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2023.2.3

人事システムとは?導入目的や選定のポイント・注目の機能など詳しく解説

社員に関する膨大なデータを取り扱うため、人事管理に関する業務に悩みを持つ企業は少なくありません。人事労務担当者にとって人事システムは気になる存在でしょう。

しかし、人事システムの種類はさまざまです。詳細を知らずに選んでしまうと失敗するのではないかと不安になり、導入することにためらいを覚える方もいるのではないでしょうか。

本記事では、人事システムの導入目的や得られるメリット、人事システムを選ぶときの比較ポイントについて解説します。人事システムの導入を検討中の方や自社に適したシステムを探している方は、ぜひ参考にしてください。

サイダス社が提供する「CYDAS」は、「働きがい」を生み出すメカニズムが詰まったタレントマネジメントシステムです。人材情報を一元化し、目標管理や1on1、フィードバック機能など、さまざまな機能を組み合わせてサイクルを回すことで、一人ひとりのワークエンゲージメントを高め、組織を強くします。

人事システムとは

人事システムとは、社内の経歴や人事評価、スキルなど、社員一人ひとりの人事情報を一元管理できるITシステムのことです。

そもそも、人材は企業にとって重要な資産の一つであり、社員次第で業績が決まるといっても過言ではありません。企業側は、社員が高いモチベーションを維持しながら業務に携われるよう、適切な人材配置、公平性のある人事評価を行うことが大切です。人事システムを導入することで、社員を適切に管理し活用するのに役立てられます。

また、従来までは社員数が多い大規模企業が運用するイメージが大きかった人事システムですが、中小企業でも広く運用されるようになりました。その背景として、クラウドサービスの人事システムが多数登場し、以前に比べて導入しやすくなったことが挙げられます。

中小企業こそ、社員の管理やマネジメントに失敗すると企業が終わってしまうリスクがあるため、大企業以上に人事システムの重要性が見直されていると言えるでしょう。なお、人事管理については「人事管理とは?労務管理との違いや活用できるシステムを紹介」で詳しく解説しています。

人事システムの主な目的と種類

人事システムを導入する目的には、「人事労務の効率化」「人事評価業務の精度向上」などが挙げられます。

人事システムにはさまざまな種類があるため、それぞれの目的に合わせた種類を選ぶことが大切です。それぞれの目的に適した人事システムの種類を以下で紹介します。

人事労務手続きを効率的に行う

入社時の雇用保険・社会保険の加入手続きや、年末調整・給与計算など、人事労務に関する手続きは企業の規模に関係なく必ず発生します。

人事労務手続きの負担を軽減したいなら、労働時間管理や給与管理、職務情報など、労務や総務などのあらゆる手続きを電子化できる人事労務システムがおすすめです。

勤怠管理や給与業務などが自動化されるため、作業の負担を軽減しつつ、人為的なミスを防げます。

また、外部の勤怠・給与システムとスムーズに連携できるシステムを選ぶことで、社員の入社や退社のたびに更新作業を行わなければならないといった課題解決にもつながります。

人事情報を一元化する

企業の規模が大きくなると社員数も増えるため、一人ひとりの人事情報を管理するのは容易ではありません。人事システムの目的として、人事情報を一元化することも挙げられます。

人事システムを活用すれば、社員一人ひとりの勤怠管理や異動・配属など多くの情報が管理しやすくなり、人事に関する業務を効率化できるでしょう。

とくに、採用や異動が多くなる時期は業務が集中するため、人事システムがあることで負担を軽減できるのは大きなポイントです。

なお、人事情報を一元化できるシステムは下記のような企業にとくにおすすめです。

  • 人材の情報をエクセルで管理しているが、そろそろ限界を感じている
  • 人事異動のたびの変更や更新の作業に追われる
  • 契約社員を多く雇用しているため、更新手続きが業務に大きな負担をかけている

タレントマネジメントを行う

タレントマネジメントとは、社員のスキルや経歴などを最大限に活かせるよう、戦略的な人材配置や育成を行う人材マネジメントのことです。タレントマネジメントをスムーズに実現したい場合は、人事評価に特化したシステムを選ぶと良いでしょう。

本来の人事評価の流れは、目標を設定し社員が自己評価をつけた後、上司が評価してフィードバックを行うというものです。

人事評価に特化したシステムを導入すれば、この一連の流れをシステム上で完結できるため効率良く行えます。

システムによっては、ワークフロー機能によって人事評価の進行状況が可視化できるものもあるため、誰のところでストップしているのか、どこまで進んでいるかなどの進捗状況も分かります。

