2023.2.17
目標管理ツールは無料で使える?おすすめの企業・個人向けアプリの比較方法や選び方・導入目的を解説
目標管理ツールには、情報収集機能や評価機能、コミュニケーション機能などが搭載されており、管理業務の工数削減に役立ちます。しかし、目標管理ツールを検討している担当者の中には「目標管理制度の効果が出ているか客観視できない」「目標管理ツールで何ができるか機能を知りたい」と考えている方も、多いのではないでしょうか。
本記事では目標管理ツールを企業向けと個人向けに分け、機能と特徴を紹介します。さらに、目標管理ツールの導入目的や、ツールの選び方を取り上げているので、自社に適したシステムを選ぶ際の手がかりにしてみてください。
目次
目標管理ツールとは?
目標管理ツールとは、目標管理に付随する情報を一元管理するシステムのことです。目標管理ツールは、企業で導入する目標管理ツールと、個人向けの目標管理ツールの2種類に大別でき、企業向けのツールは、「目標管理システム」と呼ばれることもあります。
企業向けの目標管理ツールは、目標管理のデータを収集・管理して、人事部の業務効率を向上させ、人事制度を円滑に運用するために導入されます。
一方、個人向けの目標管理ツールは「目標管理」そのものではなく、タスク管理やプロジェクト管理をメインにした仕様であるケースが多いです。
目標管理システムについては、こちらの記事も参考にしてください。
目標管理ツールの機能一覧と特徴
紙やExcelで目標管理シートを配布するやり方では、抜け漏れが発生したり、情報が共有しにくかったりという課題がありました。情報を正確に管理し人事担当者や管理職の負担を減らすためには、目標管理ツールの導入が有効です。
本章では、企業向けと個人向けに分け、目標管理ツールの代表的な機能・特徴を解説します。
企業向けの目標管理ツール|機能・特徴
企業向け目標管理ツールが提供する機能は主に、下記の5つです。
- データの一元管理
- データの集計自動化、分析
- 権限設定
- 帳票の入出力、システム連携
- コミュニケーション機能
データの一元管理とは、面談の記録や評価のプロセスなど、目標管理に関連する情報を社員データに紐づけ、管理することを指します。クラウドの目標管理ツールであれば誰でも場所・時間を問わずアクセスでき、情報を瞬時に確認できるのが特徴です。
収集した膨大な情報は、システムが自動でデータ化し分析します。入力ミスや計算方法を間違えるといった人的ミスを減らすことができ、業務負担の削減が可能です。
機密事項や閲覧範囲を制限したい場合は、権限設定を操作すれば簡単に閲覧者を限定できます。管理しているデータをもとに帳票を作成し、PDFやCSVなど好みの出力形式を選べるのも、目標管理ツールの魅力です。帳票に記載したい項目を選択し、アレンジも自由自在です。
ほかにも、アンケート機能や掲示板機能といったコミュニケーション機能、社内SNS、1on1、フィードバック、適性検査、採用管理機能を搭載しているものもあります。
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個人向けの目標管理ツール|機能・特徴
個人向けの目標管理ツールは、前述した通り、「タスク管理」「プロジェクト管理」をメイン機能として提供されています。個人向けツールの基本的な機能を以下にまとめました。
- タスク・ToDo管理
- チャット機能
- 習慣管理機能
- ガントチャート作成機能
- プロジェクト管理機能
個人向け目標管理ツールは、メモ帳のように使えるもの、シンプルなToDoリスト形式、Trelloのようにチーム(複数人)でタスク管理を行えるなどさまざまです。
企業向けとは違い、情報収集やデータ管理に必要な基本機能は搭載されていない傾向にありますが、無料で使え、ほどんどのツールはスマホやタブレットといったマルチデバイスに対応しています。
タスク・ToDo管理やプロジェクト管理機能はチャットのように情報が流れにくく、チームメンバーへ迅速に情報共有できる点が大きな魅力です。
目標管理ツールの導入目的
前章では、クラウドシステムでどのような情報を管理できるのか、機能面について説明しました。個人向けのツールはToDo管理や習慣管理など、使える機能は多岐にわたります。便利な目標管理ツールですが、やみくもに導入しても期待している効果は得られにくいでしょう。目標管理ツールを有効活用するには、導入目的を持って、必要としているシステムを正しく選定することがポイントです。
目標管理ツールを導入する目的を改めて確認し、どのような課題を持った企業が使うべきか、具体的なイメージをつかんでください。
目標管理制度の運用を後押しする
目標管理ツールは目標達成の精度を高め、制度運用をスムーズにする効果があります。紙やExcelといったアナログ管理では、目標達成の進捗度合が把握しづらく、運用がしづらいといった課題が浮上しやすいです。その点、目標管理ツールは、目標達成の進捗をはじめ、成果や上司からのフィードバックといった情報が集約され、制度運用そのものを後押しします。
目標管理の工数を減らすことで、マネージャー層の業務の負荷が改善され、本来のマネジメント業務に集中しやすくなります。
人事評価を適切に行う
