの進め方

アセスメントの種類と概要について押さえたところで、ここからは実際にアセスメントを進める基本プロセスを順番に解説します。

【アセスメントを進める基本プロセス】

  1. 情報収集
  2. 仮説の立案
  3. 計画の策定、実行
  4. 評価

1.情報収集

まずは、アセスメントの対象に関する情報を収集します。数値などの客観的データや適性検査の結果などあらゆる角度から客観的な情報を集めます。現状に加えて今に至るまでの経緯などももれなく取得して整理します。

また、周辺へのヒアリング調査も客観的な意見を得る上で欠かせません。多くの情報をもれなく集め、対象に関する解像度を上げていきます。

2.仮説の立案

集めた情報をもとに、現在起こっていることの原因がどこにあるのかを分析し、仮説を立てます。現状から今後起こりうることを推測し、対策や行動を考えていきます。

人材アセスメントであれば人事や採用の現状、環境アセスメントであれば自社のビジネスが環境に与える影響など、それぞれの評価の要因から仮説をまとめましょう。

3.計画の策定、実行

立てた仮説を元に計画を策定し、実行に移します。アセスメントを効果的に役立てるためには、客観的な事実に基づいた計画を着実に進めることが大切です。

人事評価・採用活動や労災リスクの解消へつなげるために、アセスメントによって達成したいゴールを定め、誰がいつどこで何を行うのか、など具体的な計画を作成しましょう。

4.評価

実行した計画に対して、評価を行います。丁寧に結果をチェックすることにより、効果的なアセスメントにつながります。

また、アセスメントは一度行って終わるのではなく、結果の分析と改善を繰り返しながら継続的に行うことが大切です。

人材アセスメントを導入するメリット

人材アセスメントは、企業における人材採用や適切な人材配置に役立つ手法です。ここで、人材アセスメントの導入によって期待できる主な3つのメリットについて解説します。

採用時のミスマッチを減らせる

人材アセスメントにより、自社との相性をより的確に判断できるようになり、採用時のミスマッチを減らす効果が期待できます。採用面接では、面接での印象や人事担当者の主観が影響し、入社後のミスマッチの原因となる場合があります。

また、適性検査や試験によりあらかじめ採用候補者のスキルや潜在能力を把握するため、直感や先入観による判断を回避できます。評価基準が明確で、客観的な視点を持って採用を効率的に進めることが可能です。

「面接では意欲的で好印象だったのに、入社後に予想と異なっていて早期に退職してしまった」という事態を未然に防げるため、定着率の向上にもつながります。

適切な人材配置ができる

人員不足の部署への異動や新規プロジェクトの立ち上げなどで、人材の配置転換を行う際にも人材アセスメントが役立ちます。社員のスキルや能力を正確に把握できるため、どの社員をどの部署やプロジェクトに配属させ、何の業務を任せるかをスムーズに決定できます。

マネージャーや管理職の主観で判断しようとすると先入観が入ってしまい、公平で適切な評価ができない可能性があります。能力を発揮できない部署やプロジェクトに配置されると、貢献できるまでに時間がかかる場合も考えられます。

人材アセスメントでは、客観的に個人の潜在能力やスキルを把握・分析するため、納得感の高い人材配置が実現します。適切な人材配置により、生産性の向上だけでなく、社員のモチベーション維持にもつながるでしょう。

管理職候補者を選出できる

人材アセスメントを活用することで、客観的かつ総合的な評価を通して管理職の候補者を選出できます。主観に頼った人事評価のみで昇進や昇格を決める場合、ミスマッチを生むリスクがあります。

成績の良い社員が管理職候補になるケースはよくありますが、実務のスキルとマネジメントの適性は別であり、必ずしもリーダーに相応しいとは限りません。人材アセスメントを用いることで、マネジメントの素質や適正のある人材を発掘でき、昇進や昇格の意志決定がスムーズに進みます。

現場に適したリーダーが選出されれば、本人や周囲の社員のモチベーション向上、さらには企業全体における業績向上といった効果も期待できます。

人材アセスメントに活用できるツール

人材アセスメントを現場で有効活用する上で、ツールの利用は不可欠です。ここでは、人材アセスメントに活用できる4つのツールを紹介します。アセスメントの導入検討にお役立てください。

インタビュー・面接

採用や異動の際にインタビューや面接を行い、対象者から直接ヒアリングすることで、対象者の価値観や行動基準を判断できます。また、新しいツールの導入が不要で手軽に始められるというメリットもあります。

ただ、担当者の主観に偏ってしまうリスクがある上、インタビューや面接を受ける側も良く見せようと表現を変えてしまう可能性があります。アセスメントで最も重要である客観的な判断を行うためにも、他の方法やツールとの併用も検討すると良いでしょう。

アセスメント研修

アセスメント研修とは、実際の業務時と同じ状況の中で対象者を観察するものです。アセッサーと呼ばれる担当者が第三者の視点から、参加者の研修における対応を軸に、対象者の能力や適性に関する判定項目を評価します。

日々の業務と似た状況下で観察・評価することで、対象者の職務スキルや考え方、勤務姿勢を見極めることができます。専門家を交えることも可能で、マネージャーや管理職の候補選定にも役立つでしょう。

適性検査

適性検査は、対象者の知的な能力や性格、興味・関心などを確認するツールです。テスト形式のため、スキルやパーソナリティといったものを定量的に測定して共有できます。異動や採用の際に用いられることもあります。

就職やビジネスに関するものは多数あり、はい・いいえで答えるノーマティブ方式や、選択方式などさまざまです。代表的なものにはリクルートマネジメントソリューションズ社のNMAT(管理者適性検査)やJMAT(中堅社員適性検査)、サイダスの「CYDASアセスメント」などがあります。

また、退職した社員の適性検査のデータを分析し、早期退職の原因を把握し改善のヒントを取得する、といった使い方もできるでしょう。

多面評価(360度評価)

多面評価(360度評価)は、対象者と仕事上でつながりのある人に、対象者の業務能力や人物像などを評価してもらう方法です。上司や同僚、取引先の人など複数の社員がそれぞれの視点で評価を行うことで、自己評価とのギャップを把握できます。

また、対象者にとっては幅広い立場の人から評価を受けることで、納得感を得られる上、自分の強みや改善すべき課題を再認識できる点も特徴です。

ただ、普段から対象者と密接な関係にある人が評価するため、評価側の主観や感情が反映されやすいというデメリットもあります。また、評価を気にするあまり、対象者のデメリット面を伝えづらくなるなどのリスクも考えられます。

客観的な意見をすべて引き出せるわけではないため、他のツールと併用すると良いでしょう。

まとめ

アセスメントは、客観的な評価や分析により対象に関する理解を深め、より最適な方法を見つけるための手法です。業界や分野ごとにさまざまなアセスメントがあり、リスク回避や成果の最大化といった目的に応じて活用されています。

人材アセスメントは、企業における人材採用や適切な配置を考える際に有用です。人材の適性や業務能力を客観的に把握できるため、管理職や上司の主観による影響を受けずに理想とする人材の採用や異動につながります。

アセスメントの導入と運用には、ツールの活用が必須です。CYDAS(サイダス)は、「働きがいをつくる」という視点で作られたタレントマネジメントツールです。スキルや実績だけでなく、人間性やキャリアプランなどの総合的な情報を一元管理でき、効率的な組織構築に役立つ機能も充実しています。まずは下記よりお気軽にお問い合わせください。

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