人事システム導入のメリット

人事システムを導入すると次のようなメリットが得られます。

【人事システム導入のメリット】

  • 人事労務にかかる業務を効率化できる
  • 人為的なミスを減らせる
  • 客観的な人事評価ができる
  • 企業に必要な人材像を明確にできる

それぞれの内容について詳しく解説します。

人事労務にかかる業務を効率化できる

前述のとおり、規模を問わず多くの企業で人事システムが導入されているのは、人事や労務に関する業務を効率化できるからです。

人事システムを導入すると、勤怠管理や労務管理などの業務がデジタル処理でできるようになるため、それぞれの場所や部門で情報を共有しやすくなります。

確認や承認がスムーズに行われるようになったり、人事資料のやり取りに費やす時間が減ったりするため、人事労務にかかる負担の軽減につながるのです。

人為的なミスを減らせる

人事労務の業務には、勤怠管理や給与計算、社会保険の手続きなどがあります。これらは数字や法律などが関わる煩雑な業務です。

紙やエクセルを使用した従来型の管理方法では、情報を変更する際に転記ミスが生じる可能性も否定できません。

人事システムを導入することで、情報を一元化し、スムーズな活用が可能になります。入力の省力化により、人為的なミスを減らせるでしょう。

客観的な人事評価ができる

蓄積されたデータは人事評価にも役立てられます。社員一人ひとりのスキルや経歴、勤怠管理などのデータをもとに主観的ではなく客観的な評価が可能です。

データに基づく評価により、個人の主観的な評価や、評価者によって方法が異なることを避けられるため公平性を保てます。公平な評価により、評価に対する不平不満が生まれにくくなるでしょう。

また、評価基準を社員に共有することで評価を挙げるために必要なことが可視化でき、社員のモチベーション向上につながります。

企業に必要な人材像を明確にできる

人事システムは採用活動においても役立ちます。採用活動では、「今必要とする人材像」や「不足している人材像」を明確にすることが大切です。ここがあやふやになると、どんな人物を採用すれば良いのか分からず最適な人材を見極められません。

人事システムの中には、蓄積したデータをさまざまな角度から分析する機能を備えたものもあります。人事情報を分析することで、「企業が求める人材」「戦力となる人材」が明確になり、効果的な採用活動へとつなげられます。

人事システム選定の比較ポイント

人事システムを選ぶときのポイントは、以下の6つです。

【人事システムを選ぶポイント6つ】

  • 対応できる業務範囲は適切か
  • 導入・運用費用は適切か
  • 既存ツールや外部ツールとの連携は可能か
  • 機能性や操作性は最適か
  • 自社に合った提供形態か
  • サポート体制は万全か

それぞれの内容について詳しく解説します。

対応できる業務範囲は適切か

人事労務に関する手続き業務は、雇用契約や社会保険の手続き、年末調整など多種多様です。

対応できる業務範囲は人事システムによって異なるため、適当に選んでしまえば、「あの手続きを進めたいのに対応していなかった」となり得るため注意が必要です。

近年は、マイナンバーの収集や管理ができるシステムも増えています。マイナンバーは、雇用または退職手続きを行うとき、源泉徴収票や支払調書を発行するとき、社会保険に関する手続きを行うときに必要なものです。

企業が徹底的に管理するよう義務付けられているため、マイナンバーに対応しているかどうかも選定のポイントになるでしょう。

導入・運用費用は適切か

費用は人事システムによって異なります。多くの場合、社員数による従量課金制を採用していますが、中には「社員○人まではいくら」と、柔軟な料金体系を採用しているものもあります。

費用面に関しては、導入だけでなく運用コストもかかるため、負担になり過ぎないようにしなければいけません。事前に見積りを取ったり、シミュレーションしたりするなど、自社に適しているかどうか見極めましょう。

既存ツールや外部ツールとの連携は可能か

企業によっては、すでに勤怠・給与システムなど人事情報を管理できるシステムを導入していることも多いのではないでしょうか。勤怠や給与に関するデータを複数のシステムで管理していると労務に関する業務でしか活用ができません。

そこで、既存の勤怠・勤務データや外部ツールと連携できる人事システムがおすすめです。既存システムと連携することで、人事システムに既存データを活用できます。

どんなシステムとAPI連携・CVS対応しているのか、旧システムの機能をすべて吸収させられるのかなどを確認しておくことが大切です。

機能性や操作性は最適か

必要な情報を把握するための十分な機能を備えた人事システムを選びましょう。人事労務で管理する情報は多岐に渡ります。社員数が多い企業ほど、一人ひとりの人事情報を管理・把握するのは難しくなります。

具体的には、雇用条件や役職などカテゴリー別に把握できるシステムを選択することが大切です。クラウド上の管理で複数部門が人事情報を活用できるかどうかもポイントとなるでしょう。

自社に合った提供形態か

人事システムにはいくつかの提供形態があります。提供形態によって導入するまでの期間やコスト、導入後の保守などが変わってきます。

例えば、多くの企業で選ばれている「クラウド型」は、インターネット上のサーバーを使用し、ソフトウェアをインストールして利用する形態です。導入コストが比較的リーズナブルで、ストレージの拡張性が高いところが特徴です。

ほかにも、カスタマイズ性の高い「オンプレミス型」や「パッケージ型」があります。どの提供形態が自社に適しているのか、人事労務担当者と相談しながら決めると良いでしょう。
なお、提供形態の選び方については、「人事評価システムの導入目的やメリット・選び方を紹介|導入事例付」で詳しく解説しています。