目標管理ツールの情報を活用してチームや個人のデータを相対的に評価し、適切な人事評価制度の実施を可能にします。目標管理ツールは一人ひとりのスキルや資格、実績などをグラフで可視化するので、ほかの社員との比較が容易です。紙の資料を突き合わせて情報を比べる手間や、評価担当者の主観で評価するリスクを排除でき、納得感のある評価を実現します。
目標管理制度が上手く機能していない場合は、アンケート機能の活用が有効です。目標管理制度に関する社員の意見を吸い上げられ、課題発見に役立つでしょう。
社員のモチベーションを高める
目標管理ツールは、社員一人ひとりの目標達成を後押しし、モチベーションアップを促します。目標達成の状況が一目で確認できるので、つまずいている社員を上司が適宜フォローし、目標達成に近づけられます。目標管理ツールには1on1機能やコミュニケーション機能があり、上司から部下への素早いフィードバックやフォローが可能です。
時間が経過してからフィードバックを行っても、部下は「なぜすぐに言ってくれなかったのか」と不満を感じやすいでしょう。
速やかなフィードバックによって、社員のモチベーションを向上させることが、目標管理ツールを導入する目的の1つです。
タスク漏れを防ぎスムーズに業務進行する
個人が目標管理ツールを導入する主な目的は、タスク管理や、漏れの防止、また目標達成をスムーズにするための進捗管理です。タスク管理をして優先順位を明確にし、業務内容の全体像が分かれば、業務の効率が良くなります。
プロジェクトを成功させるには、タスクを洗い出してリスト化し、1つ1つ正確に遂行することが重要です。目標管理ツールのタスク管理機能は、プロジェクトを最短ルートで成功へ導くでしょう。
ほかのメンバーの業務状況などを把握して、チームや個人の業務がスムーズに行えるよう、調整しやすくなるのも、目標管理ツールの魅力と言えます。
目標管理ツールの選び方:おすすめの比較方法
目標管理ツールを選ぶポイントは、大きく分けて次の3つです。
- クラウド型かオンプレミス型か
- ITに強くない社員でも使えるか
- カスタマイズできるか
オンプレミス型はソフトウェアや回線を自社内に設置し、システム構築・運用を行うことを指します。初期費用が高い反面、カスタマイズしやすく、セキュリティの安全性が高いのが特徴です。
目標管理ツールを選ぶときは、ツールの形態や使いやすさ、カスタマイズの自由度などが重要視されますが、ほかにも着目すべきポイントはあるのでしょうか。
本章では、目標管理ツールを選定するポイントを、補足的に説明しています。
導入目的を達成できそうか
目標管理ツールがなぜ必要なのか、目的意識を明確にして導入しましょう。目標管理ツールは業務効率化や適切な人事評価制度の実施に役立ちます。ツールの効果を最大限引き出すには、自社が抱える課題に目星をつけ、改善に寄与するシステムを選定しなければなりません。例えば、社員の能力を伸ばして目標達成の支援を優先したい場合は、目標達成に特化したものを選びます。もし、データの収集や人事評価制度の運用をメインにしたいのであれば、人事制度の運用に強いシステムを選ぶ必要があります。
導入目的を達成するためにも、まずはどの業務が担当者の負担になっているのか、目標管理制度の状況などを、洗い出すことからはじめましょう。
自社の目標管理制度と合っているか
目標管理ツールを導入し、いざ運用を開始してみると、「目標管理制度のみ」や「人事評価制度のみ」にしか対応していないケースがあります。自社のニーズを満たす機能が搭載されているか、パンフレットや無料のデモを活用し、事前に確認しましょう。
また、現時点で取り入れている目標管理制度だけでなく、今後社内で取り入れる可能性のある制度にも対応しているか、チェックするのもポイントです。一度システムを導入すると、簡単には乗り換えられません。目標管理制度には大きく分けて、OKRとMBOの2つがあり、どちらのフレームワークに対応しているシステムなのか、把握しておきましょう。
MBO
代表的な目標管理制度の1つに、MBO(Management By Objectives)があります。1954年に、「マネジメントの父」と呼ばれるピーター・ドラッカーが著書で提唱した概念です。
MBOは個人・チームごとに目標を決め、達成したか否かではなく、「達成度合い」に着目します。個人の目標を組織戦略と連動させ、目標管理制度の結果は人事考課や賃金制度にも反映させます。
OKR
OKR(Objectives and Key Results)は組織の目標と社員の目標をリンクさせ、評価するマネジメント手法のことです。OKRの特徴は、達成率が60~70%となるような目標設定をする点にあります。組織のビジョンや理念を個人の目標にも関連づけるので、企業が目指している方向を社員に明示でき、社員も企業からどのような成果を期待されているのか理解を深められます。
既存ツールとの親和性・互換性
目標管理ツールを検討するときは、すでに導入しているシステムとの相性や連携についても確認しましょう。人事システム、業務ツール、チャットツールなどと親和性はあるか、互換性が高いかなどを調べてください。API連携ができないと、データを出力し、別のシステムにインポートして反映させるといった工数が発生し、業務負担を増やす原因になります。
現状のシステムや企業のフローにマッチしているものを選ぶことが、システム導入を成功へ一歩近づけます。
対象人数やコストパフォーマンス