サポート体制は万全か

人事システムでは社員の個人情報を管理するため、万が一トラブルが発生したときは迅速な対応が必要です。いざというときに、スムーズに対応し親身になってサポートしてくれるシステムなら安心して活用できます。

また、設定や使用方法などシステムを運用する上で確認したいことが出てくる可能性もあるでしょう。電話やメール、チャットなどのサポート手段や、休日や深夜にどこまで対応できるのかなどもチェックしておくと安心です。

人事システムで注目したい機能

人事システムの種類は多く、それぞれに特徴があります。備えている機能も異なるため、迷う方もいるでしょう。

そこで、サイダスの人事DXシステム「CYDAS(サイダス)」が搭載している注目の機能を紹介します。

人材データの蓄積・一元化

住所や電話番号などの個人情報をはじめ、社内での過去の評価やスキル、研修の受講経歴などの人材データは、エクセルや紙、さまざまなHRシステムなどに分散しやすいものです。

CYDASでは、社員一人ひとりの人材データを一元化し、見やすく管理する機能を備えています。それぞれの社員が使用でき、権限設定による閲覧や編集制限も可能です。

社員が使用していくことで自動的にデータを収集でき、変化していくデータを人事担当者の手間をかけずにアップデートできます。常にフレッシュな情報を蓄積することで人事データに関する正確な検索や分析が可能です。

MBO・コンピテンシー評価機能

あらゆる評価制度をシステム上で再現できる機能です。細かな権限や登録条件を幅広く設定できるため、自社に適した評価制度をシステム上に反映できます。

複数評価シートの設定、期間中に発生した異動に関する期間按分や繰り上げ評価の仕組みにも対応できるため、自社に合わせた柔軟な運用が可能です。

また、目標設定から評価、フィードバックまでをシステム上で完結し、社員に確認や事務作業の通知が届くため、差し戻しや入力の催促などをスムーズに行えます。

360度評価の対応

縦・横・斜めと、360度による評価を実現できる機能です。上司から部下に対する評価だけでなく、部下から上司へ、他部署の上司から上司へなど多面的な評価が行えます。

部下だけでなく、上司にも多面的な評価がフィードバックされることで、納得感と公平性のある評価を実現し、周囲からの気づきを得るきっかけづくりになります。

評価にはコメントもつけられるため、改善点などを具体的に把握することが可能です。自己評価と他社評価のギャップが大きい場合は、その理由を自己分析するのにも役立ちます。

1on1サポート

上司と部下が1対1でコミュニケーションを取る1on1を手軽で効果的に実施しながら関係の質を高められる機能です。

例えば、上司と部下との対話が促進されるよう、対話の内容が記録されるだけでなく、部下側が健康状態を示す「コンディション」を登録したり、トークテーマを事前に選んで設定したりできます。

ほかにも、目標達成と成長を加速させる「ゴール機能」、多くの部下をもつ上司をサポートする「マネジメント機能」などがあります。

効果的な1on1を実施できれば、社員の成長促進につながり、企業としては業績アップを期待できるでしょう。

人材リストの自動更新

人材リストを常に最新の状態に保つ機能です。退職予定者や異動候補者、さらに緊急時対応できる人材など、特定の条件に当てはまる人材をまとめて集約しリスト化します。

リストの内容は、システム上のデータをもとに自動更新されるので、手動で変更したり削除したりする必要がありません。また、人為的なミスを防げるため、人材リストに関わる業務の手間を大幅に減らせます。

人材検索モバイルアプリ

スマートフォンから人材情報を調べられる機能です。社員の人材情報検索に特化しています。

例えば、移動中に人員の再配置が必要になったとき、スマートフォンがあればスキルや経験から適切な人材を簡単に見つけ出せます。

すぐに最適な配置を組めるよう、アプリには余分な機能は入れず、あえてシンプルなつくりにしているところもポイントです。

ISO対応ダッシュボード

「ISO30414」に対応した指標で、組織の状態を可視化できるダッシュボートです。

そもそも、ISO30414とはISO(国際標準化機構)が制定した「社内外に対する人的資本の情報開示のガイドライン」のことです。

ISO対応ダッシュボードがあることでISO30414に則った人的資本の情報開示に対応できるため、人的資本経営の実現が可能になります。

人事システムの導入を組織の成長につなげるCYDAS

人事システムを運用することで、社員の経歴や人事評価、スキルなど、一人ひとりの人事情報を一元管理できるようになります。人事労務における業務を効率化できるのはもちろん、人為的なミスを減らしたり、客観的な人事評価ができたりなどの効果が期待できます。

ただし、人事システムにはさまざまな種類があるため、慎重に選ぶことが大切です。CYDASは人事システムに役立つ機能を多数備えているため、多くの企業とマッチしやすくなっています。

「バラバラな人材データを一元化して業務効率化につなげたい」「納得感のある人事評価を導入したい」という方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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