目標管理ツールの月額利用料は、使用するプランにもよりますが、社員数で決定されるのが一般的です。ツールによって、1人専用、~2人の少人数向け、チームプロジェクト向け、中小企業、大企業向けなどさまざまです。機能も目標管理のみのものや採用、人事評価を兼ね備えているツールもあります。企業規模の目安や機能に対し、費用対効果がどの程度なのか、試算すると良いでしょう。
料金は、1人あたり数百円のものから30人まで数万円、といった形で、提供企業により大きく変動します。
全ての機能を使いこなせそうか
多機能のものを導入し、使いきれず費用が割高になってしまうケースは珍しくありません。細分化された高機能なシステムがいくつもリリースされ、多機能なものを選びたいと考える経営者・人事担当者も多いと思います。しかし、機能が多ければ多いほど画面上に表示されるボタンが増え、かえって操作しづらいです。操作を覚えなくてはならず、社員の負担にもつながります。
自社に必要な機能をリストアップし、親和性や互換性なども視野に入れ、優先順位をつけてシステムを選定してください。
サービスサポートは充実しているか
システムを選ぶ上で、非常に重要となるのがサポート体制です。企業によってサポート方法は異なるため、対応方法や電話のつながりやすさなど情報収集しておくと良いでしょう。対応方法は、電話、メール、チャットのところが多いですが、近年では電話による問い合わせに対応していないケースもあります。
電話対応していても、つながるまでに20~30分かかるサポートセンターもあるので、カスタマーサポートの口コミを調べてみるのもおすすめです。導入直後は初期設定で運用開始までに準備を要します。スムーズな運用へつなげるためにも、サービスサポートの内容や利便性は必ず事前に調べましょう。
スマホ・アプリ対応はできるか
在宅勤務者が増えており、スマホやアプリからアクセスできる目標管理ツールの需要が高まっています。個人向けのツールはほとんどがマルチデバイスに対応しており、出社しなくても簡単にアクセス可能です。
公共の場で目標管理ツールにアクセスする場合は、個人情報の漏洩リスクに十分注意しましょう。席を立つときはパソコンを持って行くか画面ロックし、フリーWi-Fiに接続しないなど、注意喚起が必要です。
目標管理ツールに関する質問
これまで、目標管理ツールの機能や導入目的、選び方のコツなどをお伝えしました。目標管理を正しく行えば、社員の能力を引き出し、結果的に組織の成長につながるでしょう。
本書では、目標管理ツールの導入にあたり、疑問の声が上がる項目を複数ピックアップし、ご紹介します。
Q1.目標管理は時代遅れですか?
目標管理は時代遅れではありません。目標管理制度が機能していない理由として、「目標管理は時代遅れ」と言う人がいます。目標管理の制度ではなく、目標の設定方法や社員からの理解が十分ではないかもしれません。制度が古いと決めつける前に、なぜ制度が機能していないのか、どこに問題があるのか突き止めましょう。
Q2.目標管理シートとは何ですか?
目標管理の進捗や達成のプロセスを管理するためのシートで、Excel、スプレッドシートで作成したものが社員に配布されるのが一般的です。シートには、目標項目、評価基準、達成期限、計画、などを記載し、結果とフィードバックもあわせて入力します。
社員一人ひとりのシートを回収して、集計する必要があるので、目標管理ツールよりマネージャー層や人事担当者の負担が増大しやすい傾向にあります。
Q3.目標管理ツールを使うメリットは何ですか?
目標管理ツールのメリットは、目標管理シートで必要だった配布・回収といった工数が削減できる点です。自動集計で収集したデータはグラフや帳票に落とし込むことができ、会議や人事考課の資料として活用できるのも、システムを導入するメリットと言えます。
Excelはファイル数が増え、最新のファイルがどれか見失いやすく、管理が煩雑でした。システムであれば常に情報が上書きされ、機能によっては編集記録も残せるため、管理も容易になります。
Q4.無料の目標管理ツールはありますか?
目標管理ツールは、無料のトライアル期間を設けているケースがあるので、気になるシステムがあれば複数トライアルを申し込み、比較してみるのをおすすめします。特に個人向けのツールは無料のものが多いです。
無料期間中は機能や人数が制限されており、有料プランに乗り変えるとアップグレードされるのが一般的です。
操作性の悪いシステムは社員の負荷になり、モチベーションを下げるリスクがあります。初期費用が数十万にのぼるシステムもあるため、導入前に試せるかは必ずチェックしましょう。
成果につながる目標管理の方法が知りたい方には、こちらのガイドブックがおすすめです。無料でダウンロードできます。
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目標管理ツールは目標を達成する道具として有用ですが、自社に適したツールを選定すれば、目標管理制度の精度を高めたり、業務効率化を促進したりすることが可能です。システムを選ぶときは、無料トライアルを活用し、サポート体制の充実度も確認しましょう。
在宅ワークが増え、属人的な管理方法は通用しなくなりはじめています。紙やExcel、スプレッドシートの管理から、Web上で一元管理する方法にシフトチェンジしてはいかがでしょうか。
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